建物空調システム設計が運用時のエネルギー消費量に与える影響 [ PDF
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(2) 与える影響について、構築した空調システムシミュレーションプ. 空調システムシミュレーションプログラム構築. 3.. 機器モデル、制御モデル、室熱収支モデルを組み合わせて. ログラムを用い、検討を行った(Case1∼Case27)。また、全ての. 空調システムシミュレーションプログラムを構築した。シミュレー. ケースにおいて装置容量の違いを比較するために、システム A. ションの入力は、外界気象条件及び空調システムの各温度設. とシステム B の 2 種類設定している。計算結果を表 7 に示す。. 定値(表 5)であり、出力は各機器の消費電力である。本システ. なお、本報では検討ケースを絞って考察を行った(表 8)。. ムに組み込まれている制御を表6に示す。シミュレーションの計. 4.1 装置容量の違いによるエネルギー消費量の比較 Case1 のシステム A、システム B でエネルギー消費量の比較. 算時間間隔は 1 分とし、計算期間は 1 月 1 日から 12 月 31 日、 助走期間を前年の 12 月 22 日から 12 月 31 日までとした。一次. を行う。. 側冷水流量は定流量とし、往還ヘッダ間バイパス冷水流量は、. 1) 熱源機のエネルギー消費量. 一次側冷水流量と二次側冷水流量との差とする。熱源機には、. 図 4 に Case1 の熱源機の月積算一次エネルギー消費量を示. レシプロ式とスクリュー式の空冷式ヒートポンプチラー(以下、レ. す。Case1 の場合、システム A の装置容量はシステム B に比べ. シプロ式空冷 HP、スクリュー式空冷 HP)とインバータターボ冷. 約 40%大きいため、部分負荷率の年平均値はシステム A が. 凍機(以下、INV ターボ冷凍機)を取り上げ、それらの部分負荷. 0.08、システム Bが 0.19 となり、システム B に比べて装置容量の. 特性は熱源機の種類、台数分割数に応じて設定した(図 3)。. 大きいシステム A の方が低負荷運転の頻度が高い。空調負荷. ケーススタディによるエネルギー消費量の比較. が大きい期間の 8 月にも、その平均値はシステム A が、0.31、. 熱源機の性能曲線を 2 種類、低負荷時における熱源機の性. システム B が 0.51 である。更に、レシプロ式空冷 HP の性能曲. 室内温度設定値 冷却塔出口冷却水温度設定値 冷却塔出入口冷却水温度差設定値. 5℃. 7℃. 11℃. 13℃. 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7. 24. 26. 28. 30 32 34 外気温度[℃]. 36. 38. 40. 24. 28. 30 32 34 外気温度[℃]. 1.4. 温水出口温度 43℃ 45℃ 51℃ 53℃. 41℃ 49℃. 1.3. 26. 36. 38. 温水出口温度 43℃ 45℃ 51℃ 53℃. 41℃ 49℃. 1.3. 47℃ 55℃. 47℃ 55℃. 1.2. 入力比[-]. 1.2. 1.1. 1.1. 1.0. 1.0. 0.9. 0.9. 0.8. 0.8. 0.7. 0.7 -6. -4. -2. 0. 2 4 6 8 外気温度[℃]. 10. 12. 14. -6. 16. -4. -2. 0. 分割なし. 1.0 1. 2台分割. 4台分割. 入力比補正[-]. 0.4 y = 0.21337887 x 3 + 0.37144753 x2 - 0.39792904 x + 0.77313221 R² = 0.99722246. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 0.7 部分負荷率[-]. 0.8. 0.9 1.0 1. (e) 部分負荷特性(レシプロ式空冷式ヒートポンプ) 冷却水出口温度 13℃ 15℃ 25℃ 29℃. 32 28. 36 28. 24 20 16. 2台分割. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 0.7 部分負荷率[-] 36 28. 24. (d)冷却塔風量制御 (e)冷却水流量制御 (f)熱源機運転台数制御. (g)給気温度設定値リセット制御. (h)熱源送水温度設定値リセット制御. (i)空調システム停止条件. 20 16. 1.0 1. 20℃. 16 12 8. 4. 4. 20℃ 32℃. 15℃. 20. 25℃. 32℃. 29℃. 0. 0 0. 0.2. 0.4 0.6 0.8 部分負荷率[-] 冷凍機出口冷水温度7℃. 1 1.0. 0. 0.2. 0.4 0.6 0.8 部分負荷率[-] 冷凍機出口冷水温度9℃. (g) 部分負荷特性(インバータターボ冷凍機). 図 3 熱源機の性能曲線. 室内温度が設定値に達するよう、給気風量をPI制御で調整 給気温度が設定値に達するよう、二次側冷水流量をPI制御で調整 熱源出口冷水温度が設定値に達するよう、熱源部分負荷率をPI制御で調整 冷却塔出口冷却水温度が設定値に達するよう、冷却塔風量をPI制御で調整 冷却塔出入口冷却水温度差が設定値に達するよう、冷却水流量をPI制御で調整 熱源運転台数がn台である時、システム全体の処理熱量が(n-0.1)QR を超えると一台増台する(ここで、QR:一台あたりの定格処理熱量 ) システム全体の処理熱量が(n-1.2)QRを下回ると、一台減台する ※増減台実施後10分間は運転台数を変更しない 冷房時:給気風量が下限値(外気導入量)になれば給気温度設定値を1℃上げ、給気風量が定格値になれば給気温度設定値を1℃下げる 暖房時:給気風量が下限値(外気導入量)になれば給気温度設定値を1℃下げ、給気風量が定格値になれば給気温度設定値を1℃上げる ※変更後10分間は設定値を変更しない ※給気温度設定範囲(冷房:13-22℃、暖房:24-38℃)を超える場合は熱源機のみを停止する(ファン・ポンプは稼働) 冷房時:二次側冷温水流量が定格値の20%になれば送水温度設定値を1℃上げ、二次側冷温水流量が定格値になれば送水温度設定値を1℃下げる 暖房時:二次側冷温水流量が定格値の20%になれば送水温度設定値を1℃下げ、二次側冷温水流量が定格値になれば送水温度設定値を1℃上げる ※変更後10分間は設定値を変更しない ※熱源送水温度設定範囲(冷房:5-12℃、暖房:35-48℃)を超える場合は熱源機のみを停止する(ファン・ポンプは稼働) 冷房時:室温が室内温度設定値よりも2℃低くなれば、熱源機・ポンプを30分間停止する 暖房時:室温が室内温度設定値よりも2℃高くなれば、熱源機・ポンプを30分間停止する. 33-2. 0.9. 13℃. 24. 8. 1 1.0. 冷却水出口温度 13℃ 15℃ 25℃ 29℃. 32. 20℃ 32℃. 12. 0.4 0.6 0.8 部分負荷率[-] 冷凍機出口冷水温度5℃. 0.8. (f) 部分負荷特性(スクリュー式空冷式ヒートポンプ). 4 0.2. 4台分割. 0. 8. 0. 16. 0.2. 12. 0. 14. 0.4. 冷却水出口温度 13℃ 15℃ 25℃ 29℃. 32. 20℃ 32℃. 12. 0.6. COP[-]. 36. 10. y = 0.3951x 2 + 0.2801x + 0.3103 R² = 0.9993. 0.8. 0.6. 0. 4 6 8 外気温度[℃]. 分割なし. 1.0 1. 0.8. 0.2. 2. (d) 入力特性(暖房). (c) 能力特性(暖房). 表 6 制御方法 (a)給気風量制御 (b)二次側冷水流量制御 (c)熱源部分負荷率制御. 40. (b) 入力特性(冷房). (a) 能力特性(冷房). 1.4. 18℃ 32℃ 7℃ 12℃ 37℃ 26℃ 24℃ 22℃ 32℃ 24℃ 5℃. 9℃. 1.2. 0.7. 能力比[-]. 冷水出口温度. 1.3. 13℃. 0.9. COP[-]. 熱源出口冷水温度設定値. 11℃. 1.0. 表 5 空調システムの各温度設定値 給気温度設定値. 9℃. 0.8. 台数. 冷凍能力720 kW,加熱能力759 kW 1台 冷温水量2065 ℓ/min,動力186 kW 冷温水量2065 ℓ/min,動力9 kW,揚程15 m 冷凍能力360 kW,加熱能力380 kW 2台 冷温水量1032 ℓ/min,動力73 kW 冷温水量1032 ℓ/min,動力4.5 kW,揚程15 m 冷凍能力180 kW,加熱能力190 kW 4台 冷温水量516 ℓ/min,動力52 kW 冷温水量516 ℓ/min,動力2.25 kW,揚程15 m 冷凍能力720 kW(205USRT),動力112 kW 冷水量2059 ℓ/min,冷却水量2446 ℓ/min 冷水量2059 ℓ/min,動力9 kW,揚程15 m 冷凍能力874 kW,動力5.5 kW 1台 冷却水量2917 ℓ/min 冷却水量2917 ℓ/min,動力30 kW,揚程30 m kW,ガス燃焼量76 定格出力759 ㎥/h 温水量2171 ℓ/min,定格効率86 % 冷凍能力360 kW(102USRT),動力56 kW 冷水量1030 ℓ/min,冷却水量1223 ℓ/min 冷水量1030 ℓ/min,動力4.5 kW,揚程15 m 冷凍能力487 kW,動力3.7 kW 2台 冷却水量1625 ℓ/min 冷却水量1625 ℓ/min,動力15 kW,揚程30 m 定格出力380 kW,ガス燃焼量38 ㎥/h 温水量1085 ℓ/min,定格効率86 % 冷凍能力180 kW(51USRT),動力28 kW 冷水量515 ℓ/min,冷却水量612 ℓ/min 冷水量515 ℓ/min,動力2.25 kW,揚程15 m 冷凍能力234 kW,動力1.5 kW 4台 冷却水量780 ℓ/min 冷却水量780 ℓ/min,動力7.5 kW,揚程30 m 定格出力190 kW,ガス燃焼量19 ㎥/h 温水量1996 ℓ/min,定格効率86 % 10×2 送風量5000㎥/h,冷却能力32.5 kW 冷温水量93 ℓ/min,動力2.2 kW 系統 2台 冷温水量930 ℓ/min,動力11 kW,揚程30 m. 夏期 冬期 夏期 中間期(冷房) 冬期 夏期 中間期(冷房) 冬期 夏期 中間期(冷房) 夏期・中間期. 7℃. 1.1. 入力比補正[-]. 熱源機(空冷式 冷凍能力1200 kW,加熱能力1265 kW 1台 ヒートポンプチラー) 冷温水量3441 ℓ/min,動力310 kW 一次ポンプ 冷温水量3441 ℓ/min,動力15 kW,揚程15 m 熱源機(空冷式 冷凍能力600 kW,加熱能力633 kW 2台 2台 ヒートポンプチラー) 冷温水量1720 ℓ/min,動力155 kW 分割 一次ポンプ 冷温水量1720 ℓ/min,動力7.5 kW,揚程15 m 冷凍能力300 kW,加熱能力316 kW 熱源機(空冷式 4台 4台 冷温水量860 ℓ/min,動力78 kW ヒートポンプチラー) 分割 一次ポンプ 冷温水量860 ℓ/min,動力3.75 kW,揚程15 m 熱源機(インバータ 冷凍能力1200 kW(341USRT),動力186 kW ターボ冷凍機) 冷水量3432 ℓ/min,冷却水量4077 ℓ/min 一次ポンプ 冷水量3432 ℓ/min,動力15 kW,揚程15 m 分割 冷凍能力1363 kW,動力5.5 kW 1台 冷却塔 なし 冷却水量4550 ℓ/min 冷却水ポンプ 冷却水量4550 ℓ/min,動力37 kW,揚程30 m kW,ガス燃焼量127 定格出力1265 ㎥/h ボイラ 温水量3618 ℓ/min,定格効率86 % 冷凍能力600 kW(170USRT),動力93 kW 熱源機(インバータ 冷水量1716 ℓ/min,冷却水量2038 ℓ/min ターボ冷凍機) 一次ポンプ 冷水量1716 ℓ/min,動力7.5 kW,揚程15 m 2台 冷凍能力679 kW,動力5.5 kW 2台 冷却塔 冷却水量2267 ℓ/min 分割 冷却水ポンプ 冷却水量2267 ℓ/min,動力18.5 kW,揚程30 m 定格出力633 kW,ガス燃焼量64 ㎥/h ボイラ 温水量1809 ℓ/min,定格効率86 % 冷凍能力300 kW(85USRT),動力46.5 kW 熱源機(インバータ 冷水量858 ℓ/min,冷却水量1019 ℓ/min ターボ冷凍機) 一次ポンプ 冷水量858 ℓ/min,動力3.75 kW,揚程15 m 4台 冷凍能力350 kW,動力2.2 kW 4台 冷却塔 冷却水量1170 ℓ/min 分割 冷却水ポンプ 冷却水量4550 ℓ/min,動力37 kW,揚程30 m 定格出力316 kW,ガス燃焼量32 ㎥/h ボイラ 温水量904 ℓ/min,定格効率86 % 10×2 送風量8000 ㎥/h,冷却能力52.3 kW 空調機(東,西系統) 冷温水量150 ℓ/min,動力3.75 kW 系統 2台 冷温水量1500 ℓ/min,動力15 kW,揚程30 m 二次ポンプ 分割 なし. システムB 仕様. 台数. 5℃. 入力比[-]. 能力比[-]. 表 4 空調機器の仕様 システムA 仕様. 冷水出口温度. 1.3 1.2. 類設定し、これらの違いが空調システムのエネルギー消費量に 機器名称. 1.4. 1.4. 能の与え方を 3 種類、台数分割を 3 種類、熱源機の種類を 2 種. COP[-]. 4.. 1 1.0.
(3) 線は低負荷時の効率が悪く、熱源機の月積算一次エネルギー. においては熱源機のみの比較を行う。各ケースの熱源機の年. 消費量は、システム A がシステム B に比べ、最大 41%(5 月)、. 積算一次エネルギー消費量を図7に示す。. 最小 31%(3 月)も大きい結果となった(図 4)。また、システム A. 4.2 熱源機の性能曲線の違いによるエネルギー消費量の比較. とシステム B の熱源機の年積算一次エネルギー消費量の差は. Case1 と Case10 でエネルギー消費量の比較を行う。図3 の熱. 約 39%となった(表 7)。. 源機の性能曲線を比較すると、スクリュー式空冷 HP はレシプロ. 2) 搬送系のエネルギー消費量. 式空冷 HP に比べ低負荷時の熱源機の効率が良いため、スクリ. 図5 に Case1 の搬送系の月積算一次エネルギー消費量を示す。. ュー式空冷 HP の Case10 はレシプロ式空冷 HP の Case1 に比. 一次ポンプの一次エネルギー消費量は、年間を通じてシス. べ、年積算一次エネルギー消費量がシステム A で 49%、シス. テム A がシステム B より大きい。一次ポンプは定流量なので装. テム B で 40%減少した(図 7)。これに伴い、システム A とシス. 置容量の違いが一次エネルギー消費量の差に表れる。中間期. テム B の熱源機の年積算一次エネルギー消費量の差は約. や冬期は空調システム停止条件によって一次ポンプも停止す. 39%から 28%に減少した(表 7)。 表 7 年積算一次エネルギー消費量. る時間帯があり、夏期よりも一次エネルギー消費量が少ない。. システムA. ム A がシステム B に比べ若干大きい。システム A の装置容量が える割合が多く、冷温水流量が多くなる傾向にある。しかし、ポン プの 3 乗則によって一次エネルギー消費量の差は小さい。 給気ファンの一次エネルギー消費量は、冬期以外でシステム A がシステム B よりも小さい。負荷が小さい中間期においては、 空調システム停止条件により熱源機とポンプが停止し、外気導入. 熱源機 分割 なし 空冷式ヒートポンプ スクリュー式 レシプロ式. 大きいため、熱源機送水温度設定値リセット制御の設定範囲を超. 2台 分割. む中間期の場合、システム A はファンの容量が大きいにも関わ らず、システム B に比べ、一次エネルギー消費量は大きくなる。. ターボ冷凍機 インバータ. 算出しており、システム A とシステム B で同量の外気量を取り込. 1098.3. 1106.4(-0.7%). 1351.7. 1302.2(3.7%). 3827.5. 3112.9(18.7%). 3232.1. 2813.8(12.9%). 1933.1. 1376.2(28.8%). 1798.1. 1364.2(24.1%). Case6. 1533.2. 1284.1(16.3%). Case9. 搬送系. 1043.4. 1075.5(-3.1%). 2976.5. 2451.7(17.6%). 1203.5. 1092.7(9.2%). 搬送系. 983.1. 合計. 2186.6. いることから、システム A とシステム B の一次エネルギー消費量. 各ケースにおいてあまり差が見られなかったため、以下の検討. A. B. A. 4月. B. A. 5月. B 6月. B 7月. A. B 8月. A. B 9月. A. B. 10月. A. B. A. 11月. 0.010. 24. 0.008. 23. 0.006. 22. 0.004. 21. 0.002. 20. 00.000 4月. 5月. 6月. 7月. 8月. 9月. 一次エネルギー消費量 [GJ]. 2124.1(0.8%). 1182.0. 1121.0(5.2%) 1272.5(7.6%). 3126.9. 2548.5(18.5%). 2730.0. 2453.9(10.1%). 2559.9. 2393.5(6.5%). Case11. Case12. 1249.2. 1068.8(14.4%). 1218.8. 1067.6(12.4%). 1119.3. 1027.9(8.2%). 搬送系. 1043.8. 1076.1(-3.1%). 1033.8. 1073.1(-3.8%). 1095.5. 1096.5(-0.1%). 合計. 2293.0. 2144.9(6.5%). 2252.6. 2140.7(5.0%). 2214.8. 2124.4(4.1%). Case13. Case14. Case15. 999.3. 974.5(2.5%). 998.2. 973.8(2.4%). 975.7. 964.7(1.1%). 搬送系. 984.0. 1047.3(-6.4%). 982.7. 1047.2(-6.6%). 991.0. 1052.8(-6.2%). 合計. 1983.3. 2021.7(-1.9%). 1980.9. 2021.0(-2.0%). 1966.7. 2017.5(-2.6%). 1587.3. 1469.9(7.4%). 1497.0. 1447.0(3.3%). 1189.1. 1165.3(2.0%). 1189.1. 1165.3(2.0%). Case16. Case19. 搬送系. 2776.4 Case22. 搬送系 合計 Case25. 搬送系. Case17. Case20. 2635.2(5.1%). 1400.4. 1395.9(0.3%). 1075.9. 1140.5(-6.0%). 2476.3. 2536.4(-2.4%). 1327.8. 1368.4(-3.1%). 1052.7. 1122.9(-6.7%). 2686.1 Case23. Case26. Case18. Case21. 2612.3(2.7%). 1391.1. 1418.4(-2.0%). 1075.9. 1122.6(-4.3%). 2467.0. 2541.0(-3.0%). 1327.0. 1368.1(-3.1%). 1052.7. 1122.9(-6.7%). 1361.0. 1406.0(-3.3%). 1372.5. 1227.7(10.6%). 2733.5 Case24. 2633.7(3.7%). 1367.3. 1387.7(-1.5%). 1109.3. 1153.4(-4.0%). 2476.6 Case27. 2541.1(-2.6%). 1325.0. 1337.3(-0.9%). 1056.4. 1184.0(-12.1%). 2381.4. 2521.3(-5.9%) [単位:GJ]. システム. 熱源機の性能曲線. 低負荷時の性能の与え方. 台数分割. 熱源機の種類. A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B A B. レシプロ式. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 分割なし. 空冷式ヒートポンプ. レシプロ式. 部分負荷率0-0.2の間は0.2の効率を維持. 分割なし. 空冷式ヒートポンプ. Case3 Case4 Case7 Case10. Case21. レシプロ式. 部分負荷率0-0.2の間は熱源機停止. 分割なし. 空冷式ヒートポンプ. レシプロ式. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 2台分割. 空冷式ヒートポンプ. レシプロ式. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 4台分割. 空冷式ヒートポンプ. スクリュー式. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 分割なし. 空冷式ヒートポンプ. インバータ. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 分割なし. ターボ冷凍機. インバータ. 部分負荷率0-0.2の間は0.2の効率を維持. 分割なし. ターボ冷凍機. インバータ. 部分負荷率0-0.2の間は熱源機停止. 分割なし. ターボ冷凍機. インバータ. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 2台分割. ターボ冷凍機. インバータ. 部分負荷率0まで性能曲線を延長する. 4台分割. ターボ冷凍機. 二次ポンプ(西). 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0. 二次ポンプ(東). 給気ファン(西). 給気ファン(東). 給気ファン(西) 一次ポンプ. 給気ファン(東). 二次ポンプ(西) 二次ポンプ(東). A. B 1月. A. B 2月. A. B 3月. A. B 4月. A. B 5月. A. B. A. 6月. B. A. 7月. B 8月. A. B 9月. A. B. 10月. A. B. A. 11月. B. 12月. 図 5 Case1 の搬送系の月積算一次エネルギー消費量 一次エネルギー消費量 [GJ]. 0.012. 3月. 1051.6(-5.90%). 2141.9. 熱源機. 25. 2月. 992.9. 2134.6(2.0%). 合計. Case2. B. 0.014. 26. 1月. 1045.9(-6.5%). 2179.3. 1377.9. 熱源機. 12月. 湿度[kg/kg(DA)]. 温度 [℃]. 27. 室温(東)(システムB) 室湿(東)(システムB). 981.9. 2138.8(2.2%). 1120.3(-3.0%). 合計. 図 4 Case1 の熱源機の月積算一次エネルギー消費量 室温(東)(システムA) 室湿(東)(システムA). 1046.1(-6.4%). 1333.6(18.8%). Case10. 一次ポンプ. A. 1072.5(6.7%). 1088.2. Case1. 一次エネルギー消費量 [GJ] B. 2382.1(11.3%). 1641.8. 熱源機. 3月. 1098.0(4.7%). 2684.9. 1144.6(2.7%). Case25. 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 A. 1151.7 1149.0. 1403.9(28.0%). Case22. B. 1088.7(9.1%). 1176.4. Case20. なお、搬送系のエネルギー消費量と室内環境に関しては、. 2月. 2436.4(14.0%). 1197.4. 1950.5. Case19. の差の原因は、実現している室温の差ではないことを確認した。. A. 1072.2(-3.7%). 2832.0. 表 8 検討ケース. いて室温に大きな差は生じておらず、設定値付近で制御されて. B. 1034.0 Case8. 2380.5 2491.3(-4.7%) 2379.7 2491.0(-4.7%) 合計 ただし、()の中はシステムAに対するシステムBのエネルギー削減率(マイナス値は増加). 図6 に Case1 の平均室温を示す。システム A とシステム B にお. 1月. Case7. Case5. 搬送系. 3) 室内環境への影響. A. Case4. 熱源機. 4台 分割. 1511.6(19.6%). 1145.4(2.4%). 熱源機. 2台 分割. システムB. 1880.4. Case3. 3469.6(30.2%). 熱源機. 分割 なし. 2006.5(26.5%). 4967.4. 熱源機. 4台 分割. 2729.2. Case2. システムA. 1173.9. 熱源機. 2台 分割. 2324.2(38.7%). 部分負荷率0-0.2の間 は熱源機停止. システムB. 合計. 合計. 分割 なし. システムA. 搬送系. 熱源機 4台 分割. システムB. 3793.5. Case1. 熱源機. のみが行われる。給気ファンの一次エネルギー消費量は、定格 消費電力に流量比(風量を定格風量で除した値)の 3 乗を乗じて. 部分負荷率0-0.2の間 は0.2の効率を維持. 部分負荷率0まで 性能曲線を延長. 二次ポンプの一次エネルギー消費量は、年間を通じてシステ. 4000 3500. -28%. 3000. -49% -35%. -68% -41%. -49% -53%. -40%. 2000 1500 1000 500 0 A. B case1. 10月 11月 12月. -50% -14%. 2500. A. B case2. A. B case3. A. B case4. A. B case7. A. B case10. 図 7 各ケースの熱源機の年積算一次エネルギー消費量. 図 6 Case1 の平均室温(空調時間帯). 33-3.
(4) 4.3 低負荷時における熱源機の性能の与え方の違いによるエ ネルギー消費量の比較. HP の場合、熱源機を台数分割するに従ってシステム A とシステ ム B の一次エネルギー消費量の差は縮まるだけだったが、INV. Case1、Case2、Case3 でエネルギー消費量の比較を行う。低. ターボ冷凍機の場合、熱源機を台数分割するに従って装置容量. 負荷時における熱源機の性能曲線の与え方を図 8(a)に示す。. の小さいシステムBの方がシステムAに比べ一次エネルギー消. Case2 は Case1 と比べ、部分負荷率0.2 以下で性能がよくなるの. 費量が増加する結果となった(図 9)。これは、システム A の装置. で、低負荷運転となる中間期、冬期において一次エネルギー. 容量が大きいため、熱源機送水温度設定値リセット制御の設定. 消費量が減少し、熱源機の年積算一次エネルギー消費量はシ. 範囲を超える割合が多く、冷凍機出口冷水温度が高くなり COP. ステム A で 28%、システム B で 14%減少した(図 7)。これに伴. が向上したためである。更に、台数を分割することで、システムB. い、システム A とシステム B の熱源機の年積算一次エネルギー. はシステム A に比べ低負荷での運転が少なくなり、低負荷時の. 消費量の差は約39%から約27%に減少した(表7)。Case3 は、. 効率が優れている INV ターボ冷凍機では、システム B の一次エ. 部分負荷率0.2 以下は熱源機が停止するので、低負荷運転とな. ネルギー消費量が増加してしまう結果となった。. る中間期、冬期において Case2 よりもさらに一次エネルギー消. 5.. おわりに. 費量が減少し、熱源機の年積算一次エネルギー消費量はシス. 建物・空調・制御システムのトータルなシミュレーションを通し. テム A で 50%、システム B で 35%減少した(図7)。これに伴い、. て、装置容量、熱源機の性能曲線、低負荷時の熱源機の性能. システム A とシステム B の熱源機の年積算エ一次ネルギー消. の与え方、熱源機の台数分割、熱源機の種類の違いが運用時. 費量の差は約 39%から約 20%に減少した(表 7)。. のエネルギー消費量に与える影響について検討を行った。. 4.4 台数分割の違いによるエネルギー消費量の比較. 熱源機のエネルギー消費量は与えた条件によって大きく変化. Case1、Case4、Case7 でエネルギー消費量の比較を行う。Case4. する。通常、熱源機の装置容量が大きければ、エネルギー消費量. はCase1と比べ、熱源機を2台に分割することで、熱源機の年積算. は増えると言われているが、INV ターボ冷凍機の場合、熱源機の. 一次エネルギー消費量はシステム A で 49%、システム Bで 41%. 台数を分割するに従って、システムBに比べ装置容量の大きいシ. 減少した(図7)。これに伴い、システムAとシステムBの熱源機の. ステム A の方が一次エネルギー消費量は小さくなった。このこと. 年積算一次エネルギー消費量の差は約 39%から約 29%に減少. から、INV ターボ冷凍機に関しては台数分割をせず、装置容量の. した(表 7)。Case7 は Case1 と比べると、熱源機を 4 台に分割する. 大きい機器を選定すればいいように感じるが、装置容量が大きけ. ことで、熱源機の年積算一次エネルギー消費量はシステム A で. ればイニシャルコストや設置スペースが問題となる。また、台数分. 68%、システムBで53%減少した(図7)。これに伴い、システムA. 割をしなければ維持保全時に問題となる。今後は、運用時のエネ. とシステム B の熱源機の年積算一次エネルギー消費量の差は約. ルギー消費量だけでなく、ライフサイクル的な観点から空調シス. 39%から約 9%に減少し、ほぼ等しくなった(表 7)。通常、熱源機. テム設計を考えるべきであり、更なる検討の必要性を感じる。. の装置容量が大きければ、エネルギー消費量は増えると言われ. 【謝辞】. 源機の台数を分割することで低負荷時の性能がよくなり、装置容 量の差による影響が減少することが確認できた。 4.5 熱源機の種類の違いによるエネルギー消費量の比較 図9 に熱源機の夏期・中間期の積算一次エネルギー消費量を. 本研究は、空気調和・衛生工学会空気調和設備委員会熱負荷シミュレーションと装置容量小委員 会の活動の一環として行われたものである。関係各位に謝意を表します。 【参考文献】 1) 猪岡達夫:空調設備設計における余裕と省エネルギー,日本建築学会大会学術講演梗概集, pp.203-206,2004 年8 月 2) 滝沢博:標準問題の提案(オフィス用標準問題),日本建築学会環境工学委員会 熱分科会 第15 回シンポジウム,pp.35-42,1985 年 3) 国土交通省大臣官房官庁営繕部設備・環境課監修:建築設備設計基準,平成 18 年度版, 2006 年. ボ冷凍機の回転数を制御し、高い効率で運転が可能な機器であ. 入力比補正[-]. 示す。Case1、Case19 でエネルギー消費量の比較を行う。INV タ ーボ冷凍機は、季節による冷却水温度の変化を活用して、ター. Case1:部分負荷率0まで性能曲線を延長する Case2:部分負荷率0-0.2の間は0.2の効率を維持 Case3:部分負荷率0-0.2の間は熱源機停止. 1. 冷凍機出口冷水温度7℃ 冷却水温度32℃. Case1. 0.8 1.0 0.6. Case2. Case3 (熱源機停止). 0.4. 0. の台数分割の違いによるエネルギー消費量の比較を行うと、ど ちらのケースも空冷 HP と同様の傾向を見せた。しかし、空冷. 33-4. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 0.7 部分負荷率[-]. 0.8. 0.9. 1.0 1. 0. 0.1. 0.2. 0.3. 0.4 0.5 0.6 0.7 部分負荷率[-]. 0.8. 0.9. 1.0 1. (b) インバータターボ冷凍機. (a) レシプロ式空冷式ヒートポンプ. 一次エネルギー消費量 [GJ]. 荷時における熱源機の性能の与え方の違い(図 8(b))、熱源機. 0.1. 図 8 低負荷時における熱源機の性能曲線の与え方. 量がシステム A で 72%、システム B で 47%減少した。これに伴. 更に、空冷 HP と同様に、INV ターボ冷凍機においても低負. Case3 (熱源機停止) Case1. 0. HP の Case1 に比べ、夏期・中間期の積算一次エネルギー消費. エネルギー消費量の差は約 40%から 14%に減少した(図 9)。. 4 2. y = 0.21337887 x3 + 0.37144753 x2 - 0.39792904 x + 0.77313221 R² = 0.99722246. 0. い、システムAとシステムBの熱源機の夏期・中間期の積算一次. 6. Case2. 0.2. る(図3)。よって、INV ターボ冷凍機の Case19 はレシプロ式空冷. Case19:部分負荷率0まで性能曲線を延長する Case20:部分負荷率0-0.2の間は0.2の効率を維持 Case21:部分負荷率0-0.2の間は熱源機停止. 8. COP[-]. ているが、今回の計算結果から、装置容量が大きくても適切に熱. 熱源機. 2500 2000 -40%. 1500 1000. -14%. -5%. ±0%. 500. +2%. +12%. 0 A. B case1. A. B case19. A. B case20. A. B case21. A. B case22. A. B case25. 図 9 熱源機の夏期・中間期の積算一次エネルギー消費量.
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