九州工業大学研究報告(工学)No.39 1979年9月 L田
電子回路の自動最適化プログラムの検討
(昭日54年6月6日 原稿受付)
電子学科 橋 本 太 吉
湊 裕 二
The Study on the Automatic Optimization
of Electronic Circuits
by Takichi I−IASI−IIMOTO Yllji MINATO
AbstrucI
III this paper the possibility of the automatic oplimization pmgram f⑪r ally elecu 011ic cir・
cuits is di5cussed, The purpose of the alltomatic optimization is that a digita]compuler pro・
dllces the optil111111T vallle of the col1ユpollellts of an}・object circtlit aし1to111aU{二ally, thal is without insertil19乱11y Illanl111al judgeIllellt, fl onl the input data collcernhユg tlle geolnetl y of the circuit・the reqllire111ellts ill1Posed on tlle cha1・acteristics of thεciTcuR and smlle necessat y attelldallt condi・
tions such as tlle allo、vable rallge of the vallle of sonTe elenlellts in tl]e cil cllit・
Both the optimizatioll alg⑪1・ithm by meal]s of centerhlg, which was fomlerly rq〕orted by one of the allthors. aIld the synlb{〕lic col1、putatioll techllique of electrollic circuit5 recelltly developed by us lla、・e beer]alコplied.
Two problems have been treated for exanlp]es. OI]e is the optirnization of tlle pseudo−
trallsmissioll line network(BON network〕, wllich is so simple that the optirnizatbn can be at已in侶d by亡he simp]e applicati⑪n of the centering Procedures・but the other is an active filter circuit for the PdM commmication system, where the effect of not1−ideal{ty of the used opera・
tional ampIifiers and the degerleration of the twin T contailled hl the filter circuit must be considered. For these problems, the syIllbo】ic computation tec1111ique has been used、・ery effec・
ti、rel]r,
代替させようとする動きがある。し.かし.多くの場合.
LはLがき 。、ルク蜥形式のものに置極することは牢:こフ,ル
ICおよびLSIの急連な進展に伴って,既存の通信設 タの置摸に止めず,端局方式全艇を苛形式のものに置摸 備をIC化した新形式の装置に取替えることにより,高 して総合的経済化をはかる方が1!}策という碍合もあり,
性能化と共に,形状寸法・重!aの縮小と経済化を画ろう どの形式が最も適当かについては多くの取1〕うる手段に とする動きが活発化している。その代表的なものとして ついて定li!的捜討を進める必要がおる。すなわち・考え
フ仙タがある。フ秒引ま剣1□信において必要不可 うろ舗式または回路について一1樋設計を行ったと仮0{の瓢であるが,1、酬ま専らLCフィ・けが1・l」い・三れ 定し・た1胎についての・1江済刊lllを細1的に1丁うことが
て来た。しかし,1Cの発達した・今1ヨの眼から見れば,い 望まれる。たずらに場所を取り,かつ上ヒ較的高臓ので,アクティ ところで・い舗形フ・恒 の 一形武でおる丁 クテf
方仙久デジタ,レフィノけ,あるいは抽斗・しフ.f ブ:・イ・けを取上げても・その1亘1路獄の順1 埴1,ル陛どに一吏川珈こ応じて繊適切なものを選んで 多1(パ回蹴ついて∫1脳没・i.1 を行ったと担ヨ瑠1巳
13.1
予想し比較するということは大変厄介なものとなる。 μ・
従って.各回路について,構成素子値の最適値を計算機 のみによって.自動的に掠出しうるな らば,それは大変
望ましいこととな昂。
筆者は先に大感度法を利用したアクティブ フィルタの X 口
最適設計法について発表を行った;ト三1その際少し触れ,また本詰文の次章で詳述するように,本方法は自動最適
設計には本質的に適応しうるものを持っていると判断さ エ、
れる。しかし,そのために.は,回路の解折を文字演算で
実行㌔こと罎非と泌要である.ところが,この文 工,
宇演算による回路解折の研究が筆者の研究室において著 図『1 パラメータの偏差を座標とする多次元
しい進展を見ることができた卵一囎の刷設計の 票纏露i嶽鷲る酬
自動化を阜標として研究を進め,モれを達成しうる十分
の見込を得るに至った・ われる.坤 輻・の位置【源点の周囲に多数の点を配置し,
自動最適設計プログラムの目的とする所は,計算機に 許容領域内にある点の重心を求めることによって求めら 対京回路に対する要求規格と,それを実現しうる回路構 れる。この時の配置する点の選び方については先に発表 成・およびそれに付随する条{牛,素子値の取りうる値の した;,かくして求められた重心に原点が来るように,設 範囲を入力すれば,計算機内の処置〜によって,自動的に 計値を修正する。この方法によれば,規格の条件がいか 回路の各素子の最適設計値を出力させうるということで に複雑でも,それに密着した最適化が行なわれる。しか
コふ コデ
のっ。 しこの場合,まず原点が許容領域に入るような最初の設
未だプログラムとしては細部の点で補充を要する点が 計値を見つけることが必要である。最適設計の自動化の
残っていうが,自動1ヒのために解決を要するという問題 ためには,先ずこの問題が解決されなければならない。
は全て解決することができた。また,このプログラムを しかし,中心化法を利用することにより,最初の設計 アクティブ・フィルタ以外の回路にも適用することを示 値が要求条件を満足していない場合でも,最適設計を行 すために擬似線路回路の最適化に応用して見た。 ないうることがわかった。これは,.未だ最適化の段階に
2沖心化法による髄設計とその自動イ嗣能性 も入三ず,第1設計も完了していな岬に・脳直を求
めて行くのであるから著しいことと言わねばならない.
ある電子装置コに対して.各素子の設計値が定められて いま対象回路の各素子にある値を与えたとき,全要求規 いるとして・各素子の値の設計値からの隔差(素子値と 格を満足していないとする。これは図一2に示すように,
設計値の差を設計値で割って求めた百分比)を座標とす 偏差空聞において,原点が許容領域外にあることを意味 る多次元空間を考え,対象電子装置に課せられろ全ての する,このように,原点が許容領域外に出ていることは 要求条件を満足すろ領域(これを許容領域と呼ぷことに ある一部の規枯条件を満足していないからであるから,
すろ)を求める。それが例えば図一1のようであったとす その規格条件を親和すれば,図一2の点線のように許容剖 る。これは4次元の場合を例として示したものである。 域が広がワ,原点がその中に含まれるようになる。こう この図の場合・原点は許容領域内にはあるが,その中心 しておいて,中心化を行えば原点は中心の方に移って行 にはない・これは明うかに不適当な設計と言うことがで くから,謬和した規格を次第に元に戻しながら中心化を きる。鶴差は正負同じ確率で起こりうるからである。こ 反復すれば,最適化が行なわれるわけである。
のような場合には・原点が許容値の中心(図一1ではX印 素子の故が少なければ,以上の手続きで最適化は完了
の点)に来るように設:†随を修正すぺきである。このよ する。最後に述べるBON回路の場合がそれである。し
うな最適化の方法を中心化法と呼ぶことにする。(以前 かし,アクティブ・フィルタの場合のように素子数が非
はLarge Change Sensitivityということから大感度法 常に多い場合には,全ての素子の欄差を座標とする多次
と呼んでいたが・この内容から中心化法の方がよいと思 元空間での中心化は実際実行しがたい。その場合には伝
135
一r:
エコ
図一2 パラメータの億差を座標とする多次元 空間における許容領域
(原点が許容継外にある場合) 図一3
真工2
一 一 一 一 噤@ 、
ノ
、∫
I 、」
@
.τ1
、
、
、
、
輪 ㌔ _ 一達関数の分子と分母のS(=∫ω)の各ぺきの係数をパ 算機内で作られねばならない。次に最適伝達閲数を与え ラメータとして,その最適化を行い、素子値はその最適 る素子値を決定するために,未知数を識別し、それにつ 化された係数僅を与えるという方法が取られる。この場 いての連立方程式を作成し、モれを解くという操作を計 合,増幅器の利得帯域幅積(GB積)などの二次的な堤響 算機内で自動的に遂行されねばならない。この場合多元 も考慮した最適伝達関数を求める必要がある。これらの 高次方程式を解く必要が生ずるが,これも文字演算を利 二次的要因の影響は伝達関数の補正項の付加として表わ 用すると,逐次近似法によらずに解きうることが分った。
れるが,この補正項は最適化の過程で主要項の係数偏差 以上の詳細は4章以下に述べる。
を変動させるとき,それに伴って変動するが,最適化過 このようにして,最適伝達開数が定まると,薄膜容鼠 程中では一定のものとして固定し,最適化後再び補正項 の潮定値に対応した抵抗値を算出することができ,フィ の計算を行って,最適化前後での補正項の変化がある範 ルタの製造時にはこの算出された抵抗値に合わせるよう 囲内に納まれば中心化が終了したと見なすという方法を に抵抗のトリミングを行うことになろ。そこで,薄膜容 取っている。以上は先に筆者により発表されだ〕方法で 量の測定値の誤差,抵抗のトリミング誤差,演算増幅器 あるが,以上の操作を全て計算機内で自動的に行うため のGB積のばらつき,薄膜抵抗・容 旺の温度変化と経時 に,文字演算の成果を活用することにした。すなわち, 変化を考慮したときの歩留がモンテカルロ法によって算 まず二次的要因を無視した場合の伝達閲数のSの各ぺき 出される。
の係数が回路素子の文宇パラメータの閲数としていかに そこで次に,こうして得られる歩留を更に向上させう 表わされるかを求め,次に二次的要因を考慮に入れたと る,さらに最適化を進めた設計値を求める努力がなされ
き付加さるぺき捕正項の形がいかになるかを求め,続い る。このような努力の余地の存在する理由は・ある規格 て伝達関数の主要項のSの各べきの係数の中心化を行う の条件に対しては素子感度が小さいが・ある規箔条件に に当り,中心化を1回行う毎に,主要項の係数値を与え 対しては素子感度がきわめて高いという場合には・所与 る素子{直を求めて補正項の値を求める必要があるが、以 の規格に対して求まる許容領域の中心が必ずしも最適値 上の操作を全て計算機内で自動的に行うことにした. に対応するとは言えないからである。
次に回路の繊によっては,粁1醐にある条件が付 これをフィ岬一の場合について洲すi1ぱ・図−4の
紬につけられている場合がある.例えばt加Tを含 よう鯛1轍雛に対す蝿格硝えられている踏・む回路では瀧鮒と称せられるある弐ξ子{醐の関係が 例えばあ・鋼波酬300011・付近ではきわめて感度が
与えられると,伝達関数の分子分母がSを含む項で約分 高いが,500Hz以下では感度が小さいということが起
されて,Sにつ・・て1端少した伝遥関数・)式が{!}・〜れ, こりうる.その±賠,500H・以下の規拾に対する中心化
その伝達関数によって設計が行なわれる。この条件が入 の重みと3000Hz付近での蜆揺に対する中心化の重み
力されたときの伝1銀傲の分子.酬の形は師揃に。+ は違って来るので それ銅網及うのは不縫という136
ことになる。このような場合,中心化に対する重みは規 対応する図叫の規格値
格条件の緊迫ということによって与えることができる。 {3}図一5の回路構成の情報。これはキルヒホッフの法
すなわち,今の場合,3000Hz付近での規格条件を少し 則による連立方程式の形かあるいは各節点の番号と きびしくしてやる。そうすると,図一3の実線のような許 隣接する2節点間のアドミッタンスを示す文字情容領域であったものが,点線のようなものに変化すると 報。必要に応じて回路素子間に加えられる付帯条件 いうことが起こりうる。モれで,この点線の領域の中心 の式。
を求めて最適化を行えぱよりよい最適化が行なわれるこ ω 洞漠容量の設計値
とになろ。このような重みをつける規格条件は歩留計算 薄膜容量はトリミングがむつかしいので,作られ
時に不良の発生する原因を調べることによって知りう た容量の値を測定して,それに対応する抵抗の値をる。そして,垂みをつけることに歩留の計算結果を帰還 算出してその値にトリミングすることになる。アク させてやれば,自動的によりよい最適化へと進ませるこ ティプフィルタにおいては抵抗値と容量値の積が伝
とができる。 達関数に影響を与えるので,容量の値を製作し易い値に予め定めても,一般性をそう害することはない。
3.アクティカィルタの自動最適化の概要 しかし容量値は抵抗値の範囲にある制約を駄両
者の値が薄膜ICのパターン面租に影響を与えるの フィルタの周波数特性に対する要求規格が図一 1のよ で,面積最小化ということでの最適化は問題となり
うに与えられ,それを図一5の回路構成によって実現しよ うるが,これは今取上げてはいない。
うとする場台を例として,本プロダラムの流れの概要を 過程②ではまずチェビシェフ近似を用いて,要求規格 説明する。 を満足するか,またはそれに近い周波数特性を与える伝 図一6は流れの橿要を示すが,過懲Dで入力される情報 達閲数が求められる。これはSについての分数式の形で
は, 表わされるから.分子および分母のSの各べきの係数値{1}チェピシェフ近似のだめのデータ。通過帯域の最 が求められる。チェピシェフ近似だけで,要求規格を満 高周波数ゐ,通過帯域の最大損失、L♪,阻止帯域の最 足する伝達関数の得られる場合もあるが,そうとは限ら 低周波数∫臼阻止帯域の最低損失Lε なレ㌔その場合は,要求規格からはみ出す周波数におけ ② 選択された周波噴{例えば100Hz間隔)とそれに る規格をゆるめて,伝達関数の各係数について中心化を
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〇』 o・8]』 2:0 310 3.4(方)4:〔1 (ノ〜1 5:0 6.01
周波放〔kl・1司函一4 チェピシェフ近似によるGB積無限大の場
合の最適化前後の振幅特性(実線は最適化後)
第1段 1 第2段
;
CI ・ CCl
l i 1
「・Gc二
磨,&r−li陥,「…r三…
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{5〕
固
G(:I
Gc ..一._一__一_一.,
執 : l
cc cci: i
1 コ ト
1 :
図一5 Boctor(3次)−B【1ctor(2次)の回路図
図一6 自動最適化プログラムの流れの概略図
137
」3R
行い,ゆるめた値の訂10つつを縮めて中心化を反復し, 1:,;1㌍
所与の規格条件に対する許容領域の中心に偏差空問の原 i エ
点が来るような唖関数の係数を求める・かくして得ら iコ ロ
れる伝達閏数の式は次式のように与えられる。 .∵ ㎡・i−c・ い曲線1 ・ :
コ エロ ロ
ア=〃∫・・+謀{曇P+πP・蔑煮1㌔ 〔1) 蓮泉, ㌧一
1 ・
己 1 ■ 1 「 ■ エ コ サ
ここで正臼ま定数,、Pは周波数5を基準周波数盈・(この : i :
ロ コ
場合800Hz}で割うた値である。チェピシェフ近似のみ : r c ll
コ エ ロ
で求めた係数パラメータの組E(∫=1,……7)に対し 1. i :.
コ コ
ト や び エ
て2次元許容曲線端くと図一7の酬ユで辛じて原点 …一・三:≡・・…;・・;・一・}.,i.・1…一…・i−・・・…ll・一一…],、、・一一;、、一一・1,、,
が許容領域に入っているが中心力・らはずれている.係数 ・三.: F(2〕
ド.ニ パラメータの最適化を行ったのちは曲線2のようにな l
l..。.胆
る。またこの際の最適化前後の伝達関数の周波数特性を i
… … … ト ヰロすじ
下HE 悼U噌昌三R OF REDU〔En ㌃臼1‡芦TIO打〜竃 , 1
1
…
一(…O.∨2−G?●Ψ4←5●⊂1.bう・(5欲(O 5●こ1−60±G2)・V6廿O
;ト ロ アエ
ー5●⊂1侍Ψ3」《F●Ω●G▲62」.∨』弓2・v占一5.v1ロ0 {
;
−C1●V〕.(〜●C嘩5●(二P G】申G3)トV5−5ユ(二1●V占一50⊂卓じユ,n 1
;
一 ■V白.〜●⊂已Ψ5−[5与C+C)●ソ1巴〔」 i
,− .1.⇔
VS一に■V1エn
図一7 チェピシェフ近似よりGB積無限大の場合 図一8 節点方程式lGB積無限大 の最適化前後の2次元許容曲線
(実線は最適化後)
.・‥.,°°,..・−・・.−.−・...・...・・唱.■■.■占■エ.■■・◆.■.1 ■・..唱.●.つ.., トー,
・…
@‥一・噛 」5・・¶「 一 ご・.‥ ㌔ ㍗ ・、一・ 一… ,1元 .』.・..,二、二
●・.・占. ,.玉.●.エ㍉≠‥.●.●.●..唱,−.−■■●r… .・」… .●・●●●....1.卓・. 吟,・1. .
モ■.凡■tこ唱ご.こ:●・ご:・■,
1 ;●rr・●㌦こ■ Ct■ ・ GC■ ♪■c■ζ:●r}
}il5●晶じ■弓}■:■‡ . 5■口書● 3■CP右頃1 r.〔き●二:●二〜● 古 じ c,●c7■奇,.慨
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訂 f 」iii藷;iliiii籠i藷議ii難iii竃iiii欝馨ii;i‡iiiiiii;;;}懸i:;ぐ゜
距 鯛1C奄宴奄演T:i;三i蕊iiili:iiil::lliii露;}三i憲1三らi;言i遷i蕊iiiil還;:iiii…i遼il う
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〒「 ・㍗自「no「7←目r 5 r τ・自[,・⊃−Ill・70日二 弛
図一9 GB積無限大の場合の伝違閥数
]39
図一4に示す。次に1図母のように与えられた回路構成に対 得を文字演算で求めればよい。いまの場合は
する伝達囎を回路パラメー蜘文字式卵多で導出す (s槻、CF÷5部+GF。m、κ
る。これは図一6の過程{3)で行なわれる。まず図一5におい .
て点線で囲んだ帰醐幅器の閉ループ希1」得をκとおいて =5*C酬τ一GF*nT 回
計算する。これは演算増幅器のGB積を無限とした時に と与えられる。この式で与えられる∫ζを代入した伝達閲 橿当する。伝達関数は第1段の回路の伝達関数と第2段 数を得るには,図一10に示す伝達関数の分子および分母 のそれとの積の形で求められる。第1段について入力さ において,κを含む項には式の右辺の多項式を乗じ,κ れる回路方程式を図8に示し,伝達関数の計算結果を図 を含まぬ項には左辺のκの係数多項式を乗ずれ.ばよい。
−9に示す。この図の上段が伝達関数の分子で下段が分母 かくして得られる伝達関数は図一11に示す如くになる である。図に見られるように,分子はSの3次式で,分 が,第1段と第2段を総台した伝達閲数の形は式(31とな
母はSの4次式となるが、縮退条件が満足されれば、分る。
;鴎禦i蕊鷲三㌶:::㌶… Hぽ÷(豊謬謬きiと五P+ゐ 二鷺鷲鑑巖:{欝鞭欝ξ}㌶: ・硫p漂悲瑠+五 (3}
上段が分子多項式,下段が分母多項式である。演算増輻 ここでP=∫∫〔2πx800)である。整式∂1〜∂6を係数
器のGB積を無限大と考えて差支えなければ,この式の として持つ項がGB積有隈のために生ずる付加項であSの各べきの係数多項式の値が式{1)の最初の分数式の相 る。∂1−一ゴ3・は図一12で与えられるようなもので,素子値が
当する係数パラメータの値に一致するように素子値を決 定まれば値がこの式で求められる。
めれば,それが最適設計となるわけだが,実際はそうは ここで,GB積有限としたとき,果して縮退条件は同じ 行かない。そこで,過程〔3}に移って,演算増幅器のGB積 かという疑問が起こる。たしかに,厳密には同じにはな という2次的考果を考慮したときの伝達関数の文字式が らないであろうが,2次的効果の影響が小さいので,ま 求められる。これは過程②で得た伝達関数の中の閉ルー ず縮退条件を入れた伝達関数を求め,それにGB積有限
プ利得∫ζの代りに,GB描貼を考慮したκを代入する の影響を入れる我々のや1〕方でよいと考えている。
ことによって求められる。GB積を考慮した閉ループ利 以上のように,付加項がつくために,式ωはもはや最 得は図一・1の第]段の点線で囲った部分について,開ルー 適伝達関数ではない。このときの最適化は文献回で述ベ プ利得が酩/5に等しいとして,この部分の閉ループ利 た方法に従うわけである。まず最初,すなわち図一6にお
:二::1:::二∵ 占古 :::こ ∵: 1 ∵;:: ∵ 言:∵ :;::∵ @.,
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ヨ コ づ く ごヨぽにきヒオパエ ヒ くロヒトとトヤヲ こ ごドピ コユナ
5・巾‥帥巾c
O;i!設,:. !・E;:1:i;:1、:、言2:ζ;;i;三9♪:,瓢1:〕:鴇1〔:.;1;;::1 三㌧;・:i:;:ll:i{ll1:㌔;・言1:;:≡1::; …㌔;: 才中
5:iil;1:呈ll.:…・;;:lil;lii1㌫…3;i:ll;{已liに野;;;:ill:i,;.1;:ll駆ε}::三1;・三191;c:く;iil::;・㌫ヨパ コロウご におご ロ ヨロ もリロにロこいピドこ ロのモロくエぜトバコロ
・・t胴,・(叫・̀;.ξ言:;i;1・:㌔;.:言:器:≡;:11:㌔;.il:漂::;11、;.言6:1!;;::lll7:㌔;・lo:1江i::i…㌔謡言::ii:::i:i1:∵ここ「
、1≡:1;i:;・:㌔≡.三;1〜1:;:ll.1三7:;i:;::;:;!□三〜;;1:i:ll話ll;::;::;ll:ぎ:1;・:三?三;ll;:1≒{ll;:i;1二1 ・亡・口・ r 15} o・〔督c2・引 ‥ロ2・c)・亡■【1・c1°【)
■ O口■陥〜■■♪・{:■●♪ . CO●《」,■■才■ζ・CJ
7HEφ.い4ち仲OfT− ■揖】5 1月丁栖【P(「・ロ41円a亨ロ 7 川
図一10 縮退伝達間数
140
コココエロら コロコかコる ロぐゆのるコ コら コロコ コ ロ ロロ のモホ ウモコ けセコロロの ロ オロロサ エやロや やロ
●●●●・皐●.・■
@ 丁自■,.t「f臼 FUI1ζ†1; 白 cr T一〆 Cl ごul7 ・1・●・.,ト唱r
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じ●二c■1㌔,●■コ■c●■♪.rr●.τ ■ {)c■㌃♪■■7●c■竺P■ζ..〒,
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G:覧〜1…漂lr;;:i;il.:、:1;r三;:i;三!li;.1吉:㌦i ;;:1;1;:i;.11・野三・1;ii;i;:1;.i謡㌣:}三・;r!二・1.・…iiiii:i;li:ii:ilii三i三iii:i;:i:ii:三liiiliiii:il:i:ii:illiiii;il:曇iiill:;iiii、i≡iliiiiii:}:;i熟
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‥… コ
演烽奄堰Giiiiiii;iiiiiiiiiiiiiiii;i;iiii蕪iiiii;i翼iii:iiii蓑ii;i;iiiiliiii鷲iii;葦iゴiiiii:i;iiiiiiii;::liiiii三i:i;iiilill三ll≡liii;iii三i≡i毒1霞i:蕪i;i i・i窪三1;iiiili;iill已
5【己吾 d,°さ 阜 亡゜°コ:亭9・Ω ?・ζ「 c・ロ・臼・5}・も‥r・ ;・川・・r・耐・・♪び・r・・ζo了・己P・弓・≒‥c・c;・く3・.・.Ω.ニレ弓r.ゴ1 ■く]■■1, 白 、 」念
巴C・OC.1?.二「●ζ..}■」丁 . 直O・5コ●.,●or●C申C豆.■言
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図一11 GB積有限の場合の伝違関数
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図一12 2次的効果による伝達閲数の付加項
いて,・κ=1のときは式{3}の分故式五〜みが式{ユ1のF1〜 るまで反復する.第2回以降の申心化によって得た∫1〜
Fアにそれぞれ等しいとする方程式と縮退条件の式とか みに対する数値から素子値を求めるときには,求めろ薗 ら・崇子値を決定する。このときGB積の値としてはあ の近傍の値が知られているので摂動法によることにし る有限値を代入することは言う迄もない萄この操作を計 た。そのことについても5章に述べる。
算機内で自動的に行なわせる仕方については5章に述ぺ
ろ.第1回の中心化を行ったのち,上…己の如くして粁 4紬退伝馴数の求め方.
値を算出し,付加項壱計算したら,その付加項の値を固 twin Tを含む回路では,演算増幅器のGB積を無限大
定して,第2回以降の中心化を行い,脱出条件が満され として回路を解析して得られる伝達関数は図一9のよう
141
であるが,その形は次式のようである。 と思われる。
,,5・栖5・㌔s+。。・ この第L第2の縮退条件が成立っと椥ま・式㈲の
T=か5㌣此醗+正52+か5+占。 { 1] 分母を的∫+ロ,で割った商を出すことは比較的容易で ここぞθr,島は多項式である。ここで その結果として図一10の伝達関数が得られるのである。
凸α・一η2π1=0 ㈲ 5.素子値決定用方程式の生成とその解法
の聞係端立てば・丁は次の形にi吐ける・ @ GB礁限大として導出した縮退闘蹴、 GB積
τ・
C,(隠謡繋鵠+占。) 〔6)有限酬を入れて導出さ才・繊蹴図一4の第1
段め回路に対しては,次の形となる。
従って,弍(5}が1つの縮退条件である。これを第1縮退
き憲:1::芦1鷲羅㌶葦㌻::㌶ T=φ5・斗・1書享÷蒜主巖漂き+加 (8)
としてメモリに貯えられる。この多項式には単項式の ここでP=∫/Wo(II o=2πx800〕とし,変形すれば 共通因数があるので,それを見つけて,それで割った式 式㈲の最初の分数式が得られ・この主要項の係致分数式
を導出する。共通単項式を見つけて,それでくくり出す 力〜五がそれぞれ伝達関数の中心化で得られる値サブル_チンを用意してあるので,それを呼出せば容易 F1〜F・に等しくなければならない。従って次の方程式 に雲行することができる。 が得られる。
次に式㈲の分母が時5+σ・で割1)切れる条件と・その 占311繍_力,=0
蔽勅ることが蘭となる・この鮒を第2の継条 硫E一占、司
件と呼ぴ,得ら描伝達酬を縄伝達!継と呼ぶこと 占、1陥一占,=o
にする・この第2の縮退条件劇余の定理によって・ 。,蹴一。。={]胞S+屯=0という式と分母を0とした式とから5を
〔9}
消去した式を求めることになる。ある文宇パラメータに この左辺の式は多項式であるから・その各単項式をコー ついての1次式を利用して,他のその文宇について高次 ド化した数値がメモリに貯えられ・各方程式について・
の式から,その文字を消去して,蹴を1尋るサ九一チン 最初酬の細ら]・ている番地顕数が知られているか
作ってあるので,それを呼び出せぱ,第2の縮退条件も ら,左辺をメモリから引出すことができる。この4方程 求まる.しかしぽの式はかなり酬な形のものとして 式曙L籔の縮退条{牛とから牢知回路パラメータ 得られる。それは0になることはあり得ない共通多項式 の値が求まる・これらの方程式の中には未知数を1つし 劇を含むからである.従って,第2の縮退条件柵潔 暗まないものも訓うる・それで・舗程式について な形で得ようとすることは、文宇演算による因数分解を まず未知数がどれで・いくつあるかを探索する。それは 副蜘こ行うことになり,コτを一般的に行うことは困 耀式に現オ・る文字パラメータに数値が割1]当てられて 難である.しかレそれは本来{ま回路形式の設計の問題 いるかどうか欄ぺることにより知られる・詩ミ知数を]
で髄化の醐外と言うことになる.それ描2の縄 つの賠蜻劇こついては・そのパラメ 夕の各ぺき
条件、それは図.4の第1段の回路では の係数値を知ることができるから・容易に解くことがで
C,C2.C。α=0
@ {7〕きる・三聯が2剛上あるときは融1柵こその未
知故をぷ,工,…として整理することにより.
という関係であるが,これは始めから与えられた条件と
して処理することにした。しかし,整数式の因数分解を 411∫+ノ112ρ+!11已+沌・迎÷ 115脳+
行って,式(71のようなすっきりした条件i式を計算機に +・41r己工+∬h・・Ψ計一・415={1 よって見出すことはきわめて望ましいことである。それ 二1コば+/L甜+メ12・1ε→ソ1コ・・!Ψ+ノ1:s嬉+
1ま付録に述べる如く、文宇i寅算の結果をディスプレイに +ご』已ユ 已1ご〒・r据÷ノ12F=0 出して,会話形の演算を進めることにすれぱ,この回路 ノ』1・r+上1副+子ln +∫』」・r〃+・4劔z の場合,式{7}の条件式に到達するのは比較的容易になる +土・己ユ + h・卿計 ・・=〔}
{田}
142
゜…
…
?ヒ灘1萎ll諜華1灘欝il讃i罫
図一1ヨ 分母の係数間の関係より得られる連立方程式
となる。但し上式では工1,工,工,の代りにエ,万三を 用いて表わした.この方程鵡持i顛の式としては図 ゜
−13のように求まっており,ここでぷ類Z以外は数値 0 3
が与えられているから,それを代λすることにより,式 薯0 2 ロ
抽)におけ詩1纈麟値として勅られるのである.方 削ω
程式佃)は各未知数については互次式(これは回路の性質
、
竃籔霞票㌶蕊竃:::こ::1塾≧7工冷N
(・811ピ÷品已+丑口)正÷(βuピ+品5z÷β16ル
÷劫7ピ÷、召賂z十819ニ0
〔β21ゴ+」ヨ22計五23)∬2一ト(βコ己+君25己+」ヨ26)〃
十β27日2十8:誌÷B勺=⑪ ω
これから」を消去すると,三に関する8次の方程式が得
一〇.3
−・」1一
図一14 BONの回路の偏差特性
1惣亘:遼:譲纏欝㌘:蒜1: 艶+駝〃+誓」・=万(勤1抑,砲) {1]}
高醜立方醒罐次法によらず螂きうること蚊字 と蝸が、文端算i・よって∂∫瀬舗翻に求まるの 瀬の一つの効果である・これをさら{・一靴し移疏 鋼の1唖立耀式は容易に計麟内で作り細を求 次方程式吐報算欄による解蹴ついては後の齢 めることがで謁。
に発表することにする。
方程式ωの根の近傍の1直{尉。,、。)剛られひる 6・BON回路への応用
ときは・鋤ぽより解く・すな靖・式(腱 アクテ,プ・フ訓夕以外への応用として刷誇文に 輪・已=o〔∫∋〜3) {]2} 述べてあるヨ団翻線路回路(BON回路剛艮適化に
本方法を適用してみた。その回路は文献(8}を参照された
と勤せぱ い.この糖姻一5の1鍵②までで脚端橘カグ
1・]3
二墓隠1嶽郷覧霊;;:㌶漂 11二:1霊蒜漁:麟::1漂ぱ誰;1
たが,最適化に要した時間は,0.4秒にすぎなかった。 {April lg75}.
因みに蹴野通研の最適化知グラムでは・4・9髄要 2i.躰他・¶PCM培局用三クテ・カィル矧直違設鷲信学
嵩〔A〕,60−A, 2,P. Hこ}〔il召52−02),
している・ 3)橋本,遠山,永田,・文字演算による回路解祈・,昭52竃気四学
7.むすび 、耀灘霊璽認1二、回路解酬幽C、T
鵬動艦計醐略を述べた・プ・グラムとし,;㌫:漂㌶。。よる回櫟・電瓢報処蹴
ては未だ完成していないが,自動化のために問題とされ 会資料IP.78・17{昭53−05}.
ることは全て具体的に解決することができたので報告す 臼橋本,永田,岡島・村上; 文字描耳によ6回路解折 九工大爵
る次第である・ 7欝濃㌶、〔:讃脇醐数の軸プ。グ,。・
田学論{AL」62−A,6〔昭5か06).
付録 第2縮退条件の自動探索の可能性 引i躰・永田㌍文字演口じよる回路解析の応用 九工大研究報告・
式(鵬母を・・鍵で割った余りの式働て
ア,潔翼日瓢㌫細交流剛適化プ。グ・ム・
雑な多項式となる。しかし,∫(については1次式のはず 13学技報,CST.II2, P.31(昭54−12〕.
であるから,κについて1次の項と0次の項の項数を比 較して少い方をとることにすると,次の多項式を得る。
G4c!十2G3G:(:…−2Gヨc2cc÷G:G;(3 −4GコG;巳C十G2GiC2−2GG]C〆C
十2CG三C2十G;C: 抽
この多項式で,1つの文字で最高次数の最低なのは2次 でCまたはC↓ということはすぐわかるから,その中の いずれか,例えばCrについて降べきの順に鎧理し,Gの 各べきの係数多項式を共通単項式でくくり出せば
G2(Gコ÷2GG:+G;)ciL2GG2(G2十2GG2+G;)C巳
十Gi(G2÷2GG2÷G;)cコ {15}
この段階までは計算機内で自動的に,全く人為的判断 なしに実行できるから,この結果をデスプレイさせれば
直ちに,
(G十G2)2{G巳一G2c)コ 個
と因数分解ができて,GC、−GC=0という第2の縮退 条件を求めることができることになる。
またCについて式00を降べきの順に整理すれぱ,
ぴ(Gコ十2G〔口十G訂G;−2C(G言十2CC2十G;)GG2C1
÷(ぴ十2GG:十Gi)Gコci 藺が計算機内で作られるので,これを見ればG3十2GC:
十G;でくくれることがわかり, その結果GC,−GコC=0 を得る。