多端末入出力装置を用いた情報処理教育とシステム
の待ち時間等について (集団到着待ち行列の場合)
(昭和52年5月31日 原稿受付)
情報処理教育センター深川幸紀
〃〃 中山泰雄 〃〃 矢鳴虎夫 九州大学工学部電子工学科吉 田 将
On the Waiting Time and the Waiting Line for Education System of Information Processing with M已ny Terminals
On Batch・Arrival Many−Server Queue
by Yukinori FUKAGAWA Yasuo NAKAYAMA Torao YANARU
Sho YOSHIDAABSTRACT
We are Planning,at our Educational Center for Information Processing, to get basic conside−
ration for processing speed and waiting time and reasonable size of a input−output devices・In this paper, we have considered the mean waiting number of students and waiting time and system
idle−probabihtylunder assumption that input−output devices(for example, character−display−termi−
nal)is many servers. System−model is same as Batch−Arrival, Many Server Queue with feed−back・
1.まえがき コンソ_ル デイスプレイ
情報処理教育センターでは,集団情報処理に関する, ・ 334聯げイスク装置 計算機システムの処理方式(運用方式),処理速度等の基 膓膓3、プリンタ ^
礎的検討を行ない,よりよいシステムを作成することを
めざしている。筆者らは前報1)2)3)のなかで,入力過程のな 穿竺ドリ_ダ い待ち行列で,集団情報処理システムを近似して,主と (マー久カード読雌勧}
3115
中 央演算 処理.装置
f反魁{1記 憶ノ∫工c 記 憶 装 置
チャンネル
一 一 _ 0029
32723348
ティスク ハ ノ ク
3348
ティスク ハ ノ ク
叢
3348
ティスク ハ ソ ク
3348
ティスク ハ ノ ク
東
して待ち人数について検討を行なった。このモデルでは カート射L装置 1;1・冨竃聾 テ:竺ク
システム運用開始直後の様子はよくわかるが,オープン
ハ ノ ク
処理システムでは入力過程をもち前回のモデルでは長時 一 構内回刷式,
3277モデル2 3277モァ レ1 _ 一 , 〔600111ま\延土(可} 『
間後の様子については無力である。情報処理教育セン デ,,プ、イ猫 ・,…蹴 ,,,プ、イ纐一一一一 。、。プ、イ錯
3277モアル1 27〆モデル1
ターでは、昭和50年12月より図一1に示す構成で,キャ _、ディスプレイ装γモデ,レ2、1fi .、バ,クァ.プ用
ラクターディスプレイ装置を用いたオンラインシステム モデル1;1始 デバク ・ク3台 が稼動し,複数台のディスプレイ装置が主として入力装 図一1置として用いられ,オープン処理システムとして良好な
動作をして現在におよんでいる。教育センターのシステ 分布とするのは,プログラムの新規登録や操作がふなれ ムで,学生はインプット・マークカード・リーダーと, な学生はディスプレイ装置使用の時間が長く,プログラ 複数台のディスプレイ装置を用いて,プログラム入力, ムの一部訂正等はすぐ終了するなどと考えるとランダム ファイルへの登録プログラムの訂正や,バッチ区画の 処理(指数分布)が適当であるからである。
コンパイラーにプログラムを引き渡す方式で,プログラ モデルを以下のように決める。
ム処理を行なっている。また学生が処理システムにくる 処理装置(ディスプレイ端末台数) 〃 様子は,個々がばらばらにくるよりは,ある程度の集団 到着過程 平均到着率λでそのサイズは〃2C沈 で,それも特定の時間帯にくる。 ここでCηは勿人到着する確率
本文では,ディスプレイ装置を,装置操作時間や,学 処理過程 平均処理率μの指数処理分布
生が装置を専有したままで思考を行なう時間等も,シス 待ち室容量 無限大
テムの処理時間とみなす処理装置と考え,これを集団到 退去過程 確率4で退去(1一めで帰還 着待ち行列に帰着させて処理速度や待ち時間の解析を行 2.2 システムの平衡方程式
なった。 今,処理系内に時刻rで学生がη人いる確率をP。( )と 2.待ち行列にっいて
2.1.待ち行列の定義
本文でとりあつかうモデルを図一2に示す。処理装置 はキャラクターディスプレイ端末である。現実のシステ ツでは,ディスプレイ端末操作を終了した学生は,中央 のシステムプリンターから出力される結果をうけとるよ うになっていて、結果のいかんをとわず,ディスプレイ
する。
平衡方程式は
0= 一(λ十〃μ)Pη十〃μ{7Pη+1十々μ4(1−(7)Pη
カ
+λΣC仇、Pη一沈 (κ≧ん) (1)
m=0
0= 一(λ十ημ)Pη十(η十1)μ4Pη+1十ημ(1−(7)Pη
れ
+λΣCmP。一栩 (0<η<〃) (2)
m=1
0= 一λ1≧}十μ7Pl (3)
端末をはなれていく力儲果がすぐにディスプレイ鑓
(1)(2)式に。・+1をかけて各々。= 一。。と。;1−
に表示されるような会話型システムやCAIシステムで
も本モデルはある程度の近似をしていると考えられる。初C仇の到着人数 λて到着
処理・装置(入出力端末)
々台
4で退去
(1一ので帰還
一1の和をとれば
0={〃μ4(1一克)一λエ(1−Aω)}G1ω 十λ尤4(κ)G2(ガ十λ∬Po、4(エ)一〃μ4」P成々
一λ∫×(C項) (1)
・一一λ・G・(・)+μ・(1−・罐(エ)+吻P…
一λ∬円。ヰλ∬×(C項) ②
ロロ
但しA(x)=ΣC頑η, G1(∬)=ΣP泌η
η=1 η=々 カ
G2(∬)=ΣP話η η=1
C項=P。(C1∬1+C2x2十C3∬3十……十C々一♂}1)
図一2
十Pl∂(Cl∬1十C2∬2十C3∬3十・…・・十G−2xゐ一2)
. 一 +P,∬2(Cl∬ +C、∬2+C,エ3+……+C、.,∬克一3)
図一2に示すモデルは通常,集団到着複数処理装置待
、 十 ち行列(Batch−Arrival Many−Server Queue)と呼ばれ
る。計算機の処理をうける学生(以後これを呼とよぶこ
一一 +P、.3∬々−3(C1ピ+C2エ2)
とがある)は,到着時間間隔がフンダムで勿人ひとまと
一 +P .、ピ2(C1エ1)
めでその確率がC仇で到着する。そして処理装置(ディ
スプレイ端末)が空いておれば,先着順に処理をうける。 ここで(1) ② をこのままで取り扱うのは複雑なので,
この処理時間の分布は指数分布とする。処理分布を指数 ここでは最も簡単なケースについて式を解析する。
(イ)到着人数サイズが勿=〃≧〃なる時 々μ(μ向
胸=プC項一〇 +{〃μ4(1−。)一λ。(1−。〃)P・
(1) (2yは各々(1) (2) となる。
O={〃μ4(1−x)一λx(1−.ガ∬)}αω一ぴ)ここで蕊1薫㌶る.これを保;1
十λ∬M+1几一〃μ4P々ピ (1) . るため〃μ4(1一エ)一祉(1一κ )=0の根について検討する。
②∵警)−1≒鋤ピ叶三②㌧二i㍑㌶認鵠)こ鴎み:腰
G(。)一,xp(一居砒)〔∫一織 よ(1大1;㌶∴(1−。・)
・xp(∫己此)此 一λ{・M+L(1+膓)・+膓}
+峰Pぽ輌〕 にお㌫漕1−(1+罐
ここでDは積分定数である。 とおく。
∫1書砒一ρ1・g(・−1) ∫(・)の根{・ついてρ・一〃』<1の条件で
0<エ<1の間で重根娩をもったとする。すると篭ぽて炉(1一醜を部分積分を繰∫ω_(1+況一。 ⑤
G(・)・−1 ヘ‖・・一・(1−・) ア(・・)一(〃+1)・評一(1+膓)=・ ⑤
鵠 識(1一 ⑤に二ll増1代㌶<1
+ρ(ρ+1)(ρ+1;...(,+々−2)・(1−・)〃−2 ∴∫(・)は・<・<1の間で重根をもたない.
+,(ρ+1).告々−1)(1−・戸一1}古 晒)について⇒>1の時に限り・< 1
で唯一つの根をもつことをのべる。
一几+(1−∬)一切 ②
G2(1)が有限であることによりD=0である。 ρ ρ
ル)一・・+L(1+旦)・+互
ここでG・(・)のもともとの麟より几,Pl,…P・一・ @ +1)(・・+〆1+……⇒)
㌫具であらわすことが出来て それ1ま以下剛 ・(・)一・〃+・…+……峠とおけば
R一
マ(ρ+1)(ρ+6……..(ρ+ −1)几 (3) 9(・)−9(1)一〃一膓〉°により゜q<1に
少なくとも1根が存在する。この根をx。とする。R= o一ρ(ρ+1)(耀・・(ρ+〃−1) ル)一。一一(1+膓)。+膓
+,(,+1)(ρ+211…..(,+ −2)}凡 +1)(・・+・−1+・・…・+・一膓)
ニ,(ρ+1)(ρ+2)三!…・(ρ+〃−1)孔 =鴇二霊漂蜘)戸
以下(2) の・の徽をみることによ})計算出来る力鴻 …+(1+。。+。』+…+ぴ一1)}
雑なので略す・ =(。一。。){。・+。。。・−1+。8。・一・+……
(1) について …部一1。一(1+。。+...+ぴ一1)}
G1㈲一一{ λエ +1輪(1−∫)一λ∬(1−♂)}G・ω 一〇
今エ=1〃。1<1なる根があったとする。 几,丑,…,P .(M十1)を未知数とする連立方程式が得られ,
1+∬。+∬』+…+∬r1=〆+∬ぱM−1+…+工釦Llx これと確率の正規化条件で几〜P々が求まるが,非常に複 ≦1エIM+1エIM.1エ。+_+lxlXr1 雑なので本文では以後〃≧々の場合をあつかう。
=1 °IM+1 °IM}1∬°+…+1 °1ぴ一1 3.系の状態確率の計算
く1十∬o十エぎ十…十元r評一1これは矛盾である. 系の状態をあらわす確率はいろいろあるが・ここでは
最初に,系が空である確率R,処理装置が1台以上あい
∴ ∫(エ)は0<エ<1の間に1根しかもたない。
∴ρ。<1の時ル)は。<。<11、根をもたない. ている確靱を・次に平均系人数Lと平均列待ち時間
さて再び(1)〃について考えるとGl(1)が発散しないため 隈求める・3.1 P〃,Po, Pldleの計算
には分子が(エー1)でわりきれる必要がある。ところが,
几+G1(1)+G2(1)=1 (i)
分子についてx→1の時
G2(1)=(〃/ρ)P々一、Pb (ii)
分子=一λG2(1)+々μ4P々一λP6
=一務R+λ島+〃峨一λ几=・ 蓼円鋼=悟一λ識妥鵠1芦≠〃+1几
で蕊写ご慮る゜ =!興{一λ織誓鑛鵠当
(イ)と全く同様にG・(∬)か計算できて
@ ∴Gl(1)=当圭濡〒}IR (iii)
G・(・)十・−1+i{i識・一・(1−・)+… (iL(iiL(iii)より
+,(,+1)(,+ ≡叉ρ_)パ1一が(3)式よ∴ρ(ρ+}= (イ)
+ρ( 々!(1一工)々−1ρ十1)(ρ十2)・・・… (ρ十〃−1)}古 R=,(,+1)(鵠圭殺留1)(,+ )(・)
+{・ +ρ薯1・ 一 (1−・)+…… み一Gメ1)+ん(ρ+詳1一ρ〃)一膓四
+(,+1)(,+2巴..(ρ+ −1)・(1−・) 一 3・2平均系熾平均タ‖人数と平均列待ち時間、
平均系人数,平均列人数と平均列待ち時間をそれぞれ
+(ρ+1)(鵠説+ )b L・L・と卿とする・ここで仇は ・」待ち時間の確率
である。
+{・栴1+砦・M(1−・)…… (イ)Lの計算
1::1灘罪∴;: 璽鷺鷺i鎌曇,
+ピ+( (1一ρM舞1)・〃−2(1−・)+…… 一)〔( 三㍑許( −1)}+
+(,+1)(ρ監!1!(ρ+々−2)・(1ザ 2(1‡P(ρ+々)〕+雫{1){〃(・+1)一(〃−1)}几
+( (々−1)!(1一エ)々−1
マ十1)(ρ十2)・…・・(ρ十々−1)}几一几ここ禦=4鵠1は1処灘=バッ
この式とG2(カの定義より チ到着行列の平均に等しい。
(ロ)LθとE(じrg)の計算
Lg=ルfλE(呪)である。 3
の の ロ
L・=
=逍、・・=星(∫+〃)巳・仁星〃B・・ き _
oo oo
=雇∫巳一 恩巳 Pidl・
=α(1)一〃G1(1)
一α(1)一{4㍑貢鵠)}凪 1.・
∴醜)一α(1)一{
国ヒ鷲}凪 ・8
0.6 4.数値計算例
0.4 パラメータが多いので)計算結果は主として処理装置
16台に限定して図示した。これからわかるように,平均 o.2 待ち人数や平均待ち時間はρμが0.6〜0.7の値以上を
とると急に大きくなってゆく、とがわかる 又処理装置 の処理速度と繰り返しパラメータ4が同等の効果をもっ
蓬 〃−16台
斥 ルf=16人 120
100
\. .
80
̲
ロ
\ L・
・・ ぺ\ ・
\
40 \
20
.,。一・一
Fププ
・1●〆●1
ピ 壷
10
5
・一
@ 一 。 0.2 0.4 0.6 0.8 ρ〃ていることに臆しておく必要がある・バッチ到着サイ 図一4(ρ・一警・☆・・謝
ズが大きくなった時,これに応じた端末台数を増加させ ると相応の効果があるが,平均待ち間に対して,これを
短縮させるきわだった働きはしない。
、 平均列待ち人数 _ L, (〃=16台) 〃=16台 §
140 ° Pidl・140 〃−32人
伸
120 ▲
100 8 1.0
80 ミξ゜ 0.8
60 0.6
40 ° 0.4
20 / 0.2 xZ
メ\
0.2 0.4 0.6 0.8 1.0ρM O.2 0・4 0・6 0・8ρM
図一3 図一5
念
→ 一
) ミき 〃−16 ・垂 :蕊㌶:;;
式 」∬=48 「宜 × 〃=32, ノ∬=64
Pidle 柿
式 ( 一
陣。 世二 § 怜 L・
120 12 蒲12012置 一一…W
<1・0 10 斥100
0.8
0.6
0.4
0.2
・・
・・
、。 ^プグ\\
ン ./° メ
./8 80
6 60
4 40
2 20
0.2 0.4 0,6 0.8 ρM O.2 0.4 0.6 0,8 1.0 ρM
図一6(…÷・☆−3・☆) 図一7(脳2㍍) 5.おわりに 参考文献
1)深川,中山,矢鳴, 与田:九州工業大学研究報告(工学編),NO. 本文における計果によれば装置台数と到着サイベ 30(昭和50年)2)深川,中山,矢鳴,吉田:九州Il菜大学研究報告(工学端), NQ 帰還確率と処理時間との関係が明確になった。教育セン 32(昭和51年). ターのように多人数を対象としたキャラクターディスプ 3)本聞:待ち行列の理品理1:学社. レイを用いた計算機システムにおいて,考慮しなければ 4)!剛H:待ち行列の理論と応胤朝倉書店
5)r.L. Saaty:Tlme−Dependent Soluロon of the Many−Serserならない点はr二つかめた・特に学生が端末装置を使 Polsson Queue, ORSA(1960). 用する時に,操作が簡単であること又端末を専有したま 6)LTakacs:ASin91e−Server Queue wlth Feedback, BSTJ まプログラムのバグをみつけることをさせない等の対策 (1963)
泌要であろう.なお,実際のシステムで1ま,学生が到 711ぷ;uzuk1:BatcC㎞val《gP「°blem」°RS°fJapan
着する様子はランダムでなく,アーラン到着過程用いた 8)LAdlri:Cycllc Queues wlth Bulk Arrlvals, J.A.C M(1973).