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認知疲高齢者と家族とのかかわり

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Academic year: 2021

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1. はじめに

; 対 象 と 方 法 3.事例による研究

諺 土 論 文 抄 録 集 第1 (2006)

認知疲高齢者と家族とのかかわり

社会資源の受容拒否する高齢者の事例一

4.まとめと今後の課題 5.謝辞

.はじめに

峰 恵 美 子

認知症高齢者に限らず多くの高齢者の家族は在宅介護を望んでいて,認知症高齢者本人は中 核症状に伴い周辺症状が出現し一人で生活するのが困難になり,家族に大きな負抱を強いるこ

とになるため,家族だけで対処するには限界がある。在宅介護は家族に頼るか。社会資漉に るか。あるいは両方に頼るかに選択される。

本研究は,認知症高齢者の家族による介識における文化社会的な缶鐘の暮蕗を詰まえ あり,介護課険制度などの手Ij用は望まない。そのケースについて認知症高幹者の生活史をた

り在宅介護の役割と認知疲高齢者の適切な分譲とは向かを検討し,問題の所在することを 目的とする。

人 ‑

保鷺,揺社にかかわる専門職に対しては,

を支援することの重要性を示唆すること

2.対象と方法

対象を選択するにあたっては,自分史を書きた 織:女性)を対象とした。

「生活史」を考慮して,本 ると考える。

く日常会話に支障がないAさん(関

に必ずみられる記憶障害を中心とした,中核症状そアセスメントする方法には,禁需 と観察式の2通りあるが, Aさんは,質問式の生年月日が分かるという条件に溝たないため,

C1inical  Dementa Ratig  (C D R)N式老年者用居常生活活動動作能力評缶尺度 (N‑A DL)の観察式にて実施した。(結果は加に詳述したので今回は略す)

方法は20045月より, Aさんの生活史をテープに吹き込んだ。録音したテープを関かせ ると f生まれて初めて自分の声を聞いたj と喜んでいた。 8月よりテープ内容と本人の書いた ノートそ整理して. 11月より内容確認と問題提起した。 20053月は文献資料などを参考に

し,周辺症状が軽減され心理的安定がみられた5月で終結した。

3. 事例による検討

幼少時代より洗濯・束JIし物・藁むしろを織る。 1932年に18識で結婚するが夫に多額の措金

45  ‑

(2)

認知議長高齢者と家族とのかかわり

があり,夫は賭け事が貯きで病弱で仕事をしないため替わりに日麗い仕事をしていた。戦後は 農地改革で回;慣を得て耕し4人の子供を育てた。

19739月に夫は病死し,その後は長男夫婦と農業に従事し生活してい

2000

z

月に肺疾患などで入院し一命をとりとめたが,以後過換気症候群を発症しては入 退院を繰り返した。そのため 危ないからと自卦からガスの長期はしないで 抱の家事一般そ 行い,野菜を作り,家の開りなどの草取り,裁鑓を生きがいに毎日を過ごしていた。

2001年の夏ごろ長男が胃癌を手錯した後,体調不良のため山のりんごの木を全部切り,自 宅から近い田ん廷を減反してりんごの木を植えたことで Aさんは大きな衝撃を受けた。この 秋ごろから,昔の苦労話しを繰り返すなどの愚痴が多くなり 長男夫婦との折り合いが悪くな った。

2003S月に歩行菌難となり入院するが子供の♂見分けも付かなくなり ひどい物忘れ・

幻視・作話などがみられた。(要介護度:1)  8月に他の入院患者との対人関係を嫌い希望退院 して,息子・娘の家を数カ丹ずつ行ったり来たりの選択的同居をした。何処にいても「家に掃 りたいJ 死にたしりと何度も叫ぶため その時々の介護者は身体的・心理的負担に体調を崩 し,何度もヂイサービスなどの利用を試みたが 泣く・騒ぐなど興奮状惑となり過換気症候群 を発症したので施設入所などの話しは禁句となった。 Aさんの息子・娘にとって介護経験は初 めてで,認知症に対する知識もなくどうしたらいいか菌っている内に周辺症状は進行し,また 射の失敗をするという繰り返し状況であった。

2004年日月より止む得ずグループホームに入所するが,そこで「もの盗られ妄想Jなどが 出現し周辺症状は一露悪化した。(要介護度:3)  20054月に長女宅に転属した後は癒状が いくらか軽減された。家援の心理状態の変化は(表 1)のとおりである。

1 認知症高齢者の家族心理

後期 20054

と心が落ち若くことが

4. まとめと令後の課題

‑党守り

・額聴

・認知痕の正しい知識 の提供

‑社会資源の提供

認知症高幹者を在宅介護する家族の膚待や撚えつきが問題となり 介護負担の研究などが模 されてきた。しかし なぜそのような状況で在宅介護を継続しながち「社会資源を活用しな いのか」の研究はあまりされていない。その要因が認知症高齢者の生活史が影響しているので

‑ 46 

(3)

弘前学説大学大学院社会福祉学研究科修士論文抄議集第 1号 (2006)

はないかと仮説を基に考察した。

先行文較では関谷ら1)は「介護は豊かな生活史に裏付けられた日常生活的行動特徴を知り,

援助する鍵を見つけることは 援助の夜、訣の宝障でるるj と述べている。また小揮幻は「周 辺症状の成り立ちを解明するには 認知症という嬬を生きる一人ひとりの生き方や生活史,現 在の暮らしぶりが透けて見るような見方が必要になるJと述べている。また,113)

史を聴取ことにより 「再びもとの生活に民ることが可能になったJと治療的効果もあること 恐述べている。

今自の事例は,認知症高齢者の生活史聴取により社会資源の受容拒否する要因を探玖分析 して先行文献に基づい した結論は,認知痘高齢者は 出現在の社会資源の内容を説明す るが否定的に捉えられる可能性がある。 (2)説明の仕方によっては周辺症状の進行を増強させる 可能性がある。 (3)生活史を語ってもらうことにより その中から生きがいを見つける可能性が

~る。以上のことから本研究は意義があったと考える。ただし, (1)(2)については,年齢と平行 して多くなる傾向があると推測される。

また,今自の事例は,幸い介護家族が可能なために在宅分譲が継続できた。しかし,

勢の変化や高齢者が増加し,それに伴い在宅介護での認知症高齢者も増加韻向にある。 r夫婦 のみの世帯jや「単猿設帯jの増加が著しい現状で 認知症高齢者の在宅介護は盟難をきたす

ことが予測される。

私たちは問題行動が起きてから対策を考えることが多いが 認知症高齢者の生活史を知り 極的に対応することにより,おのずと開題行動は減少するのではないと考える。しかし,

20054月から間入構報保護法が制定され,施設などで生活史の把握は困難な状況である。

亙療,保健,福社にかかわる専門職は 個々を尊重した介護を実践するためにも生活史は重要 であると考え

社会資源を最大限に活思し,家族が余硲を持って介護することで認知症高齢者も心理的に安 定し,期辺症状が少なくなると考えたが 社会資源を受容拒否する理告が「生活史jより戦前 戦後の物資難という時代背景と糞しく閤備した捧験背景が根強く残っていたためか,ヂイサー ピスなどの利用を勧めると,泣く・騒ぐなどの興奮状態になり 過換気症挟群を発症したため 社会資源の受容は難しいと考えた。しかし,時代の進化に伴い,高齢者の生活滴応認識も変化

していくものと推定される。

今後,忽激な高齢化の進展に対して,家放だけでなく介護の社会化が…段と必要とされるな かで, このような社会資源を拒在する高齢者にどう対処したらよいかが課題となった。

5.謝 辞

最後に,今回,研究に同意してい 長期間にわたり生活史を語って下さったAさんに 深く感謝いたします。また,

皆様方に惑諜申し上げます。

による研究として快く了解いただきご協力下さったご家族の

また,研究をまとめるにあたりご指導いただ、きました話国先生をはじめ 斎藤先生および諸 先生,大学院生の箸様に心よりおきし申し上げます。

‑ 47 

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認知症高齢者と家族とのかかわり

※この研究にあたってAさんとご家族の了解を得て実施した。また,本研究以外には使用しな いことを約束した。

引用文献

)関谷栄子,落海文子・新井幸恵・柴生田美重:

痴呆性高齢者を世話する家按の介護継続・介護肯定要閣の検討

Yさんのヂイサーピス連絡軽の分析を通して一「白梅学園短期大学紀要J41, 2005, p29  2)小樺勲、: とはfnJか,岩波書届, 2005, p24 

3) JII島みどり:者護の癒しーそのアートとサイエンスー看護治療への道,看護の科学社, 200 1 p61 

48 

参照

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