1.はじめに
近年、公認会計士監査を巡る議論や変化がますます激しくなってきている。
例えば、監査法人の変化を見れば、1980年頃から急速に監査法人の合併が進み、
監査市場の寡占化が起こり、また1990年代中頃からアメリカやイギリスなど では監査法人の有限責任制度が導入され、日本においても同様の寡占化や有限 責任化が起こっている。他にも、監査手法の変化をたどれば、かつては実証手 続を中心とした監査手続が採られていたが、1980年代頃から欧米では財務リ スクを基礎とした監査リスクという概念を導入したリスク・アプローチが普及 していき、現在では財務リスクだけでなく企業のビジネスそのものに関するリ スクまでも考慮する方法で監査が行われるようになっている。そして、大規模 になった監査法人は国際的にネットワークを構築するようになり、そのような 監査法人の組織構造や監査手法に影響を与える規制団体や専門職団体も国際的 なものが組織され、監査基準も国際的に統一されていっている。
このような変化はいずれも「監査法人制度が創設された当時と異なり、監査 法人の大規模化などの現状においては、…(中略)…監査法人制度が社員に求 めている損害賠償責任の無限連帯責任制は現実にそぐわない面が出てきてい る」(日本公認会計士協会2008)や、「現実の企業における日常的な取引や会 計記録は、多くがシステム化され、ルーティン化されてきており、…(中略)
…監査人に、内部統制を含む、企業及び企業環境を十分に理解し、財務諸表に
監査制度の再構築に向けた正統性からの考察
-情報提供としての監査報告書-
嶋 津 邦 洋
重要な虚偽の表示をもたらす可能性のある事業上のリスク等を考慮することを 求める」(企業会計審議会2005)といった形で説明され、監査制度が時代や社 会の変化に即したもの、現実的な問題に対処するものとなるよう努力が行われ ている。
他方で、アメリカにおける2001年のエンロン社の破綻を契機とする一連の 大規模企業倒産に関するアーサー・アンダーセンの関与や、2008年のリーマン・
ブラザーズの破綻とそれに関するアーンスト・アンド・ヤングの民事訴訟など1、 監査人に求められている役割が果たされない、もしくは果たされていないと疑 われる問題も起こっており、しかもそれが監査の一失敗事例ではなく世界的に 影響を与えるほどのものとなっている。これらの事件では、監査人の役割が問 題となっているが、事件後の制度的対応は概して既存の監査人の役割を前提と して、それを果たせる仕組み作りに向けて努力するものとなっている。
本稿では、このような制度改正思考がどのように生じているかについて明ら かにするため、監査制度の「正統性」に着目し、正統性の観点から監査制度の 特徴を浮き彫りにする。また、そこで明らかになった監査制度の正統性の特徴 に加えて、リスク社会論の観点による社会環境の変化も踏まえて、監査制度の 再構築に向けた一考察を行っていく。
なお、正統性の定義は研究者によって様々であり(例えば、Dowling & Pfeffer 1975, p.122, Meyer & Scott 1983, p.201など)、本稿ではSuchman(1995)の分 析枠組みを用いて、監査制度の正統性について整理を行う。
1
New York State Supreme Court(2010), The Supreme Court Records On-Line Library (SCROLL), Index No.451586, Complaintお よ びErnst and Young(2010), News release 21 December 2010 “Ernst and Young’ s Response to New York Attorney general’s Complaint” (URL: http://www.ey.com/GL/en/Newsroom/News-releases/
Ernst---Young-Response-to-New-York-Attorney-General-Complaint)
2.正統性の定義と類型
Suchman(1995)は、組織の正統性についての議論は明確に戦略的アプロー チと制度的アプローチに分けることが出来ると述べている(p.575)。戦略的ア プローチは、組織が正統性をしばしば競争的にその文化的環境から取り出し、
目標の追求において使用することを考慮し、そこでは正統性を営業資源のよう に描く(例えば、Pfeffer 1981)。他方、制度的アプローチは、日常の信念体系 として正統性を描き、それがどのように組織が構築され、どのようにそれが働 き、そして同時に、どのように理解され評価されるのかを決定すると考える(例 えば、DiMaggio and Powell 1983, Meyer and Rowan 1977)。
このような正統性の2つのアプローチについて、Suchman(1995)は、戦略 的アプローチは組織の管理者の「外」を見る視点を採用する一方で、制度的ア プローチは社会の「中」を見る視点を採用するということで、パースペクティ ブの違いであり、現実世界は戦略的な課題と制度的な圧力の両方に直面するの で、この2つを組み合わせることはどちらかの視点が見落とすものを補うので 重要であると述べている(p.577)。
したがって、Suchman(1995)は、このような考え方から正統性について包 括的で広範囲な定義を行っている。
規範、価値、信条、および定義に関するいくつかの社会的に構築された システムの中での、実体の行動が必要とされるか、正確であるか、もしくは 適切であるという一般化された知覚または仮定である(Suchman 1995, p.574)。
上 記 の 考 え の も と、Suchman(1995) は、 正 統 性 を プ ラ グ マ テ ィ ッ ク
(pragmatic)、モラル(moral)、認知(cognitive)に識別し、それぞれの分類に おけるサブタイプについても識別した(pp.577-578)。本節では、監査制度が 持つ正統性を理解するために、まずはSuchman(1995)の正統性の3つの識別
およびそれぞれのサブタイプの分類について要約する。
なお、それら3つの正統性および各正統性のサブタイプを一覧にしたものは 次の図表である。ここでは、2つの側面で区分される。1つめは、行動や形式 といった外面的なものか、本質的なものかという正統性の焦点であり、2つめ は、一時的なものか継続的なものかという時間的構成である。
これらの正統性は必ずしも階層を構成するものではなく、組織が3つのすべ てのタイプの正統性を保持するとは限らない。また、正統性の多様なタイプは しばしばお互いを強化するが、同様に、それらは時折、衝突することもある。
本節の以下では、この図表で示されている正統性の多面的な特徴をそれぞれ 説明する。
(1)プラグマティックな正統性2
まず、プラグマティックな正統性とは、直接的な聴衆(audience)による
2 詳しくはSuchman(1995, pp.578-579)を参照。
図表 正統性のタイプ
行動 本質
一時的 交換 利益
継続的 影響 特徴
一時的 結果 個人的
継続的 手続き 構造的
一時的 予測可能性 もっともらしさ
継続的 必然性 永続的
出展)Suchman, 1995, p.584.
属性
理解可能性
日常性
利己的な計算に依存しており、そのサブタイプは「交換の正統性(exchange legitimacy)」、「 影 響 の 正 統 性(influence legitimacy)」 お よ び「 属 性 の 正 統 性
(dispositional legitimacy)」である。
利己的な計算には、組織と聴衆との間の直接的な交換が含まれているだけで なく、より広範囲な政治的、経済的、もしくは社会的な相互依存も含まれる。
つまり、直接的な交換は「交換の正統性」であり、これは各々の期待値に基づ いた組織の政策や制度に対する構成員(constituencies)もしくは聴衆からの支 持である(例えば、Dowling & Pfeffer 1975)。
一方、より広範囲な相互依存は「影響の正統性」であり、構成員または聴衆 の組織に対する支持は、組織が特定の有益な交換を提供するというよりは、む しろ、組織がより大きな利益に対して敏感なものとして見るという理由による。
このような交換と影響は外面的や行動を表しており、その本質を見ると、組 織が構成員や聴衆と「利益を共有するか」ということと、そしてそのような利 益の共有を長期的な視点で見た「良い特徴を持つか」ということである。した がって、そのような「利益」と「特徴」を合わせて「属性の正統性」という。
(2)モラルの正統性3
次に、モラルの正統性は、組織とその活動の積極的な規範的評価を反映し、
そのサブタイプは「結果の正統性(Consequential legitimacy)」、「手続きの正統 性(procedural legitimacy)」、「構造の正統性(structural legitimacy)」および「個 人の正統性(personal legitimacy)」である。これらが規範的評価を反映すると いうことは、一定の活動が評価者のためになるかどうかについての判断ではな く、むしろ活動が「正しいことを行う」か、社会の福利を推進するかについて の判断に依存する。したがって、モラルの正統性は構成員や聴衆の利己的な操 作に対してより抵抗力がある。例えば、組織が環境保護のために節電を推奨し
3 詳しくはSuchman(1995, pp.579-582)を参照。
ている場合に、ある個人が空調機器の使用を控えるのはモラルの正統性による ところであると考えられる。
このモラルの正統性に関して、最も明確なレベルでは、組織が行うことに対 して判断・評価されるという「結果の正統性」がある。しかしながら、組織が 行うことは具体的な意味では存在せず、このような判断や評価の方法は社会的 に定義される(Meyer and Rowan 1977, p.355)。したがって、例えば、環境保 護については排出基準、病院の治療行為の良否については院内死亡率、学生の 学業の優劣についてはテストの点数のような形で測定される(Scott and Meyer 1991を参照)。さらに、それらの定義における曖昧さのためか、いくつかの組 織の特徴は本質的に測定の難しい成果に集中する。したがって、例えば、原子 力空母は、即座の反応とエラーのない操作という矛盾する要求に直面し、それ を達成するために莫大な投資が行われるが、それらの実際の熟達は戦争といっ た稀な出来事においてのみ測定可能である(Robert 1990)。そのような曖昧さ の高い状況においては、属性のシグナルが結果に対する要求に働き、「公的社 会福祉機関に対する経済的規準を適用しようとする試み(Hinings & Greenwood
1988、p.56)」のような形で、業績の確実な測定は道徳的に追放されるように
なるかもしれない。
そして、このような具体的な意味では存在しない目標を達成するために、
誠実な努力を行っているということを明示する「健全な実践」が重要になる
(Barger, Barger and Kellner 1973, p.53)。そのような健全な実践を行っているこ とで「手続きの正統性」が保持される(例えば、Scott 1977)。すなわち、社会 的に評価された結果を生み出すことに加えて、社会的に受け入れられた技術 や手続きを取り入れることで、「手続きの正統性」は獲得される。したがって、
何人かの患者が亡くなった病院と、すべての患者は治っているがその方法とし て悪魔払いのような怪しげなものを用いている施設とでは、後者の方が正統性 を失う可能性がある。
このような手続きは個別のルーティンに焦点を当てるが、その活動体系が全 体的に長期間に一貫するという組織の一般的特徴に焦点を当てたものとして
「構造の正統性」がある。「構造の正統性」は、「手続きの正統性」と同様に、
戦略、目標、結果のような曖昧なものに対して、容易に監視できる代替物とし てしばしば働く(Meyer and Rowan 1977, DiMaggio & Powell 1983, Scott & Meyer
1991)。したがって、例えば、「手続きの正統性」では商品検査を行い、「構造
の正統性」では品質管理部門を持つという形で、不良品の削減ための努力を行っ ているということになる。
以上3つのモラルの正統性に加えて、比較的、一時的で固有のものである傾 向はあるが、リーダーのカリスマ性に依拠する「個人の正統性」がある。
(3)認知の正統性4
認 知 の 正 統 性 は、 い く つ か の 日 常 文 化 の 説 明 を 基 礎 と し た 必 要 性 ま た は 必 然 性 と し て の 支 持 で あ り、 そ の サ ブ タ イ プ は「 理 解 可 能 性 の 正 統 性
(comprehensibility legitimacy)」と「日常の正統性(taken-for-granted legitimacy)」
である。
認知の正統性では、まずは、大きな信念体系と日々の生活で経験した現実と が一致するかどうか(DiMaggio & Powell 1983)についての「理解可能性の正統性」
が重要となる。文化的モデルや説明を提示することで、それは「予測可能なも の」として現れ、それが「もっともらしいもの」だと理解される。
このような理解が一貫性を持つと、間主観的な「当然のこと」となり、それ が「日常の正統性」になる。この「日常の正統性」は、組織の「必然性」と「永 続性」を基礎とし、「日常の正統性」を持つものの代替物は容易には考えられ なくなる(Zucker 1983, p.25)。
以上のように研究者によって多様な定義や働き方で用いられる正統性につい
4 詳しくはSuchman(1995), pp.582-583を参照。
て、Suchman(1995)はそれらの整理を行い、そしてプラグマティック、モラ ルおよび認知の正統性へと分類している。
これら3つの正統性のタイプは、2つの重要な基礎的差異がある(Suchman 1995, p.584-585)。すなわち、第一に、プラグマティックな正統性は、聴衆 の利己心に依存するが、その一方でモラルと認知の正統性はそうではないとい うことである。換言すれば、聴衆は、プラグマティックな評価の基礎を自愛的 効用計算(self-regarding utility calculation)に大きく置くが、モラルと認知の 正統性は大きな文化的習慣(cultural rules)を巻き込む。第二に、プラグマティッ クとモラルの正統性は推論的な評価に依存するが、その一方で、認知的な正統 性はそうではないということである。すなわち、聴衆は、プラグマティックと モラルの正統性は費用対効果の査定と明確な公的な議論を通じた倫理的な判断 に依るが、対照的に、認知的な正統性は暗黙的に正しいとされる位置付けや方 向性といった仮定に関係している。
以上のSuchman(1995)の正統性の分類を援用して、次節では、監査制度の
正統性について考察を行う。
3.監査制度の正統性
Suchman(1995)の正統性についての研究は、組織を前提としたものであるが、
本節ではそれを制度に援用し、彼の分類に従って監査制度が持つ正統性を識別 する。ただし、正統性はその組織や制度を取り巻く(物理的、距離的な意味で はない)環境によって構築、保持されるものであり、Suchman(1995)が提示 する組織の構成員と聴衆という言葉に関しては、監査法人、クライアント、専 門職協会、規制団体、および教育・研究機関といった監査制度の構成員と、株 主、投資家、債権者および潜在的投資家といった情報利用者である監査制度の 聴衆という分類と言葉を用いることとする。
また、既述のとおり、Suchman(1995)は、3つの正統性について2つの基
礎的な差異も提示している。この正統性の基礎的な差異と、監査制度研究に対 する様々な領域のアプローチを考慮に入れると、プラグマティックな正統性は 経済学的な観点で捉えられる傾向にあり、モラルの正統性については法律や基 準等の規制的な影響に密接に関連しており、そして認知の正統性は社会学的な 視点で主に扱われるものであると考えられる。
このような観点から、以下ではSuchman(1995)の正統性のタイプの3つの 分類に則って監査制度の正統性を提示していく。
(1)監査制度のプラグマティックな正統性
監査の正統性に関しては、プラグマティックな正統性で説明されることが 多い。例えば、Wallace(1980)のスチュワードシップ(モニタリング)仮説、
情報仮説、保険(リスク分散)仮説が挙げられる(Wallace 1980, pp.13-40, 山 浦2008、34-41頁)。
スチュワードシップ(モニタリング)仮説については、株主と経営者の情報 の非対称性を背景に、株主は経営者の虚偽報告を牽制するために、経営者から 独立した職業監査人との契約を行うというものである。この観点から監査人は 株主と一定の利益を共有し、そのような監査制度は株主にとって「良い特徴」
を持っていると考えられる。また、経営者にとっても、監査を受けることで株 主からの経営者の行動の制限や報酬削減などを回避するといった利益や良い特 徴を持つ。したがって、監査制度は「属性の正統性」を持つと見なされる。
次に、情報仮説については、全ての関係者が効率的な資源配分を実現するた めに、財務諸表が合目的で、適時かつ公平な情報であるということの信頼性を 付与するものであり、経営者も会計監査を受けることで資本コストを下げられ る。このように、情報仮説は監査制度における「影響の正統性」を持つことを 示唆している。
そして、保険仮説では、監査制度の関係者は監査コストを保険料の一種であ
ると見なし、構成員である経営者も責任分担といったリスク分散につながると 考えられる。したがって、監査制度に関して、保険仮説は「交換の正統性」を 持つということを示している。
(2)監査制度のモラルの正統性
上記のプラグマティックな正統性における経済学の3つの仮説は、主に当事 者同士、すなわち株主もしくは投資家と経営者との関係の説明であるが、これ らをもう少し広く社会的に見ると次のようになる。すなわち、十分に開示され、
信頼性が保証された財務諸表は、いったん開示されると公共財としての性格を 有する(山浦2008、42頁)。このようなディスクロージャー制度や財務諸表監 査制度は、株式市場の安定性と信頼性を支えるものであり(栗濱2011、57-58 頁)、このような監査制度の位置付けは、プラグマティックな側面だけでなく、
より社会的なレベルで福利を促進するものとして見ることが出来る。そして、
以上のようなことが法規制が監査制度に求める役割であろう(山浦2008、43 頁)。
監査制度は上記のような役割を果たしている限り、「結果の正統性」を持つ であろう。すなわち、監査が行われることによって、株式市場だけでなく社会 全体の経済の安定化に貢献している。ただし、JWG(2000)が監査の有効性の 発現は、監査の失敗という形で現れると指摘しているおり(松本 2005、60頁)、 換言すれば、監査の有効性の測定は、監査が失敗したときにのみ監査の有効性 が低いという形で可能であるということになる。したがって、公開された財務 諸表において不正や誤謬が明らかにならない限り、監査は「結果の正統性」を 持たないということにはならない。
このような社会的なレベルでの役割を果たしているということを明示するた めに、すなわち「結果の正統性」を継続的にするために、社会的に受け入れら れている技術を取り囲む必要がある。そのために、監査制度は統計的サンプリ
ングやDCF法、リスク・アプローチのような科学的な技術や「標準化された」
システムを用いることによって「手続きの正統性」を保持しようとしていると 見ることができる。
また、そのような監査や会計における技術や手法を規定しているのは監査基 準や会計原則を代表とする公正なる会計慣行である。そして、監査制度は、そ れらを制定する企業会計審議会、資格試験や行政処分を実施する公認会計士審 査会(平成15年より公認会計士・監査審査会に改組)、自主規制機関として公 認会計士の規律及び能力の保持高揚のために指導及び監督を行う公認会計士協 会、および各法律や監督官庁などの組織や団体で構成されている(山浦2008、
76頁)。したがって、監査制度は、その成果や技術が長期間に一貫して循環す る一般的特徴を保持しており、「構造の正統性」を持つと言えよう。
(3)監査制度の認知の正統性
監査制度においては、上記のプラグマティックな正統性とモラルの正統性を 基礎として、さらに社会的、認知的な正統性につながっていると考えられる。
すなわち、監査は、先述の「属性の正統性」で挙げた第三者としての独立性 を条件とした、監査の対象に対する「検証」と「検証結果の報告」と説明され るが(内藤2004、2頁)、このような監査の説明は「防犯のために監視カメラ を設置する」といった日々の生活で経験している現実と一致し、監査は「理解 可能性の正統性」を保持すると考えられる。また、「手続きの正統性」で挙げ、
Power(2007/2011)が指摘しているような標準化されたシステムを監査で用い ることで、そのような「標準化された」システムは監査制度に「理解可能性の 正統性」を付与しているようである。
そして、このように理解される監査は、環境監査、医療監査、違法性監査、
品質監査などの形で、今日では日々の生活に監査は広まっており(Power 1994
坂上訳2003, p.299)、それらは財務諸表監査とは異なりむしろ業績測定であっ
たとしても(Humphrey and Owen 2000)、全てに監査という言葉が用いられる ほど、今や必然性があり、永続性のある、監査の代替物が考えられないほど「当 然のこと」として、監査は「日常の正統性」を持っていると言えよう。
この点について、Power(1994)は次のように説明している。すなわち、監 査の概念は、アカウンタビリティや透明性という概念と結び付き、アカウンタ ビリティや透明性を高めるためには監査が必要不可欠なものであるという大き な「文化の論理」となっており、逆に、監査を受け入れないことは、アカウン タビリティを放棄しているとみなされるほど、影響力をもっている(坂上訳 2003, p.359)。
以上のように、経済学、法学、および社会学的な観点からの監査制度に対す る説明を用いて、Suchman(1995)の正統性の分類を援用して、監査制度の正 統性を整理した。監査制度の正統性はこれまで見たように、影響や属性といっ たプラグマティックな正統性がモラルの正統性における結果の正統性の基礎と なり、結果の曖昧性のために手続きおよび構造の正統性を保持している。そし て、それらのプラグマティックな正統性やモラルの正統性が認知の正統性を支 えているという階層構造になっていると考えることができる。
このような構造を踏まえると、監査制度の制度改正思考は、プラグマティッ クな正統性が監査制度の正統性の根幹として考えられ、それゆえに既存の経済 学的な観点で考えられた監査人の役割を前提としなければならないことが理解 できる。しかしながら、そのような役割を持つ監査人のもたらす結果には曖昧 性があり、そのため手続や構造で正統性を担保し、その結果、社会に受け入れ られる認知の正統性を獲得できるようになっていると考えられる。したがって、
監査制度においては、既存の監査人の役割を前提とおいて、社会に受け入れら れるためには、手続および構造の正統性が非常に重要なものとなっており、制 度改正等ではそこが重点的に議論されるようになっていることがわかる。
次節では、上記の監査制度の正統性の多様な側面から、手続の正統性、すな
わち標準化されたシステム以外を用いた監査について、正統性の他の側面から 監査制度の正統性を補えるかどうかを検討する。
4.監査制度の正統性の維持および補修
前節の監査制度の正統性から分かるように、監査制度は多様な側面の正統性 を保持しており、正統性という観点からは監査制度は非常に確固たるものであ るように見える。しかし、正統性が一度獲得されるとそれは安定的なものとな るが(Ashforth & Gibbs 1990, p.183)、一般的に正統性は喪失の危機に陥ること があり、そのような危機は普通、明確に問題が知覚されるまでは気付かれるこ とがない(Suchman 1995, p.597)。
したがって、監査においては、会計不正事件等が起こった際に、監査制度の 正統性が喪失の危機に陥っていることになる。しかし、監査制度は前節のよう に多様な側面で正統性を保持しているので、これまでに起こった正統性の危機 に対する補修は、危機に陥っている正統性とは別の側面の正統性で補う形で正 統性の補修もしくは維持を行ってきたと考えられる。
例えば、エンロン事件では、同社の粉飾の実態が解明され、監査人による粉 飾見逃しが行われており(山浦2008、64頁)、監査制度の「属性の正統性」や
「影響の正統性」、「結果の正統性」などが危機に陥っていたが、その後のエン ロンやワールドコムなどの一連の事件における対応として、Sarbens-Oxley法 によって、監査業務と非監査サービスの同時提供の禁止、伝統的リスク・アプ ローチの重視と内部統制監査制度の導入、PCAOB(Public Company Accounting
Oversight Board:公開会社会計監視委員会)の設置5などが行われた。しかし、
これらの対応は、ほとんどが「手続きの正統性」や「構造の正統性」を強化も
5
SEC管理下で、会計事務所の登録、定期的検査や問題の調査と懲戒、監査業務や
品質管理、倫理、独立性などの監査に関する諸基準の設定と承認権を持つ(山浦
2008、64-65頁)
。しくは補修するものであり、危機に陥っている正統性に対して別の側面の正統 性で補おうとしていることが伺える。このような正統性の補足の方法は、構造 や手続きの正統性が結果の正統性の曖昧さに対して、容易に監視できる代替 物としてしばしば働き(Meyer and Rowan 1977, DiMaggio & Powell 1983, Scott &
Meyer 1991)、さらには、このような構造的変化は特定の誤りを改善すること
を象徴するために有効である(Pfeffer 1981, Suchman 1995)。
このように、正統性の喪失の危機に対して、正統性の多様な側面の結び付き から、他の側面の強化や補足を行うことで、正統性を補修もしくは維持できる のであれば、正統性の観点から監査の成果よりも手続きの方が重視されている 状況(Power 1997/2003, Power 2007/2011)を克服する方法を模索できるであ ろう。
正統なものとして標準化されたシステムが監査制度の正統性のどの側面に働 いているかを、前節の監査制度の正統性の各側面で見てみると、手続き、構造、
および理解可能性の正統性であると捉えられる。手続きや構造については、上 述したように結果の曖昧さを代替するものとしての役割を持ち、Power(1997)
も監査の成果よりも監査の手続きの方が重視されるのは成果(保証の提供)が 曖昧で測定不可能なためであると述べている(國部・堀口訳2003, p.155)。そ して、監査制度においては、結果の正統性はプラグマティックな正統性を基礎 とするものであり、それらは経済学的観点からの監査制度の役割の説明が反映 されたものであると考えられるが、監査の成果の曖昧性を削減するためには、
このような監査制度の役割や意義を再構築する必要があるだろう。また、理解 可能性については、第三者としての独立性といった属性をより明確にし、手続 きよりも属性を象徴する構造を採用することで克服できると考える。
次節では、このような観点で、監査制度の正統性を維持もしくは補修しつつ、
監査の手続きではなく成果が重視されるよう監査制度の再構築を行う方法を検 討することとする。
5.監査制度の再構築
既述のように、監査制度が正統性の観点から手続きや構造に依拠するのは、
監査制度の結果の正統性が曖昧であるためである。この結果の正統性は、財務 諸表監査制度やディスクロージャー制度が株式市場の安定性や信頼性と支え ているというものである。そして、このような結果の正統性の基礎となってい るのが、プラグマティックな正統性である。監査制度のプラグマティックな正 統性を一言でいえば、「第三者」としての「信頼性の付与」や「合理的な保証」
を行うことであり、監査制度についての一般的な説明もこのように行われる。
このような「信頼性の付与」や「合理的な保証」が曖昧性の源泉であるので(例 えば、Power 1997, p.113)、本節ではこれに代わる監査制度の役割として「第 三者」としての「情報提供」の役割を強調するものである。
このアイデアは、2010年にEUにおいて公表された監査に関するグリーン ペーパーにおいて次の点を検討することが盛り込まれていることによる。すな わち、監査報告書と一緒に、又は監査報告書において、有益な情報(例えば、
可能性のあるリスク、部門別の展開、商品リスク及び為替リスク)を提供する ことによって、利害関係者にさらなる価値を提供できないかどうかということ
(EC 2010, pp7-8, 甲斐2010、11頁)、および監査人が入手できる情報で、例えば、
企業がさらされている将来のリスク及び事象、知的財産に対するリスク、無形 資産に対して悪影響が生じる範囲などの公益に資するものについて、公表すべ き範囲を検討することである(EC 2010, p8, 甲斐2010、11頁)。
現在の財務諸表監査では、監査基準や監査実務指針によって、監査のプロセ スや手法が規定されており、それを経て最終的にクライアントに提供される サービスは、監査意見および監査報告書において「無限定適正意見」、「限定付 適正意見」、「意見不表明」、「不適正意見」といった形で画一的に表れるように なっている。現行の財務諸表監査でも「追記情報」という形で一定の情報発信 は行われるようにはなっているが、これについても通常記載すべき事項は決め
られており、その範囲も財務諸表に記載されているものに限定される。
本稿でのアイデアとしては、そのような監査人による情報発信の範囲を拡大 し、第三者の立場からより多様な情報を提供していくということである。すな わち、このような「情報提供」に重点を置いた場合、現行の財務諸表監査のよ うな画一性や標準化された形式ではなく、何について、どのような手法で、ど のような考えのもと監査を行ったかなどの詳細な情報を監査報告書として開示 していくということである。
これにより、信頼性や保証といった経営者が作成した財務諸表に対する監査 人の評価を削減し、企業そのものに対する評価をより充実させ、経営者が作成 した財務諸表と監査人が作成した情報が信頼に足るものであるか、合理的なも のであるかといった評価は情報利用者に任せるということになる。
6.第三者としての情報提供の役割の根拠
「監査」と「情報提供」という言葉はあまり結びつかないように思われ、現 在の監査制度の枠組みで見れば、監査の放棄もしくは監査ではないと見られる かもしれない。しかし、監査の役割を第三者としての情報提供とすることを提 示する根拠として、リスク社会論6における「新しいリスク7」に関連する次 の主張を挙げる。8
すなわち、Beck(1986)は、リスクについての因果関係は無数の因果関係 の解釈が可能であり、そこで大切なのは、無数の因果関係解釈が存在するとし
6 「リスクの社会理論」とも呼ばれる。Beck(1986)によって提示された概念であ る「リスク社会」を中心として展開される社会理論である。リスク社会とは、現 代社会が富とともにリスクも生産するようになっているということを提唱したも のである。
7 科学が生み出したにも関わらず科学によっては明確に発生することを予測できず 解決も出来ないリスク。
8 リスク社会論を援用した監査制度の研究については嶋津(2015)等を参照された い。
ても、様々な個々の要因を繰り返し相互に関連付けてみることである。リスク を認知する過程ではまず、局所的な誤った判断をさまざまな論争によって打ち 破る必要があると述べている(東廉・伊藤訳 1998, pp.42-43)。そして、Ewald
(1991, p.199)は、それ自体がリスクであるものは何もなく、実質的にリスク であるものもない。しかし、どのようなものでもリスクになりうるのであって、
それはすべて人が危険をどのように分析し、出来事をどのように考えるかとい うことにかかっていると述べている。
つまり、リスク社会論では、リスクの因果関係の解釈を異なる視点から多面 的に判断することでリスクを認知でき、そのリスクの程度や範囲についての判 断は人によって多様であるということになる。したがって、このような監査の 役割に情報提供を中心に置いた場合、経営者の視点と第三者としての監査人の 視点からという解釈の複数性が生まれるとともに、情報利用者は監査人の判断 に依存することなく、自身の信念や志向に沿った判断を行えることになる。
そして、ここでの監査の成果は信頼性の付与や合理的保証ではなく、どれだ け豊富な情報を提供しているかという形で測定されることになり、もちろん情 報量の多少で一面的に評価することは問題であるが、成果の曖昧性は減少され、
手続きや構造の正統性に依存することなく監査の正統性を保持することが可能 になると考えられる。また、このときの規制団体や専門職協会の役割は、監査 人が第三者としての独立性を保持することに専念することが考えられ、このよ うな構造的変化を行うことで、監査制度としての属性の正統性や構造の正統性 を保持もしくは強化できるかもしれない。
7.結びにかえて
以上の提案は、本論文の分析視角であるリスク社会論と正統性の観点から導 き出した監査制度の再構築に対する一案である。すなわち、正統性の観点では、
監査の結果がもたらす曖昧さが、制度改正思考が既存の監査人の役割を前提と
して手続や構造に偏ったものにつながっているということが指摘できる。そこ で、監査報告書に情報提供機能を盛り込むことで、監査の結果の曖昧性を低下 させ、手続や構造に依存した監査制度を保持する必要がなくなるという可能性 を提示できる。また、リスク社会論も踏まえると、企業のリスク評価を監査人 に委ねるよりも、多様な視点でリスクを解釈できるようになる点も挙げられる。
しかし、本論文ではリスク社会論として主にBeck(1986)とEwald(1991,
2002)の理論に依拠しており、また、正統性についてもSuchman(1995)の枠
組みを用いている。正統性についての考え方は、Suchman(1995)も提示して いるように、大別しても戦略的なアプローチと制度的なアプローチがあり、さ らに厳密に検討すれば、多くの研究者によってさまざまな考え方で研究がなさ れている。また、リスク社会論においても、Beck(1986)は社会学におけるリ スク問題との対応の嚆矢とされるが、Beck(1986)のリスク社会論は多くの 批判も受けており、社会理論的なリスク研究自体も発展している(山口 2002,
151-152頁)。したがって、本研究での提案は、リスク社会論と正統性の理論
的発展や多様なパースペクティブを盛り込んでさらに検討する必要がある。
また、上述したように、Beck(1986)とEwald(1991, 2002)のリスク社会 論でも複数の視点・多面的な考察が必要であるということが提示されており、
リスク社会論および正統性以外の観点からも本提案を理論的に検討する必要性 がある。例えば、新制度派社会学(例えば、Meyer and Rowan 1977, DiMaggio
and Powell, 1983など)の観点では、既存の枠組みや正統性に依拠しない監査
制度としての本提案も、一定の公式構造を形成していき、同型化や構造と実態 とのデカップリングなどが起こることが可能性として示唆される。
加えて本提案は、理論的な推論を行って提示したものであり、実際の制度設 計や制度改正にはより実務的な検討も必要になる。
【参考文献】
Ashforth, B. E. and Gibbs, B. W.
(1990), “The double-edge of organizationallegitimation,” Organization Science, Vol.1, pp.177-194.
Beck, U.
(1986), Risikogesellschaft: Auf dem Weg in eine andere Moderne, Suhrkamp
(東 廉、伊藤美登里訳(1998)、『危険社会―新しい近代への道』、法政大学出版局).Berger, P. L., Berger, B. and Kellner, H.
(1973), The homeless mind: Modernization andconsciousness. Random House(高山真知子、馬場伸也、馬場恭子訳(1977)
『故郷喪失者たち : 近代化と日常意識』新曜社).
DiMaggio, P. J. and Powell, W. W.
(1983), “The iron cage revisited: Institutionalisomorphism and collective rationality in organizational fields,” American Sociological Review, Vol.48, No.2, pp.147-160.
Dowling, J. and Pfeffer, J.
(1975), “Organizational legitimacy: Social values andorganizational behavior,” Pacific Sociological Review, Vol.18, No.1, pp. 122-136.
EC(2010), Green Paper, Audit Policy: Lessons from the Crisis, 13, October
(URL:http://ec.europa.eu/internal_market/auditing/news/index_en.htm).Ewald, F.
(1991), “Insuarance and Risk,” in Burchell, G., Gordon, C. and Miller, P. (eds.), The Foucault Effect: Studies in Governmentality, Harvester Wheatsheaf, pp.197-220.
Ewald, F.(2002), “The Return of Descartes’s Malicious Demon: An Outline of Precaution,” translated by Utz, S., in Baker, T. and Simon, J. (eds.), Embracing Risk, The University of Chicago Press, pp.273-301.
Hinings, R. and Greenwood, R.
(1988), “The normative prescription of organizations,”in Zucker L. G. (eds.), Institutional patterns and organizations, Ballinger, pp. 53-70.
Humphrey, C. and Owen, D.
(2000), “Debating the ‘Power’ of Audit,” InternationalJournal of Auditing, Vol.4, No.1, pp.29-50
Joint Working Group(2000), Recommendations arising from a study of recent developments in the audit methodologies of the largest accounting firms.
Meyer, J. W. and Rowan, B.
(1977), “Institutionalized organizations: Formal structureas myth and ceremony,” American Journal of Sociology, Vol. 83, No. 2, pp.340-363 Meyer, J. W. and Scott, W. R
(1983), “Centralization and the legitimacy problemsof local government,” in Meyer J. W. and Scott W. R. (eds.), Organizational environments: Ritual and rationality, SAGE Publication, pp.199-215.
New York State Supreme Court(2010), The Supreme Court Records On-Line Library
(SCROLL), Index No.451586, Complaint, 21st, December.Pfeffer, J.(1981), “Management as symbolic action: The creation and maintenance of
organizational paradigms,” Research in Organizational Behavior, Vol. 13, pp.1-52.
Power, M.
(1994), “The Audit Society,” in Hopwood, A. G. and Miller, P., Accounting asSocial and Institutional Practice, pp.299-324(坂上学訳「監査社会」
、岡野浩、國 部克彦、柴健次監訳(2003)『社会・組織を構築する会計 : 欧州における学際 的研究』中央経済社、353-374頁).Power, M.
(1997),The Audit Society, Oxford University Press(國部克彦、堀口真司
訳(2003)『監査社会:検証の儀式化』東洋経済新報社).Power, M.
(2007), Organized Uncertainty: Designing a World of Risk Management,Oxford University Press(堀口真司訳(2011)
『リスクを管理する―不確実性の組織化―』中央経済社).
Roberts, K.(1990), “Some Characteristics of One Type of High-Reliability Organization,” Organization Science, Vol.1, No.2, pp.160-176.
Scott, W. R.
(1977), “Effectiveness of organizational effectiveness studies,” inGoodman P. S. and Pennings J. M. (eds.), New perspectives on organizational effectiveness, Jossey-Bass, pp.63-95.
Scott, W. R. and Meyer, J. W.
(1991), “The organization of societal sectors,” in Powell, W.
W. and DiMaggio, P. J. (eds.), The New Institutionalism in Organizational Analysis, The University of Chicago Press, pp.108-140.
Suchman, M. C.
(1995), “Managing Legitimacy: Strategic and InstitutionalApproaches,” Academy of Management Review, Vol.20, No.3, pp.571-610.
Wallace, W. A.(1980), “The Economic Role of the Audit in Free and Regulated Markets,” in Wallace, W. A.
(1986), Auditing Monograph, PWS-KENT Publishing(千代田邦夫、盛田良久、百合野正博、朴大栄、伊豫田隆俊訳(1991)『ウォー レスの監査論』同文舘。)
Zucker, L. G.(1983), “Organizations as institutions,” in Bacharach S. B., Research in the sociology of organizations. JAI Press, pp.1-42.
甲斐幸子(2010)「欧州委員会 グリーンペーパー『監査に関する施策:金融危機 からの教訓』」会計・監査ジャーナル、第
22
巻、第12
号、10-15頁。企業会計審議会(2005)「監査基準の改訂に関する意見書」、10月
28
日。栗濱竜一郎(2011)『社会的存在としての財務諸表論』中央経済社。
嶋津邦洋(2015)「社会環境の変化と監査アプローチ―リスク社会論による分析―」、
『立正経営論集』、第
47
巻、第2
号、25-47頁。日本公認会計士協会(2008)法規委員会研究報告第
8
号「有限責任監査法人制度に 関するQ&A」
、6月10
日。松本祥尚(2005)「事業上のリスクを重視した監査のしくみ」、企業会計、第
57
巻、第
10
号、60-64頁。山浦久司(2008a)『会計監査論<第