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学位論文内容の要旨

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 金    喜 鍾

     学位論文題名

    Estimation of carbon balance ・

gas and moisture movement in solid waste landfills

(廃棄物埋立地における炭素収支および浸出水とガス移動状況の推定)

学位論文内容の要旨

  廃棄物 埋立地はどみの安定化まで 時間がかかり長期的ぬ維持管理が必要とをるため、費用の増加 や 環境 汚染 の恐れ 顔どの問題が発生する。この よう誼問題を解決するため に埋立地の早期安定化 の必要性 が強く認識され、各国では 埋立地の安定化促進のためのさまざま顔研究を行っている。一 方、維持 管理の継続、廃止を決定す るためには、安定化度をはかる必要がある。一般的に浸出水の 水質や埋 立ガス教どが用いられてい るが、これらは外部での測定に過ぎをい。例えば埋立地内に水 道がある と乾燥領域が生じ、分解が 進ま顔い可能性がある。埋立廃棄物の掘削調査を行うことが望 ましいが 、埋立廃棄物の不均質のた め代表性のある試料を得るのが困難である。そこで、本研究で は ニつ のア プロー チによって埋立地内部の状況 を推定した。まず、20年間 の記録のある産業廃棄 物埋立地 のデータを用い、炭素収支 を評価した。をお、廃棄物埋立地に設置された多数のガス抜き 管 の 調 査 に よ り 、 埋 立 地 内 部 で の 浸 出 水 お よ び ガ ス の 流 れ を 明 ら か に し た 。   本論文 は5章から構成されている。

  第1章 は序論であり、本研究の背景 、目的、意義について述べ るとともに、本研究の構成につい て概説し た。

  第2章 では、長期間にわたる実規模 埋立地での長期挙動および 内部状態の把握を目的とした。埋 立 年齢 が約2年から20年まで異誼る5区画を持つ 産業廃棄物埋立地を対象と し,浸出水の発生量、

浸出水BOD、搬入廃棄物の種類没どの データを用い,区画どとの 水分収支,炭素収支を推定した。

搬入廃棄 物中の炭素量は,埋立物の 種類別に測定した特性値を用いて推定した。浸出水量のデータ は1999年以 前の記 録がをいため,覆土の有無に 応じた雨水浸透率,流出ま での遅れ時間を未知パ ラメータ とし,浸出水量に合うよう に決定してモデルとし,1999年以前の浸出水量を推定した。寒 冷地であ るため,積雪,融雪による浸出水発生の遅れも考慮した。その結果。埋立地に搬入された炭 素 量に 対し 。浸出 水とともに流出する割合は埋 立年齢と関係教く2%未満で あることがわかった。

ま た、2004年から ブロワーで埋立地底部の浸出 水集水管から空気を吸引し 、脱臭を行っている。

2000年 埋立 開 始の 第4区画 に対 して ガス流速と 濃度の測定を行ったところ 、ガスとともに流出し た炭素量 は1ワ。未満であることがわ かった。しかし覆土が設置されていをいため、埋立地表面から の 空気 侵入 による エアレーションとをっていた 可能性がある。一方、2004年以前に埋立を終了し

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た 第1〜3区画 はImの最終覆土が設置された のちの吸引であり、エアレ ーションは期待でき顔い。

より 正確を炭素バランスの評価の ためには搬入どみの組成や特性、浸出水の水質や発生量、また埋 立ガ スの発生量をどを区画どとに 記録する必要がある。

  第3章では、構造に不備があり 大量の浸出水が滞水している 一般廃棄物埋立地において,安定化 促 進の ために 設置したガス抜き管の調査に より浸出水の流れを推定し た。98本のガス抜き管のう ち 、48本 でガ 久抜 き管 設 置後 のTOC、TN、 水位 の経 時 変化 を、18本 で深 さ どと の水平方向浸出 水流 速を,NaCl溶液を用いたトレ ーサ実験によって求めた。その結果、水位はガス抜き管ごとに大 きく 異をり,原地盤の地形との関 連が見られた。すをわち沢に周辺の水が集まりやすい構造に次っ てい るため水位が高く,降雨によって変動も大きい。ガス抜き管における水平流速は,下層より上層 が 大き か った 。ま た管 内 浸出 水の水質を 調査した結果、多くのガス抜 き管で管設置後にTOCの急 激を 減少が見られた。TOC低下の 時期が温度の上がる夏期であ ることから,不飽和層においてガス 抜 き管 設 置に より 空気 が 侵入 して好気性 分解が起こり、TOCの低下し た浸出水が飽和層に流れ込 んだ ためと思われる。上層で流速 が大きいのも,このためである。飽和層は十分に洗い出しが進ん で おり , 低下 後のTOCは飽 和層 の濃 度 を表 わし てい る と考えられる。 ただし浸出水原水のTOC濃 度 には 大 きを 減少 は見 ら れず ,浸 出水 中有 機 物低 下の 効果はガス抜 き管周辺に限られている。

  第4章では、 第3章で対象とした埋立地に おいて,ガス抜き管におけ るガス移動のヌカニズムを 明ら かにした。38本のガス抜き管 において,出口からのガス 流速,ガス濃度の測定、また4本のガ ス抜 き管においてガス濃度,温度,およびガス流速の垂直分布を測定した。ガス流速は,COガスを用 いた トレーサ実験によって測定し た。ガス濃度分布はガス抜き管どとに異をるが,ほとんどの場合 15〜20mの深さにおいても窒素が 存在し,空気が底部まで侵入 していることがわかった。ガス流速 は上 部ほど増加し,またメタンガスと窒素の割合はほば一定である。このことより,ガス抜き管は埋 立ガ スの排出とともに空気の引き 込みの効果があることを明らかにした。空気の流量が温度と正の 相関 があることから,好気分解によって廃棄物層の温度が上昇し,その熱によってガス抜き管内に浮 力効 果が働いたものと考えられる 。表面に積雪がある冬期も空気の流入があることから,空気の移 動は 水平方向である。

  第5章は結諭であり、論文の主 教内容をまとめた。

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学 位論文審 査の要旨 主 査    教 授    松 藤 敏 彦 副 査    教 授    恒 川 昌 美 副 査    教 授    名 和 豊 春 副査    准教授    東條安匡

     学位論文題名

    Estimation of carbon balance .

gas and moisture movement in solid waste landfills

(廃棄物埋立地における炭素収支および浸出水とガス移動状況の推定)

  廃棄物 埋立地は他のどみ処理施設 と異教り,安定化までに時間 がかかる。埋立地内部状態を知る 方法とし ては,浸出水の水質や埋立ガス発生量顔どが用いられており,維持管理の廃止を決定するた めの指標 としても使われている。し かし,廃棄物埋立地にはさま ざま次廃棄物が埋め立てられてい る。水み ちの形成によってバイパス流が生じ,また透水係数の小さい覆土に沿って水が流れ,その下 が乾燥状 態と教ることもある。この ようには廃棄物埋立地は不均 質性が高いことから,外部での測 定である 浸出水やガスが,必ずしも 内部状態を代表する指標とは 教らをい。また埋立廃棄物の掘削 調査は内 部状態を直接知る方法だが ,廃棄物の不均質のため代表 性のある試料を得るのが困難であ る。そこ で,本研究ではニつのアプ ローチによって埋立地内部の 状況を推定した。まず,20年間の 記録のあ る産業廃棄物埋立地のデータを用い,有機物の指標として炭素収支を評価した。叔お,廃棄 物埋立地 に設置された多数のガス抜 き管における調査によって, 埋立地内部での浸出水およびガス の流れを 明らかにした。

  本論文 は5章から構成されている。

  第1章 は序論であり,本研究の背景 ,目的,意義について述べるとともに,本研究の構成について 概説した 。

  第2章 では。長期間にわたる実規模 埋立地での長期挙動および 内部状態の把握を目的とした。埋 立 年齢 が約2年 から20年ま で異教る5区画を持つ産業廃 棄物埋立地を対象とし,浸出 水の発生量,

浸出水BOD.搬入廃棄物の種類をどの データを用い,区画どとの 水分収支,炭素収支を推定した。

搬入廃棄 物中の炭素量独,埋立物の 種類別に測定した特性値を用 いて推定した。漫出水量のデータ は1999年 以前の記録がをいため,覆 土の有無に応じた雨水浸透率 。流出までの遅れ時間を未知パラ メータと し,浸出水量に合うように 決定してモデルとし,1999年 以前の浸出水量を推定した。寒冷 地である ため,積雪,融雪による浸出水発生の遅れも考慮した。その結果,埋立地に搬入された炭素 量 に対 し, 浸 出水とともに 流出する割合は埋立年齢と 関係ぬく2%未満であることが わかった。ま た,2004年からブロワーで埋立地底 部の浸出水集水管から空気を 吸引し,脱臭を行っている。2000 年埋立開 始の第4区画に対してガス流 速と濃度の測定を行ったと ころ,ガスとともに流出した炭素     ―724―

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量はlqo未満であ ること がわか った。しかし覆土が設置されていぬいため,埋立地表面からの空気 侵入に よるエアレーションと蕨っていた可能性がある。ー方,2004年以前に埋立を終了した第1〜3 区画はImの最終 覆土が 設置さ れたの ちの吸 引であ り,エアレーションは期待でき教い。より正確 を炭素バランスの評価のためには搬入どみの組成や特性,浸出水の水質や発生量,また埋立ガスの発 生量をどを区画どとに記録する必要がある。

  第3章 では,構 造に不 備があ り大量の浸出水が滞水している一般廃棄物埋立地において,安定化 促進の ために 設置し たガス 抜き管 の調査 により浸 出水の 流れを推定した。98本のガス抜き管のう ち,48本でガス抜き管設置後のTOC,TN,水位の経時変化を,18本で深さごとの水平方向浸出水流速 を,NaCl溶液を用いたトレーサ実験によって求めた。その結果,水位はガス抜き管どとに大きく異 をり,原地盤が沢に周辺の水が集まりやすく水位が高い。ガス抜き管における浸出水の水平流速は,

下層よ り上層が大きかった。また管内浸出水の水質を調査した結果,多くのガス抜き管で管設置後 にTOCの 急 激教減少 が見ら れた。TOC低下の 時期が 温度の 上がる 夏期で あるこ とから ,不飽 和層 におい てガス 抜き管 設置に より空気が侵入して好気性分解が起こり,TOCの低下した浸出水が飽和 層に流 れ込んだためと思われる。上層で流速が大きいのも,このためである。飽和層は十分に洗い 出 し が 進 ん で お り , 低 下 後 の TOCは 飽 和 層 の 濃 度 を 表 わ し て い る と 考 え ら れ る 。   第4章 では,第3章で対 象とし た埋立 地にお いて, ガス移動のメカニズムを明らかにした。38本 のガス抜き管において,出口からのガス流速,ガス濃度の測定,また4本のガス抜き管においてガス 濃度っ 温度,およびガス流速の垂直分布を測定した。ガス流速は,COガスを用いたトレーサ実験に よって 測定し た。ガ ス濃度 分布はガス抜き管どとに異誼るが,ほとんどの場合15〜20mの深さにお いても窒素が存在し,空気が底部まで侵入していることがわかった。ガス流速は上部ほど増加し、ま たメタ ンガスと窒素の割合はほば一定である。このことより,ガス抜き管は埋立ガスの排出ととも に空気 の引き 込みの 効果が あるこ とを明 らかにし た。空 気の流量が温度と正の相関があることか ら,好気分解によって廃棄物層の温度が上昇し,その熱によってガス抜き管内に密度差が生じたため と考えられる。表面に積雪がある冬期も空気の流入があることから,空気の移動は水平方向である。

  第5章は結論であり,論文の主を内容をまとめた。

  これを要するに,筆者は,廃棄物埋立地内部の状態を知るため,有機物の指標として炭素収支推定 の意義 と可能性を示しっ多数のガス抜き管における測定により浸出水とガスの動きを推定した。ま たガス 抜き管埋設による周囲からの空気引き込みは,長期化が懸念される埋立地の安定化促進に向 けた新 た教方法を示唆する重要を発見である。本研究の成果は廃棄物処分工学の発展に寄与すると ころ大教るものがあり,筆者は,北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

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参照

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