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スノーボーダーのワンメイク時における心理状態に関する研究

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Academic year: 2021

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スノーボーダーのワンメイク時における心理状態に関する研究

-技術レベルによる違いに着目して-

草野鉄人(生涯スポーツ学科 野外スポーツコース)

担当教員 林 綾子 キーワード:スノーボード、ワンメイク、心理状態 1.序論

スノーボードといえば、ウインタースポー ツの代名詞的な存在である。スノーボードは、

スピードやスリルを味わうことができ、また、

困難な状況を克服し、喜びや達成感、充実感 を得ることのできるスポーツである。しかし、

喜びや達成感だけではなく不安や恐怖心な どもある。高野(2005)は競技スポーツ者が感 じる不安や緊張の度合いは、パフォーマンス 発揮に対して大きな影響力を持つことを示 唆しており、スノーボードでも同様であると 考えられる。

そこで、本研究ではスノーボーダーのワン メイク時の多様な心理状態を明らかにする ことを目的とする。

2.研究方法

【対象】平成 23 年 2 月~3 月に滋賀県琵琶 湖バレイ・野沢温泉スキー場・スキージャム 勝山の各スキー場に滑りに来たワンメイク を行うスノーボーダー計 100 名(男性 72 名、

女性 28 名)。

【調査用紙】ワンメイク時における心理状態 を測定するために、既存の調査用紙を参考に 筆者が独自に調査に必要とする質問用紙 9 因子(フロー・リラックス・課題志向性・自 我志向性・達成・コンディション・挑戦・不 安・失敗)23 項目を作成し、心理状態尺度と して使用した。

3.結果と考察

1)良かった時・悪かった時の因子の平均の差 を検討するために、因子を要因とする 1 要因の 分散分析を行った結果,良かった時

f (8.792)

=103.08, p <.001)

,

悪かった時 ( f (8,792)=

30.08, p <.001) の両方で有意な差が明らかに なった。良かった時の得点は他の得点に比べ不 安・失敗因子が有意に低い得点となった。悪か った時は、自我志向性・コンディション・挑戦 因子が有意に低く、不安・失敗因子が有意に高 い得点になった。良かった時は挑戦課題を明確 に持ち、コンディションなどもいい状態なので、

不安や失敗することを考えず、上手くワンメイ クができたと考えられる。悪かった時は、コン ディションなどの状態が悪く、不安な気持ちで 滑っている。あるいは、挑戦するという気持ち が低く、消極的な滑りになった結果、技が中途 半端になり、失敗したと考える。

2)良かった時と悪かった時の因子を t 検定で 分析したところ、フロー・リラックス・課題志 向性・自我志向性・達成・コンディション・挑 戦において、良かった時の方が有意に高かった。

不安・失敗は悪かった時の方が有意に高かった。

良かった時は、フロー状態で挑戦課題が明確な

のでこれらの因子が有意に高かったと考えら れる。悪かった時は、コンディション等が悪く 不安な気持かあったので失敗したと考える。

3)良かった時と悪かった時の因子内の相関係 数を求めた結果、良かった時はフロー・課題志 向性・自我志向性・コンディションの間ではす べて有意な正の相関が見られた。その日のコン ディションが良く、新しい技に挑戦しようとい う目標があるので、楽しんでワンメイクをして いることがうかがえる。その結果、フロー状態 になりワンメイクを楽しめたと考えられる。不 安と失敗に有意な正の相関が見られたのは、新 しい技をしようとしているため不安になった と考えられる。

悪かった時は、課題志向性と不安・失敗に有 意な正の相関が見られた。技のレベルが自分の 技術レベルよりも高い技をしたので、不安にな ったと考えられる。不安と失敗に有意な正の相 関が見られたのは、コンディションなどが悪く ワンメイクへ対する恐怖心が強くなるので、不 安になり、失敗へつながったと考えられる。

4) 良かった時のレベル別を要因とする 1 要 因の分散分析を行った結果、課題志向性因 子・達成因子において、5%水準で有意な差 が見られた。多重比較の結果、課題志向性は 初級者に比べて中級者・上級者の得点が有意 に高かった。中級者と上級者はいろんな技を 持ち、自分のしたい技を明確に持ち、ワンメ イクをしている。しかし、初級者は技の数が 少なく、技をするといった目的ではなく、上 手くジャンプをしてしっかり着地できるか といったことが目的なので、課題志向性の得 点が中級者・上級者の方が有意に高い結果に なったと考えられる。達成は、初級者より中 級者の得点が高い結果になった。初級者は、

技のバリエーションが少ないので、技が成功 したときの達成感が中級者よりも少ない。そ れに対して、中級者は、自分がする技の知識 が豊富で技に回転など普段ではあまりしな い動作をするので、急に難易度が上がるので 初級者よりも高い得点結果になったと考え られる。

4.まとめ

本研究では、ワンメイク時に、挑戦課題を 明確に持ち、技に集中する事で、不安な気持 ちを克服し、いい状態でワンメイクをするこ とが出来るようになり、よりフロー状態を感 じられるようになることが明らかになった。

引用文献

1) 高野健文・城仁士(2005),自己効力感と競技不 安から見た競技パフォーマンスの心理モデル, 神戸大学発達科学部研究紀要,13 巻第 1 号:pp71-72

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