水質浄化システム開発における基礎的研究
教科・領域教育専攻 自 然 系 理 科 コ ー ス ) 1 1 崎 智 子
来者五
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今日の環境問題の多くは、日常生活における 我々の社会経済活動に起因している。畜産農業 の経営規模の拡大等による飼養頭数の増加や、
省産農家と a般住宅の混在化の進展にともない、
家畜排池による悪臭、粉塵なども・つの大きな 環境汚染の原因となっている。平成
1 1年に農林
水産省から家畜排せつ物の管理の適正化及び促 進に関する法律が施行され、家畜ふん尿処理施 設の計画的整備が必要となってきている。しか し、汚水浄化の機構については、いまだ十分明 らかにされてはいない。著者は、平成
1 2
年)支徳島県「産・学・官j
中 核4分野からの助成による「家畜ふん尿の浄化
及びリサイクルシステム開発Jのプロジェクト 遂行に関与した。そこで、実験室内で詳細に検 討が行える浄化システム機構の解明を目的とし て、実験室内での基礎的研究を主に行うことに した。般に水質浄化は、試料系内の溶存酸素 の挙動と微生物活動に大きく依存している。本 研究では、微坐物活動ではなく、とりわけ溶存 酸素の挙動に注目し、単純化した系内における 治存酸素と電解質の相互作用などを中心に研究 を行った。2 : : た 験
容量 101の水槽に蒸留水31を取り、スターラ ーピース、温度計、彼も細気泡発生のエアースト ーシ、溶存酸素計を図 iのように設置し、
20
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指 導 教 官 村 田 勝 夫
に設定した水浴に入れる。実験中は、空気中の 酸素の溶解を最小限にするためにアクリル板で フタをし、測定を行った。所定の濃度になるよ うにはかり取った電解質を加え、反応溶液を均
~.~こするために一時的に軽く撹持した後、溶存
酸素の初濃度を測定する。通気の開始を反応開 始時とし、渦が形成されない程度に軽く撹持す
る。
00.メーター
リ ク [ J f
温度計
図I 溶存敵素満度;周定装置
3
結果およて民考察け1
施 計間中幅 ~II L 三 ガ ス
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溶存酸素濃度は、窒素ガスを流通させると指 数関数的に減少し、反対に空気や酸素ガスを流 通させると指数関数的な増加がみられる。
窒素化合物であるNRtN03や CH3COONH4の 溶液に、空気を流通し、溶存酸素が飽和な条件 下で、
NH/
イオンの定量(インドフェノールブ ルー吸光光度法)と N03
ーイオンの定量(イオンクロマトグラフィー)を行った。その結果、
N I L +
イオン濃度のごくわずかな減少傾向はみら れたが、 N 03イオンの濃度はほとんど変化しな かった。これは、 N~ーへの酸化には至らないが、問等への酸化が起こっていることを示唆してい る。よって、窒素化合物であるNll.N0
3
やCH
3COO
Nll.の溶液では、空気を流通させるだ けでは十分な酸化を受けないことがわかった。これらのことから、アンモニウムイオンなどの 水質浄化には溶存酸素だけでは必ずしも十分で はないように思われる。
また、測定したすべての電解質溶液における 溶存酸素の脱離速度は、蒸留水に比べて速いこ とが見出された。水だけが存在するときの構造 は、水溶液中に電解質を溶解させたときよりも 強く溶存酸素を水中に取り込むことができるも のと思われる。これは、イオンの存在が水の構 造に変化を与えているためと思われる。ところ が、 K+や Li+イオンを含む電解質溶液では、
蒸留水における脱離速度と近い値が得られた。
このことから、これらのイオンが他のイオンと 比較して、溶存酸素の脱離を抑制する働きをも っと考えられる。
一方、空気を流通させ、酸素を吸収させる場 合では、
Ca 2 + • Ba 2 +
,NH/イオンを含む電解質
溶液での飽和溶存酸素濃度が、蒸留水のみの場 合よりも高い値を示している(図2 )
。これらの イオンは、飽和溶存酸素濃度を高める効果をも っと考えられる。また、C l
ーについてもわずか ながら、飽和溶存酸素濃度を高める効果が認め られる。反対に、飽和溶存酸素濃度を抑制する 効果を持つイオンとしては、 K+, Li+イオン,さ らに、多少の負の効果をもっイオンには N 03一,SOi
イオンが挙げられる。一般に、陰イオン はほとんど水和しないと考えられていることから、正の効果・負の効果のいずれにおいても影 響は少ないものと思われる。また、飽和溶存酸 素濃度の高い値をもっ電解質溶液でも、速度定 数が大きいとは限らないことがわかった。
さらに、電解質溶液の濃度変化における飽和 溶存酸素濃度をみてみると、
KCIを除く全ての
電解質溶液において、 O. 3
molllの濃度で最大値 をとることがわかった。また、これらの電解質 での共通した特徴は、 O.lmol/1付近に最小値を もつことである(図3 )
。これらの結果は、ひと つには電解質の共存による水構造の変化により、溶存酸素の脱離速度や吸収速度、飽和溶存酸素 濃度に大きな影響を与えているものという考え 方も可能である。
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