系 統 連 系 技 術 要 件
【託送供給等約款別冊】
平成29年4月1日実施
目 次
Ⅰ 総則
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1Ⅱ 発電者設備(低圧)
1 発電 設備 の種類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2 電気 方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 3 力率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 4 電圧 変動 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 5 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 6 単独 運転 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7 発電 設備 解列箇所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 8 直流 流出 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 9 電力 品質 に関する 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
Ⅲ 発電者設備(高圧)
1 電気 方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 2 力率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 3 電圧 変動 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 4 短絡電流 抑制対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 5 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 6 自 動負荷制限 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 7 単独 運転 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 8 バン ク逆 潮流の制 限 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 9 発電 設備 解列箇所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 10 線路 無電 圧確認装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 11 直流 流出 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 12 発電 機昇 圧用変圧 器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 13 電力 保安 通信設備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
14 電力 品質 に関する 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
Ⅳ 発電者設備(特別高圧)
1 電気 方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 2 力率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 3 電圧 変動 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 4 短絡 ・地 絡電流抑 制対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 5 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 6 自 動負荷制限お よび発電抑 制・増出力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 7 系統 周波 数異常防 止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 8 単独 運転 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 9 発電 設備 解列箇所 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17 10 再閉 路方 式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 11 線路 無電 圧確認装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 12 直流 流出 防止対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 13 発電 機の 過渡リア クタンス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 14 発電 機運 転制御装 置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19 15 運転 可能 周波数 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 16 発電 機昇 圧用変圧 器 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 17 中性 点接 地装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 18 電力 保安 通信設備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 19 電力 品質 に関する 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 20 系統 解析 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
Ⅴ 需要者設備(低圧)
1 力率 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 2 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
Ⅵ 需要者設備(高圧)
1 電気 方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 2 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 3 電力 保安 通信設備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 4 電力品質 に関する対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29
Ⅶ 需要者設備(特別高圧)
1 電気 方式 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 2 中性 点接 地装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 3 保護 装置 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 4 電力 保安 通信設備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 5 電力 品質 に関する 対策 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36
Ⅰ 総 則
発 電 者 の 設 備 ま た は 需 要 者 の 設 備 と 当 社 系 統 と の 連 系 に 必 要 な 技 術 要 件 は , 以下のとおりといたします。
なお,需要者が需 要場所内の発電設備を系統に連系する場合または契約者が 事業 場所内の 発電 設備を系統に 連系する 場合 は 発電者に準じるものとし,契約 者が事業場所内の負荷設備を系統に連系する場合は需要者に準じるものとしま す。
この系統 連系技術要件 の詳細につ いては,電力品質確保に係る系統連系技術 要件 ガイドラ イン ,別に定 める「系 統連系に係 る設備設計に ついて」, および その他のルール等によります。
Ⅱ 発電者設備(低圧)
1 発 電 設備 の種 類
系統に 連 系する発 電 者 の発 電設 備 は ,逆 変換 装 置 を用 いた 発 電 設備 に 限 り ます。
2 電気方式
電気方式は連系する系統と同一と していただきます。
3 力率
受電地 点の力率を ,常に 系統から 見て遅れ 85%以上とするとともに,電圧 の上昇を 防止するため に,系統か ら見て進み 力率にならな いことを原則と い たします。
4 電圧変動 対策
(1) 連系 運転中の 電圧変動
a 発電設備から系統への 潮流によって,他の低圧の需要者等の電圧が 適 正値(101±6V ,202±20V)を逸脱するおそれ がある場合 には,自動 的に電圧を調 整する対策等を実施してい ただきます。
b 発電設備の出力変動に よって,他の 需要者 等に電圧フ リッカの 影響 が 発生する おそれがある 場合には,電圧変動を 抑制する対策を実施してい ただきます。
(2) 発電 設備並解 列時の電圧 変動
a 自励式の逆変換装置を 用いる場合 には,自動的に同期が取れる機能を 有するも のを 設置して いただきま す。
b 他励式の逆変換装置を 用いる場合などで,発電設備並列時の突入電 流 等の影響で,系統の電圧が常時電圧の 10%以上低下するおそれがある場 合には, 電圧 変動を抑 制する対策 を実施してい ただきます 。
また,電圧低下が比較的長い時間継 続す る場合には,(1)aに準じた
対策を実施していただきます。
c 自 動 電 圧 調 整 器 が 設 置 さ れ て い る 配 電 線 に 発 電 設 備 を 連 系 す る 場 合 な どで,発電設 備の解列 により他の 低圧の需要者 等の電圧が 適正値(101±
6V,202±20V ) を 逸 脱 す る お そ れ が あ る 場 合 に は , 自 動 的 に 電 圧 を 調 整する 対策を実施し ていただき ます。
5 保護装置
発電者の発電設備故障時,発電者の連系 設備事故時の 系統 保護または系 統 事故時の 保護のため, 次の保護リ レーを設置していただきます。
(1) 発電 設備故障 時の系統保 護
過 電 圧 リ レ ー お よ び 不 足 電 圧 リ レ ー を 設 置 し て い た だ き ま す 。 た だ し , 発電設備自体の保護装置に より検出・保 護で きる場合 は省略できます。
(2) 系統 事 故時の保 護 a 短絡保護
連 系 さ れ た 系 統 の 短 絡 事 故 時 に 電 圧 の 異 常 低 下 を 検 出 し 解 列 す る こ とのできる不 足電圧リレーを設置してい ただきます。
b 高低圧混触事故の保護
高 低 圧 混 触 事 故 を 高 速 で 検 出 し 解 列 す る こ と の で き る 単 独 運 転 検 出 装置を設 置し ていただ きます。
(3) 連系 設備事故 時の系統保 護
短 絡 故 障 お よ び 地 絡 故 障 保 護 用 と し て , 過 電 流 保 護 機 能 付 き 漏 電 遮 断 器を設 置していただ きます。
6 単 独 運転 防止 対 策
発電者の発電設備による,当社の一部系統との単独運転を確実に防止す る ため,周波 数上昇リレ ーおよび周 波数低下リレ ーを設置し ていただ くととも に,単独運転検出装置(受動的方式と能動的方式を各々一方式以上組み合わ せたもの。)を設置していただきます。
7 発 電 設備 解列 箇 所
発電設 備を系統か ら解列す る箇 所は ,次 のいずれ かとしてい ただきます。
(1) 機械 的 な開閉 箇 所 2 箇所
(2) 機械 的 な開閉 箇 所 1 箇所と逆変換装置のゲートブロック
8 直 流 流出 防止 対 策
逆変換 装置から直 流が系統 へ流 出することを防止するために,受電地点 と 逆変換装置との間に変圧器(単巻変圧器を除く。)を 設置 していただきます。
ただし ,次の条件 を共に満 たす場合 は省 略できる 場合があり ます。
(1) 逆変 換 装置の 直 流回路が 非 接 地ま たは 高 周 波変 圧器 を 用 いる場合
(2) 逆変換装置の交流出力側に直流検出器を備え,直流検出時に交流出力を 停止する機能を持たせる場 合
9 電力品質に関する対策 (1) 高調 波 抑制対 策
発 電 設 備 ( フ ィ ル タ , 補 機 類 を 含 む 。) か ら の 高 調 波 流 出 を , 発 電 設 備 交流側定格電流に対し,総合電流歪み率 5%以下,各次電流歪み率 3%以下 に抑 制 し てい ただ き ま す。
(2) 高周 波 障害対 策
高周波電 磁障害および 伝導障害が 発生しないよう,対策を行っていただ きま す。
Ⅲ 発電者設備(高圧)
1 電気方式
電気方式は連系する系統と同一としていただきます。
2 力率
受電地点の力率を,常に系統から見て遅れ 85%以上とするとともに,電圧 の上昇を 防止するため に,系統か ら見て進み力率にならないことを原則とい たします。
3 電圧変動対策
(1) 連系運転中の電圧変動
a 発電 設備 から系統 への潮流に よって,他の 低圧の需要 者等の電 圧が 適 正値(101±6V,202±20V)を 逸脱 するおそ れがある場合には,自動的 に電圧 を調整する対 策等を実施 していた だき ます。な お,自動 的に電圧 を調整 する対策等と は,発電設 備の進相 運転 ,力率改 善用コン デンサの 制御,パワーコンディショナー(PCS)の力率一定制御あるいは静止型 無効電 力補償装置な どによる対策 となります。
b 発電設備の出 力 変動に よ って , 他の需 要 者等に 電 圧 フ リッカ の 影 響 が 発生するおそ れがある場合 には,電 圧 変 動 を 抑 制 す る 対 策 を 実 施 し て い ただきます。
(2) 発電設 備並 解列時の 電圧変動
a 同期 発電 機を用い る場合には ,制動巻線付 きのもの( 制動巻線 を有 し ている ものと同等以 上の乱調防 止効果を 有す る制動巻 線付きで ない同期 発電機 を含む。)としていただくとともに,自動同期検定装置を設置して いただ きます。
また,自励式の逆変換装置を用いる場合 には,自動 的に同期 が取れる 機能を 有するものを 設置してい ただきま す。
b 誘導発電機や他励式の逆変換装置を 用いる場合などで, 発電設備並列
時の 突入電流 等の影響 で,系統の 電圧が常時電 圧の 10%以上低 下するお それ がある場合には,電圧 変動を抑 制する対策 を実施してい ただきます 。
ま た , 電 圧 低 下 が 比 較 的 長 い時 間 継 続 す る 場 合 に は , (1)a に 準 じ た 対策を 実施していた だきます。
c 自動電圧調整器が設置されている配 電線に発電設備を連 系する場合な ど で , 発 電 設 備 の 解 列 に よ り 他 の 低 圧 の 需 要 者 等 の 電 圧 が 適 正 値 (101
±6V,202±20V) を 逸 脱 す る お そ れ が あ る 場 合 に は , 自 動 的 に 電 圧 を 調整 する対策等を実施していただきます。
4 短 絡 電流 抑制 対 策
発電設 備 の連系に よ り ,連 系さ れ る 系統 の短 絡 電 流が,当社 や 需要者 等 の しゃ断器 のしゃ断容量 等を上回る 場合は,短絡電流抑制対策を実施していた だきます。
5 保護装置
発電者の発電設備故障時,発電者の連系 設備事故時の 系統 保護または系 統 事故時の 保護のため, 次の保護リレーを設置していただきます。
(1) 発電設 備故 障時の系 統保護
過電圧 リレーおよび 不足電圧リ レーを設置し ていただ きます。 ただし,
発電設備 自体 の保護装 置により検 出・保 護できる 場合は省略 できます。
(2) 系統事故時の保護 a 短絡 保護
同期発電機を用いる場合には,連系 された系統の短絡事故を検出でき る短絡 方向リレーを 設置してい ただきま す。 誘導発電 機または 逆変換装 置を用 いる場合には ,連系され た系統の 短絡 事故時に 電圧の異 常低下を 検出し解列することのできる不足電圧リレーを設置していただきます。
b 地絡 保護
連系された系統の地絡事故を検出で きる地絡過電圧リレーを設置して いただ きます。
(3) 連系設備事故時の系統保護
短絡故障 保護用として過電流リレーを,地絡故障保護用として地絡リレ ーを設置 して いただき ます。当該 リレーが有効 に機能しな い場合に は, 地 絡方 向 リ レーを設 置 し てい ただ く こ とが あり ま す 。
6 自動負荷制限
発電者 の 発電設備 が 何 らか の理 由 で 系統から 解 列 され たこ と に より , 当 社 の配電線 や変圧器が過 負荷となる おそれがある 場合は,発 電者構内 の負荷を 自動制限 (負荷しゃ断 )していた だくことが あります。
7 単 独 運転 防止 対 策
発電者の発電設備による,当社の一部系統との単独運転を確実に防止す る ため,周波 数上昇リレ ーおよび周 波数低下リレ ーを設置し ていただ くととも に , 転 送 し ゃ 断 装 置 ま た は 単 独 運 転 検 出 機 能 ( 能 動 的 方 式 一 方 式 以 上 を 含 む。)を設 置してい ただきます。
8 バンク逆潮流の制限
発電者 の 発電設備 か ら の出 力に よ り ,当 社配 電 用 変電 所バ ン ク にお い て 逆 潮流が発生すると,電圧管理面や保護協調面で問題が生ずるおそれがあるこ とから,発 電者側で発 電出力を抑 制するなどの 措置をして いただき ます。た だし,電圧 管理面や保 護協調面で 問題が生じな いような対 策が可能 な場合は この限りではございません。
9 発 電 設備 解列 箇 所
発電設備 を系 統から解 列する箇所 は,次のいず れかとして いただき ます 。 (1) 受電用 しゃ 断器
(2) 発電設 備出 力端しゃ 断器 (3) 発電設 備連 絡用しゃ 断器 (4) 母線連 絡用 しゃ断器
なお, 逆変換装置 を用いた 発電設備 を連系する場合には,逆変換装置の ゲ
ートブロ ックを解列箇 所と見なすことのできる場合があります。
10 線路無 電圧 確認装置
線路無 電 圧確認装 置 が 連系 配電 線 の 系統 側変 電 所の電 線路 引 出 口に 設 置 さ れていな い場合には,再 閉路時の 事故防止のた め,原則と して,当 該引出口 に線路無 電圧確認装置 を設置させ ていただき ます。
なお, この場合は その費用 を発 電者側に 負担して いただきま す。
ただし ,二方式以 上の単独 運転 検出機能 (能動的 方式一方式 以上を含む。)
を設置し,それぞれが別のしゃ断器 により発 電設備を解列する場合など,条 件によっ ては線路無電 圧確認装置 の設置は不要 となります 。
11 直流流 出防 止対策
逆変換 装 置を用い て 発 電設 備を 連 系 する場合 は , 逆変 換装 置 か ら直 流 が 系 統へ流出 することを防 止するため に,必要により,受電地点と逆変換装置と の間に変 圧器(単巻変 圧器を除く。)を設置していただきます。
12 発電機 昇圧 用変圧器 (1) 定格電 圧, タップ電 圧
発電機 を接続する系 統の状況に よっては ,発 電機電圧 から配電 系統側の 電圧に昇 圧す る変圧器 の定格電圧 ,およびタッ プ電圧を指 定させて いた だ くことがあり ます。
(2) 定格容 量
発電機 の定格力率に 対応した昇 圧用変圧器の定格容量設定が必要です。
(3) インピ ーダ ンス値
連系系統 ,発電設備種別によっては,発電機並列時の電圧低下対策や短 絡電流抑 制対 策等の面 から,昇圧 用変圧器のイ ンピーダン ス値を指 定さ せ ていただくこ とがあります。
13 電力保 安通 信設備 (1) 保安通 信用 電話
発電者と 当社給電所との受電設備操作等の連絡用として,発電者構内に a,bい ずれ かの保安 通信用電話 設備の設置が 必要になり ます。
a 専用 保安通信用 電話設備を当 社にて設置 させてい ただ きます。ただし,
伝送路として電気通信事業者の専用 回線を使用する場合は,発電者側で 設置 していただきます。
b 電気 通信 事業者の 専用電話回 線を発 電者側で 設置してい ただきます。
ま た , 条 件 に よ っ て は , 一 般 加 入 電 話 ま た は 携 帯 電 話 等 を 設 置 し て い ただく ことが可能 となりま す。
(2) 給電情 報伝 送装置
当社が 系統 運用上必 要な情報 を収集する ため,テレメ ータ装置を 設置さ せていただき ます。
なお ,当社が系統運用上必要な情報とは ,以下のとおりとなります。
a 情報種別 :テレメータ
b 情報 内容 :受電地 点の有効電 力,受電地点 の電力量
14 電力品 質に 関する対 策 (1) 高調波 抑制 対策
a 発電 設備 から発生 する高調波
逆変換装置を用いた発電設備を設置す る場合には,発電設備(フィル タ,補機類 を含む。)からの高調波流出 電流を,発電設備交流側定格電流 に対し ,総 合 電流歪 み 率 5%以 下,各次 電流 歪 み 率 3%以下に抑制してい ただき ます。
b 所内負荷 ,自家消費負荷か ら発生する高調波
「Ⅵ 需要者設備(高 圧)」に準じた対策を実施 していただきます。な お,こ の場合,表 2(高調波流出電流の上限値)の契約電力は,原則と して, 負荷設備の容 量と読み替 えます。
(2) 高 周波障害対策
逆変換装置を用いた発電設備を連系す る場合には,高周波電磁障害お よび伝 導障害が発生 しないよう ,対策を 行っ ていただ きます。
(3) その 他
負荷設備を有する発電者は,「Ⅵ 需 要者設備(高圧)」に準じた対策 を実 施していただきます。
Ⅳ 発電者設備(特別高圧)
1 電気方式
電気方式は連系する系統と同一としていただきます。
2 力率
定格出 力 100MW 以 上の発電機は,定格力率を 90%,無効 電 力 調整 範囲 を
遅れ 90%~ 進 み 95%としていただきます 。ま た,定格出力 100MW 未満の発
電機の定 格力率もこれ に準じてい ただきます 。ただし,小 容量機( 定格出力 10MW 程度以下)を連系する場合で,連系する 系統の電圧 を適切に 維持でき るときには,定格力率 100%でもよいものとします。
3 電圧変動対策
発電設 備の連系に より系統 の電 圧が 適正 値を逸脱 するおそれ があるとき は , 発電者側 で自動的に電 圧を調整し ていただき ます。
a 常 時 の 受 電 地 点 の 電 圧 変 動 幅 を 2%以 内 に す る た め に , 発 電 機 に 自 動 電 圧調整 機能を付加し ていただき ます。一 定力率で 運転 する発電設備 につい ては, 力率を指定さ せていただ く場合が あります 。
b 並 解 列 時 の 受 電 地 点 の 電 圧 変 動 を 2%以 内 に す る た め に , 電 圧 変 動 抑 制 対策を 実施していた だきます。
(a) 同 期発電機を用 いる場合に は,制動巻 線付きのもの (制動巻 線を有し ている ものと同等以 上の乱調防 止効果を 有す る制動巻 線付きで ない同期 発電機 を含みます。)としていただくとともに,自動同期検定装置を設置 してい ただきます。 また,誘導 発電機を 用い る場合で あって, 並列時の 瞬時 電圧 降下 が 2%を 超 え る お そ れ が あ る と き は , 限 流 リ ア ク ト ル 等 を 設置し ていただきま す。
(b) 自 励式の逆変換 装置を用い る場合には ,自動的に同 期がとれ る機能を 有する ものとしてい ただきます 。
また,他励式の逆変換装置を用いる場 合であって,並列時の瞬時電圧
降 下 が 2%を 超 え る お そ れ があ る と き は ,限 流 リ ア ク ト ル 等 を 設 置 し て いただ きます。
22kV 系統(公称電圧。以下同様とします。)に ついては,高 圧または 低圧の需要者等に配電塔や柱上変圧器等 を介して供給しうる系統である ことから,受電地点における電圧変動がa,bで示す値以内であっても,
発電設備からの逆潮流や発電設備の脱落 等により,他の低圧の需要者等 の 電 圧 が 適 正 値(101±6V,202±20V) を 逸 脱 す る お そ れ が あ り ま す 。 このような場合には,自動的に電圧を調 整する対策や自家消費の負荷を 制限する 対策 を実施し ていただき ます。
4 短絡・地絡電流抑制対策
発電設 備 の連系に よ り ,連 系さ れ る 系統の短 絡 ・ 地絡 電流 が , 当社 や 需 要 者等のし ゃ断器のしゃ 断容量等を 上回る場合 は,短絡・地 絡電流抑 制対策を 実施していただきます。
5 保護装置
発電者の発電設備故障時,発電者の連系 設備事故時の 系統 保護または系 統 事故時の保護のため,次の保護リレーを設置していただきます。また,受電 電圧が 22kV で,当社変電所において逆潮流が生じる場合は,系統運用や保 護協調上(単独運転防止を含む。)の支障を及ぼさないような対策を実施さ せていた だきます。
(1) 発電設備故 障時の系統保護
過電圧リ レーおよび不足電圧リレーを設置していただきます。ただし,
発電設備 自体 の保護装 置により検 出・保 護できる 場合は省略 できます。
(2) 発電機 脱調 時の保護
発電機が 大容量(概ね 定格出力 300MW 以上 )の場合,または受電電圧
が 275kV 以上の場合には,発電機が脱調したときの事故波及を防止するた
め,受電 地点 に脱調分 離リレー( 発電機 昇圧用 変圧器高圧 側より発電機向 ) を設置してい ただきます。
(3) 系統事 故時 の保護 a 短絡 保護
連系する系統の保護方式に応じ,主保 護として,当社側と同じ保護リ レー( 電流差動リレ ー,方向比 較リレー ,回 線選択リ レー,環 線系統保 護リレ ー)を採用し ていただき ます。この場 合,電流 差動リレ ー,方向 比較リ レー,回線選 択リレーに ついては ,発 電者側で 設置して いただき ますが ,環線系統保 護リレーに ついては ,当 社で設置 させてい ただきま す。
なお,電流差動リレー,方向比較リレ ーについては,当社が採用する リレー と同じ仕様で 設置してい ただきます。
また,電 流差 動リレー ,方向比較 リレーおよび 環線系統保 護リレー は 後備保 護として,短 絡方向距離 リレー(また は短絡方 向リレー )を設置 してい ただきます。
ただし,連系する系統の保護方式を適 用する必要のない場合は,発電 設備の 種類に応じて 以下の保護 リレーを 設置 していた だきます 。
(a) 同期発電機を採用する場合
連系する系統 の短絡事故を 検出し,発電 設備を解列す ることのでき る短絡方向リレーを設置していただきま す。当該リ レーが有 効に機能 しな い場合は,短 絡方向距 離リレー または電流差 動リレーを 設置して いただきます。この場合,電流差動 リレーについ ては,当社 が採用す るリ レーと同じ仕 様で設置してい ただきます 。
(b) 誘 導発 電機,二 次励磁発 電機または 逆変換装置を 採用する場 合 連 系する系統の短絡事故時に,発 電電圧の異常低下を 検出し,発電
設備を解列することのできる不足電 圧リレーを設置していただきます。
b 地絡 保護
連系する系統の地絡事故を検出し,発 電設備を解列するため,電圧階 級(中 性点接地方式 )に応じて ,発電設 備の 種類に関 わらず, 次の保護 リレー を設置してい ただきます 。
(a) 受 電電 圧 154kV以下の 場合 (中性点 直接接地方 式以外)
連系する系統 の保護方式に応じ,主保護として,当社側と同じ保護 リレー(電流差動リレー,方向比較 リレー,回線選択リレー,環線系 統保護リレー)を採用していただきます。この場合,電流差動リレー,
方向比較リレー,回線選択リレーについ ては,発電 者側で設 置してい ただきますが,環線系統保護リレーにつ いては,当 社で設置 させてい ただきます。
なお,電流差 動リレー, 方向比較 リレーについ ては,当社 が採用す るリ レーと同じ仕 様で設置してい ただきます 。
また,電流差動リレー,方向比較リレ ーおよび 環線系統保護リレー は後備保護として,地絡方向リレー(または地絡過電圧リレー)を設 置していただきます。
ただし,連系する系統の保護方式を 適用する必 要のない場合は,地 絡過電圧リレーを設置していただきます 。当該リレ ーが有効 に機能し ない場合は,地絡方向リレーまたは電流 差動リレ ーを設置し ていただ きま す。
(b) 受 電電 圧 275kV以上の 場合 (中性点 直接接地方 式)
連系する系統の保護方式に応じ,主保護として,当社側と同じ保護 リレー(電流差動リレー,方向比較 リレー)を当社が採用するリレー と同じ仕様で設置していただきます 。また,後備保護として,地絡方 向距離リレーを設置してい ただきます。
c 系列 数
154kV 以下の系統へ連系する場合,系統保護リレーを 1 系 列 設置し て いた だきます。
ただし,主保護リレー不動作時に,後 備保護リレーにより電源が喪失 すると 系統に大きな 影響を及ぼ すおそれがあ る場合は ,主保護 リレーを 2系列設置していただくことがあります 。
275kV以上の系統へ連系する場合は,主保護として電流差動リレーを
2 系列設置していただきます。後備保護として短絡方向距離リレーと地
絡方向 距離リ レーを 2 系 列設置し ていただき ます。
(4) 連系設 備事 故時の系 統保護 a 短絡 保護
(a) 受 電電 圧 154kV以下の場合
過電流保護方 式を適用し, 各相(三相) に高整定用お よび低整定用 の過電流リレー(高速度リレー+限時リ レー)を併 用設置し ていただ くか,瞬時要素付過電流リレーを設 置していただ きます。
なお,必要に より連系設備 事故時に高速 に連系用しゃ 断器をしゃ断 できる母線保護リレー装置を設置してい ただくことがあります。また,
後備保護動作時に停電範囲を局限化する ため,母線 分離リレ ー装置を 設置していただくことがあります。
(b) 受 電電 圧 275kV以上の場合
連 系 設 備 事 故 時 に 高 速 に 連 系 用 し ゃ 断 器 を し ゃ 断 で き る 保 護 装 置
(母線保護リレー装置等)を設置し ていただきま す。また, 後備保護 動作時に停電範囲を局限化するための保 護装置(母 線分離リ レー装置 等)を設置していただきます。
b 地絡 保護
(a) 受 電電 圧 154kV以下の場合
地絡過電流リ レー(高速度 リレー+限時 リレー)を設 置していただ きます。当該リレーが有効に機能しない 場合は,地 絡方向リ レーを設 置していただきます。
なお,必要に より連系設備 事故時に高速 に連系用しゃ 断器をしゃ断 できる母線保護リレー装置を設置してい ただくことがあります。また,
後備保護動作時に停電範囲を局限化する ため,母線 分離リレ ー装置を 設置していただくことがあります。
(b) 受 電電 圧 275kV以上の場合
連 系 設 備 事 故 時 に 高 速 に 連 系 用 し ゃ 断 器 を し ゃ 断 で き る 保 護 装 置
(母線保護リレー装置等)を設置し ていただきま す。また, 後備保護 動作時に停電範囲を局限化するための保 護装置(母 線分離リ レー装置
等)を設置していただきます。
c 系列 数
154kV 以下の系統へ連系する場合,構内保護リレーを 1 系列設置して
いただき ます。
ただし,154kV 系統への連系で主保護リ レー不動作時に,後備保護リ
レーに より電源が喪 失すると系 統に大きな影 響を及ぼ すおそれ がある場 合は, 連系設備事故 時に高速に 連系用しゃ断 器をしゃ 断できる 保護装置
(母線 保護リレー装 置等)を 2 系列設 置してい ただきます。また ,後備 保護動 作時に停電範 囲を局限化 するため の保 護装置( 母線分離 リレー装 置等)を 1系列設置し ていただき ます。
275kV以上の系統へ連系する場合は,連系設備事故時に高速に連系用
しゃ断 器をしゃ断で きる保護装 置(母線 保護 リレー装 置等)を 2 系列,
後備保 護動作時に停 電範囲を局 限化する ため の保護装 置(母線 分離リレ ー装置等)を 1系列設 置してい ただきます 。
(5) 特別高 圧用 変圧器保 護
変圧器保 護リレーが動作した場合は,その変圧器に故障電流を供給する すべての 回路 がしゃ断 される設備 としていただ きます。
標準的に は,比率差動リレーおよび過電流リレー(高速度リレー+限時 リレー)を設置していただきます。なお,受電電圧 275kV 以上の 変圧器に 対しては ,後 備保護を 目的とした リレー装置を設 置していた だきます。
6 自 動 負荷 制限お よ び発 電抑 制 ・ 増出力 (1) 自動負 荷制 限
発電者は,発電設備の脱落時等で,当社の送 電線や変圧器等が過負荷と なるお それがある場 合は,自動 的に負荷 (揚 水式水力 発電所は 揚水動力)
を制限 する対策を実 施していた だきます 。 (2) 発電抑制・増出力
当社系 統の設備事故 等で,当社の送電線や変圧器等が 過負荷となる場合は,
自動で発 電抑 制または 発電しゃ断 もしくは発電 増出力をし ていただ くこと
があります。
この場 合,当社およ び発電者施 設内に, 過負 荷防止保 護装置(OLR)を 設置することになります。
また,当社系統の設備事故等に安定度を維持できない場合には,当社は電 源制限装置に よって発電者の発電を抑制 いたします。この場合,発電場所に 必要な装 置を 設置して いただくこ とがあります 。
7 系統周波数異常防止対策
系統事 故 等により 周 波 数の 異常 上 昇 およ び低 下 が 懸念 され る 場 合は , 当 社 の電源と 協調をとった 自動解列装 置を設置して いただくこ とがあり ます。
8 単 独 運転 防止 対 策
発電者 の発電機によ る,当社一 部系統との適正な電圧 ・周波数を維持でき ない単独 運転を防止す るため,周 波数上昇リレーおよび周波数低下リレーま たは転送しゃ断装置を設置していただきます。
なお, 系統運用上 の支障を 及ぼ すおそれのある発電設備を系統に連系す る 場合および受電電圧が 22kV で,系統運用や保護協調上の支障を及ぼすおそ れのある 系統に連系す る場合は, 当社の一部系統との単独運転を確実に防止 するため,原則として,周波数上昇リレー,周波数低下リレーを設置してい た だ く と と も に 転 送 し ゃ 断 装 置 ま た は 単 独 運 転 検 出 装 置 を 設 置 し て い た だ きます。
周波数 異 常時には , 発 電者 側で 当 社 との連系 を 速 やか に解 列 し て, 当 社 か らの送電 後に並列して いただきま す。
9 発 電 設備 解列 箇 所
保護装 置が動作し た場合の 解列箇所 は,系統から発電場所の発電設備を 解 列するこ とができる次 の箇所とし ていただき ます。
(1) 連 系する線路の 事故時の解 列箇所は連系 用しゃ断器 (2) 母 線事故時の解 列箇所は連 系用しゃ断器
(3) 発 電設備事故時 の解列箇所 は発電機並列 用しゃ断器
ただし ,発電設備 事故の場 合は ,発電機が系 統から解 列で きれば, それ 以 外のしゃ 断器でも対応は可 能です。
なお, 解列にあた っては, 発電設備 等を電路から機械的に切り離すこと が でき,かつ ,電気的に も完全な絶 縁状態を保持 しなければ ならない ため,原 則として,半導体のみで構成された電子スイッチをしゃ断装置として適用す ることはできません。
10 再閉路 方式
自動再 閉路を実施し ている当社 の送電線 では,次のよ うな再閉 路方式を採 用しております。再閉路方式を採用する場合は,協議の上,連系送電線の再 閉路方式 を選択し,必 要な設備を 設置してい ただきます。
(1) 22kV,66kV 送電線 三相再 閉路方式 (低速 )
(2) 154kV送電 線 三相再閉路方式(一部単相再閉路方式) (中速)
(3) 275kV以上送電線 多相,三相 あるいは 単相再閉路方 式 (高速 )
11 線路無 電圧 確認装置
線路無 電 圧確認装 置 が 連系 送電 線 の 系統 側変 電 所の電 線路 引 出 口に 設 置 さ れていな い場合には,再 閉路時の 事故防止のた め,原則と して,当 該電線路 引出口に 線路無電圧確 認装置を設 置させていた だきます。
なお, この場合は その費用 を発 電者側に負担していただきます。ただし , 受電電圧が 22kV で系統 運用や保 護協調上の 支障を及ぼすお それのある系 統 に連系す る場合であっ て,二方式 以上の単独 運転検出機能 (能動的 方式一方 式 以 上 を 含 む 。) を 設 置 し , そ れ ぞ れ が 別 の し ゃ 断 器 に よ り 発 電 設 備 を 解 列 する場合 など,条件によ っては線 路無電圧確認装置の設置は不要となります。
12 直流流 出防 止対策
逆変換 装 置を用い て 発 電設 備を 連 系 する場合 は , 逆変 換装 置 か ら直 流 が 系 統へ流出 することを防 止するため に,必要により,受電地点と逆変換装置と
の間に変 圧器(単巻変 圧器を除く。)を設置していただきます。
13 発電機の過 渡リアクタンス
連系系 統,受電電 圧によっ ては ,発電機の安 定運転対 策や 短絡電流 抑制 対 策 等 の 面 か ら , 過 渡 リ ア ク タ ン ス 等 を 指 定 さ せ て い た だ く こ と が あ り ま す 。
なお, 当社の標準 的な発電 機の 過渡 リア クタンス 等は,次の とおりです。
発 電 機 定 数 当 社 の 標 準 的 な 値 ( 火 力 機 ) 直 軸 過 渡 リ ア ク タ ン ス (Xd´) 0.2 ~0.3[pu] ※
直 軸 同 期 リ ア ク タ ン ス (Xd) 1.5 ~1.8[pu] ※ 直 軸 開 路 過 渡 時 定 数 (Tdo´) 4.0 ~8.0[ 秒 ]
単 位 慣 性 定 数 (M=2H) 6.0 ~9.0[MW・SEC/MVA]
※発電 機定格容量ベ ース
14 発電機 運転 制御装置
(1) 安定度維持 機能向上のための機能
連系する 系統の安定維 持のため,受電電圧が 66kV 以 下につい ては必要な 場 合 ,154kV 以上 につ いては, 原則 として一 日の 時間に応じ て , 当社が 指 定す る電圧で パタ ーン運転 が可能な 設備として いただきます 。
a 超速 応励磁制御方 式
(a) 受電 電圧が 275kV 以上の 発電者の発電 機には,超速 応励磁制御 方式 を採用 していただ きます。
(b) 受電 電圧が 154kV 以下の 発電者の発電 機でも,必要 により,超速 応 励磁制御方式を採用していただく場合があります。
b 系統安 定化 装置(PSS)
(a) 超速 応励磁制 御方式など,応答速度の 速い励磁 方式(励磁系 電圧応答 時間が 0.1 秒以下の励磁方式)を採用する発電機には,系 統安定化装置
(PSS)を設置していただきます。
(b) 上記 a以外の 励磁制御方式 を採用する 発電機でも,当該発電 機の安定
運転上あるいは連系する系統の安定度上必要な場合は,PSS を設置して いただ くことがあり ます。
(c) 連系 する系統 の広域的な安 定度上必要 な場合は ,複 数入力 PSS を設 置して いただくこと があります 。
(な お,PSS とは,電力系統の 事故等に よって生 じる 発電機の 出力動揺を 速 や か に 収 斂 さ せ る た め , 端 子 電 圧 を 制 御 す る 装 置 で ,Power System Stabilizer のことです。)
c 励磁系 頂上 電圧
必要により,励磁系頂上電圧を指定させてい ただく場合があります。
d 送電 電圧制御励磁 装置(PSVR)
(a) 受電 電圧が 500kV 以上の 発電者の発電 機には,送電 電圧制御励 磁装
置(PSVR)を設置していただきます。
(b) 受電 電圧が 275kV 以下の 発電者の発電 機でも,系 統電圧を 適正に維 持する ために必要な 場合は,PSVR も しくはこ れに準ずる装置 を設置し ていた だくことがあ ります。
(なお,PSVR とは,昇圧用変圧器の高圧側電圧を一定値に制御する装置で,
Power System Voltage Regulator のことで す。)
(2) 周波 数調整の ための機能
火力発 電設備につい ては,以下 の周波数 調整 機能 を具 備してい ただきます 。 なお,水力発電設備および原子力発電設備については ,個別に協議させて いただき ます。
a ガバ ナフリー運転
タ ー ビ ン の 調 速 機 ( ガ バ ナ ) を 系 統 周 波 数 の 変 動 に 応 じ て 発 電 機 出 力 を変化 させるように 運転(ガバ ナフリー 運転)する機 能を具備 していただ きます 。
b AFC(Automatic Frequency Control:自動周波数制御)機能
当社からの AFC 信号に追従し,発電機出力を変動させる機能を具備し ていた だきます。
c 周波 数変動補償機 能
系 統 の 周 波 数 変 動 に よ り , ガ バ ナ で 調 整 し た 出 力 を 発 電 所 の 自 動 出 力 制 御 装 置 が 出 力 指 令 値 に 引 き 戻 す こ と が な い よ う に , ガ バ ナ に よ る 出 力
変動 相当を出 力指 令値に加 算する機 能を具備し ていただきま す。
d DPC(Dispatching Power Control:運転 基準出力制御 方式)運転 当 社 か ら の 出 力 指 令 値 に 発 電 機 出 力 を 自 動 追 従 制 御 す る 機 能 を 具 備 し てい ただきま す。
e 出力 低下防止機能
ガスタービン およびガスタ ービンコ ンバ インドサイク ル発電設備(GT お よ び GTCC) に つ い て は 系 統 周 波 数 の 低下 に 伴 い 発 電機 出 力 が 低 下す ること から,周波数 49.0Hz までは発 電機出力 を低下しない ,もしくは , 一度出 力低下しても 回復する機 能を具備 して いただき ます。
な お , 具 体 的 な 発 電 設 備 の 性 能 は , 次 の と お り で す 。 た だ し , 系 統 の 電源構 成の状況等, 必要に応じ て別途協 議を 行うこと がありま す。
250MW 以 上 発 電 機 定 格 出 力
GT お よ び GTCC そ の 他 の 火 力 発 電 設 備
GF 調 定 率 5%以 下 5%以 下
GF 幅※1 5%以 上(定 格 出 力 基 準) 3%以 上(定 格 出 力 基 準) AFC 幅 ±5%以 上(定 格 出 力 基 準) ±5%以 上(定 格 出 力 基 準) AFC 変 化 速 度※2 5%/分 以 上(定 格 出 力 基 準) 1%/分 以 上(定 格 出 力 基 準) DPC 変 化 速 度※2 5%/分 以 上(定 格 出 力 基 準) 1%/分 以 上(定 格 出 力 基 準) DPC+AFC 変 化 速 度 10%/分 以 上(定 格 出 力 基 準) 1%/分 以 上(定 格 出 力 基 準)
機 能
・ 仕 様 等
最 低 出 力※3
( 定 格 出 力 基 準 )
50%以 下 DSS 機 能 具 備※4
30%以 下
※1 GT および GTCC については負荷制限設定値までの上げ余裕値が定格出
力の 5%以上,その他の発電機に つ い て は定 格 出 力 の 3%以上を確保。定格
出力付近 などの満た せない出力帯 について別 途協議。
※ 2 定 格 出 力 付 近 の オ ー バ ー シ ュ ー ト 防 止 や 低 出 力 帯 で の 安 定 運 転 に よ り 満 たせない 場合には別 途協議
※3 気化ガス(BOG)処理などにより最低出力を満たせない場合には別途協議
※4 日間 起動停止運 転(DSS)は,発電機解列~並列まで 8 時間以内で可能な こと
また,周波数調整機能に必要な受信信号(DPC・AFC 指令値 ,DPC・AFC 運転指令)を受信する機能および,必 要な送信信号(現在出力,可能最大発 電出力〔GT およ び GTCC のみ。〕,DPC・AFC 使用/除外,周 波数調整機能 故障)を 送信する機能 を具備して いただきま す。
15 運転可 能周 波数
発電機 の 連続運転 可 能 周波 数は , 当 社設 備と 同 程 度と し, 次 の とお り と し ていただ きます。
連続 運転可能周波数:48.5Hz 以 上 50.5Hz 以下 運転 可能周波数 :47.5Hz 以 上 51.5Hz 以下
周波数 低下時の運 転継続時 間は ,48.5Hz で は 10 分程度以上,48.0Hz で は 1 分程度以上とし ,周波数低下リレーの整定値は,原則として,47.5 Hz としていただきます。
16 発電機 昇圧 用変圧器 (1) 定格電 圧, タップ電 圧
発電機が 連系する系統の状況によっては,発電機電圧から送電系統側の 電圧に昇 圧す る変圧器 の定格電圧 ,および無電 圧タップ切 換器の仕 様を 指 定させて いた だくこと があります。
なお,当 社の標準的な 定格電圧お よびタップ電圧 は,次のと おりです。
定格一次電圧 発電機定格電圧の 97.5%
22kV 系統 22kV
66kV 系統(4 タップ) 64.5kV, 66kV, 67.5kV, 69kV 154kV 系統(4タップ) 150.5kV,154kV,157.5kV,161kV 二次
電圧
275kV 系統(4タップ) 275kV,281.25kV,287.5kV,293.75kV
(2) 定格容 量
発電機の定格力率に対応した昇圧用変圧器 の定格容量の設定が必要です。
(3) インピ ーダ ンス電圧 値
連系系統,受電電圧によっては,発 電機の安定運転対策や短絡電流抑制 対策,送 電線 保護リレ ー協調等の 面から,イン ピーダンス 電圧値を 指定 さ せていただく ことがあります。
なお,当社の標準的な昇圧用変圧器 のインピーダンス電圧値は,次のと おりです。
受 電 電 圧 イ ン ピ ー ダ ン ス 電 圧 値 22kV 5.5 [%]
66kV 7.5 [%]
154kV 11.0 [%]
275kV 14.0 [%]
(変圧器 定格容量ベ ース)
・上表は 標準的な例であり,設置する変圧器の容量,連系される系統に よって は ,標準以 外 と なる こと も あ りま す。
17 中性点 接地 装置
受電電 圧 154kV以下の場合は,必要により,昇圧用変圧器の中性点に中性 点接地装置( 抵抗接地方式 )を 設置していただきます。ま た,受電電圧 275kV 以上の場 合には,昇圧 用変圧器の 中性点を直接接 地していた だきます。
18 電力保 安通 信設備 (1) 保安通 信用 電話
発電者と 当社給電所との受電設備操作等の連絡用として,発電者構内に a,bい ずれ かの保安 通信用電話 設備の設置が 必要になり ます。
な お , 受 電 電 圧 が 275kV 以上または発 電機が大容量 機(概ね定格 出 力
250MW 以上)の場合は,別ルートによ る 2回線となります。
a 専用 保安通信用 電話設備を当 社にて 設置 させてい ただ きます。ただし,
伝送路として電気通信事業者の専用 回線を使用する場合は,発電者側で
設置 していただきます。
b 電気 通信 事業者の 専用回線電 話を発電者側 で設置して いただき ます。
また, 受電電圧が 22kV の 場合,条 件によっては ,一般加入 電話また は携帯 電話等を設置 していただ くことが 可能 となりま す。
(2) 給電情 報伝 送装置
当社が系 統運用上必要な情報を収集するため,スーパービジョン,テレ メータ装 置を 設置させ ていただき ます。
なお, 当社が系統運 用上必要な 情報とは ,原 則として 次のとお りとなり ます。
発電者設備 情報種 別 情報内容
ス ー パ ー ビジョ ン
※
・連系 用しゃ断器 の開閉状 態
・発電 機並列用し ゃ断器の 開閉状態
・連系 送電線線路 用接地開 閉器の開 閉状態
・連系 用しゃ断器 を開放す る保護リ レーの動作表 示
・ 発 電 機 並 列 用 し ゃ 断 器 を 開 放す る 保 護 リ レ ー の 動 作 表示
・連系用断路器(線路側,母線側)の開閉状態
・線路 側断路器の 操作機能 ロック状 態 受電電圧が
22kV の場合
テレメータ ・受電 地点の有効 電力
・受電 地点の電力 量
スーパ ー ビジョ ン
・連系 用しゃ断器 の開閉状 態
・発電 機並列用し ゃ断器の開閉状 態
・連系 送電線線路 用接地開 閉器の開 閉状態
・連系 用しゃ断器 を開放す る保護リ レーの動作表 示
・ 発 電 機 並 列 用 し ゃ 断 器 を 開 放 す る 保 護 リ レ ー の 動 作 表示
・連系用断路器(線路側,母線側)の開閉状態
・線路 側断路器の 操作機能 ロック状 態 受電電圧が
66kV 以上 の場合
テレメータ
・各発電機毎の有効電力と無効電力
(受 電電圧 275kV 以 上または定格 出力が概ね 250M W 以 上 の場合 )
・連系 する母線の 電圧
(受 電電圧 275kV 以 上または定格 出力が概ね 250M W 以 上 の場合 )
・受電 地点の有効 電力と無 効電力
・受電 地点の電力 量
※ 連 系 す る 系 統 に よ っ て は , 情 報 を 伝 送 し な い 場 合 が あ り ま す が , 将 来 , スーパ ー ビジョン , テ レメ ータ 情 報 を伝 送し て い ただ くこ と が あり ま す の で,設 備 設計にあ た っ ては ,容 易 に 同情 報の 取 出 しが可能と な るよ う に し ていた だきます。 情報内容 について は,必要に応じて,協議させていた だ きます 。
19 電力品 質に 関する対 策 (1) 高調波 抑制 対策
a 発電 設備 から発生 する高調波
逆変換装置を用いた発電設備を設置 する場合には,発電設備(フィル タ,補機類 を含む。)からの高調波流出 電流を,発電設備交流側定格電流 に対し ,総 合 電流歪 み 率 5%以 下,各次 電流 歪 み 率 3%以下に抑制してい ただき ます。
b 所内負荷 ,自家消費負荷か ら発生する高調波
「Ⅶ 需要者設備(特 別高圧)」に準じ た対策を実 施していた だきます 。 なお, この場合, 表 4(高 調波流出 電流の上限値 )の契約電 力は,原 則として ,負荷設備 の容量と読 み替えます。
(2) 高周波 障害 対策
逆変換装 置を用いた発電設備を連系する場合には,高周波電磁障害およ び伝導障 害が 発生しな いよう,対 策を行ってい ただきます 。
(3) 力率の 保持
a 受電地点の力率(無効電力)につい ては,原則として, 次のとおりと いた します。
(a) 受 電地 点の 電 圧 を基準にし て ,
イ 昼間帯は 無効電力 を系統側に 供給(進み力 率)
ロ 夜 間帯は力率 100%または無効電力を系統側より吸収
受電 地点 の力 率( 無効 電 力 )は, 発 電機または調相設備にて適正に 維持で きるように調 整していた だきます 。
なお,電力用 コンデンサを 設置する場合 には,夜間・ 休祭日等の軽 負 荷 時 に 受 電 地 点 の 力 率 が 進 み 力 率 と な ら な い よ う 電 力 用 コ ン デ ン サを 開閉できる装 置を設置してい ただきます 。
(b) 受電電 圧が 22kV の 場合 ,他の低圧の需要者等の電圧が適正値(101
±6V,202±20V) を 逸 脱 す る お そ れ が あ る と き に は , 調 相 設 備 や 発 電設備の無効電力制御による電圧上昇抑制対策について協議させて い ただきます。
b 構内 に発電設備 と負荷設備(発電機用所 内電源を 除く 。)を有 する発 電 者は,連系する系統の電圧を適正に 維持するために,協議のうえ,調相 設備 を設置していただくことがあります。
(4) その他
負荷 設備を有する 発電者は,「Ⅶ 需要者設備(特別高圧)」に準じた対 策を実 施していただ きます。
20 系統解 析装 置
系 統 の 状 態 を 解 析 す る た め 系 統 解 析 装 置 ( 自 動 オ シ ロ 装 置 ,高 調 波 監 視 記録装 置,系統現象監視記録装置等)を設置していただくことがありま す。
Ⅴ 需要者設備(低圧)
1 力率
(1) 需 要 者 は , 需 要 場 所 に お い て , 電 灯 ま た は 小 型 機 器 を 使 用 す る 供 給 地 点の力 率は ,原則と し て,90%以上,そ の他の機器を 使用する供給地点に ついて は 85%以上に 保持していた だきます。
(2) 進 相 用 コ ン デ ン サ を 取 り 付 け る 場 合 は , そ れ ぞ れ の 電 気 機 器 ご と に 取 り付け ていただきま す。た だし,や むをえな い事情によっ て,2 以上の電 気機器 に対して一括 して取り付 ける場合 は,進相用コンデンサの開放によ り,軽 負荷時の力率 が進み力率 とならな いよ うにして いただき ます。
なお,進相用コンデンサは,託送供給等約款別表 11 (進相用コンデン サ取付 容量基準)を 基準として 取り付け てい ただきま す。
2 保護装置
需要者 の電気の使用 にあたり, 次のよう な場合で,他 の需要者 等の電気の 使 用 も し く は 当 社 お よ び 需 用 者 等 の 電 気 工 作 物 に 支 障 を き た す お そ れ の あ るときに は,協議のう え,あらか じめ必要な調整装置または保護装置を施設 していた だきます。
a 各相 間の負荷が著 しく平衡を 欠く場合 b 電圧 または周波数 が著しく変 動する場合 c 波形 に著しいひず みを生じる 場合
d 著し い高周波また は高調波を 発生する場合 e その 他a,b,c またはdに 準ずる場合
Ⅵ 需要者設備(高圧)
1 電気方式
電気方式は連 系する系統と同一としていただきます。
2 保護装置
短絡故 障 保護用と し て 過電 流リ レ ー を, 地絡 故 障 保護 用と し て 地絡 リ レ ー を設置し ていただきま す。当該リ レーが有効に機能しない場合には,地絡方 向リレー を設置してい ただくこと があります。
3 電 力 保安 通信 設 備
当社が 系 統運用上 必 要 な情 報を 収 集 する ため, 給 電情 報伝 送 装 置と し て , テレメー タ装置を設置 させていた だきます。
なお,当 社が 系統運用 上必要な情 報とは ,以下の とおりとな ります。
a 情報 種別:テレメ ータ
b 情報 内容:供給地 点の有効電 力,供給地 点の電力量
4 電力品質に関する対策 (1) 高調波 抑制 対策
a 対象とな る需要者
(a) 高 調波を発生 する機器の容 量を 6 パルス変換器容量に換算し,それ ぞれの機器の換算容量を総 和し た も の (以 下「等 価容量」といいます。) について, 50kVA を 超 え る 需 要 者(以 下「特定需要者」と いいます。)
が高調波抑制対策の対象と なります。(表 1 参照)
(b) 前 記(a)の等価 容量を算出 する場合に は,対象となる高調波発生機器 は,「日本工業規格 JIS C61000-3-2(限度値-高調波電流発生限度値
〔1相当たりの入力電流が 20A 以 下の機器〕)」の適用対 象となる機器 以外の機器といたします。
b 高調 波流出電流 の算出
特 定 需 要 者 か ら 系 統 に 流 出 す る 高 調 波 流 出 電 流 の 算 出 を 次 の と お り 実施す ることといた します。
(a) 高 調波流出電流は,高調波発生機器毎の 定格運転状 態 に おい て発 生 する高調 波電流を合 計し,これに 高調波発生 機器の最 大の稼働 率を 乗 じたもの といたしま す。
(b) 高 調波流出電流は,高調波の次数 毎に合計 する ものとい たします。
(c) 対 象とする高調波の次数は 40 次 以下とい たします。
(d) 特 定需要者の構内に高調波流出電 流を 低 減 する設 備 が あ る 場 合は , その低減効果を考慮することができるものといたします。
c 高調 波流出電流 の上限値
特 定 需 要 者 か ら 系 統 に 流 出 す る 高 調 波 流 出 電 流 の 許 容 さ れ る 上 限 値 は,高調波の次数ごとに,表 2 に示す需要者の契約電力 1kW あたりの 高 調 波 流 出 電 流 の 上 限 値 に , 原 則 と し て , 該 当 特 定 需 要 者 の 契 約 電 力
(kW を単位 とする。) を乗じた 値といたしま す。
d 高調 波流出電流 の抑制対策の 実施
特定需要者は,前記bの高調波流出電流が,前記cの高調波流出電流 の上限値を超える場合には,高調波 流出電流を高調波流出電流の上限値 以下 となるよう対策していただきます。
表 1 換算係数
回 路 分 類
回 路 種 別 換 算 係 数
Ki※1 主 な 利 用 例 6 パ ル ス 変 換 装 置 K11=1
12 パ ル ス 変 換 装 置 K12=0.5 1 三 相 ブ リ ッ ジ
24 パ ル ス 変 換 装 置 K13=0.25
・ 直 流 電 鉄 変 電 所
・ 電 気 化 学
・ そ の 他 一 般
直 流 電 流 平 滑 K21=1.3
混 合 ブ リ ッ ジ K22=0.65
2 単 相 ブ リ ッ ジ
均 一 ブ リ ッ ジ K23=0.7
・ 交 流 式 電 気 鉄 道 車 両
リ ア ク ト ル な し K31=3.4
リ ア ク ト ル あ り (交 流 側 ) K32=1.8 リ ア ク ト ル あ り (直 流 側 ) K33=1.8 3
三 相 ブ リ ッ ジ (コ ン デ ン サ 平 滑 )
リ ア ク ト ル あ り (交 ・ 直 流 側 ) K34=1.4
・ 汎 用 イ ン バ ー タ
・ エ レ ベ ー タ
・ 冷 凍 空 調 機
・ そ の 他 一 般
リ ア ク ト ル な し K41=2.3
4 単 相 ブ リ ッ ジ
(コ ン デ ン サ 平 滑 ) リ ア ク ト ル あ り (交 流 側 ) K42=0.35
・ 汎 用 イ ン バ ー タ
・ 冷 凍 空 調 機
・ そ の 他 一 般
5
自 励 三 相 ブ リ ッ ジ (電 圧 型 PWM※2制 御 ) (電 流 型 PWM制 御 )
K5=0
・ 無 停 電 電 源 装 置
・ 通 信 用 電 源 装 置
・ エ レ ベ ー タ
・ 系 統 連 系 用 分 散 電 源
6
自 励 単 相 ブ リ ッ ジ
(電 圧 型 PWM制 御 ) K6=0
・ 通 信 用 電 源 装 置
・ 交 流 式 電 気 鉄 道 車 両
・ 系 統 連 系 用 分 散 電 源
抵 抗 負 荷 K71=1.6
7 交 流 電 力 調 整 装 置
リ ア ク タ ン ス 負 荷
( 交 流 ア ー ク 炉 用 を 除 く 。) K72=0.3
・ 無 効 電 力 調 整 装 置
・ 大 型 照 明 装 置
・ 加 熱 器
6 パ ル ス 変 換 装 置 相 当 K81=1 8 サ イ ク ロ コ ン バ ー タ
12 パ ル ス 変 換 装 置 相 当 K82=0.5
・ 電 動 機 ( 圧 延 用 , セ メ ン ト 用 , 交 流 式 電 気 鉄 道 車 両 用 )
9 交 流 ア ー ク 炉 単 独 運 転 K9=0.2 ・ 製 鋼 用
1 0 そ の 他 K10:申 告 値
※1 Ki= 変 換 回 路 種 別 毎 の
n%In
2 6 パ ル ス 変 換 装 置 の n%In
2
2(
n
: 高 調 波 の 次 数 ,% I n
:n
次 の 高 調 波 電 流 の 基 本 波 電 流 に 対 す る 比 率 )※2 PWM:Pulse Width Modulation
表 2 契約電力 1kW あたりの高調波流出電流上限値(単位:mA/kW)
5次 7 次 11 次 13 次 17 次 19 次 23 次 23次超過
3.5 2.5 1.6 1.3 1.0 0.90 0.76 0.70
(2) 力率の 保持
力率改善のために電力用コンデンサを設置する場合には,夜間・休祭日 等の軽負 荷時 に進み力 率とならな いよう,電力 用コンデン サを開閉 でき る 装置を設 置し ていただ きます。ま た,系統運用 上必要な場 合には, 電力 用 コンデンサの開放 を当 社か ら需要 者 にお 願い す る ことがあ り ま す。
(3) その他
需要者の電気 の使用にあた り,次の よ う な 場 合 で , 他 の 需 要 者 等 の 電 気 の 使 用 も し く は 当 社 お よ び 需 要 者 等 の電 気 工作物 に 支 障 をきた す お そ れ の あ る と き に は , 協 議 の う え , あ ら か じ め 必 要 な 調 整 装 置 ま た は 保 護 装 置 を 施設し ていただきま す。
a 各相 間の 負荷が著 しく平衡を 欠く場合 b 電圧 また は周波数 が著しく変 動する場合 c 波形 に著 しいひず みを生じる 場合
d 著し く高 周波を発 生する場合