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m. OFF-JT OJT

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Academic year: 2021

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新人看護師の OFF‑JT と OJT の統合を目指した シミュレーション教育の効果と課題

キーワード:シミュレーション新人教育 OFF‑JT OJT 

C 棟 6 階病棟

。 中 村 展 子 山 本 真 由 美 山 本 美 弥 杉 田 尚 子 金 本 恵 子 稲 田 充 代 辻 本 啓 子

1.はじめに

教育方法には、 OFFt h e  j o b  t r a i n i n g : 職場 外教育(以下 OFF‑JT とする)と Ont h e j o b   t r a i n i n g : 職場内実施教育(以下 OJT とする) があり、得られる教育効果は異なる。当病棟 では、これまで OFF‑JT と OJT による新人 教育を行なってきたが、 OFF ・ . J T が中心とな っており、臨床実践との講離が大きいことが 問題であった。

そこで、今回われわれは、 OFF‑JT と OJT を統合し、看護実践のイメージ化を促進する ために、、臨床能力の強化に繋がるとされてい る統合シミュレーション教育を導入した。本 研究では、統合シミュレーション教育の課題 を抽出することでより質の高い当病棟新人教 育プログラムを構築するために、一連の教育 過程の効果を検討した。

I I .   目的

OFF‑JT と OJT. の統合を目指した、効果的 なシミュレーション教育方法を検討し、今後 の課題を抽出する。

m . 方法

対象:当病棟に勤務する新人看護師 4 名 調査期間 : 2 0 0 9 年 4 月 " ‑ ' 2 0 0 9 年 12 月 シミュレーション方法:肺がん術後 1日目の 胸腔ドレーン・尿道留置カテーテル・硬膜外

麻酔チューブ・末梢静脈ライン挿入中の患者 を想定し、研究者が患者役となりシミュレー ションを行った。シミュレーションは、院内 基礎看護技術研修を終えた、入職 1ヵ月目・

入職 3 カ月目に行い、無菌操作・シリンジポ ンプ取扱い・静脈点滴管理・尿道留置カテー テル管理・胸腔ドレーン管理の 5 項目につい て技能の習得度を評価した。

面接方法:入職 3 カ月シミュレーションを終 えた頃の様子を想起してもらいインタビュー

した。質問内容は、「シミュレーションが日々 の看護にどのように役立つたか J とし、承諾 を得た上で録音した。

評価方法:入職時の院内基礎看護技術研修後、

入職 1 ヵ月シミュレーション後、入職 3 ヵ月 シミュレーション後に「無菌操作J 7 項目、

「シリンジポンプ取扱い J ["静脈点滴管理J [ " 尿 道留置カテーテル管理J["胸腔ドレーン管理」

各 10 項目の計 47 項目について「できない: l J

「助言があればできる : 2 J ["できる : 3 J の 3 段

階にスコア化した評価用紙の記入を依頼し回

収した。各項目、 4 名の合計点数を、入職時

の院内基礎看護技術研修後、入職 1 ヵ月シミ

ュレーション後間および入職時の院内基礎看

護技術研修後、入職 3 ヵ月シミュレーション

後間で Mann‑ Wh i t n e y U 検定を用い統計処

理を行った。また、インタピ、ュー内容を遂語

録とし、それぞれの遂語録の文節ごとにその

(2)

文脈の意味を検討した。検討したものを文脈 の意味より類似のものにカテゴリー化し、そ れぞれのカテゴリーの意味を検討した。目的 に関連している要因を明らかにし、要因の意 味、要因間の関連より新人看護師への統合シ ミュレーション教育に関連するものを導き出 した。

N. 倫理的配慮

本研究は、当院看護部・看護研究倫理委員 会の承認を得た。評価用紙は無記名とし、研 究への参加の有無で不利益を蒙ることはない こと、データは個人を評価するのではないこ と、研究目的にのみ使用することを文章で説 明し同意を得た。

v . 結 果

「無菌操作J r シリンジポンプ取扱いJ r 静脈 点滴 J r 尿道留置カテーテル管理Jにおいて、

全ての項目で、 <0.05 と有意差が得られた。

シミュレーションでは OFF‑JT より教育効果 は有意に得られた。

「胸腔ドレーン管理」では、 1 0 項目中、リ ークの観察表

1

・ディオールパックの構造の理 解表

2

・正しい固定方法の理解剖.固定の観察 表

4

の 4 項目において、「リークの観察の 1 カ

月後」以外は有意な教育効果がみられなかっ た 。

面接より、カテゴリー:~臨床への応用・イ メージ化 ~r実際に行動できたJ r 想像しやす くてよかった J r イメージがわいた J r 観察の 足りなさに気付けた J r 末梢やドレーンが入っ ているだけで焦りがあったが落ち着いて見ら れるようになったJ r 忘れていたことに気付か された J r 不安なまま患者をみるよりよかっ たJ r 7 月は慣れてきて夜勤も入る時期で再確 認にためでよかった」、カテゴリー:~学習を 課せられることへの負担感~ r 5 月 6 月が一 番しんど、い時期だった J r 5 月は覚えることが いっぱいありすぎて自分の学習が追いつかな かった J r 5 月は仕事もぜんぜん出来ないし、

シミュレーションに頭がいかない」という発 言が得られた。

表 1 胸腔ドレーンのリークの有無を観察できる

A  B  C  D  P 値

A  B  C  D  P 値

OFF‑JT  1 ヵ月

2  2 

2  3 

2  3 

1  3 

C  く0 . 0 5

表 2 ディオールパックの構造を理解している OFF‑JT  1 ヵ月

2  2 

2  2 

1  2 

1  2 

C  ns 

3 ヵ月 2  3  3  2  ns 

3 ヵ月

ns 

(3)

表 3 胸腔ドレーンの固定の方法を知っている

O F F ‑ J T   1 ヵ月 3 ヵ月

A  2  2  3 

B  2  2  3 

C  1  2  2 

D  1  3  2 

P 値 C  ns  ns 

表 4 きちんと固定されているか観察できる

OFF

J T

A  3 

B  2 

C  2 

D  2 

P 値 C 

V I.考察

今年度より、院内基礎看護技術研修が導入 され、 OFF‑JT は強化されたが、そこで経験 した基本的知識・技術を活かすためには、病 棟での補足的関わりが必要であった。しかし、

すべての項目を行うことは、時間的・マンパワ ー的限界があった。そこで、当病棟の特殊性 を考え必要な技術を選択し、肺がん術後患者 を想定した統合シミュレーション教育を導入 した。面接結果より、「病棟ではこうするのか とわかった J r 観察点がわかった J r シミュレ ーション後、実際に行動できた J r 想像しやす かった J r 落ち着いて見られるようになった」

という発言が得られた。これらより、 OFF‑JT

で経験した基本的知識・技術を臨床実践に活 かすために導入した統合シミュレーション教 育の効果として、《臨床への応用・イメージ化

〉が示唆された。さらに、各手技の習得度に ついても統計学的に有意に高まっていたこと からも、統合シミュレーション教育によち、

課題が重なる複雑な状況における臨床判断と

1 ヵ月 3 ヵ月

3  3 

3  3 

2  3 

3  2 

ns  ns 

適切な看護行動を獲得できた。

しかし、「胸腔ドレーン管理」においては、

有意な教育効果が得られなかった。その要因 の 1 つとし、他の技術に比べて複雑であり、

高レベルの知識が求められること、特殊性が 高い技術であることが考えられる。また、当 病棟では、胸腔ドレーン管理は、ほとんどが 肺がん術後患者での体験であるが、肺がん術 後患者は、概ね ICU に入室する。しかし、入 職 3 ヵ月時点では、 ICU からの転棟患者を受 け持つことがないため、他の技術と比較し、

各段に体験する機会は少なく、《臨床での経 験数の差〉が影響していると考える。

面接結果より、統合シミュレーション教育

の教育効果を妨げる要因として、 r 5 月は覚え

ることがいっぱいありすぎて自分の学習が追

いっかなかった J r 学習会が最初に詰められて

いてしんどかった」と時間的・精神的負担感

を表す発言が得られた。シミュレーション教

育に加え、シミュレーション教育の予習・復

習、臨床業務の学習が重なり、入職 1 ヶ月時

(4)

点では《学習を課せられることへの負担感》

を感じていたと考える。

今回、シミュレーション教育をするにあた り、実施時期を 1回目は、早期より専門職業 人として歩み出す環境を整えるため入職 1ヵ 月後に、 2 回目は、新人看護師の離職のピー クである 3 ヵ月後に設定した。日本看護協会 による「新卒看護師の早期離職等実態調査」

によると 1 ¥ 「新卒看護職員が、もっと受けた かった教育・研修」として、「配属先に専門的 に必要とされる技術」があげられている。病 棟の特殊性を踏まえたシミュレーション教育 は 、 OFF‑JT だけでは習得できない専門的技 術を習得することにつながり、新人の教育ニ ードを満たす働きかけであるといえる。

OFF‑JT と 1 ヵ月シミュレーション・ 3 ヵ月シ ミュレーションには有意な差がみられたこと から、《学習を課せられることへの負担感〉

を感じながらも、教育効果はあったと考える。

また、統計学的にも有意な教育効果がある こと、面接結果より、「以前に教えてもらった ことの振り返りができたJ r 病棟ではこうする

のか、とわかった」等の発言が得られたこと から、シミュレーション教育により、 OFF‑JT と OJT の統合が出来たと言える。

しかし、結果より、入職 1ヵ月時点では、

時間的・精神的負担感を感じている、と導き 出された。時間的・精神的負担感は、新人の モチベーションの維持・向上を妨げると思わ れる。モチベーションを向上させる最も効果 的な手段は、スタッフを増員し、教育を行う に十分な時間や機会を設けることである。ま た、シミュレーション教育に精通したスタッ フがいることも、新人及びスタッフにとって、

負担感の軽減に繋がると思われる。

今回のシミュレーションを通し、教育効果 が得られなかった「胸腔ドレーン管理」のよ うな、専門性の高い項目の指導については、

時間的・精神的な負担感の軽減に努めること

実施時期も視野に入れ行う必要がある。今回 は、初年度の取り組みであり、対象人数も少 ない。したがって、引き続きシミュレーショ ン教育を中心に OJT の充実を図った新人教 育の実施・検討、 2年目看護師の技能習得度 調査を実施するなど、研究対象を広げ検討す る必要がある。

V I I . まとめ

・シミュレーション教育は、 OFF‑JT と OJT の統合に効果的であった

.  r 胸腔ドレーン管理」においては、有意な教 育効果が得られなかった

・時間的・精神的負担感の軽減、他の項目ち含 めた教育方法の検討、項目別の実施時期の検 討を行う必要がある

唖.文献

1 ) 日本看護協会 ; 2 0 0 4 年「新卒看護職員の早 期離職等実態調査」結果

h t t p : / / w w w . m h l w . g o . j p / s h i n g i / 2 0 0 6 / 0 3 / d   1 I s 0 3 2 9

1 3 b

5

3 . p d f # s e a r c h = ' 新卒看護職 員の早期離職等実態調査。

1 ) 楼井利江;看護基本技術教育の具体的展開 方法.看護研究. Vo 1 . 40 N o . 1 , 2 0 0 7   2 ) 福井トシ子;新人看護師の基礎看護技術習

得に関する調査.看護. Vo 1 . 6 1  N o . 5   , 2 0 0 9   3 ) 大川宜容;高知女子大学での取り組み『急

性期看護援助論における術直後シミュレー ション演習ー.看護教育. Vo 1 . 5 0  N o . 9 ,  2 0 0 9   4 ) 竹尾恵子;新人看護職員のための研修プ口

グ ラ ム の 現 状 . 看 護 教 育 . Vo 1 . 4 8   N o . 1 2   , 2007 

5 ) 宮津朋子;新卒看護師の精神的未熟さ・弱さ に対するスタッフ看護師および新卒看護師 自身の認識.長野県看護大学紀要 1 0 : 6 9‑

7 8 , 2008 

6 ) 阿部幸恵;看護教育で有効なシミュレーシ

ョン教育とは.看護教育. Vo 1 . 5 0  N o . 9   , 2 0 0 9  

(5)

てこれから必要になること.看護管理.

Vo l . 17 No.3  , 2007 

8 ) 高橋恵;山陽看護専門学校での取り組み.看 護教育. Vo 1 . 50 No.9 2009 

9 ) 水口艶子;新人看護師の育成.看護. Vo 1 . 60  No . 4 .2008 

1 0 ) 大滝純司;シミュレータを活用した看護技 術指導.日本看護協会出版会,2008 1 1 ) 高谷修;看護学生のための自画学習ガイド

ブック.金芳堂,2008

参照

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