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第2学年英語科学習指導案
指導者 大津賀 洋介 (千葉市立蘇我中学校) 1 単元名 NEW CROWN 2 LESSON7 Presentation (比較級・最上級・同等比較・副詞の比較級)
2 単元の目標 ・聞き手が理解しやすいように、また内容が効果的に伝わるように比較級・最上級等を用いたプレゼンテー ションをすることができる。 ・比較級・最上級を用いたプレゼンテーションを聞いて、その内容を理解することができる。 ・比較級,最上級,同等比較(as ~as ...),副詞の比較級に関する知識を身に付けている。 3 本単元で育成したい資質・能力の3つの柱 知識・技能 思考力・判断力・表現力等 学びに向かう力・人間性等 ・比較級、最上級、同等比較、副詞 の比較級を理解する。 ・比較級、最上級、同等比較、副詞 の比較級を活用してプレゼンテ ーションをすることができる。 ・比較級、最上級、同等比較、副詞 の比較級を活用したプレゼンテ ーションを聞いて、大まかに意味 を理解することができる。 ・聞き手にとって理解しやすいプレ ゼンテーションをしようとして いる。 4 単元について 本単元では、登場人物が、自分たちの関心のあることについてプレゼンテーションを行っている。彼らは、 表、グラフ、図などを用いながらわかりやすく発表している。学習内容は、情報を視覚的に伝えることが理解 を助け、事実を正確に伝えるのに役立つということである。 本校の生徒たちは、それぞれのグループで選択したテーマについて、級友にアンケートをとり、結果をまと める。そして視覚補助となるグラフと、この課で学習した比較級や最上級、同等比較等の英語表現を用いてプ レゼンテーションに取り組む。この活動を通して、語彙、表現方法、言語材料などについての定着を図るとと もに、事実をわかりやすく伝えるためのコミュニケーション能力の基礎を養う。 学習する文法の観点では、比較級、最上級は形容詞や副詞の語尾に(er, est)を付けるパターンと、直前に (more, most)を付けるパターンがある。生徒たちには、その都度どちらのパターンを使って表現するべきなの か正しく知識を定着させられるように指導していく必要がある。また、 比較級の文には“He is taller than I.” などのように“than”という語彙が、最上級の文には“He is the tallest student in this class.”などのように“the” を置く必要があるなど、細かい点もしっかり定着させられるようにしていく。
本単元では学習した比較級、最上級、同等比較、副詞の比較級は2つ以上の事象を比較してまとめる表現で ある。この文法を活用し、生徒たちには自分たちの収集したデータを比較し、結果を聞き手にとってわかりや すいプレゼンテーションにまとめ、発表させられるようにする。
2 5 主体的・対話的で深い学びの視点 (1)主体的な学びとしての視点 主体的な学びとして、本単元ではプレゼンテーションを作成する段階で、聞き手の関心を最大限ひきつける ことができるようなテーマの設定を生徒たち自身に行わせたい。このことにより、教師から与えられたテーマ ではなく、自分たち自身もより興味・関心のある内容を選択して、学習に取り組むことができると考えられる。 (2)対話的な学びとしての視点 本単元では、数名のグループでのプレゼンテーションを作成する。このプレゼンテーション作成上のデータ 収集、選択、抽出等の準備作業やよりよい発表にするための練習の中で、お互いに意見を出し合ったり、アド バイスをし合ったりする等の対話が生じると考えられる。 (3)深い学びとしての視点 文法事項を習得するだけでなく、コミュニケーションの手段としての英語という観点から、よりよい表現を 模索したり、聞き手や読み手といった自分の発した英語を受け取る側の人間への理解を深めたりすることを意 識させることによって深い学びにつながると考えられる。 6 指導計画(全11時間扱い) 時 ねらい・学習活動 ◎主体的・対話的で深い学びの視点 (教師の指導・支援) 評価規準 1 ・形容詞の比較級(-er)・最上級(-est)を 用いた文の構造を知る。 ・形容詞の比較級(-er)・最上級(-est)を 用いた文の構造を理解する。 ◎形容詞の比較級・最上級の文 構造を理解できるようにす る。 ◇形容詞の比較級・最上 級の文構造を理解でき る。(知・技) 2 ・本文を通して比較級の用法に慣れる。 ・形容詞の比較級(-er)・最上級(-est)を 用いた文を使う練習をする。 ◎形容詞の比較級・最上級の文 を使って表現できるように練 習の機会を設ける。 ◇形容詞の比較級・最上 級の文を使って表現で きる。(思・判・表) 3 ・形容詞の比較級more・最上級 most を用 いた文の構造を知る。 ・比較級more・最上級 most を用いる形容 詞を知る。 ・形容詞の比較級more・最上級 most を用 いた文の構造を理解する。 ◎more・most を用いた形容詞の 比較級・最上級の文構造を理 解できるようにする。 ◇more・most を用いた 形容詞の比較級・最上 級の文構造を理解でき る。(知・技) 4 ・本文を通して比較級more・最上級 most の用法に慣れる。 ・形容詞の比較級more・最上級 most を用 いた文を使う練習する。 ◎more・most を用いた形容詞の 比較級・最上級の文を使って 表現できるように練習の機会 を設ける。 ◇more・most を用いた 形容詞の比較級・最上 級の文を使って表現で きる。(思・判・表) 5 ・形容詞の同等比較as~as、副詞の比較級 を用いた文の構造を知る。 ・形容詞の同等比較as~as、副詞の比較級 を用いた文の構造を理解する。 ◎同等比較の文構造を理解でき るようにする。 ◇同等比較の文構造を理 解できる。(知・技)
3 6 ・本文を通して同等比較as~as、副詞の比 較級の用法に慣れる。 ・形容詞の同等比較as~as、副詞の比較級 を用いた文を使えるように練習する。 ・発表のための調査を行う。 ◎同等比較の文を使って表現で きるように練習の機会を設け る。 ◇同等比較の文を使って 表現できる。 (思・判・表) 7 ・プレゼンテーションの方法を学ぶ① ・教科書の本文を通して、比較の用法にな れる。(USE-Read)前半 ・オーラルイントロダクションを通して本 文の内容を理解する。 ・内容についての質問に答える。 ◎比較級・最上級等を用いた英 文を理解することができるよ うにする。 ◇比較級・最上級等を用 いた英文を理解するこ とができる。 (思・判・表) 8 ・プレゼンテーションの方法を学ぶ② ・教科書の本文を通して、比較の用法にな れる。(USE-Read)後半 ・オーラルイントロダクションを通して本 文の内容を理解する。 ・内容についての質問に答える。 ◎比較級・最上級等を用いた英 文を理解することができるよう にする。 ◇比較級・最上級等を用 いた英文を理解するこ とができる。 (思・判・表) 9 ・プレゼンテーションの準備をする。 発表原稿を書く。 ◎聞き手の存在を意識し、より 聞き取りやすいプレゼンテー ションになるようにグループ で準備をする機会を設ける。 ◇聞き手の存在を意識 し、より聞き取りやす いプレゼンテーション になるように準備でき たか。(思・判・表) 10 ・プレゼンテーションの練習をする。 ◎聞き手の存在を意識し、より 聞き取りやすいプレゼンテー ションになるようにグループ で練習をする機会を設ける。 ◇聞き手の存在を意識 し、より聞き取りやす いプレゼンテーション になるように練習した か。(思・判・表) 11 ・プレゼンテーションをする。 ・比較の表現を使ってインタビューの結果 を聴き手に伝える。 ◎プレゼンテーションを実施す る機会を設ける。 ◎生徒たちのプレゼンテーショ ンをより良いものにするため に必要なことを振り返る機会 を設ける。 ◇聞き取りやすいプレゼ ンテーションができた か。(思・判・表) ◇自分たちのプレゼンテ ーションを振り返り、 反省点を考えられた か。(態度)
4 7 本時について (1)本時の目標 ・調査結果を相手に分かりやすく発表することができる。 (思考力・判断力・表現力等) ・発表を聞いて、内容を大まかに理解することができる。 (思考力・判断力・表現力等) ・積極的に英語を用いてプレゼンテーションを行うことができる。 (学びに向かう力・人間性等) (2)本時の展開(11/11) 学習活動 ○教師の指導や支援 ◎主体的・対話的で深い学びの視点 【主】【対】【深】 ◇評価 ・英語で簡単な挨拶を行う。 ・ラインゲームを行う。 ○挨拶やゲームを通じて、英語の雰囲気を作る。 ◎既習の文法事項を使った質問をし、これまで の学習を振り返る。 【主】 ・本時の学習目標について確認 する。 ・教師の発表のモデルを見る。 ○どのように発表するか良くない例、良い例を 見せる。 ・グループに分かれて、調査結 果を発表する。 1グループ(6~7人)の6 グループ。 ・プレゼンテーションを行う。 ・他の班の発表を聞きながら ワークシートを記入する。 ○生徒が発表をスムーズに行えるよう、発表の 合間の準備を手伝う。(視聴覚機材も含む。) ○発表を聴くための雰囲気づくりを呼びかけ る。 ○発話に詰まった生徒の補助をする。 ◎発表グループの調査結果に対する予想を、簡 単な英語を用いて質問をしたり答えたりす る。 【対】 ○発表グループの説明が終わったら、グラフを 表示する。 ≪プレゼンテーター≫ ◇英単語を正確に発音できるか。 ◇英文を正しい区切りで発音でき るか。 ◇間を取りながら話すことができ るか。 ◇聴き手やグラフに目線をあてら れるか。 ◇クラス全員が理解できる適切な 声の大きさで発話できるか。 (思・判・表) ≪リスナー≫ ◇大まかな発表内容を理解し、ワ ークシートを記入することがで きるか。 ◇発表者やグラフをしっかりと見 て、発表を聞くことができるか。 (思・判・表) ・自分たちの発表を振り返る。 ・次回の予告を行う。 ◎プレゼンテーションを通じて、分かったこと や気が付いたことを発表させる。 【深】 ◎英語でのプレゼンテーションの良さを話し合 う。 【深】 ◇積極的に発言することができる か。 (態度) ◇良いプレゼンテーションの方法 を理解しているか。 (態度) 調査結果を聴く人に分かりやすく発表しよう
5 8 本単元の成果と課題 (1)成果 ・事前に教師がプレゼンテーションの例を示したことで、生徒たちにプレゼンテーションの具体的なイメージ を持たせることができた。そのため、生徒たちはプレゼンテーションに必要なグラフや図などの参考資料を 自発的に準備するようになった。実際に事前と事後のアンケートを比較すると、「英語で話す際に、言語以 外の手段を活用することはありますか」という質問に対し、「とてもあてはまる」と答えた生徒が 11%から 30%に増加した。英語で情報を伝える際に、補助的な資料やジェスチャー等を効果的に活用して表現する機 会を与えることができた。 ・グループ内で協力して1つのプレゼンテーションを作成するように学習の場面を設定したので、上位の生徒 が下位の生徒に説明したり、教えたりする場面が多く見られ、生徒同士の学び合いを実施することができた。 このことにより、上位生徒は他者に説明することで、自分の理解をさらに深める機会を得ることができた。 また、普段の個別での学習形態と比較し、自由に且つ気軽に質問できる学習環境であったため、特に下位の 生徒たちの課題に対する意欲が高まったように思われる。事後の調査によると、それまでよりも「英語をし ゃべれた」「話している内容がわかった」、「英語は話せればおもしろい」と言った感想が出てきた。グルー プでの学習形態をとったことにより、言語の知識・技能の習得という点において、上位、下位の両方の生徒 たちにとって、良い学習効果があったと考えられる。 ・本単元で学習した比較級、最上級、同等比較の表現を、実際にプレゼンテーションの中で活用する場面を与 え、体験や経験を伴った知識として生徒たちに定着させる機会を与えることができた。また、事後のアンケ ート調査では、「比較級や最上級を用いることによって、文章を簡潔にまとめることができた」という反省 が出てきており、新出文法を用いてよりよい表現をすることができることに気付かせることができた。 (2)課題 ・今回の課題には、6~7人を1グループとして取り組ませたが、1グループあたりの人数が多く、その分一 人あたりの生徒の活動量が少なかった。できれば4~5人などと人数を減らしてグループを構成したいが、 その場合、グループの中で活動を先導する上位生徒が必ずしも各グループに存在しない状況が懸念される。 普段の授業から、4~5人での活動をより多く取り入れ、小グループ内での活動をリードできる英語が得意 な生徒の育成をしていく必要があると感じられた。 ・今回のプレゼンテーションのように、学習した英語表現を話して活用する課題を与えた時には、一人一人の 生徒が発話する英語表現に対して、発音やアクセント、イントネーション等の細かい部分まで指導を入れる ことが困難であった。今まで以上に意識して、生徒の発達段階に応じて適当な課題と指導を与えて、生徒た ちがより適切に英語を話すことができるように指導していくことの必要性が感じられた。