図画工作科 その子ならではの造形表現をつくりだす
子どもは、造形活動が大好きである。目の前に描画材や素材、道具があると、自然に絵を描いたり物 を作ったりと、自身の表現欲求に導かれるまま主体的に造形活動をしていく。
教材に出会った子どもは、主題(何を表現していくのかというテーマ)の魅力や、目の前の素材や道 具、場の設定、条件のもっ魅力に刺激されて 造形表現への思い を抱く。 造形表現への思い,とは、
その子がこれから表そうとする造形物やこれから始まる造形活動に対して、心の内に抱いたイメージで ある。
造形表現への思い は、その子ならではの感性(感じ、気づく心のはたらき)や創造力(表現意欲、
発想力、表現技能の知識・噂好)から生み出される。感性によりその子の内面に取り入れられた発見や 情報の一部は、創造力により外へと表出したい 造形表現への思い となっていく。
造形表現への思い をいだいた子どもは、色や形、大きさや重さ、質感や香りといった素材の魅力 を身体全体で感じ取っていく。そして自分ならではの表現方法(感性と創造力)を用いて、造形活動に 夢中になっていく。身体全体を通して素材の魅力に触れ、造形活動に取り組むことで、素材など造形の 対象と心を通い合わせることがおこり、その子の感性は広がっていく。
目の前の造形物が少しずっ形作られていくと、漠然としていた 造形表現への思い,はだんだん明確 になっていく。 造形表現への思い が明確になっていくと、目の前の造形物もさらに形作られていく。
そして目の前の造形物に、自分の 造形表現への思い が反映されてきたと感じると、表現する喜びを 実感する。こうして子どもは、目の前の造形物と 造形表現への思い を、自分の表現方法を通して、
行き来しながら造形活動を進めていく。しかし造形活動が進むにつれ、すっきりしないものを感じるよ うになる。感性の広がりがあり、今、内にある 造形表現への思い と目の前の造形物との間にズレを 感じるようになるからだ。
教師は、その子がどのような順番で、どのような技法を使って表現していったかということを注意深 く見ることや、その子のつぶやきやワークシート、表情などから、その子の 造形表現への思い,を探 り、その子らしい表現方法が発揮されていたかをとらえていく。そして、 造形表現への思い,がどう なってきたかを推しはかった上で、その子が、今、本当はどうしたいかが、より明確になるように関わっ ていく。子どもは目の前の造形物が、本当に今の自分の 造形表現への思い にぴったりするものなの か、表現しきれていないのではないかと自分の表現方法を見っめ直していく。
自分の表現方法を明確にした子どもは、必要な表現技能の知識や発想を得るなどして、目の前の造形 物を今の 造形表現への思い に近づけるための新たな一歩を踏み出していく。この過程を通してその 子の表現方法はより広がり、より確かになり、その子ならではの造形表現がっくりだされていく。これ が図画工作科のその教材における学びである。
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