審 査 論 文 要 旨(日本文)
論文提出者氏名: 山田隆文 審査論文
題 名:Efficacy of ADC histogram analysis for differentiating thymic cancer from thymoma
(胸腺腫、胸腺癌の鑑別における
ADC
ヒストグラムの有用性)著 者:
Takafumi Yamada, Kazuhiro Saito, Yoichi Araki, Jinho Park, Jun Matsubayashi, Toshitaka Nagao, Masatoshi Kakihana, Norihiko Ikeda, Koichi Tokuuye
掲載誌:OMICS Journal of Radiology (2017)
DOI: 10.4172/2167-7964.1000252
(審査論文要旨:日本語論文の場合
1,000
字以内・英語論文の場合500 words)
【目的】
腫瘍全体に関心領域を設定した見かけの拡散係数(
apparent diffusion coefficient: ADC
)の ヒストグラム解析はバイアスを減少し、再現性を向上させ、胸腺癌と胸腺腫の鑑別に有効で ある可能性がある。そこで、胸腺腫、胸腺癌の鑑別に関して、従来のMRI
画像所見と比較し てMRI
の拡散強調像を用いたADC
ヒストグラムの有効性を後方視的に比較検討する。【方法】
術前に拡散強調像
(b
値= 100, 800s/mm
2)
を含めたMRI
が施行され、手術にて胸腺腫もしくは胸 腺癌と診断された31
例を対象とした。内訳は胸腺腫27
例、胸腺癌4
例であった。ADC map 上で腫瘍全体に関心領域を設定した。 関心領域のADC
値をピクセルごとの数値に変換し、得られた全てのピクセルごとの数値を用いてヒストグラムを作成した。ヒストグラムのパラ メータとして平均値、標準偏差、最小値、最大値、5th、25th、50th、75th、90thパーセンタイ ル、最頻値、尖度、歪度を算出し統計解析を行った。
MRI
の画像所見は辺縁の形態、被膜の 存在、内部の隔壁の有無、出血の有無、壊死もしくは嚢胞変性の有無、リンパ節腫大の有無、胸水の有無、血管侵襲の有無、腫瘍の均一性について評価した。
【結果】
ADC
ヒストグラムでは最小値(p=0.010
)、MRI
の画像所見では腫瘍の辺縁の形態(p=0.030
)、血管侵襲の有無(p=0.009)で胸腺腫、胸腺癌の間に有意差を認めた。胸腺癌と診断するカッ トオフ値を
ADC minimum ≤70 × 10
−6mm
2/s
とした場合、感度は75%,
特異度は93%であった。
辺縁の形態が分葉状もしくは不整のとき胸腺癌と診断した場合、感度は
100%
、特異度は37%
だった。血管侵襲があるとき胸腺癌と診断した場合では、感度は
25%,
特異度は100%だった。
【結論および考察】
ADC
ヒストグラムの最小値は,
従来のMRI
画像所見と比較して胸腺癌の鑑別する上で有用で あり、通常のMRI
シークエンスに加えて追加で撮像する価値があると考えられた。東 京 医 科 大 学