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サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察

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Academic year: 2021

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(1)

サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察︵都法五十

一︶  三六一    目  はじめに││サイバーセキュリティ基本法制定 Ⅰ サイバー攻撃動向 Ⅱ サイバーセキュリティ対策動向 Ⅲ 刑事実体法的対応 Ⅳ 刑事手続法的対応 Ⅴ 今後課題

Ⅵ むすびにかえて

星  周一郎

(2)

三六二      はじめにサイバーセュリティ基本法の制定

MicrosoftWindows

95

年間におけるインターネットの一般社会への急速普及普遍化遍在化状況してはここでめて

べるまでもない社会生活におけるインターネット環境普及とそれへの依存度まりによりいまやインタ

1

ティの確保重大課題になっていることも周知のところである

そのようななか平成二六一四年一一月にサイバーセキュリティ基本法成立すでに全面施行され

ている同法二条サイバーセキュリティの定義めるがこれは同法対象領域サイバーテロ攻撃

2

︑﹁

︑﹁

︶︑

︑﹁

取締びその被害拡大防止のために必要施策ずるものとする犯罪取締りおよび被害

防止一七条基本施策として明確位置づけられている

そこで本稿ではサイバーセキュリティをめぐる近時問題状況一端概観刑事法的観点から

(3)

サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察︵都法五十

一︶  三六三 のありして若干検討えることにしたい

     Ⅰ サイバー攻撃の動向

サイバー空間のセキュリティにする現状についてはその遍在性展開さもありそれを包括的把握

ることは容易ではないだが現時点における一応のものとはいえその傾向いだすことはサイバーセキュ

リティの問題えるにあたって不可欠前提であろうそこで以下ではそのいくつかにして簡単検討

えることにしたい

    1 不正送金事犯技術力を誇るサイバー攻撃から利得を狙うサイバー攻撃へ 近時のサイバー攻撃特徴つとして自己技術力るハッカークラッカータイプの攻撃から利得 目的とするものへの質的変化げることができる

3

インターネットバンキングにかかる不正送金事犯その典型であり件数被害金額平成二四年には六四

〇〇〇〇

〇〇〇

4

サイトを利用して不正にパスワード入手する手法であり大手都市銀行等個人口座われることが

効果的防止策として導入んだワンタイムパスワード方式手法登場しているさらに平成二六

傾向として被害対象セキュリティ対策りにくい小規模金融機関法人口座きな金額

送金きがみられるすなわち攻撃側弱点しており︑﹁出方をみて攻撃してくるという

(4)

三六四 いそのものの様相しているともすべき状況にある

5

さらに利得目的金銭目的犯罪費用対効果さから犯人側では今後徹底的機械化によ

るサイバー攻撃るだけでなく設計レベルで堅牢化られているスマートフォンなどに対抗すべくシステ

ムの脆弱性手法えて運用者自身そそのかす誤作動誘導などの手口併用するこ

とが予想されシステムなセキュリティだけでの防止困難化推測される指摘もなされている

6

    2 情報セュリティへのリスクの甚大化

  

⑴  ﹁利得的な情報﹂のセキュリティ サイバーセキュリティは情報セキュリティと密接関連する部分がある情報セキュリティとは①機密性

7

イバー攻撃顕著になりつつある

その典型サーバーへの不正侵入による個人情報等情報漏えいにかかる事象であるその手口被害態様

様々であるが平成二四年頃から目立つようになっているのが不正アクセスによるWebサービス利用者登録

8

︶︑Yahoo!JAPAN

〇〇ID︶︑OCN・ID

〇〇万件IDメールアドレスと暗号化されたパスワード平成二五年七月などの大規模情報流出また

その可能性のあった事案相次いだ

9

さらにアメリカでは一三年以降小売店POS端末がマルウェアに感染不正アクセスにより店舗利

(5)

サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察︵都法五十

一︶  三六五 〇〇〇〇〇〇

10

さらに一四年八月にはアメリカ二九州〇〇以上病院経営がける医療機関から四五万件

11

ーやスマートフォンによるインターネットにわる場面とは一般的認識されにくい部分めた日常生活

のあらゆる場面においてもサイバー攻撃脅威びうる状況にすでにあることをすものといえよ

12

13

   ⑵ 政府情報・安全保障情報のセキュリティ さらに近年では政府情報安全保障という国家的法益わる情報った攻撃相次いでいる標的

型攻撃メールはその典型的手法であるわがでこれがられるようになったのは平成一七年一実在

外務省職員のメールアドレスから複数官公庁ウィルスメールがいたという事象報道されてからである

とされている

14

平成二三年九月には日本イスラエルインドアメリカの防衛産業にかかわる企業する標的型攻撃

15

ーターの外部からの情報窃取可能とするウィルスへの感染判明きな衝撃えたこののサイバー

︑GSOC︵Government Security Operation Coordination team︶

16

世界各国においてもみられるようになっている

17

標的型攻撃メールはその増減状態にあったが平成二六年下半期急増また手口年々巧

18

(6)

三六六

氏名等約一二五万件個人情報不正取得されるなど収束気配はみられない

    3 制御システム系への攻撃 以上のようなサイバー攻撃いわゆる情報セキュリティだけではなく社会生活基盤をなす重要インフラに

する脅威にもなりつつあることにも注意する

そのつがいわゆる制御システムへのサイバー攻撃である制御システムとはセンサープロセッサー

クチュエーターを最小構成とし近時家電製品輸送機器エネルギー機器素材産業組立産業などは

べて制御システムがとなっている

19

従来サイバー攻撃してはともすれ仮想世界における情報セキュリティのみが念頭かれがちであっ

しかしセンサーやアクチュエーターも物理世界までも包括する制御システムのセキュリティでは

境破壊爆破めた物理的毀損までをも考慮しなけれならないのみならずネットワーク経由攻撃中心

えれりる情報システムとなり制御システムにではセンサーアクチュエーターからの攻撃視野

れなけれならないなど考慮すべきセキュリティの格段

20

平成二二〇︶問題となったスタックスネット︵Stuxnet︶ウラン濃縮工場遠心分離機

くを破壊したといわれており制御システムのセキュリティの重大性否応なしにもらしめることとなっ

また日常生活により密着した場面でも東日本大震災による重要インフラの停止事象からもらかなよ

うに発電所やガス供給施設浄水場のコンピューターが攻撃されれ日常生活にたちまち壊滅的影響

リスクがしているのであ

21

22

それ以外にもたとえ医療機器のセキュリティといった問題深刻化しつつある〇〇九年にはアメリカ

(7)

サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察︵都法五十

一︶  三六七 MRI

23

モニター装置がコンピューターウィルスに感染するなど生命健康直接関わる医療機器するサイバ

攻撃可能性指摘されるようになっている

24

   4 小   以上において近年のサイバーセキュリティの状況縷々概観してきたがもちろんこれらは氷山一角

25

いかなる対応必要とされるのか簡単検討えることにしたい

     Ⅱ サイバーセュリティ対策の動向

    1 サイバーセュリティ対策の諸施策推進のための体制整備

  

⑴  内閣官房情報セキュリティセンター︵NISC︶の設置 平成一二年制定された高度情報通信ネットワーク社会形成基本法︵IT基本法では高度情報通信ネットワ

ーク社会形成というでいうアクセル側面重点かれていたもちろんネットワーク社会安全

性確保というブレーキ側面IT基本法では認識されていたが高度情報通信ネットワークの安全性信頼

確保個人情報保護等により国民高度情報通信ネットワークを安心して利用するのに必要措置

ることがめられているにすぎなかった二二条︶︒

そして現実国家的対策として情報セキュリティの推進企画および立案ならびに総合調整うた

(8)

三六八

めに平成一六年一二月IT戦略本部決定により内閣官房従前情報セキュリティ対策推進室改組

︵NISC︶﹂

︵﹁ 26

セキュリティセンターの設置する規則﹂︵平成一七年四月︶︶でありずしも法的根拠明確化されたとは

いえない状況のもとで情報セキュリティ対策諸施策推進されてきた

  

⑵  サイバーセキュリティ戦略本部の設置とNISCの法制化 しかしながらサイバーセキュリティ対策問題深刻化平成二五年一二月閣議決定された国家安全

保障戦略ではサイバーセキュリティの強化わが国全体安全保障戦略重要つとして位置づけら

れるまでに

27

そしてサイバーセキュリティ基本法政府サイバーセキュリティにする施策総合的かつ効果的

るためサイバーセキュリティにする基本的計画︵﹁サイバーセキュリティ戦略﹂︶めることを規定

一二条とともにその施策推進のために内閣にサイバーセキュリティ戦略本部設置することをめた

二四条︶︒これによりサイバーセキュリティにする政府司令塔設置はじめて明確法的根拠めら

︑NISC 28

センター︵NISC︶﹂へと改組法制化された

    2 インシデントレスポンスのための体制 情報セキュリティの領域では脅威とそれにする脆弱性とが要因となってリスクが発生それを攻撃する

29

めた適切対応をすることを︑﹁インシデントレスポンス︵IR︶﹂んでいるインシデント発生時緊急対応

(9)

サイバーセキュリティへの刑事法的対応に関する一考察︵都法五十

一︶  三六九 としてはモニタリング事象検知報告受付︶︑トリアージ事実確認対応判断︶︑インシデントレ

︶︑

機能からとして構成されるとされている

30

そして以上つの機能全部または一部インシデント発生時における緊急対応実施体制 ﹁CSIRT︵Computer Security Incident Reponse Team︶﹂︑IT

するため関係重要インフラ事業者間情報共有システムとして各重要インフラ分野において﹁CEPTOAR

︵Capability for Engineering of Promotion, Technical Operation, Analysis and Response︶﹂その協議会組織化

︑NISC

即応調整チーム︵GSOCGovernment Security Operation Coordination team︶﹂設立している

また 31

JPCERT︵JPCERT/CC︶

する日本国内のサイトにする報告受付対応支援発生状況把握手口分析再発防止のための

検討助言等中立的組織として技術的観点からっている

32

    3 法執行のための民間の協力体制の必要性・情報共有の重要性

⑴  サイバー空間の法的性質と法執行を含めた官民連携 IT︑﹁

︶︒

いう経緯があり補助的役割たすものと位置づけられていた

これにしてサイバーセキュリティ基本法一六条サイバーセキュリティ施策むことができるよう

(10)

三七〇

必要施策ずる規定するサイバーセキュリティに国家安全保障側面明確位置づけられた影響

33

として犯罪取締りと被害拡大防止という捜査という観点重視されている一七条︶︒

︶︒

遍在的なサイバー空間のセキュリティにする単一組織体制での対応などすでに不可能状況になっ

ていることはたない重要なのはセクターのする情報知見官民連携のなかで積極的共有してい

くことである

34

  

⑵  総合セキュリティ対策会議 ︑﹁

設置しているこれは情報通信ネットワークの安全性信頼性確保目的として情報セキュリティに

産業界等政府機関との連携警察との連携ついて有識者等よる検討うことを

としたものである平成一三年一二月第一回会議以降現在るまで継続している

35

そして平成一三年度情報セキュリティ対策おける連携推進ついて嚆矢として毎年度一ないし

複数のテーマについて検討毎年報告書作成しているこれは法執行めたセキュリティ関連

策決定において重要意義するみであるといえよう

36

  

⑶  インターネット・ホットラインセンター ︑﹁

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