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細則様式第1-2号

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Academic year: 2021

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(1)

細則様式第1-2号

学位請求論文の内容の要旨

領 域 医療生命科学 分 野 病態解析科学

氏 名 中野 学

(論文題目)

UDP/P2Y6 receptor signaling regulates IgE-dependent degranulation in human basophils

(UDP/P2Y6 受容体によるヒト好塩基球

IgE

依存性脱顆粒反応の調節)

主 査 伊藤 巧一

副 査 丹藤 雄介

副 査 高橋 徹

副 査 高見 秀樹

【背景と目的】

細胞外ヌクレオチド受容体である

P2Y

受容体は、G タンパク共役型受容体である。

細胞外ヌクレオチドの刺激は、

P2Y

受容体を介し

cAMP

産生、

PKC

活性化や細胞内

Ca2+

濃度上昇を誘導することで、細胞機能を調節する。細胞外ヌクレオチドは、アレルギー 性炎症などで死滅した細胞からの漏出や、活性化した免疫細胞が放出することが報告さ れている。

P2Y

受容体ファミリーである

P2Y6

受容体は、

UDP

を特異的アゴニスト、

MRS2578

を 特異的アンタゴニストとする。

UDP

刺激は、

P2Y6

受容体に結合する

Gαq

タンパク、ま

たは

Gα12/13

タンパクを作動させる。Gαq タンパクは、主に

PKC

活性化と細胞内小胞

体からの

Ca2+

放出を誘導する。また、Gα12/13 タンパクは、RhoGTP 産生と

cAMP

産生 による細胞外

Ca2+

の細胞内流入を誘導する。

好塩基球は、寄生虫感染に対する生体防御の役割等を果たしているが、過剰反応に よりアレルギー反応を誘導する。好塩基球のFcεRIシグナルは、PKC活性化と細胞内小 胞体からのCa

2+

放出を誘導する。Gαqタンパクにより誘導されるシグナルは、FcεRIシ グナルと同様であるため、

Gαqタンパクの作動により好塩基球の脱顆粒が誘導されるこ

とが考えられる。好塩基球の脱顆粒を誘導する細胞内シグナルには、細胞内Ca

2+

の濃度 上昇が不可欠であり、Gα12/13タンパクは細胞内Ca

2+

濃度を上昇させることから、IgE依 存性脱顆粒を促進することが考えられる。

(注)論文題目が外国語の場合は,和訳を付すこと。

(2)

【細則様式第1-2号続き】

本研究では、好塩基球の脱顆粒反応に対するP2Y6受容体の作用について検討した。

好塩基球の脱顆粒で放出されるヒスタミンやロイコトリエンは、アレルギーの発症に 重要な因子である。この研究は、アレルギー疾患治療のターゲットとして、P2Y6受容 体が有用であるか評価する上で重要である。

【方法】

インフォームド・コンセントが得られた10名の健常人末梢血液から、磁気ビーズ法 で好塩基球を単離した。FITC標識抗FcεRI抗体及びAPC標識抗CD123抗体で染色して、

フローサイトメトリー解析により、細胞純度が94%以上であることを確認した。好塩 基球のP2Y受容体及び細胞外ヌクレオチダーゼ(ENTPDase)発現をRT-PCR法で確認し た。カルシウムプローブで標識した好塩基球を、HEPES-HBSS培地で1×10

5 cells/mL

に調製し、

UDP刺激による細胞内Ca2+

濃度の変化を測定した。HEPES-HBSS培地で1×

105 cells/mLに調製した好塩基球を、UDP及び抗IgE抗体で刺激し、細胞表面脱顆粒マ

ーカーであるCD63発現量の変化をフローサイトメトリー法で測定した。好塩基球をR

PMI1640で1×105 cells/mLに調製し、18時間培養した。培養上清を回収し、HPLC分析

により細胞外ヌクレオチドを検出した。更に、好塩基球を5%自己血清/RPMI1640で1

×10

5 cells/mLに調製し、P2Y6受容体特異的アンタゴニストであるMRS2578存在下で

培養した。培養後、IgE抗体で刺激し、CD63発現量の変化フローサイトメトリー法で 測定した。MRS2578の細胞毒性は、Annexin-V及び7-AADを用いて評価した。

本研究は、弘前大学大学院医学研究科倫理委員会の承認を得ている。

【結果・考察】

好塩基球は、P2Y6 受容体

mRNA

を発現していた。UDP 刺激は、細胞内

Ca2+

濃度を 上昇させた。また、

MRS2578

は、

UDP

刺激による細胞内

Ca2+

濃度上昇を抑制した。以 上の結果から、好塩基球に発現している

P2Y6

受容体は、細胞内にシグナルを伝達し ていることが示唆された。UDP 刺激による細胞内

Ca2+

濃度の上昇は、抗

IgE

抗体刺激 による細胞内

Ca2+

濃度の上昇と同程度であった。P2Y6 受容体に

Gαq

が合する場合、

UDP

刺激により脱顆粒が誘導されることが考えられた。

UDP

と抗

IgE

抗体の共刺激で は、抗

IgE

抗体刺激による細胞内

Ca2+

濃度上昇に対し

2

倍以上の上昇が確認された。

この結果から、UDP 刺激は

IgE

依存性脱顆粒を促進することが考えられた。

(3)

【細則様式第1-2号続き】

UDP

刺激は、好塩基球の脱顆粒を誘導せず、IgE 依存性脱顆粒を促進した(図

1)。こ

の結果から、好塩基球の

IgE

依存性脱顆粒の調節に

P2Y6

受容体が関与していることが 考えられた。また、UDP 単独刺激により脱顆粒が誘導されなかったことから、好塩基 球の

P2Y6

受容体に結合する

G

タンパクが

Gαq

ではないことが考えられる。

好塩基球の培養上清中からUTPを検出した。また、好塩基球でENTPDase mRNAが発 現していることを確認した。これらの結果から、好塩基球がオートクラインにより、

P 2Y6受容体を刺激していることが考えられた。実際、MRS2578存在下で培養した好塩

基球は、抗IgE抗体の刺激による脱顆粒が誘導されず、この抑制効果は経時的に増強さ れた(図2)。この抑制効果が、MRS2578による細胞傷害によるものではないことは確認 している。

*p< 0.05

**p< 0.01 図1 UDP刺激によるIgE依存性脱顆粒の促進 図2 MRS2578によるIgE依存性脱顆粒の抑制

【結語】

本研究の結果、好塩基球はオートクラインにより

P2Y6

受容体を刺激し、IgE 依存性 脱顆粒を促進している可能性が示唆された。また、MRS2578 が好塩基球の脱顆粒を抑 制したことから、アレルギー症状の緩和治療のターゲットとして

P2Y6

受容体は重要で あると考える。

本研究は、好塩基球の脱顆粒に焦点を絞り検討した。今後は、好塩基球のサイトカ イン産生等に対する

P2Y6

受容体の作用を確認し、アレルギー症状の緩和だけでなく、

アレルギー疾患根本治療のターゲットとして

P2Y6

受容体が有用であるか検討する。

(4)

【細則様式第1-2号続き】

学位論文のもととなる研究成果としての筆頭著者原著

論 文 題 目

UDP/P2Y6 receptor signaling regulates IgE-dependent degranulation in human basophils

著 者 名

Manabu Nakano, Koichi Ito, Takeo Yuno, Nobuyuki Soma, Syun Aburakawa, Kosuke Kasai, Toshiya Nakamura, Hideki Takami

掲載学術誌名

ALLERGOLOGY INTERNATIONAL

巻,号,項 未定

掲載年月日 未定

参照

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