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1724 臨床精神医学第 41 巻第 12 号 表 1 東京都高齢者精神科医療相談班を利用した専門病棟への入院の流れ 家族 近隣住民 民生委員などで認知症のためと思わ れる問題行動で困っている方 地域の高齢者相談窓口に相談に相談 保健師 地域包括センター職員の訪問 高齢者精神医療相談班に訪問依頼 精

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Academic year: 2021

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はじめに  私が勤務する千葉県の旭市にある民間単科精 神科病院,海上寮療養所では認知症の人に対す る精神科訪問診療を行っています。私の認知症 診療体験から当院の認知症の人に対する精神科 訪問診療の実際を述べさせていただきます。 私の認知症診療体験から  認知症の人の精神科医療に本格的に携わるよ うになったのは,平成16年4月からの3年間, 東京都立松沢病院の認知症精神科専門病棟を担 当してからです。東京都の認知症精神科医療施 策は専門病棟への入院医療を中心としたもの で,松沢病院では東京都の精神科医療の最後の 砦として,認知症専門病棟においても,行動・ 心理症状が激しい方,重い身体合併症がある方, 複雑な背景を抱えた方など,民間病院で断られ てしまうようなケースを中心に,どんな困難な ケースでも断ることなく対応していました。3 年間で 180名弱のケースを入院加療しました。 認知症対応のベッドは 25床だったので,平均 150日程度の入院期間ということになります。  松沢病院での経験を元に,当院の訪問診療を 中心とした認知症の地域支援システムのアイ ディアが生まれてきました。 1.東京都高齢者精神科医療相談班(老人班)  まず,東京都の特色ある認知症精神科医療施 策の一つをご紹介しましょう。東京都高齢者精 神科医療相談班(以下,老人班)です。  これは,都内3カ所にある精神保健センター に設置された精神科医師と看護職のチームで, 地域の担当者とともに認知症高齢者の家庭を訪 問して診察し,今後の対応方法や認知症専門病 棟への入院を含めた処遇の相談をします。ただ し,診察を行うのみで,治療機能はありません。  訪問の対象は, ・病院嫌い,医者嫌い,暴れるなどのために家 族や関係機関が,認知症高齢者を病院に連れ て行くことができず困っているケース, ・幻覚・妄想・焦燥・易怒性・不安・暴力・徘 徊・大声・迷惑行為などの認知症に伴う激し い行動・心理症状に対して近隣住民,民生委 員や関係機関が困っているケースです。  実際の訪問がどのように行われるかご説明し ましょう。まず,家族,近隣住民,民生委員な どの関係者が,地域の高齢者担当相談窓口(各 区の保健センター,福祉事務所,区役所,保健 福祉センター,地域行政センター,保健所,保 健相談所,地域包括支援センターなど)に相談 長寿社会における認知症診療の課題

Tasks and Perspectives in Clinical Practice for Dementia Patients

認知症の訪問診療の実際

上野 秀樹*

Key Words☞認知症,精神科医療,訪問診療

Outreach service in the medical treatment of dementia

UENO Hideki 海上寮療養所〔〒 289-2513 千葉県旭市野中 4017〕

特集

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します。その後,地域の保健師や地域包括支援 センターの職員が訪問して問題点を整理したう えで,老人班に訪問の依頼を行います。  依頼を受け,訪問した老人班の精神科医師が 本人を診察し,認知症専門病棟への入院を含め 今後の処遇を相談することになります(表1)。  この老人班が関与したケースを多く入院させ る中で,認知症で行動・心理症状が問題となる ケースでは,医者嫌い・病院嫌いが多く,家族 や関係者が対応に困っても,医療機関に連れて 行けないために適切な医療を受けることができ ない場合が多いことがわかりました。 2.精神科のない医療機関からの転院依頼  精神科のない医療機関からの転院の依頼を数 十件受けましたが,転院して比較的少量の精神 科薬物療法で劇的に精神症状が改善する方が多 かったのです。「もし,私が往診することがで きれば,そもそも転院させる必要はなかったの ではないか」と考えたのが,そもそも認知症の 人への精神科訪問診療を考えたきっかけです。 松沢病院時代にも精神科のない医療機関への対 診を検討しましたが,時間的に難しく断念した 経緯があります。 3.入院のニーズの多さ  精神科の認知症病棟への入院のニーズの多さ を身をもって体験しました。一人が退院すると すぐに次の方が入院するという状況です。どの ケースの入院の希望もとても切実なもので,何 とか早く入院させてあげたいと思ったことを記 憶しています。入院された方のほぼ7−8割は 精神科薬物療法で良好に行動・心理症状が改善 され,当時は「重い行動・心理症状をもつ認知 症の人の治療のために精神科への入院加療が必 要であること」に疑いをもっていませんでした。 海上寮療養所での認知症診療  当院の周囲には認知症の精神科医療を積極的 に提供している医療機関はありません。そこで 平成 21年4月には物忘れ外来を開設し,多くの 患者さんが訪れてくれることを期待していたの ですが,ふたを開けてみると新患は月に1∼2 名しか来院せず,診察室には閑古鳥が鳴いてい ました。いろいろ調べてみると,もともと当院 は昭和 6年に結核療養所として開設された病院 で,受診される高齢者にとっては「肺病の病院」, ご家族にとっては「精神科病院」ということで受 診の敷居がとても高かったということがわかり ました。  そこで,患者さんがいらっしゃれないのであ れば,こちらから出向いていこうということで, 平成 21年11月より念願の認知症の訪問診療を 始めることになったのです。地域のケアマネ連 絡会などで積極的に宣伝し,その後は口コミで 広まり,現在では毎月の新患数が20∼30名を 数えています。  当院の認知症の人に対する精神科訪問診療は 2つのサービスからなっています。 ・行動・心理症状のために精神科外来を受診で きない患者さんのところへ精神科医師が往診 するサービス ・精神科のない一般科病院,介護保険施設等に 精神科医師が往診するサービス 認知症訪問診療のノウハウ  当院のように受診の敷居が高い精神科医療機 関に相談に来たり,受診しようとするというこ とは,相当切迫した状況である可能性がありま す。地域での生活を支えるためには,受診の申 表 1 東京都高齢者精神科医療相談班を利用した専門     病棟への入院の流れ 家族・近隣住民・民生委員などで認知症のためと思わ れる問題行動で困っている方      ↓ 地域の高齢者相談窓口に相談に相談   →保健師,地域包括センター職員の訪問       ↓    高齢者精神医療相談班に訪問依頼     →精神科医,看護職が訪問      →家族・関係者と処遇相談(含入院相談)        →専門病棟への入院

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し込みに対してできる限り「待たせないこと」が 重要になります。  認知症で脳の神経細胞の死滅・脱落が究極的 に進行すると失外套症候群となり,行動・心理 症状はもはや認められません。これは極端です が,行動・心理症状が問題となる認知症の多く は,認知機能障害は軽度∼中等度です。本人は 医師の前では取り繕ったり,普通に振る舞うこ とができたりして,医師の診察は行動・心理症 状の評価にはあまり役に立たないことが多いの です。日常的に介護している家族や介護者から の情報聴取がとても大切になります。  医者嫌い・病院嫌いの方のもとに訪問してい くので,「病院勤務の医者として」訪問すること はほとんどありません。多くの場合,「保健セ ンターから高齢者の健康チェックにきました」, 「市役所から高齢者の方のところにおうかがい しました」等々の設定で訪問します。その後は, 家族・介護者から詳しく状況を聞いて薬物療法 の調整を行っていきます。訪問看護を利用する のも有効な手段です。  当院では,認知症の家族・介護者に医師個人 の携帯電話の番号を教えています。薬物療法の 早めの調整のために教えることにしたのです が,これには大きな副次的効果がありました。 行動・心理症状のある認知症の人を抱えて,誰 にも相談できずに困っていたご家族が,24時 間・365日連絡できる相談先を知ったことで精 神的余裕が生まれ,それが介護に反映されて, 認知症の人の症状が落ち着いたのです。 認知症の精神科訪問診療の理論的検証  認知症は,一旦正常に発達した知的機能が, 持続的に低下し,複数の認知機能障害があるた めに日常生活・社会生活に支障をきたすように なった状態で,認知機能障害と行動心理症状の 2種類の症状が生じてきます。まず,日常生活・ 社会生活に支障をきたしている認知症の人の生 活を支えることが重要になります。  認知症の人の生活を支えるとき,認知症の2 種類の症状に対応した問題点が出てきます。認 知機能障害に基づくと考えられる問題,すなわ ち物忘れや判断力の低下のために,買い物がで きなくなったり,料理が作れなくなったり,大 切なものを管理できなくなったりした場合に は,現在の介護保険のケアマネジメントシステ ムの元で,そのサービスを効果的に利用するこ とで対応することができます。(現実には,サー ビスの絶対量の不足のために,例えば必要な施 設入所ができないなどということはよくあるこ とですが)。  現場で困ってしまうのは,行動・心理症状に 対する対応です。認知症の行動・心理症状は, 「認知機能障害をもっている認知症の人に,も ともとの性格,周囲の環境,人間関係などの さまざまな要因が絡み合って生じてくる症状」 のことをいいます。具体的には,不安,抑う つ,興奮,徘徊,不眠,被害念慮,妄想などの ことです。例えば,認知症の初期段階では,自 分の認知機能障害に気づき,不安になったり, 将来のことを考えて,抑うつ的になったりしま す。さらに認知機能障害が進行すると,忘れる こと自体を忘れてしまい,記憶障害に関する病 識が失われるので,自分がしまい場所を忘れて なくしたものを「誰かが盗った」などと訴えたり することがあります(物盗られ妄想)。こういっ た被害妄想のために興奮したりすることもあり ます。また,場所がわからなくなると徘徊が認 められたりします。認知症の人は,その認知機 能障害のために言葉で表現することができませ ん。例えば,便秘でおなかが張って苦しいこと を言葉で表現できず,苦しいのでいらいらした り,ものに当たったり,人に暴力をふるってし まうこともあります。認知症の人の行動・心理 症状は認知症の人の言葉にならないメッセージ の可能性があるのです。  その認知機能障害のために周囲の環境に反応 して混乱してしまったり,認知症の人の言葉に ならないメッセージの可能性があり,ケアや対 応の工夫で改善することが多いものです。ケア

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や対応を工夫しても行動・心理症状が改善しな い場合には,精神科医療が必要になりますが, ここで一つ大きな問題があります。  行動・心理症状が問題となる認知症では,医 者嫌い・病院嫌いの方が多く,通常の精神科外 来受診が難しいことが多いのです。内科や外科 などの一般科の医療においては,医療の必要性 が高まったとき,例えば内科的疾患で昏睡状態 にあったり,大けがをしているときなどは,病 院に搬送することができれば,医療へのアクセ スは容易です。しかし,精神科疾患においては, 医療の必要性が高まれば高まるほど,病識が失 われることが多いため,通常の医療へのアクセ スが困難になる傾向があります。これは,行動・ 心理症状が激しい認知症の人の場合も同様なの です。  ケアや対応を工夫しても改善せず,精神科外 来に連れて行くこともできず,激しい行動・心 理症状は家族・介護者を疲弊させていきます。 認知症の人の妄想は身近でケアをする家族・介 護者をターゲットとすることが多く,妄想の対 象となった方の心身に深い傷を残すことになり ます。  こうした認知症の人の精神科医療へのアクセ スの問題を解決する手段が,精神科医師の訪問 診療サービスです(図1,2)。  精神科医師の訪問診療サービスがあれば,た とえ本人が医療機関を受診できなかったとして も,精神科医療を恩恵を受けることができるよ うになります(図3)。 認知症の人の精神科入院の問題  現在,認知症の人の精神科入院が問題となっ ています。統合失調症などいわゆる内因性精神 病の精神科入院と認知症の人の精神科入院を比 較して考えてみましょう。統合失調症,感情障 害のようないわゆる内因性精神病や薬剤性精神 病では,社会生活上のストレスからその病状が 増悪することが多いため,社会から離れて精神 科病棟に入院すること自体に治療的な意義があ ります。それに対して,行動・心理症状が問題 となる認知症の人の精神科病棟への入院はデメ リットが多いのです。認知症で行動・心理症状 が問題となるケースは,認知機能障害は軽度∼ 中等度で,「精神科病院に入院させられた」とい うことは理解できることが多いのです。高齢者 では精神科医療に対する偏見が強いこともあっ て,「精神科病棟に入院させられたこと」自体に 反応して行動・心理症状が増悪する可能性があ ります。  また,精神科病棟は「生活の場」ではないので, 福祉施設とは異なり本人の残された能力を生か すような生活環境を作り出すことが難しく,入 院生活を継続することで ADL が低下し,認知 機能障害が進行していくことになります。  現在の精神科の入院制度では,権利侵害に対 する回復手段が不十分ですが,認知症の人はた とえ有効な権利回復手段があっても利用するこ とができないという問題点があります。  最も問題なのは,認知症の人を精神科病棟に 入院させると入院期間が長期化しやすい傾向が あることです。平成22年度の厚生労働省の「新 たな精神保健医療体制の構築に向けた検討チー ム第 2R」において「認知症と精神科入院医療」に 関して議論が行われましたが,その中で精神病 床における認知症入院患者に関するアンケート 調査が行われました。この調査では,認知症患 者の平成 22年9月15日現在の平均在院期間が 944.3日(中央値336日)という結果が出ていま す。日本の精神科医療が入院医療中心で長期在 院患者が多いことが問題となっていますが,そ れでも平均在院期間は 300日程度です。認知症 患者が精神科病棟に入院した場合の入院期間の 長期化傾向が際立っていることがわかります。  ここで,「入院医療によって改善したケース」 に関して考えてみましょう。上記のように認知 症では,統合失調症や感情障害などの内因性精 神病,薬剤性精神病と異なり,「入院すること」 自体には治療的な意義はありません。そのため, 「入院加療によって改善したケース」とはほとん

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どが「薬物療法によって改善したケース」なので す。訪問診療を含め,何らかの形で適切な薬物 療法が提供できれば,「入院加療して改善した ケース」も外来医療だけで改善することができ ることになります。入院医療は必ずしも必要で はないということです。  認知症の人の精神科病棟への入院数を減らす ために,退院促進をしようという考え方があり 認知症の 行動・心理症状 行動・心理症状 ケアマネ,ヘルパー 介護保険サービス 改 善 改善しない 改善しない いいえ はい 精神科外来医療 施設入所 通院可能 精神科入院 図 1 行動・心理症状への対応(従来) 認知症の行動・心理症状は,ケアや対応の工夫で改善することが多いものです。改善しない場 合には精神科医療の適応になりますが,精神科外来に通院可能かというと,ほとんどの場合に 通院は不可能です。従来は,困っている間にどうにもならなくなって,精神科に入院させるし かなったのです。 ゴၡタ⒢ 認知症の 行動・心理症状 ケアマネ,ヘルパー 介護保険サービス 行動・心理症状 改善しない 改善しない いいえ はい 改 善 通院可能 在宅 + 精神科外来医療 施設入所 精神科外来医療 精神科入院 図 2 行動・心理症状への対応(訪問診療があれば) 認知症に対する精神科医師の訪問診療サービスがあれば,精神科外来に通院させることができ ない認知症の方でも,精神科医療を受けることが可能となり,改善することができます。

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ます。しかし,あまりに入院のニーズが多いた めに,退院促進してもすぐに次の方が入院して くるため,退院促進では入院数を減らすことは できません。入院数を減少させるためには,表 2の入院のニーズの連鎖を切る必要があります。 (*)のところでこの連鎖を切るのが精神科医師 の訪問診療サービスになります(表2)。 今後の認知症施策  平成 24年6月18日に厚労省から「今後の認知 症施策の方向性について」が発表されました。 これまでの認知症施策を再検証し,認知症に なっても本人の意思が尊重され,できる限り住 み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることが できる社会の実現を目指すことになりました。 この中で「認知症初期集中支援チーム」と「身近 型認知症疾患医療センター」という2つの大き な施策が提案されました。このうち,「身近型 認知症疾患医療センター」は,認知症の人に必 要な医療を必要な場合には宅配で提供するシス テムです。  認知症と医療の図(図4)から説明します。< 認知症と医療>医療には診断と治療の場面があ ります。認知症の診断において,大切なのは最 初の鑑別診断で治療可能な認知症を除外するこ とです。その後の診断に関しては,認知症は進 行していく病気なので,ケアの現場からの情報 で臨床診断を適切に修正していくのが大切にな ります。次に治療の場面を考えてみましょう。 認知症の人も人間なので,身体疾患にかかりま す。治療は,身体疾患の場面,認知機能障害の 治療,行動・心理症状の治療の3つに分類され ます。認知症の身体疾患は,当然のことながら 内科,外科などの一般科にて治療します。困っ てしまうのは,治療中に行動・心理症状が生じ た場合です。  このように,認知症における医療の問題は行 動・心理症状の問題なのです。行動・心理症状 に関しては,ある程度発生の防止が可能です。 万一,発生してしまった場合には,身体的異常 や内服薬によって生じていないかどうかを検討 し,認知症の人が混乱しないような良い環境と 良いケアを提供することができれば,多くの行 動・心理症状は改善します。改善しない場合に は,精神科薬物療法の適応になります。このよ うな場合,医療機関への通院が難しいケースが 多いのですが,身近型認知症疾患医療センター からのアウトリーチサービスがあれば,問題は 解決します。  現在,認知症の人の精神科病院への入院が問 題となっています。現状,認知症の人の精神科 病院への入院ニーズが大きいのが最も大きな問 題です。在宅で暮らしていた認知症の人が行 動・心理症状を生じてケアが難しくなった場 合,施設への入所,精神科病院への入院という 2つの選択枝があります。残念ながら現在,施 設の行動・心理症状に対する対応能力は低く, ちょっとした行動・心理症状があっただけで受 け入れを断られてしまうため,精神科病院への ものわすれでお困りの方 家族が認知症ではないかと心配な方 本人が病院に行きたがらない方 ご一報下さい ご相談に応じます 0479- 60- 0601 千葉県旭市野中 4017 ロザリオの聖母会 海上寮療養所 㻖 㻓 㻔 㻕 㻕 ▦ ᣞ ᑚ Ꮥ ᰧ 䜷 䝥 䝮 ᪣ ⠾ ᪾ ಕ 㝜 ಕ 㣬 䜿 䝷 䝃 䞀 㣜 ᒱ 㥈 ᪣ 㥈 䡭 䢏 䢅 䡢 䢋 㻔 㻕 㻙 ᮶ ⥪ ᩝ ໩ ఌ 㤃 䢁 䡴 䢅 䡶 䡩 䢈 䡮 䡰 䡾 䢐䢏 䡤 䢌 䡾 䢐䢏 ᪣ ᕰ ᙲ ᡜ 㻃䕸 ᪣ ⨣ 䡨 䡤 䢏 䡯 䢐䢀 䡢 䢃 ᪣ ㎨ 㧏 ᪣ ୯ ኳ ⑋ 㝌 䡰 䡾 䢐䢏 䡤 䢌 䡾 䢐䢏 㣜 ᒱ మ ⫩ 㤃 ᾇ ୕ ୯ Ꮥ ᰧ ᑋ ⮤ ິ ㌬ ᩒ ങ ᕝ ሔ ᾇ ୕ ᐿ ⒢ 㣬 ᡜ ⪯ 䝢 䝮 䜦 ᅧ ⪯ ᐓ ᪐ ᅧ ⪯ ẍ ⒢ ⫩ ᅧ 㻚 㻔 ⮫ 㖧 Ꮔ ⮫ ༐ ⴝ 図 3 パンフレット 表 2 行動・心理症状のある認知症の人 行動・心理症状のある認知症の方  →医者嫌い・病院嫌いが多い  →適切な精神科医療を受けるのが困難 (*)  →どうしようと困っているうちに行動・心理症状が増悪  →在宅や施設、精神科のない医療機関からの精神科病棟   入院のニーズが増大

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医療が必要な場面 行動・心理症状の問題 精神科入院の問題 診断の場面 初期集中支援チーム 良い環境と良いケアを提供 通常の外来受診が不可能な場合 最後の手段としての精神科入院加療 身体的異常,内服中の薬物で生じていないかの検討 必要時に精神科薬物療法 身近型(認知症医療アウト リーチサービス ) 入院ニーズの多さ 長期化の問題 在宅から 施設から 受け入れ先の問題 施設の行動・心理症状対応能力の低さ (精神科医療が手軽に利用できない) 施設の行動・心理症状対応能力の低さ (精神科医療が手軽に利用できない) 認知症の行動・心理症状に関しては,認知機能障害のため環境的な要因が大きく,同様の状態像であっても, 一般の精神疾患に比較して精神科医療の必要性は低い。身近型における認知症医療の提供は,一定の訓練を 受けた一般科医師で十分可能であると考えられる。 発生の防止 発生後の対応 認知症 に関 する 正し い知 識,対応方法 の知 識の 提供 高齢者に対する適切な薬物療法 最初の鑑別診断 その後の診断 身体疾患の治療 行動・心理症状の治療 一般科で対応 行動・心理症状が生じたときに問題 ケアの経過の情報で臨床診断を修正していく 治療の場面 認知症と医療 図4  

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入院ニーズが大きくなっています。手軽に利用 できる施設や精神科のない医療機関むけの認知 症医療のアウトリーチサービスがあれば,精神 科入院ニーズを下げることが可能になります。  また,認知症の人が精神科に入院すると入院 期間が長期化することも問題になっています。 これは,行動・心理症状の再燃を恐れ,施設や 在宅での受け入れを嫌がるのも原因の一つで す。こちらに対しても,適切な認知症医療のア ウトリーチサービスがあれば,問題が解決しま す。  それでは誰がそのサービスの提供者となるべ きでしょうか?  純粋な認知症のケースでは,比較的単純な薬 物療法でほとんど副作用なく改善します。これ らは認知症に関するきちんとした訓練を受けた かかりつけ医で十分に対応可能です。精神科医 師の診療が必要になるのは,もともと医療が必 要ない軽度の精神科疾患があって,認知症が合 併したようなケースです。例えば,医療の必要 がなかった軽度の統合失調症の方で,認知機能 障害が認められるようになって,理性のコント ロールが効かなくなり,精神症状が前面に出て きてしまったケースなどです。 さいごに  認知症は高齢化が最も大きな危険因子であ り,誰がかかってもおかしくありません。現在 の認知症の人の問題は,将来の私たち自身の問 題でもあります。今回の厚労省の報告書で示さ れた「認知症になっても本人の意思が尊重され, できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし 続けることができる社会の実現」に向かい,国 民ひとりひとりの英知を結集していくことが求 められていると考えています。 *         *         *

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