野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る
対応技術マニュアル【簡易版】
平成27(2015)年4月
秋
田
県
野鳥における高病原性鳥インフルエンザに係る
対応技術マニュアル【簡易版】
■対応レベル
1 発生状況に応じた対応レベルの概要 ※ここでの「発生」とは糞便における高病原性鳥インフルエンザウイルスの分離も含む。 2 対応レベルの実施内容 ※死亡野鳥等調査は、同一場所(見渡せる範囲程度を目安とする)で3日間(複数羽の場 合は大量死あるいは連続して死亡が確認された時点から3日間以内)の合計羽数が表の 数以上の死亡個体等(衰弱個体を含む)が発見された場合を基本としてウイルス保有状 況の調査を実施する。原因が他の要因であることが明瞭なものは除く。 ※見渡せる範囲とはあくまでも目安であり、環境によって大きく異なり、具体的数値を示 すのは困難であるので、現場の状況に即して判断して差し支えない。 全 国 対応レベル1 対応レベル2 対応レベル3 対応レベル2または3 発生地周辺(発生地から半径10km 以内を基本)-
野鳥監視重点区域に指定 (環境省) 必要に応じて野鳥監視重点区域 を指定 対象地 発生状況 通常時 国内発生時(単発時) 国内複数箇所発生時 近隣国発生時等 鳥類生息状 況等調査 情報収集 監視 監視強化 監視強化 監視強化 発生地対応 対応レベル 対応レベル1 対応レベル2 対応レベル3 野鳥監視重点区域 リスク 種1 リスク 種2 リスク 種3 その他 の種 3羽以上 3羽以上 10羽以上 10羽以上 2羽以上 2羽以上 10羽以上 10羽以上 1羽以上 1羽以上 5羽以上 10羽以上 1羽以上 1羽以上 3羽以上 3羽以上 死 亡 野 鳥 等 調 査 ウ イ ル ス 保 有 状 況 の 調 査 糞便採取 調査 10月から4 月にかけて 定期的に糞 便を採取■リスク種
3 リスク種 ※青字の鳥類名:種の保存法で定める「国内希少野生動植物種」=環境省所管。 リスク種1(18種) ●カモ目カモ科 ●タカ目タカ科 ●タカ目ハヤブサ科 シジュウカラガン マガン オジロワシ ノスリ ハヤブサ コブハクチョウ ヒシクイ オオワシ サシバ チョウゲンボウ オオハクチョウ オシドリ オオタカ クマタカ コハクチョウ キンクロハジロ ハイタカ チュウヒ ◆主に早期発見を目的とする。 ◆高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)に感受性が高く、死亡野鳥等調査で検出しや すいと考えられる種。 ◆平成22~23年の発生において感染確認個体数が多かったオオハクチョウ、キンクロハジロ、オシ ドリ、ハヤブサを基本に、ハクチョウ類、ガン類、タカ類の主な種を含める。 リスク種2(16種) ●カモ目カモ科 ●フクロウ目フクロウ科 ●カイツブリ目カイツブリ科 ●ツル目ツル科 マガモ ワシミミズク カイツブリ タンチョウ オナガガモ コノハズク ハジロカイツブリ ナベヅル ホシハジロ フクロウ カンムリカイツブリ マナヅル スズガモ ●ツル目クイナ科 ●チドリ目カモメ科 バン オオバン ユリカモメ ◆さらに発見の可能性を高めることを目的とする。 ◆過去に感染死亡例のある種をより幅広く含める。 リスク種3 ●カモ目カモ科 ●タカ目 ●フクロウ目 カルガモ コガモ トビ等 コミミズク等 ヒドリガモ等 (リスク種1、2以外全種) (リスク種1、2以外全種) (リスク種1、2以外全種) ●チドリ目カモメ科 ●コウノトリ目サギ科 ●ペリカン目ウ科 セグロカモメ ゴイサギ ダイサギ カワウ ウミネコ等 コサギ アオサギ等 (リスク種1、2以外全種) (全種) ◆感染の広がりを把握することを目的とする。 ◆水辺で生息する鳥類としてカワウやサギ類、リスク種1あるいは2に含まれないカモ類、カモメ類、 タカ目、フクロウ目の種を対象とした。 その他の種 ◆上記以外の鳥類すべて。 ◆猛禽類以外の陸鳥類については、ハシブトガラス以外は国内では感染例が知られておらず、海外 でも感染例は多くないことからその他の種とする。 ◆多数の死亡が見られた場合や平成16年のハシブトガラスのように感染死体を食べた等、感染が疑 われる状況があった場合に検査することとする。 トモエガモ リスク種2(17種) ●ハヤブサ目ハヤブサ科 ●ペリカン目サギ科 ●カツオドリ目ウ科 ●ハヤブサ目 コチョウゲンボウ等 (リスク種1,2以外全種) タカ目、フクロウ目、ハヤブサ目の種を対象とした。■死亡野鳥等調査
4 死亡野鳥等の確認 ◆死亡あるいは衰弱した野鳥が検査対象となる場合は、地域振興局森づくり推進課職員が 現場へ出向き、確認・回収する。市町村や他の団体、鳥獣保護員等が代わる場合も以下 の注意事項を徹底する。 ◆個体の位置及び状況(写真)、周囲の状況(生息環境、人との接点)、周辺の野鳥の生息 状況(種、個体数)を把握し、種名や日時とともに記録する。 ◆死亡個体等は、各局担当職員が野鳥検査棟まで搬入し、自然保護課職員等が検査試料(ス ワブ)を複数採取し、同所で簡易検査を実施する。 ●鳥類生息状況等調査 ●ガンカモ類主要渡来地生息調査 (自然保護課、各地域振興局農林部) ●糞便採取調査 (自然保護課) 日常的取り組み 秋 田 県 通報 一般市民、市町村、 警察署等 自然保護課、各地域振興局 鳥獣保護センター 等 ●スワブ採取 (自然保護課) ●簡易検査 (自然保護課) ●死亡野鳥等調査 遺伝子検査 (国立環境研究所) [A型の有無] 確定検査 (北海道大学等) [高・低 H5N1] 危機管理監 へ報告 遺伝子検査 (国立環境研究所) [A型の有無] 確定検査 (北海道大学等) [高・低 H5N1] 警戒区分、 関係情報の 通知等 環 境 省 陰性 陽性 陽性 陽性 陽性 陽性 警 戒 区 分 に 応 じ た サ I ベ イ ラ ン ス の 実 施 死亡野鳥情報 回収・搬送 公表・届出 ・環境省と同時若しくは 県単独で公表 ・感染症法の届出 発生周辺調査 (環境省主導) ・鳥類生息状況等調査 ・死亡野鳥等調査 ・糞便採取調査 ・野鳥捕獲調査 情報発信 ・地域住民への情報の 提供 ・野生鳥獣への二次感 染の防止 ・関係部局への情報の 提供 情報収集 ・関係部局等からの情 報収集 ・野生鳥獣の異常に関 する情報収集 ・接触者調査 高病原性の確定時の対応5 死亡野鳥等の回収 ◆死亡個体を回収した場合は原則として発見現場周囲を消毒する。死亡個体の回収時に消 毒が不可能であっても、簡易検査で陽性の結果が出た場合は必ず消毒する。 ◆回収にあたっては、必ずゴムやビニール製の水を通さない手袋を装着するとともに、マ スク、長靴等を着用する。作業終了後は着替えをする。 ◆応急的に回収する場合は、鳥の死亡個体が十分に入る大きさのビニール袋を裏返してつ かみ、袋をかぶせる。 ◆回収した死亡個体は厚手のビニール袋を二重にした中に入れ、そのビニール袋表面を70 %アルコールで消毒した上で、さらにビニール袋で覆い、口を縛るなど密閉する。それ をプラスチックのコンテナなど(感染性廃棄物容器がある場合はこれを用いる)に入れ、 なるべく他のものとは別にして、車等を使って、回収後24時間以内に極力4℃以下を 保って野鳥検査棟に搬入する。回収地を離れる時に車のタイヤを消毒する。 ◆回収作業中は、鳥インフルエンザウイルスが、鼻や口、目の粘膜から人に感染する可能 性があることに常に注意を払う。 ◆死亡個体の輸送に用いた容器類は、使用後、消毒し、よく洗う。ビニール袋等は焼却処 分等適切に処分する。車輌の内部も消毒する。 6 回収地点の消毒 ◆使用する消毒薬は対象物によって異なるが、野生鳥獣の死亡個体等の場合は通常、発見 地点の土を消石灰等で消毒する。 ◆消毒する範囲は地形等により考慮する必要があるが、原則として回収地点から半径1m を目安とする。 ◆消毒は基本的に陸域のみとし、生物が生息する水域は避ける。 ◆アスファルトの道路などの場合はサラシ粉やその他、物品の消毒に用いる消毒薬を散布 しても良い。