地下ダム貯水域における残留塩水の挙動に関する研 究
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(2) (学位第3号様式). 学 氏. 名. 高橋. 位. 論. 文. 要. 旨. 昌弘. 地下ダム貯水域における残留塩水の挙動に関する研究. 題. 目. (Study on Residual Saltwater Behavior in Water Storage Area of Subsurface Dam). 本研究では,気候変動等で今後ますます重要となる離島の淡水資源を確保するための方 策のひとつである地下ダム建設時において, 地下ダム貯水域に生じる残留塩水の挙動を室 内実験と数値解析により検討した. 第一段階として被圧帯水層を模擬した室内実験により,実験装置に塩水侵入させた後, 止水壁を挿入すると塩水楔の先端位置が徐々に後退し,最終的には全ての塩水が排除され ることを確認した.これにより止水壁設置が塩水侵入を防ぐための有効性を確認した.数 値モデルを用いた予測解析によると,止水壁を挿入して残留塩分の洗い出しが効果的であ るのは,止水壁挿入位置における塩水楔の高さにほぼ等しい高さとすれば良いということ が分かった.また残留塩水が洗い出される過程を詳細に調べた際に,残留塩水塊の内部で 循環流が生じ,その外側を流れ塩水タンク側へ流出している淡水が塩分を輸送し,領域外 へ塩水を排除していることが分かった.被圧帯水層において,止水壁挿入による残留塩分 の洗い出しを数値計算によって検討する場合,正確な横方向分散長を与える必要があるこ とが判明した. 次の段階として,不圧地下水を対象として,地下ダム建設時の止水壁設置により貯水域 に残留した塩水の挙動を室内実験と数値解析により検討した.分散長はトレーサーを用い たパルス・連続注入実験の画像解析に基づいて推定した.さらに数値解析および解析解に より推定分散長の妥当性を確認した.横方向に対する縦方向の分散長比は 20 と 27 を得た. 塩水侵入および止水壁設置時の残留塩水の排除実験結果は,室内実験で推定した分散長比 27 を用いて密度依存型移流分散解析コード SEAWAT により概ね再現できた.縦分散長を 固定した分散長比 10,27,100 の数値解析によれば,分散長比 10 に比べ塩水排除時間がそ れぞれ約 1.5 倍, 2 倍となり,排除過程に及ぼす横分散の影響は大きいことが判明した. 第三段階として,現地スケールでの沿岸域地下ダム構築時における残留塩水の挙動を数 値解析により検討した.止水壁構築により残留した塩水は,室内実験と同様に,徐々に洗 い出され 25 年後には 70%以上排除された.今回の条件設定下おいては,全てが排除され るまでに 25 年以上の時間を要するので,止水壁の上流側を淡水化するには揚水等の対策 を行う必要がある.室内実験結果と現地スケールでの解析結果をみると,濃度が変化する 時間が異なるものの,残留塩水の塩分濃度変化の形態はほぼ同じであることが分かった..
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