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SS1-1-2 前方の肺尖部腫瘍に対する Trap door 変法 第一肋骨追加切 離 によるアプローチ 野守 裕明 叢 岳 杉村 裕志 武士 昭彦 亀田総合病院呼吸器外科 目的 著者は 1995 年に Trap door 変法 第一肋骨の追加切離 を報告して以来 Thorac Cardiovasc

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

脳死肺移植手術 肺門トリミングと吻合のコツ

○安樂 真樹、佐野 厚、長山 和弘、似鳥 純一、村川 知弘、中島 淳 東京大学医学部附属病院呼吸器外科 【背景】脳死肺移植の肺門部トリミング操作や気管支、血管(肺動脈、左房)吻合などの技術は一般呼吸器外 科手術にも有用である。【ビデオ供覧】肺全摘終了後、特に後縦隔(気管分岐部周囲)の徹底した止血を行い、 肺門部トリミングに移る。気管支断端は右側では気管分岐部より 2!3 リング程度、左側は主気管支を大動脈 弓下よりやや引き出したレベルで吻合するため、同部位の peribronchial tissue を止血・剥離する。軟骨・膜 様部の接合部近くに支持糸を 2 か所におく。次に主肺動脈切離端を鉗子で把持、牽引し血管鞘を中枢側へ剥 離する。肺動脈後面の血管鞘は“面”で剥離して温存し、後に気管支吻合部前面を被覆する組織とする。さ らに上・下肺静脈断端を鉗子で把持・牽引し、心膜を全周性に切開し、左心房をフリーにする。肺静脈∼左 房後面に回り込む際心膜翻転部を切開して心嚢内に入ることに留意する。吻合は気管支から行うが、先にか けておいた支持糸をドナー側気管支にかけてレシピエント、ドナー気管支を 1!2 cm の距離に固定する。膜様 部は連続縫合し、その縫合糸両端は 2 点支持糸とそれぞれの端を結紮する。縫合糸にゆるみがあれば神経鈎 で寄せる。軟骨部は口径差を合わせ極力端々吻合を行う。吻合部は先ほど残した肺動脈血管鞘組織と、ドナー 肺門部心膜組織を縫合して被覆する。肺動脈はレシピエントとドナー肺動脈の口径差を意識しながら 2 点支 持連続縫合で行う。右側の移植では吻合の際上大静脈を受動圧排するため血圧の変動などに留意が必要であ る。左房吻合は everting mattress suture、もしくは 2 点支持の連続縫合で行うが、吻合内腔に左房周囲組織 が縫いこまれないよう工夫する。以上供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

前方の肺尖部腫瘍に対する Trap door 変法(第一肋骨追加切

離)によるアプローチ

○野守 裕明、叢 岳、杉村 裕志、武士 昭彦

亀田総合病院呼吸器外科

【目的】著者は 1995 年に Trap door 変法(第一肋骨の追加切離)を報告して以来(Thorac Cardiovasc Surg 1995)、33 例の前方の肺尖部腫瘍に対して根治術を行ってきた(Ann Thorac Surg, 2014)。今回、その詳細 な手技を発表する。【方法】皮膚切開は鎖骨上から胸骨正中、第 2 から第 4 肋間に延長した“コの字”あるい は“逆コの字”。胸骨上部を正中切開、肋間開胸、肋間開胸の部位で胸骨横断。胸腔内からリュエルで第一肋 骨前方端を削りながら切離。腫瘍が腕頭鎖骨下静脈あるいは動脈に広範に浸潤している際にはさらに第一肋 骨を背側方向に切除することにより、鎖骨下動静脈まで露出することができる。前胸壁を上方に吊ることに より胸腔内の術野も展開し、パンコースト肺癌に対する根治術も可能となる。【症例および結果】症例として 左肺尖部扁平上皮癌(cT4N2M0、胸壁、腕頭静脈浸潤、術前化学放射線療法施行例)を提示する。Trap door 変法(第 4 肋間開胸)でアプローチ。腕頭静脈合併切除、左上葉切除、最終病理診断で R0。術後 1 年 6 カ月 現在、無再発。現在まで同アプローチで手術を行った 33 例の合併症は乳糜胸 1 例のみ。【結果】Trap door 変法と Grunenwald 法の主な差異は(1)胸骨横断部位は肋間開胸部位 vs.胸骨柄、(2)第一肋骨の切離は 胸腔内 vs.胸腔外、(3)肺癌根治術は trap!door 変法では可能だが、Grunenwald 法では後側方開胸の追加 を要する。【結語】前方の肺尖部腫瘍に対するアプローチ法として Trap door 変法は容易かつ応用範囲が広い。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

連続性を保った Systematic lymph node dissection を

目的とした Complete VATS lobectomy の手技と工夫

○後藤 行延、上田 翔、柳原 隆宏、佐伯 祐典、山岡 賢俊、小林 尚寛、井口 けさ人、菊池 慎二、 鈴木 久史、鬼塚 正孝、市村 秀夫、佐藤 幸夫 筑波大学 呼吸器外科 肺癌に対する標準術式である、原発肺葉切除と 2a 群のリンパ節隔清において、解剖学的なリンパ流路に基 づく系統的リンパ節隔清のためには、上縦隔、あるいは分岐下への隔清の連続性を保つ必要がある。右上縦 隔へのリンパ経路の 1 つは中間幹縦隔側(#10)、気管分岐下(#7)から気管前面(#4R)へ至る経路であ り、もう 1 つは#11s から#12u を通過し右主気管支外側(#10R)を経由し気管右側壁(#2R,4R)へ至る 経路である。右肺癌におけるリンパ節隔清では、気管気管支心膜靭帯を切離すること、また、中、下葉切除 の場合でも、上葉気管支周囲(#12u)の郭清を加えることで、この連続性が担保される。一方、左肺癌では、 このような気管気管支心膜靭帯の切離を含めた上縦隔((#4L)への連続性を保った郭清は困難である。そこ で我々は、左上部縦隔では左主肺動脈頭側、大動脈との間でボタロ管を露出し、迷走神経(反回神経)、気管 支動脈を温存しつつ、大動脈弓、気管(気管支)、および肺動脈に囲まれた組織(#4L,5,6,10L)を、ま た分岐下では上肺静脈と下肺静脈の間で、腹側から分岐下に入り、心嚢、上(下)肺静脈、食道、および対 側気管支に囲まれた組織(#7)を、一塊の脂肪織として縦隔胸膜を介して肺門に連続させた系統的リンパ節 隔清を心がけている。術前 CT 画像から肺動脈、静脈、気管支の走行を描出した 3D 画像を作成し、術中は 10 mm 硬性斜視鏡、ハイビジョンモニターを用いて、完全胸腔鏡下に十分に拡大視された術野において、これ ら Systematic lymph node dissection を目的とした肺癌に対する Complete VATS lobectomy の手技と工夫を 供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

舌区原発肺癌に対する胸腔鏡下縦隔リンパ節郭清の実際

○文 敏景、奥村 栄、上原 浩文、中尾 将之、松浦 陽介、鮫島 譲司、後藤 英典、平井 慶充、 山崎 宏継、中川 健 がん研有明病院 呼吸器センター外科 【背景】左舌区原発肺癌では肺門、上縦隔リンパ節及び分岐下リンパ節郭清が必要であり左主気管支から気管 支断端の虚血に注意が必要である。【目的】当院で行っている胸腔鏡下左舌区肺癌に対するリンパ節郭清の工 夫について供覧する。【システム】2 モニターを対面倒立法で患者頭側に設置し、4 incisions(30,15,7,7 mm)から全ての手術操作をモニター視で行う。【手術手技と視野展開の工夫】上肺静脈中枢を 2!0 絹糸で結 紮しその末梢側を自動縫合機で切離する。この絹糸は後に分岐部郭清時に前方に牽引する。肺門リンパ節を 郭清後に静脈間背側から迷走神経下葉肺枝、下葉にいく気管支動脈を温存しながら食道と#7 を剥離してお く。その後 PV 断端を前方に、上葉気管支は切離する前に綿テープで背側に牽引し分岐部郭清を腹側から行 う。心膜沿いを剥離し右主気管支に到達し、右主気管支と体側下肺静脈の交差する点で対側#10 を決める。 背側から剥離しておいた層を利用して食道、対側胸膜から#7 を剥離、左主気管支、分岐部トップへと剥離 をすすめ最後に分岐部トップを処理して郭清を終了する。上葉気管支を切離し#5,6 を郭清後に迷走神経上 葉肺枝近傍で左反回神経を同定する。迷走神経肺枝や心臓枝を牽引しながら#4L は反回神経背側と腹側を意 識して郭清する。下葉 S6 を腹側下方に牽引し肺動脈の背側で血管鞘を切開することで上葉気管支断端を肺動 脈背側から確認し#10L から#4L まで enbloc に郭清する。【結語】舌区肺癌では分岐部を前方から郭清する ことで左主気管支と食道の間の不要な剥離を回避できる。各領域のリンパ節は皮膜を損壊しないように郭清 する必要がある。本法における工夫と注意点をビデオで供覧する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

CO

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送気を用いた胸腔鏡下手術:現時点における有用性と問題

○谷口 雄司、荒木 邦夫、三和 健、春木 朋広、高木 雄三、松岡 佑樹、松居 真司、中村 廣繁 鳥取大学胸部外科 【はじめに】胸腔鏡下手術(VATS)では,1)片肺換気や胸壁の吊り上げでワーキングスペースが確保でき る,2)ひとつの創より 2 つのデバイスを挿入することがある,3)血管処理や緊急時の対応のためアクセス 創を作成する,などの理由で CO2送気による手術はあまり普及しなかった.当科では 2011 年にロボット支援 下(RATS)に CO2送気による拡大胸腺胸腺腫摘出術を施行した際,視野やワーキングスペースの改善効果 が胸腔内全体に及び,その有用性を実感した.以後,VATS にも CO2送気を導入してきた.【対象手術】2014 年 11 月までに胸腺摘出術 13 例,交感神経遮断術 35 例,縦隔腫瘍摘出術・生検 5 例,ブラ切除術 1 例,Nuss 法 1 例に CO2送気をおこなった.特に小児(7 歳)の前縦隔腫瘍に対する生検や横隔膜ヘルニアを合併した 気胸に対するブラ切除に CO2送気は極めて有用であった.また最近では,肺癌に対して CO2送気による VATS 肺葉切除も開始した.【最近の工夫】われわれが最近導入した気腹システムであるエアシールは,1)吸引の 使用でも圧が安定,2)常に排煙するため曇りにくい,3)バルブレスで道具の出し入れが容易,といった従 来の CO2送気における問題点がクリアできるシステムである.【まとめ】問題点として,緊急時の対応,呼吸・ 循環への影響のほかに,腹腔鏡用の長い鉗子が必要となる場合があり,CO2送気の有用性やリスクの評価は 今後の検討課題であるが,胸腺摘出術や交感神経遮断術のほか,1)高度の気腫状変化,2)小児や小さな体 格,3)高度の肥満,4)抗凝固・抗血小板薬の投与などの患者おいて,視野やワーキングスペースの確保, 術中 oozing の減少などの面から選択肢のひとつとして考慮できる手技と思われる.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

5 号(USP)縫合糸による前胸壁つり上げ法を併用した半側

臥位片側アプローチ胸腔鏡下胸腺全摘術

○足立 広幸1,3 、諸星 隆夫1 、齋藤 志子1 、根本 大士1 、坪井 正博2,3 、益田 宗孝3 1 横須賀共済病院呼吸器外科、2 国立がん研究センター東病院呼吸器外科、3 横浜市立大学外科治療学 以前は胸腺腫瘍に対しては大部分が胸骨正中切開下に胸腺摘出術が行われてきた.しかしこのアプローチ は高侵襲であることや術後縦隔炎・骨髄炎を発症するリスクがつきまとうことなどのデメリットもあった. 近年では胸腔鏡や縦隔鏡アプローチによる低侵襲な胸腺摘出術が多く施行されているが,心窩部からの縦隔 鏡アプローチでは視野が狭く重要血管の存在する部位での操作には安全性にやや難があり,また一般的な側 臥位での胸腔鏡アプローチでは反対側の胸腺を十分に確認し摘出することは困難で胸腺部分切除術にとどま ることがほとんどであろう.両側胸腔鏡アプローチでの胸腺全摘術の報告もあるが,これは 1 期的に両側開 胸となるため侵襲は通常の胸腔鏡手術より高くなる.これらの問題点を解決するため,当院では 2011 年より 半側臥位・上肢拳上位での片側胸腔鏡アプローチで胸腺摘出術を行ってきた.この体位では肺・縦隔組織が 重力によって背側へ移動することで前縦隔の視野を確保でき対側肺までの観察が可能となるが,症例によっ ては十分な Working space を確保できず難渋することもあった.そこでわれわれはさらに 5 号 ETHIBOND EXCEL を用いた前胸壁吊り上げ法を考案し,2014 年よりこれを併用することで十分な視野と Working space の確保を可能とした.5 号 ETHIBOND EXCEL での胸壁吊り上げ法は 18G 針での穿刺で容易に施行するこ とが可能で,かつ整容性にも優れる有用な方法であり,これを併用した半側臥位片側アプローチで胸腺全摘 術が十分可能である.当院での方法をビデオにて供覧する.

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

死腔関連合併症予防を目的とした有茎広背筋弁による胸腔形成

○岡林 寛1 、山本 玲央那1 、山本 耕三1 、徳石 恵太1 、濱田 利徳1 、岩崎 昭憲2 1 国立病院機構福岡東医療センター呼吸器外科、2 福岡大学呼吸器乳腺内分泌小児外科 【はじめに】「胸腔形成術」は、上葉切除後の残存肺の過膨張防止、気管支変位による肺機能低下や咳嗽の軽 減を目的として人工材料で胸腔内を仕切る術式として考案されたが、普及してない。我々はこれを基に、上 葉切除以上の肺切除予定の炎症性肺疾患症例で、術後に深刻な死腔遺残が懸念される際に、有茎広背筋弁を 胸腔内に移植しテント状に張る独特な「胸腔形成術」を付加している。従来法の目的とは異なり、1)死腔の 軽減、2)残存肺からの肺瘻制御、3)気管支断端瘻予防などの死腔関連合併症対策が主な目的であり、胸郭 成形術を回避しうる。【目的】これまでの本術式施行症例に関し、適応、手術手技、効果などを検討する。【対 象】過去 13 年間に当院で上葉切除後に本術式を加えた炎症性肺疾患 9 症例を対象とした。肺アスペルギルス 症 5 例、多剤耐性結核 2 例、非結核性抗酸菌症 2 例。男性:女性=8 : 1。右:左=6 : 3。上葉切除:上葉+S6 部分切除:上中葉切除=3 : 5 : 1。【方法】開胸時にまずできるだけ大きな有茎広背筋弁を作成。肺切除後に第 3 または 4 肋間より筋弁を胸腔内に誘導。筋弁先端中央部付近で気管支断端を被覆。筋弁の両翼は緩くテン ト状に胸腔を仕切るように固定。ドレーンは筋弁上下の胸腔内に 2 本(もしくは側孔を追加した 1 本)と皮 下に挿入。【結果】手術時間平均 7.5 時間、ドレーン留置期間平均 6.3 日。合併症は皮下 seroma5 例、皮下出 血 1 例。【考察】生体材料で感染性疾患にも安心して使用できる。筋弁容量による死腔縮小作用や残存肺の過 膨張抑制効果、および気管支断端瘻予防も期待されるが、残存肺と筋弁が広く接触することによる術後早期 の気瘻制御(残存肺表面被覆効果)に優れる。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

Hybrid anastomosis for bronchoplastic technique

鈴木 健司、○松永 健志、高持 一矢、王 志明 順天堂大学 呼吸器外科 背景:本邦では気管支形成術は肺外科手術の約 1.2% であり、稀ではあるが、肺温存、surgical margin の観 点から必要な術式である。またその方法に関してはそれぞれの施設の伝統に準じて行われているのが現状で ある。対象と方法:2008 年 2 月から 2014 年 6 月に当院で肺悪性腫瘍に対して外科的切除を行った 1920 例の うち、気管支形成(sleeve のみ)を行った症例は 101 例(5.3%)認められた。気管支形成の方法として、2013 年 6 月までは、術野の底部軟骨部を 3 針単結紮縫合、続いて軟骨部から膜様部を順次単結紮していた(Conven-tional method : CM)。7 月頃からは術野の底部軟骨部のみを連続縫合(約 1!5 周)、他は軟骨部から膜様部を 順次単結紮としている(Hybrid methods : HM)。Conventional methods と Hybrid method に関して比較検 討する。結果:101 例中、CM は 72 例(71.3%)、HM は 29 例(28.7%)認められた。吻合部合併症に関して は、吻合部狭窄は CM で 3 例(4.1%)、HM で 1 例(3.4%)認められ、有意差は認められなかった(p"value= 0.867)。吻合部瘻は CM で 1 例(1.4%)、HM で 1 例(3.4%)認められ、有意差は認められなかった(p"value= 0.516)。30"day mortality、在院死は CM で 1 例(1.4%)、0 例(0%)、HM で 0 例(0%)、0 例(0%)であっ た。結語・まとめ:Hybrid method において吻合部合併症、死亡率の増悪は認めず、現状は問題ないと考え ているが、今後症例の蓄積が必要である。縫合方法に関して、ビデオを供覧して、詳細な部分に関して提示 する。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

気管分岐部竜骨及び気管支分岐部軟骨切離における気管支形成

術の問題点と工夫

○永安 武、山崎 直哉、土谷 智史、松本 桂太郎、宮崎 拓郎、谷口 大輔、下山 孝一郎 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科腫瘍外科 気管分岐部切除後の One!stoma 型再建は吻合部血流が部分的に維持される利点があるが、気管分岐部竜骨の 完全切除を余儀なくされた場合、部分切除と比して切離口はかなり開大する。また、左右の上葉スリーブ切 除において末梢側切離線が 2 次又は 3 次気管支分岐部軟骨にかかるような場合の吻合部口径は軟骨の高さに 依存する。いずれの再建にも末梢側気管支断端吻合部との口径差の調節や吻合時の工夫が必要となる。今回、 気管分岐部完全切除後の One!stoma 型気管分岐部再建術(症例 1)と B6・底区分岐部軟骨部で切離された左 上葉 double sleeve 切除(症例 2)について我々の工夫を紹介する。症例 1.54 歳、男性。右主気管支から気 管分岐部に及ぶ右上葉原発扁平上皮癌症例(c!T4N1M0)。気管を右主気管支角から 1 軟骨輪上縁(気管分岐 部より 2 軟骨輪)、左主気管支を気管分岐部竜骨よりも末梢側 1 軟骨輪部で、軟骨部外側を温存して楔状に切 離、右上葉を摘出した。One!stoma の形成では、まず気管膜様部を 3 軟骨輪分 4!0 PDSII による mattress 縫合にて縫縮、更に楔状切離断端の支点となる前後の軟骨部を寄せて末梢側との口径差を調整した。TIM と の吻合では、内腔結紮を含む後壁、側壁縫合を行い、前壁の縫合の際に脆弱で張力がかかる左主気管支膜様 部を心膜 plegdet にて補強した。本症例では後側方切開開胸下に上大静脈!大動脈間より右主肺動脈を遮断し て肺動脈再建を施行した。症例 2.61 歳、男性。左上葉気管支入口部の扁平上皮癌(c!T1bN1M0)。尖刃に て左主気管支を 2nd carina より 2 軟骨輪中枢で、下葉気管支は B6 と Bbasalis の分岐部軟骨部で切離後、再 建した。吻合部口径は竜骨の高さに依存して扁平化した。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

剣状突起下アプローチのススメ

○須田 隆、芦刈 周平、栃井 大輔、栃井 祥子、高木 靖 藤田保健衛生大学心臓血管外科・呼吸器外科 剣状突起下アプローチの適応拡大を勧めたい。重症筋無力症や前縦隔腫瘍に対する胸腺摘出術は、胸骨縦 切開から、側胸部からアプローチする胸腔鏡手術や、ロボット支援手術に移行しつつある。また、近年、単 孔式肺部分切除や肺葉切除術が始まっているが、これも側胸部からのアプローチである。側胸部からのアプ ローチでは、傷が小さくても肋間から操作を行うため、手術器具の圧迫による肋間神経障害は避けられず、 時に開胸術後疼痛症候群を発症する。肋間を経由しない剣状突起下アプローチによる単孔式胸腺摘出術およ び単孔式両側肺部分切除術を報告する。剣状突起下に 3cm の切開を置き、胸骨裏面を剥離したのち、単孔式 手術用のポートを挿入し、8mmHg で二酸化炭素を送気する。リガシュアーを使用し、胸骨裏面を剥離し、 胸腺摘出術もしくは両側の胸腔に達し、肺部分切除を行う。これにより転移性肺腫瘍であれば 1 期的に両側 の肺部分切除が可能である。胸骨を切断することなく、肋間も経由しないこのアプローチは、痛みは極めて 少なく、術後の肋間神経障害もなく、整容的にも優れた最も低侵襲な手術方法である。剣状突起下アプロー チが呼吸器外科領域で進まない理由は、剣状突起下アプローチに慣れていないことが大きい。患者側に大き な恩恵をもたらすこのアプローチは、呼吸器外科医が習得すべき手術手技と考えている。また、胸腺腫が無 名静脈に接し、心膜浸潤が疑われたため単孔式手術や側胸部からのアプローチでは手術が困難であった症例 に対し、剣状突起下アプローチを応用したロボット支援胸腺摘出術を行った。その良好な視野と操作性は、 胸腺内視鏡手術の適応を拡大できる可能性があると考えている。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

肺底区の選択的区域切除術―S6・肺底区間トンネリングの有

用性―

○西尾 渉、岡本 武士、奥田 祐亮、多根 健太、内野 和哉、吉村 雅裕 兵庫県立がんセンター呼吸器外科 【はじめに】肺底区の選択的区域切除術では深部の気管支分岐部を確保するために肺実質切離を先行する必要 がある。我々が定型化している S6・肺底区間トンネリングを用いれば、この手技は不要な肺実質切離を行う ことなく安全かつ容易に施行可能である。【術式】4 ポート完全胸腔鏡下に施行しているが、胸腔鏡補助手術 でも同様の手順で可能である。まず葉間面で肺底動脈をテーピングし、その奥で B6 と肺底支の分岐部を同定 する。肺門部背側で下肺静脈を剥離し、V6 と肺底静脈を分離する。拡大視と見上げ視野の下、V6b,c を末 梢に辿り、肺底支と肺底動脈の側壁を確認し、肺実質との隙間を作るように剥離する。このルートに沿って 剥離鉗子を挿入し、既に葉間で剥離済みの B6 と肺底支の分岐部に鉗子先端を誘導する。これにより S6 と肺 底区の解剖学的区域間面をトンネリングできる。腫瘍の局在に応じて背側ないし腹側から自動縫合器を用い て S6 と肺底区間を部分切離するが、気管支・肺動脈と肺実質を遊離しているので、肺動脈を損傷することな く充分な切除マージンの確保が容易となる。S10 境界に近い S9 腫瘍は背側から、S8 境界に近い場合は腹側 から切離する。腫瘍が S6 境界に近い場合は切離線を S6 寄りに設定する。この操作により肺底支の全分岐を 確認し、責任気管支を同定することが可能となる。肺底区区域間の切離には切除側含気法を援用するが、区 域間静脈を指標に肺門側から出来るだけ鈍的剥離を追加すれば残存肺の変形は僅かである。【成績】2012 年 以降、右 S8 ; 1 例、S8+9 ; 1 例、S10 ; 2 例、左 S9+10 ; 2 例、S10 ; 1 例に施行し、手術時間 147!269 分、出血 量 20!160g であった。胸腔ドレーンは全例、術後 4 日以内に抜去された。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

膜(気管支鞘や肺動脈血管鞘)を意識した肺がんの肺門・葉間

リンパ節郭清

○奥村 栄、山崎 宏継、平井 慶充、後藤 英典、森 彰平、鮫島 譲司、松浦 陽介、中尾 将之、 上原 浩文、文 敏景、中川 健 公益財団法人 がん研究会 がん研有明病院 呼吸器センター外科 本来、リンパ節郭清は決められた領域内に存在するリンパ節を en bloc に切除することを意味していたは ずである。故羽田先生のようにリンパ流の基礎研究から、一番遠位である頸部でリンパ流を遮断して郭清リ ンパ組織を切除肺にすべてつける手技は、到底まねできない技になってしまっている。しかしながら、その 考え方だけでも踏襲して小さな領域であってもなるべく en bloc にリンパ節郭清を行いたいものである。縦 隔リンパ節は、決められた構造物に形成された空間に存在しているため en bloc 郭清が容易である。肺門・ 葉間は、そのような空間として認識しにくいため、つい視野の浅い手前のリンパ節から順に摘出しがちになっ てしまう傾向がある。肺門・葉間郭清がそのようにならないための工夫として、当院では肺門・葉間の郭清 はどの肺葉であっても基本的には葉間形成を済ませてから郭清を行っている。その最大の理由は、郭清すべ きリンパ節の全貌が見え、分断して郭清する気が起こらなくからである。そして、切離した気管支動脈の牽 引やリンパ節と接している肺動脈血管鞘の切離(外内と内外の切離を合言葉にして)を意識しながら切離し て、可能なかぎりリンパ節を把持せずに郭清視野を展開してリンパ節の被膜を損傷しないように努力してい る。その手技(右上葉肺癌の反時計まわりの郭清と中葉の#11s,#11i の連続郭清、左の主気管支外側の連 続郭清(#10 外から#4L まで)を供覧する。リンパ節郭清するときに膜を認識することは、これからリンパ 節郭清を学ぶ外科医にとってもその理解がより容易となる手助けになるものと信じている。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

悪性胸膜中皮腫に対する P

!D および術中胸腔内温熱 CDDP

灌流療法

○大久保 憲一、石橋 洋則、小林 正嗣、高崎 千尋 東京医科歯科大学呼吸器外科 悪性胸膜中皮腫(MPM)に対する根治的胸膜摘除(P!D)および術中胸腔内温熱 CDDP 灌流療法を呈示す る。最終病理診で肺胸膜に病変がみられず壁側胸膜病変のみであった MPM に対する全胸膜摘除例と、葉間 裂位を含めた肺胸膜が鎧状に肥厚し壁側胸膜と併せて en bloc に摘出した全胸膜摘除例の 2 例を示す。胸膜 摘出後に CDDP 80mg!m2を含む生理食塩水 2L を 42℃ にて、ローラーポンプで 1 時間、胸腔内灌流した。【症 例 1】55 歳男、検診発見の左多発胸膜腫瘤、職業:水道管工・アスベスト暴露歴あり。VATS 胸膜生検で epi-thelioid MPM と診断。後側法切開第 6 肋骨床開胸で、壁側胸膜は腫瘤位 2 箇所で肋間筋とともに切離して全 摘出し心膜・横隔膜・横隔神経を温存した。肺胸膜は葉間面含めて全摘出した。胸腔内温熱 CDDP 灌流を行っ た。病理組織診は上皮型、T3N0,stage III。術後化療(CDDP+PEM)4 コース行った。【症例 2】72 歳男、 8 年前から胸膜プラークを指摘さる。右胸痛を訴え、胸水貯留で発症。職業:造船業・アスベスト曝露歴あ り。VATS 胸膜生検で biphasic MPM。後側法切開第 6 肋骨床開胸で、壁側胸膜を胸壁から剥がし横隔神経・ 心膜を合併切除して肺門部胸膜翻転位まで剥離した。次に腫瘤に切り込んで肺実質に到達し、葉間裂を含む 肺胸膜を胸膜翻転まで剥離して全胸膜を en bloc に摘出した。胸腔内温熱 CDDP 灌流を行った。病理組織診 は biphasic,T2N2,stage III。術後化療施行中。

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胸膜切除

!肺剥皮術と鈍的剥離

○長谷川 誠紀 兵庫医科大学呼吸器外科 近年の VATS 普及に伴い鈍的剥離の機会は激減したが、依然外科医にとって極めて重要なテクニックの 1 つである。銘記すべきことは、鈍的剥離が鋭的剥離の代替法ではなく、「鈍的剥離でなくてはできない剥離場 面が存在する」ことである。手術のほとんどが鈍的剥離で成り立つ特異な手術である胸膜切除!肺剥皮術 (pleurectomy!decortication、以下 P!D)ではそのことが痛感される。鈍的剥離の最大の長所は「自然に鈍的 剥離できる層が正しい層である」ことである。このことは剥離層を術者が自分で作り出す鋭的剥離では成り 立たない。縦隔胸膜を心膜から剥離する場合、剥離ラインは前縦隔脂肪織に覆われており判別は難しい。と ころが、胸膜肺ブロックに手を添えて強く牽引することで自動的に正しい層に到達できる。鈍的剥離がある 時点で進まなくなった場合、そこで中皮腫の心膜浸潤がある可能性が高く、鋭的に心膜合併切除に切り替え る必要があることがわかる。臓側胸膜切除の剥離面は内・外弾性層間であることが多いが、このような顕微 鏡レベルの剥離層決定は鋭的剥離ではもともと不可能である。似て非なる手術である慢性膿胸剥皮術はほぼ 鋭的剥離で行うが、これはもともと剥離層の存在しない膿胸胼胝に鋭的に切り込んで「剥離面を作る」もの で、P!D とは剥離の層も剥離の目的も全く別物である。臓側胸膜剥離において正しい剥離層をいったん外れ てしまうと修正には多大の困難が伴う。比較的早期症例が多い我が国の P!D 手術においては、鈍的剥離で正 しい剥離層を発見した後、綿手袋やガーゼを用いて剥離面に広く均一に力を加えて「剥離面を維持する」感 覚が極めて重要である。

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胸腔鏡下胸腔内血腫除去術

○大泉 弘幸、加藤 博久、遠藤 誠、鈴木 潤、渡會 光、貞弘 光章 山形大学医学部外科学第2講座 【目的】胸腔内出血の治療では、止血のための迅速な血腫除去が求められる。特に術後出血においては、先行 手術が開胸の場合は再開胸に抵抗はない。しかし胸腔鏡下手術後では、迅速な止血を最優先として開胸も考 慮すべきだが、医師・患者共に抵抗を感じるのが現状であろう。当科の血腫除去法について紹介する。【方法】 当科では 2006 年以後、膿胸等のフィブリン塊吸引用として、自作(DIY ショップで入手可能)の外径 13mm・ 内径 10mm および外径 15mm・内径 11mm、長さ 30cm の金属管を、当院手術部の許可のもとに用いてきた。 これに、先端をラッパ状にしたファネルテーパー型の軟性接続管を内挿し、先端のみがフレキシブルな太い 吸引管とする。軟性接続管には必要に応じて側孔を設け、吸引力の調整が可能である。この吸引法を血胸に も応用してきた。より迅速な吸引として、金属管自体での直接吸引も可能であるが、最終的には軟性接続管 に変更する。【結果】本法による胸腔鏡下血腫除去術は、特発性血気胸、外傷性、肺切除術後が各 2 例、医原 性およびエーラースダンロス症候群が各 1 例の計 8 例であった。7 例で全操作を胸腔鏡で完遂したが、外傷 性の 1 例で、血腫除去後に奇静脈破裂部止血のために開胸移行した。【症例】左上葉切除術後 6 時間に血胸を 発症。血胸手術開始より血腫(約 2L)を吸引除去までに要した時間は 6 分。気管分岐下リンパ節郭清部付近 からの出血を認めガーゼを充填止血を行いつつ、気管支動脈をクリッピング止血した。【まとめ】当科の方法 により、胸腔鏡ポートアクセスのみで迅速な血腫吸引が可能で,普及すべき方法と考えている。

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肺癌に対する完全鏡視下肺葉切除術における 3 つの工夫―安

全、確実、低コストで持続可能な医療をめざして―

○千原 幸司、玉里 滋幸、西川 滋人、川口 保彦 静岡市立静岡病院呼吸器外科 1.肺内小型肺癌の部位を簡単で安全に特定できる安静呼気位 CT:意識下で手術体位の安静呼気位で CT 撮 影し、病変直上の皮膚にマーキングする。術中は肺を胸壁近くまで膨張させ体表マーク直下に該当する臓側 胸膜に目印を置き、この直下に病変があると仮定する。2005 年 1 月∼2012 年 9 月の 57 例の肺癌(最大径:14± 6(平均±SD)mm、胸膜下:10±8mm)の位置と推定部位との誤差は 2±5mm で、穿刺細胞診可能あるい はマージンを考慮した術式選択ができた。 2.安価で安全な気管支断端処理:2000 年よりハイブリッド VATS あるいは標準開胸による肺葉切除に対し 3 号絹糸による気管支単純結紮切離を行い、断端瘻は約 500 例中 1 例。2012 年よりの完全胸視下肺葉切除で は術者と麻酔医が断端がおちょぼ口で閉鎖されるのを気管支鏡で確認し 5cm 皮膚切開窓から人示指 1 本で気 管支結紮した。リークがあった 2 例は糸を除去し再結紮した。結擦部に亀裂が起きた 3 例は糸を除去し縫合 閉鎖したが、分岐中枢に行き過ぎたことが原因と思われた。断端瘻はなかった。 3.初回手術を低コストで、再手術に備えて自動縫合器は最小限:肺転移に対する再切除、異時多発癌に対す る同側肺切除も増えてきた。肺門に癒着があれば血管露出は困難で、残存肺全摘まで拡大せざるを得ないこ ともないわけではない。Staple は癒着をもたらすので初回手術が上、中葉の場合は自動縫合器による血管切 離は行わない。2008 年から 2013 年の左上葉切除 79 例(VATS51 例)での上肺静脈結擦も左心房流入近くで 結擦し、断端血栓ゼロであった。多額の負債を背負い経済成長が不透明な我が国で増え続ける肺癌手術を今 後も継続していくためには、安く安全な手術を提供することは意義があると思う。

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胸壁合併切除における気動式骨手術用ドリル(エアトーム)の

使用

○上田 雄一郎、千葉 直久、齊藤 正男、石川 真也、中川 達雄 天理よろづ相談所病院呼吸器外科 肺癌診療ガイドライン(2014)では臨床病期 T3N0!1 の胸壁浸潤非小細胞肺癌には胸壁合併切除術を行う よう勧められている(グレード B)。胸壁合併切除では通常、肋骨切除を伴うが、肋骨の切離は胸腔外もしく は胸腔内からのアプローチが選択される。胸腔外アプローチの場合、浸潤部位によっては皮膚切開を延長す るか、浸潤部直上で開胸創とは別に皮膚切開を加え骨剪刀で肋骨を切離する。この場合、皮膚切開が大きく なり、胸壁に至るために筋層を新たに切開する必要も生じる。一方、胸腔内アプローチの場合、開胸創から 肋骨剪刀や線鋸を用いて肋骨を切るが、狭い胸腔内では操作に制限が加わるため、開胸を大きくする必要が あり、また、部位によっては操作が困難である。一般に胸壁合併切除方法では創部が大きくなるため侵襲が 高く、合併症や術後疼痛、QOL の低下がしばしば問題となる。エアトームは整形外科領域において椎体など 骨を削る際に用いられる気動式ドリルであるが、近年、我々は胸壁浸潤肺癌に対し、エアトームを用いた胸 腔内からの肋骨切除を積極的に行っている。この方法は簡便で操作性も良く、小開胸や胸腔鏡下手術でも可 能であるため胸腔外アプローチより低侵襲な手術となり得る。また、胸腔内から観察することで腫瘍の浸潤 部が明瞭であり、確実なマージンの確保が可能である。胸筋を切離しないため、胸腔外アプローチでは必要 となるような場合でも胸壁再建が不要となる可能性もある。局所再発の有無や予後に関しては症例の蓄積が 必要であるが、エアトームを用いた胸壁合併切は有用な方法と思われ、当院での試みについて紹介する。

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一度も胸膜腔に入らない悪性胸膜中皮腫に対する PD

○宮本 好博、伊藤 温志、村田 祥武、坂根 理司、渡辺 梨砂、今西 直子、松岡 隆久、 長井 信二郎、松岡 勝成、植田 充宏 NHO姫路医療センター呼吸器センター外科 悪性胸膜中皮腫に対する PD が術後 QOL において EPP に勝っていることは言うまでもないが、臓側胸膜 剥離の困難さから外科的完全切除を達成することはたやすくない。EPP のように胸膜腔に入ることなく切除 を完了するのが理想であるが、多くの施設で、あえて胸膜腔を開いての臓側胸膜剥離が行われている。我々 は一度も胸膜腔に入ることなく PD を行うことを目指し、2 症例に試みた。ほぼ目的を達成できたと考え、そ の手技をビデオで供覧する。後側方切開、横隔膜面の操作がしやすいように第 7 肋間開胸。まず、EPP の要 領で大部分は用手的に壁側胸膜から肺門まで剥離する。次に、肺門頭側から肺尖に向かい、胸膜折り返し部 分の間口が大きくなるように広い範囲で臓側胸膜をツッペル、ガーゼ、クーパーなどを用いてほぼ中間地点 まで丁寧に剥離する。ここで、胸膜を両手、母指と示指との間で掴み、中指以下 3 本の指で肺と胸膜の境界 面をなるべく長いラインで裏側から押し出すようにすれば肺尖部がむき出される。いわば、肺門というヘル ニア門から肺が押し出されて嵌頓するというイメージである。以後、同様の方法で胸膜を剥がすというより 肺をむき出すように剥離する。肺葉のエッジや葉間面は肺そのものに張力がかかりにくいので、ガーゼなど で境界付近の胸膜を強い力でこするようにして肺の損傷を最少限にする。横隔膜面、心膜面は剥離しにくい ので合併切除をためらわない。肺表面からのエアリークは避けられないが肺瘻防止のためにフィブリングルー などは極力使用しない。2 例(59 歳、63 歳)の手術時間はそれぞれ 4 時間、4 時間 41 分。ドレーン抜去は 15 日目、21 日目。21 日目、32 日目独歩退院。

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肺癌に対するロボット手術のエビデンスはどこまで解明できた

か?

○中村 廣繁、谷口 雄司、荒木 邦夫、三和 健、春木 朋広、高木 雄三 鳥取大学 医学部 胸部外科学分野 肺癌に対する胸腔鏡手術は肺癌診療ガイドライン上、推奨グレード C1 で標準手術として十分とはいえな い。ロボット手術は 3 次元視野と精緻操作により胸腔鏡手術の難点を補う新技術として期待されるが、両者 の前向き比較試験の報告はない。ロボット手術のエビデンスを検証し、展望を述べる。本邦単施設では須田 らの第 1 例目(2010)、中村らの 17 例(2012)の報告があり、安全に導入できている。多施設では Nakamura ら(2014)が 9 施設 60 例を報告し、手術時間は長いが、少ない術後合併症、特に G3 呼吸器合併症 3.3% が 着目された。欧米では Melfi ら(2002)の初期例に始まり、Dylewski ら(2011)、Cerfolio ら(2011)は良好 な周術期成績、Park ら(2012)は良好な予後を報告した。開胸、胸腔鏡手術との比較では、Veronessi ら(2013) は根治性、安全性は同等で、ロボット手術は操作性、ラーニングカーブの短さで勝るが、高コスト、利用器 具が限定、長い手術時間が欠点とした。Kent ら(2014)、Adams ら(2014)は米国の大規模データベースか らロボット手術は死亡率、合併症率、在院日数において開胸手術より良好で、胸腔鏡手術とほぼ同等である と報告した。結論として、胸腔鏡手術を上回るロボット手術のメリットは実証されていないが、ロボット手 術は初期例で今後も検討を重ねることが大切である。本邦では保険収載を目指し、本学会支援のもとで先進 医療 B の実施を準備している。目的は肺癌に対するロボット手術の安全性,有効性,経済性を多施設共同で 胸腔鏡手術(ヒストリカルコントロール)と比較検討することで、主要エンドポイントは G3 以上の術後呼吸 器合併症の発生率としている。この成果がロボット手術の今後の発展の鍵を握っている。

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科学的根拠のある肺癌術後経過観察を行うために

○塩野 知志1 、澤田 茂樹2 、山下 芳典3 、田川 努4 、伊藤 宏之5 、佐藤 寿彦6 、原田 洋明3 、 山下 素弘2 1 山形県立中央病院呼吸器外科、2 四国がんセンター呼吸器外科、3 呉医療センター・中国がんセンター呼吸器外科、 4 国立病院長崎医療センター呼吸器外科、5 神奈川県立がんセンター呼吸器外科、6 京都大学医学部呼吸器外科 【背景】肺癌術後再発は 2!3 年までに 90% ほどが発生しその後は徐々に頻度は減少する。再発形式では遠隔 転移は 70% をしめ、異時多発肺癌は年に 2% 程度発生しその頻度は一定である。【我が国のガイドライン】2014 年度版の肺癌診療ガイドラインでは肺癌術後経過観察について「外科切除後の非小細胞肺癌に対しては定期 的な経過観察を行うよう勧められる(グレード B)」と記載されている。しかし無作為化比較試験は行われて おらず強固なエビデンスは存在しない。【欧米のガイドライン】肺癌ハイリスクグループでの CT 検診の有用 性が示されたこともあり、術後 2 年程度は胸部 CT を勧めるガイドラインが多くなっている。【再発部位と検 査】最近の観察研究によれば肺癌術後経過観察では、胸部 CT では偽陽性が問題になるものの、無症状病変 を発見可能で予後が改善したと報告されている。脳転移では MRI の方が CT より発見率は高いが、MRI 発見 と CT 発見では予後に差がなかった。骨転移、肝転移については再発後の予後は不良とされているが、これ らを発見するための骨シンチ、腹部超音波についての有用性は報告されていない。【まとめ】転移再発は無症 状のうちに発見すると予後がよいとの結果もみられるが lead!time バイアスを排除できない。我々「国民に 役立つ情報提供のためのがん情報データベースや医療機関データベースの質の向上に関する研究」(平成 22 年度)の中の「がんクリニカルパスデータベース構築に関する研究」研究小班では肺癌術後経過観察パスを 作成し現在症例集積を行っている。

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第32回日本呼吸器外科学会総会(2015年)

肺癌に対する導入同時化学放射線療法後の肺全摘術

○岡部 和倫、田尾 裕之、田中 俊樹、林 達朗、吉山 康一、古川 公之、吉田 久美子

国立病院機構山口宇部医療センター呼吸器外科

【緒言】Albain らの phase III randomized controlled trial(Lancet 2009)によると、導入化学放射線療法後 の肺全摘術は否定的であった。しかし、我々は最近の 7 年 10 カ月間に 16 例実施し、重篤な合併症は無く、2 例の再発を認めたが、全例生存中である。エビデンスレベルを変えるのではないかと判断している。 【対象と方法】導入化学療法は、CDDP40mg!m2と TXT40mg!m2の day 1 と day 8 投与を 1 クールとし、合 計 2 クールを標準とした。導入放射線療法は、原発巣と肺門と縦隔に対する 46Gy を標準とした。放射線療 法終了後、4∼6 週に肺全摘術を行った。 【結果】平均年齢は 59 歳(41"70 歳)で、男性 13、女性 3。腺癌 7、扁平上皮癌 6、腺扁平上皮癌 1、大細胞 神経内分泌癌 1、非定型カルチノイド(術前診断は扁平上皮癌)1 であった。導入療法前の stage は IIIB 6 例、 IIIA 8 例、IIA 1 例、IB 1 例であった。血中腫瘍マーカーが異常高値を示した症例は、CEA336.6ng!ml,105 ng!ml、CYFRA20.1ng!ml、SCC10.4ng!ml 等であった。左 13 例、右 3 例で、心嚢内の肺血管処理を 7 例で 行った。気管支断端を右 2 例と左の 13 例は肋間筋で被覆し、右の 1 例のみは大網で被覆した。手術時間の中 央値は 4 時間 35 分(2hr35m"7hr30m)。出血量の中央値は 175g(60g"560g)。重篤な合併症は無かった。病 理学的に CR を 6 例(38%)に認めた。CR 症例以外の術後の stage は、IIIB 1 例、IIIA 2 例、IIA 3 例、IB 1 例、IA 3 例であった。血中腫瘍マーカーは、全て正常化した。術後の観察期間中央値は 3 年 5 カ月(1 年" 7 年 10 カ月間)で、2 例の再発を認めたが、全例元気に生存している。

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I 期肺癌に対する外科療法∼選択的リンパ節郭清の観点から

○三好 智裕1 、青景 圭樹1 、春木 朋広3 、石井 源一郎2 、内藤 雅仁1 、荒牧 直1 、菱田 智之1 、 吉田 純司1 、坪井 正博1 1 国立がん研究センター東病院呼吸器外科、2 同病理診断科、3 鳥取大学医学部胸部外科 【背景】現在,小型肺癌に対して,胸部薄切 CT 所見に基づく積極的縮小手術の妥当性が前向きに検証されて いる.一方で,世界標準である系統的リンパ節郭清に対する選択的リンパ節郭清の意義は定まっていない.【目 的】臨床病期 I 期の原発性肺癌に対して,選択的リンパ節郭清を許容する臨床因子を同定すること.【対象】2003 年から 2009 年までに肺葉切除術+ND2 以上を施行した,臨床病期 I 期の非小細胞肺癌 940 例.【方法】原発 巣部位別に縦隔リンパ節転移の頻度をマッピングし,充実腫瘍径!腫瘍最大径比(C!T ratio)を含む各臨床 因子との相関について検討した.【結果】リンパ節転移陽性例は 81 例(8.6%)で,CEA≧5.0(p=0.004), 腺癌(p=0.004),C!T ratio>0.5(p<0.001)が有意な縦隔リンパ節転移の予測因子であった.C!T ratio≦0.5 の腫瘍は全て pN0 であった.右上葉+左上大区 488 例中,分岐下リンパ節陽性は 5 例(1.0%)であった.両 側下葉 354 例中,上縦隔リンパ節陽性は 16 例(4.6%)で,その半数で分岐下リンパ節が陰性であった.両側 下葉では CEA≧5.0(p=0.002),腺癌(p=0.025)が有意な縦隔リンパ節転移の予測因子であった.【結語】臨 床病期 I 期の原発性肺癌のうち,選択的リンパ節郭清が適応となり得るのは C!T ratio≦0.5 の症例であり,C !T ratio>0.5 の症例については,特に両側下葉では他の臨床因子と併せて慎重に考慮する必要がある.選択 的リンパ節郭清は,少なくとも手術時間の短縮には有用であるが,病期診断や局所制御の点でその効果は確 立しておらず,海外においても広く認知されているとは言い難い.今後前向き試験により,その妥当性を検 証する必要があると考えられる.

参照

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