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論文審査の結果の要旨及び担当者

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Academic year: 2021

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論文審査の結果の要旨及び担当者

報 告 番 号 博(歯)甲第147号 氏 名 秀 島 克 巳

論 文 審 査 担 当 者

主 査 教 員

井口 次夫 副 査 教 員

原 宜興 副 査 教 員

池田 通

論文審査の要旨

秀島克巳は昭和56年9月に九州医学技術専門学校を卒業した後、臨床検査技師国家 試験に合格し、昭和57年 4 月に長崎大学歯学部附属病院臨床検査室に勤務。平成1 5年10月に医学部附属病院と統合、長崎大学医学部・歯学部附属病院検査部勤務と なり現在に至る。平成13年10月に長崎大学大学院歯学研究科社会人特別選抜(口腔 外科学第二講座)に入学後、現在に至っている。

在学中、選択必修科目の主科目 (口腔腫瘍治療学特論) と副科目 (機能口腔病理学特 論) 並びに選択科目6科目を履修し、合計32単位を修得した。所定単位修得後、学 位論文の基礎となる研究要旨及び経過を平成17年2月4日に歯学研究科学位申請委 員会が主催した研究経過報告会で「マウス頭頂部骨膜切除後の創傷治癒に関する実験 的検討」の演題で発表を行った。また語学試験 (英語・ドイツ語) には平成17年1 2月9日に合格した。

学位論文の主論文として、" Expression of HSP47 and angiogenic factors and its implication for the healing of the periosteal defect in the mouse cranium " (Oral Medicine and Pathology, in press) を歯学研究科長に提出し、歯学研究科に博士 (歯 学) の学位申請を行った。歯学研究科教授会は、これを平成18年1月18日の定例 委員会に付議し、論文の要旨ならびに申請の資格等を検討した結果、受理して差し支 えないものと認めたので、上記3名の審査委員を選定した。3名の審査委員は共同で 論文の内容を慎重に審査し、平成18年1月26日申請者に対して試問を行い、下記 の論文審査の結果ならびに最終試験の結果を平成18年2月15日の歯学研究科教授 会に報告した。

主論文の内容は以下の通りである。

顎骨に浸潤した口腔癌症例では、骨膜を含めた骨切除術後に、骨移植・皮弁等によ る再建がしばしば行われる。骨膜の再生はその後のインプラント手術や粘膜移植を成 功させる為に不可欠である。

(2)

本研究は、骨膜欠損部を修復する骨膜様組織のコラーゲン形成を Heat Shock Protein 47(HSP47)ならびにα-Smooth Muscle Actin(α-SMA)の発現を指標として明らかにする 目的で企画した。

また、修復組織の骨への栄養供給器官としての性状を明らかにするために、骨膜欠 損 部 修 復 組 織 の 血 管 形 成 因 子 Vascular Endthelial Growth Factor(VEGF) と von Willebrand Factor(vWF)を併せ検討した。

実験動物には BALB/cAnNCrJ マウス(雄、n=58)を用いた。頭頂部皮膚弁を剥離・挙 上し、8×8mm の骨膜欠損を作製し閉創した。術直後〜84 日目まで経時的に組織標本を 作製した。

正常骨膜は薄い数層のコラーゲン線維と線維芽細胞様の細胞成分とからなってい た。実験的骨膜欠損部は、切除後フィブリン様構造で満たされた後、肉芽組織が発現 した。その後、肉芽組織は幼弱なコラーゲン線維に置換され成熟が進行した。切除後 84 日目では、骨膜欠損部は正常骨膜に類似した骨膜様組織で修復されていた。

HSP47 とα-SMA は、正常骨膜では細胞成分の殆どに陽性反応を示した。骨膜欠損部 では、治癒過程で線維芽細胞様細胞や未熟なコラーゲン線維に陽性反応を示した。最 終的には正常骨膜と同様の陽性像を呈した。

HSP47 ならびにα-SMA 標識率は切除後より上昇し、7 日目にいずれもピークに達した 後、経時的に減少した。84 日目では HSP47 標識率は正常骨膜とほぼ同様の標識率を示 した。しかし、α-SMA 標識率は正常骨膜のおよそ 4 倍を示した。

正常骨膜では、VEGF の発現は見られなかったが、vWF はコラーゲン線維の一部に陽 性反応を示した。骨膜欠損部では、切除直後からフィブリン様構造全体、肉芽組織に VEGF が陽性反応を示した。その後、切除後 84 日目まで線維芽細胞様細胞、コラーゲン 線維に陽性反応を示した。vWF は、切除直後のフィブリン様構造全体に陽性反応を示し、

その後、切除後 84 日目まで線維芽細胞様細胞、コラーゲン線維に陽性反応を示した。

以上の結果、HE 染色所見で示された骨膜欠損部におけるコラーゲンの形成と成熟を 裏付ける所見と考えられた。

また、骨膜欠損部の骨組織への栄養供給機能を果たしていると考えられた。

研究科教授会は上記審査委員の報告に基づきこれを討議に付して審査した結果、本 研究で得られた知見が今後の口腔外科臨床の進歩に有用であると評価し、本論文が博 士 (歯学) の学位論文に値するものと認めた。

参照

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