RC造周辺柱を有する制振壁に関する実験的研究 [ PDF
4
0
0
全文
(2) WRC4 試 験 体:基本試験体との違いは、ⅰ)繋梁のフ. 振幅繰返し載荷である。0.25% から 2.0%まで 0.25%. ランジは補強しているがウエッブは補強していない. の変位振幅増分で、各変位振幅ごとに 3 回ずつ繰返. ため、せん断耐力が約半分となっている、ⅱ)壁板. し載荷を行った。試験体の変位に関しては、前述し. の厚さを 100mm としている、ⅲ)壁板内柱の鉄骨の. た水平変位以外 に、両側柱の鉛直方向変位、繋梁の. 中間部を鉄筋に置き換えており 、内柱主筋(4-D13). 部材角、試験体の構面外 の変形、両柱脚の水平変位. は下端は鋼板に溶接することにより 定着されている. を変位計により 測定した。また鉄筋、鋼材に関して. が、 上端においては 繋梁の下端には溶接されていな. は降伏が予想される位置において歪みを測定した。 カ ウ ンタ ーバ ラン ス装 置. い、ⅳ)壁板の横筋はD6 鉄筋 2 本を 75mm間隔で配筋. ピン. している(せん断補強筋比 は0.0085)、ⅴ)繋梁の埋. ロ 型フ レー ム( 上 梁). め込み定着部 の詳細が基本試験体に比較して簡略化 されている、の 5 点である。. ピン ワ イヤ ー. 3 層 WRC 試 験 体 :繋梁の寸法は上部は H-150 × 7 5. 吊 りバ ネ. ロ 型フ レ ーム (柱 ). 面 外補 剛 装置. × 5 × 7 で、ウエッブとフランジにそれぞれ 6mm の. ロ ード セル. ロ 型フ レー ム( 柱). 球座 加力 梁. 厚さのプレートを溶接し て補強している。下部は. ジャ ッキ (1 00 ton ). ピン. H-175 × 175 × 7.5 × 11 でフランジに 6mm の厚さの. 球座. 球座. ピン. ピン. プレートを溶接して補強している。 繋梁は外柱鋼管. 面外 補剛 装置 ロ ード セル. 試 験体 取 付治 具. と一体的になっている。壁板の横筋は D10 鉄筋 2 本. 試験 体. P C鋼 棒. 滑り 止め. 滑り 止め. を 75mm 間隔で配筋している。上下繋梁と柱頭、柱 脚が降伏することにより、 「転倒降伏機構 」を形成. W 変 位計. する。. (a) WRC1 ∼ W R C 4. 試験体に用いた鋼材の力学的性質を表 1 に、コン クリートの試験時材令での力学的性質を表 2 に示. カウンターバランス装置 カウンターバランス装置. す。 . ピン. 表 1 鋼 材 の 力 学 的 性 質 Flange Web WRC1,WRC2 Flange H-100×50×5×7 Web 鋼管 ( 175×175×6) Flange H-150×75×5×7 Web Flnge WRC3 H-100×50×5×7 Web 鋼管 ( 175×175×6) Plate t=12 ( 内柱下部用) Flange H-150×75×5×7 Web Flange WRC4 H-100×50×5×7 Web 鋼管 ( 175×175×6) Plate t=9 (繋梁鉛直溶接用 ) Flange H-175×175×7.5×11 Web Flange H-150×75×5×7 Web 3層WRC Flange H-100×50×5×7 Web 鋼管 ( 175×175×6) Plate t =6 ( 繋梁web補強用) H-150×75×5×7. ワイヤー テフロンシート. 加力梁. ワイヤー ピン. 水平力載荷用PC鋼棒. ピン W H. ロードセル 面外補剛装置 ジャッキ(100ton). 降伏応力度 降伏ひずみ 引張強度 (N/mm2) (%) (N/mm2) 361 0.16 483 359 0.26 472 361 0.17 482 368 0.18 479 401 0.25 471 361 0.16 483 359 0.26 472 358 0.16 463 338 0.16 445 401 0.25 471 234 0.18 321 361 0.16 483 359 0.26 472 358 0.16 463 338 0.16 445 401 0.25 471 303 0.19 384 297 0.14 433 327 0.16 448 321 0.16 458 350 0.17 471 312 0.15 426 348 0.12 459 328 0.16 419 316 0.15 405. 面外補剛装置. 試験体 W. Iビーム. PC鋼棒. PC鋼棒 FL. ローラ. ローラ. (b) 3 層 W R C 図 3 加 力 装 置. 表 2 コ ン ク リ ー トの 力 学 的 性 質 圧縮強度(N/mm 2 ) WRC1 39.4 WRC2 38.1 WRC3 41.5 WRC4 41.8 3層WRC 41.3. δ1. ヤング係数(N/mm 2 ) 28922 26240 29914 27149 34839. N. δ2. -P. P. H=P+ N・s inθ δ1. 3.加力装置 と加 力 方 法 加力装置の概略図 を図 3 に示す。試験体 には、1 層試験体 4 体には鉛直荷重 529kN、. θ N. P. δ2. δ3. -P. h δ4. δ3 h. 3 層試験体には鉛直荷重980kN を載荷し、実 験中一定に保持した。水平力は油圧ジャッ キにより 繰り返し載荷を行った。図 4 に示 すδ 1、δ 2 を計測し、骨組の層間変形角 を. (a) WRC1 ∼ WRC4 (b) 3 層 W R C . 測定した。載荷プログラムは正負交番漸増. 図 4 計 測 方 法 51-2.
(3) 今回の 1 層試験体の実験で使用した加力装置には. には柱脚が初降伏した。その後 R=0.75 × 10 -2rad で. 次のような問題点 がある。. 柱脚にひび割れが生じ、R=1.0 × 10 -2rad で圧壊が見. ⅰ)実際の構造物では半曲点位置 は静的載荷時、動. られるようになった 。R=1.25 × 10 -2rad には柱脚のす. 的応答時において異なりその位置は変動するが、実. べりが確認され、パンチングシアー 破壊し始めた。. 験においては 載荷位置が2 階床レベルである 。ⅱ)実. 復元力特性 は柱脚にすべりが生じ始めた R=1.25 ×. 際の水平力 は 2 階床位置における分布力として 試験. 10 -2rad 付近から勾配が緩やかになり 、耐力が減少し. 体に導入されるが、実験においては風上側 からの 集. ている。. 中圧縮力により載荷されているため、梁の軸力が実. WRC2 試 験 体:層間変形角R=0.25 × 10 -2rad で左右柱. 際とは 異な る。ⅲ) 隣接フレームか ら の 曲げ戻し. 頭、壁板上部にひび割れが発生。R=0.5 × 10 -2rad で. モーメントを無視している。ⅳ) 左右耐震壁 の 2 層. 繋梁がせん断降伏 し始め、柱脚が初降伏 した。また、. 床位置における曲げモーメント に対応する中枠柱に. 壁板の 継ぎ 目に斜 め せ ん断 ひび割 れが 発生 した。. 軸力を載荷していない。. R=1.5 × 10 -2rad にはパンチングシアー破壊し始め. 図 5 -a に静的増分解析により推定した実際の構造. た。R=2.0 × 10 -2rad には壁板の上部が大きく剥がれ. 物の応力状態を、 図 5 -b に試験体 の載荷状態 を示す。. 落ちた。復元力特性は WRC1 と類似した履歴を示し. 実際の構造物 は風上側柱脚 はほとんどせん断力を負. た。. 担せず、風下側柱脚がせん 断力の大半を負担してい. WRC3 試 験 体:層間変形角R=0.25 × 10 -2rad で壁板の. るのに対し、試験体は左右柱脚に均等にせん断力が. 繋梁付近からひび割れが発生し( 右壁、左壁の順) 、. 負担されていると 考えられる。そこで、より実際の. 繋梁がせん断降伏 し始め、 続いて柱脚も初降伏した。. 構造物の応力状態に近づけるためにWRC1を除 ドセル(ピン-ピンの剛棒)を挿入してある(図. 400. 5 -c 参照)。また本来生じない引張力を内枠柱 が負担しないように、WRC3、4 試験体は内枠 柱部分を PC 鋼棒で外部補強してある。. 600. WRC1. 200 0. -600 -3.0. した点に□をプロットしてある。図中の点線 計算値で、その計算式は図 7 に示す通りであ. 400. る。全塑性耐力計算中 の M t、M c、Q の計算に用 いる鋼材の材料強度として 降伏応力度σyおよ び引張強さσ u を用いた場合について計算し、 それぞれプロットしてある。グラフより、壁 板の終局水平耐力はσuを用いた場合の全塑性 耐力でほぼ評価できることが 分かる。. -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 層間変形角(×10- 2rad). -600 -3.0. 3.0. 600. WRC3. 200 0. -200. WRC4. 200 0. -400. -600 -3.0. -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 層間変形角(×10- 2rad). 3.0. -600 -3.0. 600. で繋梁がせん 断降伏 し始め、繋梁付近から壁. 400. 板にひび 割れが生じ始めた。R=-0.25 ×10 -2rad. H. PC鋼棒. 水平力 (kN). WRC1 試 験 体: 層間変形角 R=+0.25 × 10 -2rad. H. 3.0. -200. -400. 以下、各試験体の実験経過 を述べる。. -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 層間変形角(×10- 2rad). 400 水平力 (kN). 600. 水平力 (kN). は転倒モーメント降伏機構時 の全塑性耐力の. 0. -400. -400. を示す。繋梁が降伏した点に△、柱脚が降伏. 200. -200. -200. 4.実験経過 と荷重 - 変 形 関 係 図 6 に各試験体の荷重 - 変形関係のグラフ. WRC2. 400 水平力 (kN). 600. 水平力 (kN). く WRC2、3、4 試験体には中央開口下部にロー. -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 層間変形角(×10- 2rad). 3.0. 3WRC. 200 0 -200 -400. ロードセル. Nt=0 Qc .t=0. Nc=2NL Qc.t=H. Nt=NL-Q繋梁 Qc .t=0.5H. Nc=NL+Q繋梁 Qc.c=0.5H. 図 5-b 図 5-a 試 験 体の 応力状態 実際 の構 造 物 の応 力 状 態. -600. NL. C. -3.0 Nc=NL+Q繋梁 Nt=NL-Q繋梁 Qc .t=0.5H-NL .C . Qc.t=0.5H+NL.C.. 図 5-c 改 良 後の 応 力 状 態 51-3. -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 層間変形角(×10- 2rad). 3.0. 図 6 各 試 験 体 の 荷 重 - 変形関係.
(4) H. M' t. δ. M'c θ. θ P δ. H. 図 6 に各試験体の荷重-変形関係の実験値と解析. P Q. θ. θ. 値を、表 3 に各試験体の実験および解析における初. Q1. 期剛性、最大耐力を示す。最大耐力は各試験体とも. h h. θ. θ. Q2. 解析誤差 10% 以内におさまっており、精度よく評価. θ. できている。WRC1、WRC2試験体では実験値が解析値 Mc. L. Mt. M t + M c + QL h. を下回っているが、 これは繋梁が完全にはひずみ 硬. θ. MOTM = Hh = M t + M c + QL. H =. 5.2 実 験 結 果 と 解 析 結 果 の 比 較. Mt. L. 化しなかったためと考えられる。これに対し WRC3 Mc. MOTM=Hh=Mt +Mc +M 't+M 'c+Q1L+Q2L H=. 試験体ではひずみ硬化が十分に生じたために、 実験 値と解析値はほぼ等しくなっていると考えられる。. M t+Mc +M't +M 'c+Q1L+Q2L h. WRC4試験体では実験値が解析値 を上回っているが、 これは繋ぎ梁のひずみ硬化に加え繋梁に用いるH型. 図 7 全 塑 性 耐 力の 計 算 仮 定. 鋼フランジ(9mmプレートで補強)の枠効果によるも R=1.25×10 radあたりから壁板のコンクリート と内. のと考えられる。初期剛性は WRC1 試験体では解析. 部鉄骨が剥離し始めた。履歴面積は小さくなってい. 誤差 1% と非常に精度よく評価できているが、その. るが、耐力はあまり下がらなかった 。. 他の試験体は 6 ∼ 23% とばらつきが見られた。. -2. WRC4 試 験 体:層間変形角R=0.25 × 10 rad で壁板の -2. 繋梁そばからひび割 れが発生( 左壁、右壁の順) 。 R=0.5 × 10 -2rad で繋梁がせん 断降伏し始め、柱脚が 初降伏した。R=+1.75 × 10 -2rad には繋梁のウェブが 局部座屈し、R=-1.75 × 10 -2rad にはウェブに亀裂が 発生した。耐力は他の 3 体と比べて低くなっている が、復元力特性は比較的安定した履歴ループを描い ている。壁板にはひび割れは生じなかった。 3 層 WRC 試 験 体:層間変形角 R=0.25 × 10 -2rad で上. ロードセル部分. 部、下部とも繋梁がせん断降伏 し始め、柱脚も降伏 し始めた。R=0.5 × 10 -2rad で柱頭が降伏し始めた。 層間変形角 R=0.75 × 10 -2rad で柱頭からひび割れが. (a) WRC1 ∼ WRC4 (b) 3 層 WRC . 生じ始め、 上部繋梁端部溶接部からひび割れが生じ. 図 8 解 析 モ デ ル. 始め、層間変形角R=1.50×10 -2radで壁面コンクリー トの圧壊が見られるようになった。 復元力特性は上. 表 3 実 験 値 と 解 析 値 の 比 較. 部繋梁近傍のコンクリート が圧壊し始めた層間変形 角 R=1.50 × 10 -2rad 付近から勾配が緩やかになり、 耐力が減少している。 5.復 元 力 特 性 に関 す る 解 析 的 検 討 5.1 解 析 概 要 本節においては、実験により得られた荷重- 変形. WRC1 WRC2 WRC3 WRC4 3WRC. 実験値 解析値 初期剛性 最大耐力 初期剛性 最大耐力 Kex(kN/ mm) Kex(kN) Kal(kN/ mm) Kal(kN) 228.5 588 230.9 615 183.2 562 206.7 620 331.5 608 269.4 618 195.6 366 169.0 334 239.1 458 225.0 462. Kex/Kal Hex/Hal 0.990 0.886 1.230 1.157 1.063. 0.956 0.906 0.984 1.096 0.991. 関係を解析によってどの程度の精度で評価できるか. 6.結論. の検証を行う。解析には、線材要素を用いた有限要. 本研究 で提案するRC構造に近い壁板を有する制振. 素法による 2 次元骨組解析プログラム(材料非線形. 壁 5 種類の試験体 について実験を行った結果、以下. 性、幾何学的非線形性を考慮 )を用いる。部材は. の結論を得た。. ファイバーモデルにより 評価する。材料の構成則. 変形制限を設ける場合 の目安である層間変形角. は、鋼材は大井・秋山モデルとし、側柱に用いたコ. 1.0/100rad.以内の変形においては、制振壁の復元力. ンクリートは、RC 部は耐力劣化のある 崎野・孫モデ. 特性は各試験体とも柱脚に形成される塑性ヒンジ と. ル、TRC 柱を用いた柱脚部 は耐力劣化のない崎野・. 繋梁の塑性変形性状に支配され、エネルギー吸収能. 孫モデルを用いた。 壁板部分は等価な剛性を有する. 力の大きい安定した性状を示した。大変形時には、. 弾性ブレースに置換した。. 加力装置の性能と各試験体の設計詳細に起因する各. 解析モデルを図 8 に示す。. 種局部破壊性状が生じた。. 51-4.
(5)
関連したドキュメント
※ 硬化時 間につ いては 使用材 料によ って異 なるの で使用 材料の 特性を 十分熟 知する こと
(注)本報告書に掲載している数値は端数を四捨五入しているため、表中の数値の合計が表に示されている合計
当初申請時において計画されている(又は基準年度より後の年度において既に実施さ
添付資料-4-2 燃料取り出し用カバーの構造強度及び耐震性に関する説明書 ※3 添付資料-4-3
添付資料-4-2 燃料取り出し用カバーの構造強度及び耐震性に関する説明書 ※3 添付資料-4-3
添付資料-4-2 燃料取り出し用カバーの構造強度及び耐震性に関する説明書 ※3 添付資料-4-3
添付資料-4-2 燃料取り出し用カバーの構造強度及び耐震性に関する説明書 ※3 添付資料-4-3
添付資料-4-2 燃料取り出し用カバーの構造強度及び耐震性に関する説明書 ※3 添付資料-4-3