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論文審査の結果の要旨

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨

平成31218

者: 高 希敏

論文題目: 中国日本語専攻大学生における異文化接触の持続のためのコミュニ ケーション能力-異文化接触のプロセスを通して-

本提出論文は、中国ホストの日本語専攻大学生における対日異文化接触の現状を明ら かにし、事象的な把握に加え、動的なプロセスの実態を解明し、その結果に基づいて、

異文化接触を持続するためのコミュニケーション能力を同定し、日本語教育への示唆を 提示した研究である。

日中間の異文化間コミュニケーション研究は、日本においては中国人留学生の異文化 適応問題が多く、他方、中国においては日系企業でのビジネスコミュニケーション問題 が頻繁に取り上げられてきた。本研究は、中国ホストの場合の、日本語専攻大学生に焦 点を当てており、ここに本研究の新規性が認められ高く評価された。

本研究の第二の特徴は、膨大なインタビューデータをM-GTAという手法を用いて分 析し、多様な文脈における異文化接触のプロセスを、日本語専攻大学生という当事者の 観点から明らかにしたことである。従来の日中間の異文化間コミュニケーションに関す る量的研究には、異文化不適応や異文化摩擦の問題点がどこにあるかを指摘するものが 多いが、本研究は、中国の日本語専攻大学生の語りを質的に分析し、異文化接触のプロ セスを具体的に記述した。日本語専攻大学生の異文化接触の実態をダイナミックかつ緻 密に明らかにしている点が極めて独創的であり、ここに本論文の真骨頂が発揮されてい る。

口述審査は、平成 3129 日(土)、城西国際大学東金キャンパス本部棟4階会 議室において実施した。口述審査では、図やレジュメによって論文の内容が簡潔にまと められ、かつ要点を明確にした発表が行われた。質問に適切に答え、さらに研究が必要な 部分は今後の課題として研究を続けるという姿勢が明確に見えて、研究者としての学究的 姿勢が見られた。また、研究者であると同時に教育実践者であることの自覚が窺える回答 が好ましく感じられた。

今後は、接触相手である日本人や研究者の視点を含むトライアンギュレーションでさ らに掘り下げた研究が期待される。本研究で得られた知見を日本語教師として現場に還 元することで、理論のさらなる精緻化を進めようとする将来の姿も予見される。

提出論文も口述審査も博士の学位に十分値するものと判断して合格とした。

審査員(主査): 人文科学研究科 野々口 ちとせ 審査員(副査): 人文科学研究科 川口 義一 審査員(副査): 大連外国語大学 陳 岩

審査員(副査): 元城西国際大学客員教授 綾部 裕子

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