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結果 1. 先生の現在の診療科の標榜は?( 標榜されている科を全て選択 複数回答可 ) 診療科の標榜は 小児歯科 93.1% 歯科 55.9% 矯正歯科 40.5% 口腔外科 20.1% であった 小児歯科が 100% でないのは 後述の質問 3 での回答の中に 研究者などの臨床に携わっていない者

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平成 30 年度 社会保険診療報酬改定に関する

アンケート調査結果について

はじめに

平成 30 年 4 月の社会保険歯科診療報酬改定は、厚生労働省の『団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年とそれ以降の社会・経済の変化や技術革新への対応に向けて、平成 30 年度診療報酬改定に より、質が高く効率的な医療供給体制の整備とともに、新しいニーズにも対応できる質の高い医 療の実現を目指す。』というスローガンのもと、 I.「地域包括システムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進」 II.「新しいニーズにも対応でき、安心、安全で納得できる質の高い医療の実現・充実」 をコンセプトに行われた。改定率は、全体としては+0.55%、歯科に関しては+0.69%で、少子 高齢化社会を意識したものである中、小児を対象とした新しいニーズへの対応として、小児の口 腔機能管理の推進の観点から「口腔機能発達不全症」の新設、「小児在宅患者訪問口腔リハビリ テーション指導管理料」の新設がみられたこと、さらには上記コンセプトのもと全体の改定か ら、院内感染防止対策の推進として「初・再診料の見直し」、かかりつけ歯科医機能の評価とし て「かかりつけ歯科医機能強化型診療所(以下か強診)の施設基準の変更」、レーザー機器を利 用した診療の評価や埋伏歯の牽引矯正治療の追加などの治療に関するもの、フッ化物の利用に関 する増点や変更、歯科衛生実地指導料・機械的歯面清掃の対象の変更など予防・管理に相当する ものなど、小児歯科医療現場にも影響するであろう改定項目がみられた。 今回、安心・安全で質の高い小児歯科医療を提供していくための様々な課題について考察、評 価するため、平成 30 年度の社会保険診療報酬改定結果についてアンケート調査を実施した。

対象と方法

平成 30 年 7 月 11 日〜9 月 20 日の 2 か月間に、一般社団法人日本小児歯科学会の会員に対し て、平成 30 年度の保険点数改定結果と小児歯科医療に関する検討項目に関するアンケート調査を 実施した(図 1)。対象会員は、本会の全会員 4950 名のうちメールアドレス登録者 2865 名。メー ル発信を活用した WEB 調査として実施した。回答の集計・分析は、回答者の匿名性に配慮してデ ータの管理を行い、回答数は 447、回答率は 15.6%であった。なお、本調査は本学会倫理委員会の 承認を得て行われている(認可番号 18−7)。

図 1

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結 果

1.先生の現在の診療科の標榜は?(標榜されている科を全て選択・複数回答可) 診療科の標榜は、小児歯科 93.1%、歯科 55.9%、矯正歯科 40.5%、口腔外科 20.1%であった。 小児歯科が 100%でないのは、後述の質問 3 での回答の中に、研究者などの臨床に携わっていない 者、開業医でも矯正専門、一般歯科という回答、大学病院での小児歯科以外の診療科の回答もあ ったためと解釈される。 2.今回の保険点数の改定結果について、どのように感じていますか? (回答数 441 名/447 名) 今回の保険点数改定結果については、「良かった」16.3%、「やや良かった」38.8%を合わせる と 55.1%が肯定的に評価していた。「やや不満」4.5%、「不満」3.9%を合わせると 8.4%が否 定的に評価、36.5%は「どちらともいえない」と回答していた。 3.先生の診療所の歯科医院の診療様式は? (回答数 446 名/447 名) 「D.小児歯科・矯正歯科・一般歯科開業」が 27.8%でもっとも多く、「A.小児歯科専門開業」 「B.小児歯科・矯正歯科開業」「C.小児歯科・一般歯科開業」を合わせると 63.2%、さらに「G.

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その他」に小児歯科を標榜していない 4 名とが開業医であった。「E.大学小児歯科」と「F.病院 歯科」を合わせて 27.3%であった。 本アンケートの回答は、6割が開業医から、3割が大学病院その他病院歯科の先生方からとな る。 4.保険改定後収入に変化はありましたか? (回答数 307 名/447 名) 保険収入の変化については、「増加した」5.5%、「やや増加した」23.5%を合わせると 29.0% が増加していた。「やや減少した」2.3%、「減少した」1.6%合わせて 3.9%が減少、67.1%は 「どちらともいえない」と回答していた。 5-1.初診料・再診料の増点について、今回の初診料・再診料の増点には、施設基準の届出が必要 です。施設基準について (回答数 304 名/447 名) 95.7%の先生が「A.施設基準の届出を行った、もしくは行う予定」と回答されていた。

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5-2.5-1 で B と回答の方へ、施設基準の届出を行わない理由は? (回答数 17 名/13 名?) 回答の該当者は 13 名であったが、「A.施設基準を満たせない」が 10 名、「B.その他」が 7 名で あった。理由の記載は、「内容がよくわからない」1 名と「大学病院のため」1 名、みられた。 6.外来環の減点について(初診、再診ともにー2 点)について (回答数 298 名/447 名) 「やや不満」23.2%、「不満」21.5%を合わせて 44.7%であった。減点であるので、外来環の施 設基準を届出、算定している医療機関からの意見と思われるが、「良かった」3.7%、「やや良か った」2.0%の回答もみられた。「どちらともいえない」は 49.7%であった。

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7-1.かかりつけ強化型歯科診療所の施設基準の見直しについて(う蝕や歯周病の重症化予防に関 する継続的な管理等を要件に追加、歯科訪問診療の実績に関する条件緩和、地域連携に関する会 議等への参加実績を要件に追加など) (回答数 304 名/447 名) 「A.施設基準の届出を行った、もしくは行う予定」は 41.1%、「B.施設基準の届出は行わない」 58.9%であった。 7-2.7-1 で B と回答の方へ、施設基準の届出を行わない理由は? (回答数 179 名/179 名) 90.5%の先生が「A.施設基準を満たせない」と回答されていた。「B.その他」は 9.5%で、理由 の記載は、「内容がよくわからない」1 名と「大学病院、病院歯科のため」3名、「縛りが多すぎ る」2 名、「7-3 の質問の選択肢以外の基準が満たせない」4 名、「意味がない」2 名、みられ た。

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7-3.7-2 で A と回答の方へ、申請できない「施設基準」はどれに当たりますか?(複数回答可) 「A.歯科訪問診療関連」が 92.0%ともっとも多く、ついで「B.歯周安定期治療関連」が 53.1% と半数を超えていた。「C.補綴物維持管理関連」14.2%、「D.診療情報提供料…関連」4.9%、 「E.歯科医師の研修関連」17.3%、「F.地域連携に関する会議等への参加実績関連」が 25.3%であ った。 8.小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料(450 点)の新設について (回答数 443 名/447 名) 「良かった」20.1%、「やや良かった」17.4%を合わせると 37.5%が肯定的に評価していた。 「やや不満」1.8%、「不満」1.8%を合わせると 3.6%が否定的に評価、58.9%は「どちらともい えない」と回答していた。

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9.「口腔機能発達不全症」に対する歯科疾患管理料 小児口腔機能管理加算(100 点)の新設につ いて (回答数 443 名/447 名) 「良かった」30.2%、「やや良かった」30.2%を合わせると 60.4%が肯定的に評価していた。 「やや不満」4.5%、「不満」4.7%を合わせると 9.2%が否定的に評価、30.2%は「どちらともい えない」と回答していた。 10.再発性アフタ性口内炎に対するレーザーによる口腔粘膜処置(30 点)の新設について (回答数 440 名/447 名) 「良かった」20.0%、「やや良かった」25.7%を合わせると 45.7%が肯定的に評価していた。 「やや不満」1.8%、「不満」3.2%を合わせると 5.0%が否定的に評価、49.3%は「どちらともい えない」と回答していた。

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11.小帯切除術、粘膜嚢胞摘出手術その他へのレーザー機器加算の新設について (回答数 440 名/447 名) 「良かった」24.1%、「やや良かった」26.8%を合わせると 50.9%が肯定的に評価していた。 「やや不満」3.4%、「不満」2.5%を合わせると 5.9%が否定的に評価、43.2%は「どちらともい えない」と回答していた。 12.機械的歯面清掃処置の対象変更(歯周疾患→歯科疾患に罹患しているもの)と、2か月に 1 回 の算定可が条件付きで月 1 回の算定可となった(歯科診療特別対応加算、初診時歯科診療導入加 算を算定した患者又は妊娠中の患者)ことについて (回答数 442 名/447 名) 「良かった」が 51.8%と半数を超え、「やや良かった」31.2%を合わせると 83.0%が肯定的に 評価していた。「やや不満」1.4%で「不満」は 0%であった。15.6%は「どちらともいえない」 と回答していた。

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13.フッ化物歯面塗布処置の増点(う蝕多発傾向者、エナメル質初期う蝕それぞれ+10 点)とエナ メル質初期う蝕に関する写真撮影が 2 回目以降は光学的う蝕検知装置の数値記載で代用可となっ たことについて (回答数 441 名/447 名) 「良かった」23.6%、「やや良かった」28.6%を合わせると 52.2%が肯定的に評価していた。 「やや不満」2.3%、「不満」2.0%を合わせると 4.3%が否定的に評価、43.5%は「どちらともい えない」と回答していた。 14.埋伏歯牽引(前歯 3 歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常)が保険収載されたことにつ いて (回答数 439 名/447 名) 「良かった」17.1%、「やや良かった」21.6%を合わせると 38.7%が肯定的に評価していた。 「保険導入されない方がよかった」8.7%が否定的に評価、52.6%は「どちらともいえない」と回 答していた。

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15.上記またはそれ以外の改定事項で、よかったものがあれば理由を含め教えてください。 (自由記載、回答数 27 名から 38 件のコメント) 下表のような結果であった。理由については紙面の都合で割愛したい。 16.上記またはそれ以外の改定事項で、不満なものがあれば理由を含め教えてください。 (自由記載、回答数 78 名から 97 件のコメント) 下表のような結果であった。理由については紙面の都合で割愛したい。

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質問 15.16.の表から、今回改定項目の主なものに対する意見のコメント数をグラフにまとめた。 特徴的だったのは「口腔機能発達不全症の新設」に関するものが、「よかった」「不満」の双方 で最も意見が多かったこと、「か強診の基準変更」と「埋伏歯の牽引」に関しての不満の意見が 多かったことがあげられる。 17.診療報酬改定について、どのような改定をしてもらいたいと考えていますか?ご意見をお聞か せください。 A.現行の診療報酬のなかで改善して欲しい内容 (自由記載、回答数 143 名から 184 件のコメント) 下表のような結果であった。

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B.診療報酬に新規に導入して欲しい医療技術(自由記載、回答数 73 名から 81 件のコメント) 下表のような結果であった。

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17-A.B の表をまとめてコメント数をグラフでまとめた。日常臨床の中心である「処置、修復、外 科」に関するものが最も多く、次いで「小児歯科の専門性」に関するもの、「咬合誘導」に関す るもののコメントが多かった。 18.その他、社会保険委員会の活動(第 55 回大会でワークショップ、第 56 回大会でシンポジウ ム、地方会大会(ポスター発表)等を含む)に対してご意見・ご要望がございましたら、ご自由 にお書きください。 (自由記載、回答数 26 名から 29 件) コメント数は少ないが、頂いたコメントは以下のような内容に分類された。学会での企画に対す る好評価や感謝、ねぎらいの言葉が多かった。その中で、小児歯科医療の専門性などを行政や国 民に理解を求めていく必要性を委員会活動のアドバイスとして 4 名の先生から頂いた。

考 察

⒈ アンケート調査自体の反省点 社会保険診療報酬改定は 2 年ごとに行われている。今回のアンケート調査は、過去の平成 26 年、平成 28 年の改定時と同様に、本学会会員の先生に今回の改定に対する意見を集約することを 目的に行った。しかしながら、回収率が 15.6%(447 名/2865 名)と低く(平成 26 年 19.1%、 平成 28 年 19.9%)本学会会員全員の意見を反映させることの難しさを感じる。回収率が低い要因 はアンケート調査の周知の問題、回答される先生方の煩雑さも想像されるが、質問1「先生の現 在の診療科の標榜は?」と質問3「先生の診療所の歯科医院の診療様式は?」の回答結果からそ の一因に本学会会員の多様性があることを推察した。本アンケート調査は地域の診療所、いわゆ

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る開業医目線での質問が多かったことも一因と考える。本学会の会員には大学歯学部医局員で大 学病院で勤務している者が多いこと、さらには専門性から総合病院、障がい者(児)施設に勤務 している者、開業医での勤務医、研究職などで臨床現場に関わっていない者、その他、多様性が あり、これらの先生方には回答に困った質問が多かったと推察される。結果、アンケートを提出 されなかったり、回答されても未回答の欄が出てきたのではと考える。過去 2 回の調査も同様の ことは言えるが、過去 2 回よりさらに回収率が下がった理由は、今回のアンケートに診療所開設 者のみ判断の「施設基準」に関する項目が含まれたことが影響したのではと考える。 2 年後の改定時に同様のアンケート調査を行う際は、調査の対象、質問の内容など工夫すべきで あろう。 ⒉今回の改定の評価について 1)改定全般の評価について 全体的な評価については、「施設基準の条件付初・再診料の増点」、新設の「口腔機能発達不 全症」、その他処置などの増点から、全体としてプラス改定であったため、結果として質問4で 29.0%(絶対数 89 名)が収入の増加と回答され、質問2で「よかった」「ややよかった」と 55.1%(243 名)が評価していた。逆に「収入減少」は 3.9%(絶対数 12 名)で、「不満」との 回答は 8.4%(絶対数 37 名)であった。 割合だけでなく絶対数でのこれらの数字を見ると、改定結果の評価は単なる収入面ではなく、 改定の内容に関しての評価であることがうかがえる。 過去 2 回の調査と比較すると、改定の評価については「よかった」が増加、「不満」が減少の 傾向にあり、収入の面では「増加」は横ばい、「減少」は減る傾向にあった。近年の改定は、社 会状況や臨床現場に歩みよる一面が見られると言えるのかもしれない。 2)「初・再診料の施設基準つきの増点」、「か強診の施設基準の条件変更」、「外来環の減 点」に関して 施設基準により同様の診療行為を行っても診療所間で点数の差が生じることは、診療所側だけ でなく患者側の立場でも公平性を疑問視する見解もあるが、機器の設備、専門職の人員の配置に 関しては、投資・経費がかるため理解できる。その面では、質問6「外来環の減点」に関する回 答は、これまで設備を整え基準を満たしていた先生からの不満が多かったことが推察される。 初・再診料についての施設基準は「院内感染対策」に絞ったもので、回答された先生の 95.7% がこれを届出するとされた。多くの先生が基準にあげる「院内感染対策」をすでに行っている、 あるいは行うべきと考えられており、基本診療料の施設基準とすることの必要性を見いだせな い。質問 16、17 の記述回答では、「充分な院内感染対策を行うには、今回の初・再診料の増点程 度では不充分」という意見もみられた。 か強診の施設基準については、「届出をする」と回答されたのは 41.1%、半数以上の 58.9%が 「届出をしない」とされた。届出をしない理由の 90.5%が「施設基準を満たせない」とあり、内 訳の中で、「歯科訪問診療関連」92.0%、「歯周病安定期治療関連」53.1%、との理由が多かっ た。この2つは、一部小児への訪問診療の対象も認められたものの、成人、高齢者が対象の中心 であり、小児歯科中心の診療形態では非常に困難な基準である。子ども達、保護者から「かかり つけ」と認められながら、制度では「かかりつけ」と認められない矛盾に対する不満が質問 15〜 17 の記述回答に多くみられた。 3)その他増点項目の評価について

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【新設されたもの】 ・小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料 ・口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料小児口腔機能管理加算 ・再発性アフタ性口内炎に対するレーザーによる口腔粘膜処置 ・小帯切除術、粘液嚢胞摘出その他へのレーザー機器加算 ・埋伏歯の牽引 【要件が変更されたもの】 ・機械的歯面清掃処置 ・フッ化物歯面処置(増点を含む) これらに関しての評価を調査したが、全て 447 名中 440 名前後の回答が得られたので、割合で比 較する。結果は、全ての項目で高評価(「よかった」「ややよかった」)が低評価(「やや不 満」「不満」「導入されない方がよかった」)より多かった。最も高評価の割合が高かったのは 「機械的歯面清掃処置の算定要件の変更」で 83.0%、低評価も「やや不満」の 1.4%のみであっ た。低評価の割合が最も多かったのは「口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料小児口腔機 能管理加算の新設」で 9.2%、しかし逆に2番目に多くの 60.4%の高評価を得ており、この項目に ついては、質問 15.16 の記述回答で賛否に関して多くの意見がみられたので詳細は後述する。そ の他の項目は、おおよそ4割〜5割程度の高評価が得られ、低評価は数%であった。「前歯3歯 以上…」という現実的な算定要件でない「埋伏歯の牽引の新設」に関して、若干高評価の割合が 低く、低評価の割合が高い傾向は感じられた。 「口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料小児口腔機能管理加算の新設」に関しては、質 問 15、16 の記述回答で、「よかった」「不満」の両方で一番多くの意見があげられた(「よかっ た」10 件、「不満」27 件)。「よかった」側の理由は、表現の違いはあるもののおおよそ「小児 の機能発達面についての内容が保険に収載された」ことへの評価で共通していた。「不満」側の 理由は、「診断基準や検査・指導内容などの不備に関するもの」が 12 件と最も多く、「小児の機 能発達に精通していない歯科医師に対する不安」が4件、「点数の評価が低い」が3件、「MFT (筋機能療法)や矯正治療等の自費との兼ね合いに関する意見」が2件であった。その他分類で きない理由(8件)を含めても、小児の機能発達に関しての臨床上の意義に関して否定する意見 はなく肯定的に捉えられており、今後どのような形で運用、改善していくか、厚生労働省の見解 を見極めながら学会としての対応を考えていきたい。 ⒊今後の診療報酬改定に向けて 自由記載の 15〜17 の質問に関して、コメントを記入された先生の人数をグラフにまとめた。こ れをみると、質問 15 の今回の改定結果に対して「よかった」ことに対するコメントが少なく、現 状の保険診療に対しての不満や改善を求めるコメントが多かったことがわかる。

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本学会としても、これを踏まえて今後の診療報酬改定に要望を出していかねばならないと思う が、今回みられた「口腔機能発達不全症の新設」に対するような会員間での意見の相違もあり、 本学会社会保険委員会としては、情報の集約と会員への発信を密に行なっていくべきこと、学会 大会での企画の工夫(会員間での意見交換の場を設けるなど)も必要と考える。さらには、学会 以外の対外的な情報の発信、行政や国民に「小児歯科の専門性」への理解を求めることなどの活 動も、広報委員会、学術委員会、小児保健委員会などとも連携して行っていくべきと考える。 差し当たっては、質問 1〜14 の結果と質問 15〜17 の記述回答の内容から、本学会から現行の項 目に改善を求めるとすれば、小児歯科の専門性を踏まえて、まずは「か強診」の施設基準の見直 し、次に学会内で意見を集約した上でが理想だが「口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料 小児口腔機能管理加算」の内容の整備を、と考える。 さらには全般的に、「処置、歯冠修復、外科処置」など日常臨床の中心になるものに対する高 い評価を望む意見、「小児歯科の専門性の評価」を要望する意見が多かった。「処置、歯冠修 復、外科処置」には、ラバーダムや、治療に非協力な小児の対応の工夫など小児歯科医ならでは の内容が含まれてくるので、私見としてはやはり「小児歯科の専門性」について、様々な項目で 評価して欲しいとの要望を出して行きたい。 本稿を読まれた会員の先生方から、今後さらなる意見を頂きたく思う。

まとめ

1 今回の診療報酬改定についての評価は、全体としては 55.1%が肯定的、8.4%が否定的であっ た。36.5%は「どちらともいえない」と回答していた。保険収入の変化は、29.0%が増加、 3.9%が減少、67.1%は「どちらともいえない」と回答していた。 2 「初・再診料に関する院内感染対策の施設基準」については、95.7%が届出すると回答され た。 3 「か強診」に関する施設基準については、「届出する」が 41.1%、「届出しない」が 58.9% であった。「届出をしない」理由の 90.5%は「施設基準を満たせない」であり、その内容は 「歯科訪問診療関連」が 92.0%、「歯周病安定期治療関連」が 53.1%と小児歯科中心の医療 現場では困難な基準に対するものが多かった。 4 各改定項目に関する評価は、以下の通りであった。 「外来環」の減点:肯定的 5.7%、否定的 44.7%、「どちらともいえない」49.7% 「小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料」の新設:肯定的 37.5%、否定的 3.6%、「どちらともいえない」58.9% 「口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料小児口腔機能管理加算」の新設:肯定的 60.4%、否定的 9.2%、「どちらともいえない」30.2% 「再発性アフタ性口内炎に対するレーザーによる口腔粘膜処置」の新設:肯定的 45.7%、否 定的 5.0%、「どちらともいえない」49.3% 「小帯切除術、粘液嚢胞摘出手術その他へのレーザー機器加算」の新設:肯定的 50.9%、否 定的 5.9%、「どちらともいえない」43.2% 「機械的歯面清掃処置」の対象変更:肯定的 83.0%、否定的 1.4%、「どちらともいえない」 15.6% 「フッ化物歯面塗布処置」の増点、条件緩和:肯定的 52.2%、否定的 4.3%、「どちらともい えない」43.5% 「埋伏歯の牽引」の保険収載:肯定的 38.7%、否定的 8.7%、「どちらともいえない」52.6% 5 今回の改定項目に対する記述回答では、「口腔機能発達不全症に対する歯科疾患管理料小児口 腔機能管理加算」に対して、高く評価するコメント(10 件)と不満とするコメント(27 件) と双方で最も多かった。また「か強診の施設基準」に対しての不満のコメント(20 件)と、 「埋伏歯の牽引」に対する不満のコメント(9 件)が多かった。 6 今後の診療報酬改定への要望に関する記述回答では、現行から改善を望むもの、新規に導入し て欲しいもの含めて、「処置、修復、外科」の日常臨床の中心となる項目(合計 84 件)、 「小児歯科の専門性」の評価を望むもの(合計 42 件)、「咬合誘導」に関するもの(合計 37 件)が多かった。

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謝 辞

今回のアンケート調査に、ご回答頂いた先生方、また案内・集計にご協力頂いた学会事務局スタ ッフ、株式会社メテオ様、お礼申し上げます。ご協力ありがとうございました。

参照

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