明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之*日本文化学科教授中古・中世文学︑和歌文学 ︵神 ﹁たれまつ﹂と作る︒独自本文︒ *︵内︶は︑﹁小簾の戸に﹂が﹁よ﹂とも読める︒また︑他本﹁たれあふ﹂を ︵内︶小簾のまつ奉らん ︵静︶﹂ *︵三︶は﹁みす﹂と作る︒独自本文だが︑おそらく誤読に基づくか︒ ︵三︶みす ︵書︶たれ逢中 ︵祐︶とたれ逢 ︵島︶とたれ逢
*︵神 1︶待中
︵神 *︵続内︶は他本﹁名よ﹂とあるのに﹁名に﹂と作る︒﹁よ﹂と﹁に﹂の混同か︒ ︵続内︶とにたれ祭る ︵続書︶とたれ祭る ︵続︶とたれ祭る 1︶も︵内︶と同じく﹁たれ待﹂と作る︒ 2︶とたれ祭る
右 寒草嵐︵国︶ いとひこし春 の嵐 の冬にきて又 花ちらす雪のあさちふ︵大︶ 吹 に花さく霜*︵大︶は︵明︶がミセケチをした本文をとる︒︵ノ︶ ふくに花咲 霜*︵ノ︶は︵大︶と同文︒これで確定︒︵ノ︶=︵大︶系︒︵彰︶ ふくに花さく霜︵明︶ いとひこし春 の嵐 の冬にきて又 花ちらす雪のあさちふ*︵明︶は﹁﹁ふくに花さく霜﹂ミセケチ﹁又 花ちらす雪﹂﹂
明 星 本 ﹃ 正 広 自 歌 合 ﹄ の
本 文 と 校 異 ︵
2
︶
前 田 雅 之
*二、明星本﹃正広自歌合﹄の翻刻と校異︵承前︶
前稿︵﹁明星本﹃正広自歌合﹄の翻刻と校異︵
異を掲げる︒ は︑﹁秋冬﹂の六一番〜一二〇番︑﹁恋雑﹂一番〜一二〇番︶の翻刻と校 1︶﹂を受けて︑本稿で 六十一番左 簾葵︵国︶ こすの戸にかくる二葉の草の名よ誰 あふ中に神まつるらん﹂︵大︶ こ は 逢 む*︵大︶は﹁こすのと﹂が﹁こすのこ﹂と読める︵ノ︶ と たれ逢 中︵彰︶ たれ逢 中︵明︶ こすのとにかくる二葉の草の名よたれ逢 中に神まつるらん︵伊︶ と たれ逢
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明星大学研究紀要︻人文学部・日本文化学科︼第二十三号 二〇一五年
六十二番左 盧橘﹂︵ノ︶︵国︶ 風ふけは一村 薄 たち花 にこぬ秋まねく袖のかそする︵大︶ 吹 は すゝき 香︵ノ︶ すゝき橘 香︵彰︶ すゝき橘 香︵明︶ 風ふけは一村 薄 橘 にこぬ秋まねく袖のかそする︵伊︶ 橘︵島︶ むらすゝき橘 ﹂︵祐︶ むらすゝきたちはな ﹂︵書︶ 香︵三︶ 吹 は*︵三︶=︵静︶=︵国︶︒︵静︶︵内︶ むらすゝき橘︵神
︵神 ︵続内︶吹はむら橘来香﹂ みにくいための措置か︒ *︵続書︶は﹁橘に﹂の﹁に﹂にミセケチ﹁に﹂と傍書︒最初の﹁に﹂がやや読 ︵続書︶吹はむら橘来香 ︵続︶吹はむら橘来香 1︶橘 2︶吹はむら橘来香 右 冬山︵神
︵大︶白く ︵国︶霜しろく先色かへて槙ひはらつれなき山も木枯の声 1︶︵彰︶ ︵神 う考えるべきか︒ *︵内︶は︵大︶と同じ︒︵明︶によって改められた前の本文を示す︒これをど ︵内︶吹に花さく霜 か︒先祖返り︒これは︵大︶までに戻ったか︒ *︵静︶は﹁又花ちらす雪﹂にミセケチ﹁ふくに花さく霜﹂と傍書︒但し︑別筆 ︵静︶ *︵三︶=︵静︶=︵国︶︒ ︵三︶ ︵書︶・︵明︶ともに︵大︶をここで改編︒ *︵書︶は﹁ふくに﹂に傍線﹁又﹂︑﹁さく霜﹂に傍線﹁ちらす雪﹂と傍書︒ ︵書︶又花ちらす雪の浅 ︵祐︶はるのあらしまた花ちらす ︵島︶はるのあらしまた花ちらす は﹁花ちらす雪﹂ *︵伊︶は︵明︶のミセケチによって消された﹁霜﹂をそのまま写したか︒︵明︶ ︵伊︶又花ちらす霜 を反映しているからに他ならない︒ *これをみると︑︵国︶は︑︵明︶の後に成立したこととなる︒︵明︶の訂正箇所
*︵神 1︶吹に花さく霜
︵神 ︵続内︶あらし来吹に花さく霜浅茅生 ︵続書︶あらし来吹に花さく霜浅茅生 いうことか︒ *︵大︶・︵内︶・︵明︶の原文と同じく﹁吹に花咲く霜﹂と作る︒︵内︶と同じと ︵続︶あらし来吹に花さく霜浅茅生 1︶・︵内︶は﹁吹に花さく﹂と作る︒︵大︶と同文︒ 2︶あらし来吹に花さく霜浅茅生
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 ︵内︶みね白 ︵静︶也 ︵三︶也 ︵書︶也さくら白 ︵祐︶さくらみね ︵島︶さくら ︵伊︶也 ︵明︶うつりきて卯花山にかゝる也春は桜に嶺のしら雲﹂︵三六オ︶
*︵続内︶は︵神 ︵続内︶移り来のしら雪 訂か︒ *︵続書︶は﹁しら雪﹂の﹁雪﹂にミセケチ﹁雲﹂と傍書︒︵内︶系を見ての校 ︵続書︶移り来の ︵続︶移り来の 1︶也みね
︵神 ったか︒ 2︶と同じく﹁しら雪﹂と作る︒︵続︶系はこれが本来の形だ
*︵神 2︶移り来の雪 ることを思わせる︒おそらく同一本である︒ 2︶は﹁雪﹂とするが︑題と合わない︒︵続書︶との共通祖本が同一であ
右 原雪﹂︵国︶︵内︶︵静︶︵三︶︵国︶ たか中そ秋かせさはく真 葛原 恨 は晴 てつもる雪かな︵大︶ 誰か 風 まくすはらうらみ︵ノ︶ 誰か 風 まくす はれ︵彰︶ 風 まくす うらみ はれ 哉︵明︶ たか中そ秋風 さはくまくす原 うらみははれてつもる雪哉 ︵ノ︶ 真木檜 原 こゑ︵彰︶ 真木檜 原 からし︵明︶ 霜しろく先 色 かへて真木檜 原つれなき山も木枯 のこゑ︵伊︶ 真木檜 原 ﹂︵島︶ まついろ 真木檜 原 からしのこゑ︵祐︶ まつ 真木檜 原 からしのこゑ︵書︶ 檜 原 ﹂︵三︶ こゑ︵静︶ こゑ︵内︶ こゑ︵神
︵神 *︵続内︶は﹁難面﹂に﹁本ノマヽ﹂と傍書︒﹁つれなき﹂と読めなかったか︒ ︵続内︶まつえ檜原難面山こゑ ︵続書︶まつえ檜原難面山﹂ ︵続︶まつ檜原難面山 1︶檜原こゑ
*︵神 2︶まつえ檜原難面山﹂ の︑書き損じか︒ 2︶は﹁槿︵歟︶﹂にミセケチ﹁槙﹂︑おそらく﹁槙﹂と書こうとしたもの 六十三番左 夏雲﹂︵大︶︵内︶︵国︶ うつりきて卯 花山にかゝるなり春は桜 に嶺 のしら雲﹂︵大︶ うの花 也 さくら︵ノ︶ る 峯*︵ノ︶は﹁かゝるなる﹂と作る︒︵大︶・︵明︶は﹁也﹂を﹁なる﹂と読んではないと思われるから︑書き損じか︒︵彰︶ 也 さくら 峯 くも
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明星大学研究紀要︻人文学部・日本文化学科︼第二十三号 二〇一五年
︵内︶ 中 とふ︵神
︵神 ︵続内︶中いりかな﹂ ︵続書︶中いりかな ︵続︶中いりかな 1︶内かな 2︶中いりかな 右 古寺雪﹂︵彰︶*︵彰︶は﹁寺雪﹂と作る︒︵国︶ 法 師のはらふとみれは笠 き寺 松になたるゝ雪の山 風︵大︶ 法の師 かさきてら かせ︵ノ︶ かせ﹂*︵ノ︶は﹁法の師﹂が︵大︶と同一︒︵彰︶︵明︶ 法 師のはらふとみれは笠 き寺 松になたるゝ雪の山 かせ︵伊︶ かせ︵島︶ き かせ︵祐︶ 見 かさきてら やまかせ︵書︶ かせ︵三︶ 見 木 かせ︵静︶*︵静︶は﹁松になたるゝ﹂の﹁るゝ﹂に﹁けしイ﹂と傍書︒つまり︑﹁なたけし﹂か︒但し︑今のところ︑この本文ももつ伝本はない︒︵内︶ 見 着 かせ︵神
︵続︶のかさ 1︶見かせ ︵神 ︵内︶風うらみはれ積る哉 ︵静︶まくす哉 ︵三︶まくすはれ哉 ︵書︶風うらみ哉 ︵祐︶風まくすはらうらみはれ哉 ︵島︶風まくすうらみはれ ︵伊︶風まくすうらみはれ哉
︵神 ︵続内︶風はれ積る ︵続書︶風はれ積る ︵続︶風はれ積る 1︶誰か風うらみはれ哉 2︶風はれ積る 六十四番左 蛍近飛﹂︵島︶︵祐︶︵国︶ ぬるかうちに入 きて閨 の火をとるやともすは消 て飛 蛍 哉︵大︶ 取 や とふ︵ノ︶ 内 かな︵彰︶ とふ かな︵明︶ ぬるか内 に入 きて閨 の火をとるやともすは消 て飛 蛍 哉*︵明︶は︑﹁﹁と﹂と﹁す﹂の間に﹁も﹂と傍書﹂︒︵伊︶ 内︵島︶ ねや きえ かな︵祐︶ ねや きえ ほたるかな︵書︶ 取 や かな︵三︶ とふ かな︵静︶
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵明︶くらき夜に後のむくひを先しるや網代もる身をうつ霰哉﹂ ︵彰︶くら *︵ノ︶は︵大︶他﹁むくひ﹂を﹁むくゐ﹂と作る︒書き損じか︒ ︵ノ︶くらゐかな ︵大︶くらあしろ
︵三六ウ︵伊︶︵島︶ くら ﹂ かな︵祐︶ くら ﹂ あられ︵書︶ くら ﹂︵三︶ くら 知るや︵静︶ くら 知 や ﹂︵内︶ くら 知 や︵神
︵神 ︵続内︶まつ守身打霰かな ︵続書︶まつ守身打霰かな ︵続︶まつ守身打霰かな 1︶くら守身 2︶まつ守身打霰かな
六十六番左 納涼﹂︵大︶︵国︶ 松 かもと扇 は風の泉 にて涼 しく匂 ふ庭の遣 水*︵国︶は他本の﹁むかふ﹂に対して﹁匂ふ﹂と作る︒最終形態か︒それとも︑﹁向﹂と﹁匂﹂の混同︵誤写︶か︒﹁涼しく匂ふ﹂は新古今時代に少し流行る︒﹁涼しく向ふ﹂も同時にあるが︑ここは最終形態と考えるのがよいか︒誤写の可能性が高いか︒︵大︶ あふき すゝしく向 やり ︵続書︶ の かさ︵続内︶ の かさ︵神
2︶のかさ 六十五番左 滝辺蟬︵神
︵神 ︵内︶こゑ白布お ︵静︶すゝ ︵三︶こゑ布はころも ︵書︶こゑすゝ布羽 ︵祐︶すゝたきいと布せみころも ︵島︶すゝ布せみころも ︵伊︶すゝ白布羽﹂ ︵明︶声涼し滝の白糸布引にをりつゝくるや蟬の羽衣 ︵彰︶すゝ白ころも ︵ノ︶すゝ白布羽 ︵大︶すゝ白布ころも ︵国︶声涼し滝のしら糸ぬの引にをりつゝくるや蟬のは衣 1︶
︵神 ︵続内︶布降つせみはころも ︵続書︶布織つはころも﹂ ︵続︶布織つはころも 1︶こゑすゝ白布 2︶布織つはころも﹂ 右 網代霰︵国︶ 闇 き夜に後のむくひを先 しるや網 代もる身をうつ霰 哉﹂*︵国︶は﹁夜に○む﹂とあり︑○の箇所に﹁後の﹂と傍書︒親本のままか︒
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明星大学研究紀要︻人文学部・日本文化学科︼第二十三号 二〇一五年
︵三︶ うらみ 覧︵静︶︵内︶ こゝろ︵神
︵神 ︵続内︶もの ︵続書︶もの ︵続︶もの 1︶うらみ 2︶もの 六十七番左 新樹︵国︶ 草も木もひとつにしける色そこき空 は緑 の天 のかく山︵大︶ 茂 る︵ノ︶ あま︵彰︶︵明︶ 草も木もひとつにしける色そこき空 は緑 の天 のかく山︵伊︶︵島︶ そら みとり やま﹂︵祐︶ そら みとり やま﹂︵書︶ みとり︵三︶ そら︵静︶︵内︶︵神
︵続内︶茂るみとりあま ︵続書︶茂るみとりあま ︵続︶茂るみとりあま 1︶みとり ︵神 ︵内︶本むかやり﹂ ︵静︶本いつみ向 ︵三︶本いつみ向かやり ︵書︶本いつみすゝむかふ ︵祐︶あふきいつみむかやり ︵島︶あふきいつみむか ︵伊︶むか ︵明︶松かもと扇は風の泉にて涼しくむかふ庭の遣水 ︵彰︶むかやり ︵ノ︶むかやり
︵神 ︵続内︶まつ下あふきいつみむかやり﹂ ︵続書︶まつあふきいつみむかやり ︵続︶まつあふきいつみむかやり 1︶本むかやり 2︶まつあふきいつみむかやり 右 歳暮﹂︵三︶︵彰︶︵国︶ 春をまつ人の心 を恨 てや世はうき物 と年の行らん︵大︶ 待 うらみ︵ノ︶ うらみ︵彰︶ うらみ︵明︶ 春をまつ人の心 をうらみてや世はうき物 と年の行らん︵伊︶ うらみ︵島︶ こゝろ うらみ もの︵祐︶ こゝろ うらみ もの︵書︶ うらみ
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 *︵続内︶は﹁谷をうめ﹂の﹁め﹂が﹁も﹂に見える︒ ︵続内︶常磐るらん *︵続書︶は﹁嵐﹂に﹁ひとつ﹂と傍書︒︵内︶と同文︒ ︵続書︶常磐いるらん﹂
2︶常磐いるらん﹂ 六十八番左 郭公何方﹂︵国︶︵静︶︵国︶ 郭 公いつれの雲そ山 ひこに二 声 過 る村 雨 の空︵大︶︵ノ︶ ほとゝきす むら そら*︵ノ︶は﹁過る﹂の﹁る﹂にミセケチのようなものがある︒とすれば︑﹁過雨﹂と記したかったか︒理由は今のところ不明︒︵彰︶ ほとゝきす こゑすくるむら︵明︶ ほとゝきすいつれの雲そ山 ひこに二 声 過 る村 雨 の空﹂
︵三七オ︵伊︶ ほとゝきす そら︵島︶ ほとゝきす こゑ むら そら︵祐︶ ほとゝきす やまひこ こゑすくるむらさめ︵書︶ ほとゝきす こゑすくる︵三︶ むらさめ そら︵静︶ そら︵内︶ の こゑ むら*︵内︶は他本﹁やまひこに﹂を﹁やまひこの﹂と作る︒独自本文︒︵神
*︵続︶は﹁やま彦と﹂の﹁と﹂に﹁のイ﹂と傍書︒異本は︵内︶と同じ︒ ︵続︶彦とむらさめそら 1︶時鳥ふたこゑむらさめ ︵神 2︶茂るみとりあま 右 落葉﹂︵神
︵神 *︵内︶は︵大︶︵明︶︵国︶等本﹁嵐に﹂を﹁ひとつに﹂と作る︒独自本文︒ ︵内︶常葉ひとつにるらん ケチ﹁る﹂と傍書︒前者は単なる誤写だが︑後者は校訂︑先祖返りか︒同筆か︒ *︵静︶は﹁谷の﹂の﹁の﹂にミセケチ﹁を﹂︑﹁山やなりなん﹂の﹁り﹂にミセ ︵静︶ *︵三︶は﹁嶺も﹂が脱字︒ ︵三︶××るらむ ︵書︶常は峯る *︵祐︶は︵島︶の﹁谷のうめ﹂を意味から﹁谷をうめ﹂に変えたか︒ ︵祐︶あらしみねるらむ *︵島︶は﹁谷のうめ﹂と作る︒誤読か︒ ︵島︶あらしのみねるらん ︵伊︶峯るらん﹂ ︵明︶ときは木も嵐にちらは谷をうめ峯もたひらに山やなるらん ︵彰︶成らん ︵ノ︶あらし峯るらん ︵大︶成らん *︵国︶は末句を﹁なりなん﹂と作る︒他本は﹁なるらん﹂︒最終形態か︒ ︵国︶ときは木も嵐にちらは谷をうめ嶺もたひらに山やなりなん 1︶︵ノ︶
*︵神 1︶ひとつにるらん
*︵続︶は﹁嵐﹂に﹁ひとつイ﹂と傍書︒異本は︵内︶と同じ︒ ︵続︶常磐いるらん 1︶は﹁ひとつに﹂で︵内︶と同文︒
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明星大学研究紀要︻人文学部・日本文化学科︼第二十三号 二〇一五年
︵神
2︶打払らふあらはれ墨てら 六十九番左 月前蛍﹂︵大︶︵島︶︵祐︶︵国︶ さらしなやなくさめかねし思 ひかも月影 みれは行 ほたる哉︵大︶ × ゆく かな︵ノ︶ 蛍 かな︵彰︶ 蛍 かな︵明︶ さらしなやなくさめかねし思 ひかも月かけみれは行 蛍 哉︵伊︶ かけ 蛍︵島︶ かけ 蛍 かな︵祐︶ おもひ かけ ゆく かな︵書︶ おもひ 蛍 かな︵三︶ × 見 蛍 かな*︵三︶=︵静︶=︵内︶︒︵静︶ × 蛍 かな︵内︶ 見︵神
︵神 ︵続内︶おもひ ︵続書︶おもひ ︵続︶おもひ 1︶見蛍 2︶おもひ
右 古寺冬月﹂︵三︶︵国︶ 寺ふりぬ誰 もむすはて月ひとり水なき池 に氷をそしく︵大︶ 古 ぬ いけ︵ノ︶ たれ ︵続書︶ 彦 と むらさめ そら*︵続書︶は﹁山彦と﹂の﹁と﹂に﹁の﹂と傍書︒︵内︶と同文︒︵続内︶ 彦 と むらさめ そら﹂︵神
*︵神 2︶彦にむらさめそら してこうなったか︒不明︒偶然か︒ 2︶は﹁山彦に﹂とする︒他本と同じ︒ほぼ︵続書︶に等しいのに︑どう 右 古寺夕雪﹂︵彰︶︵国︶ うちはらふ袖に夕 は顕 てすみ染 うすき雪のふる寺︵大︶ あらはれ 薄 き 古︵ノ︶ 打 は あらはれ 墨 染︵彰︶ あらはれ 墨︵明︶ うちはらふ袖に夕 はあらはれて墨 染 うすき雪の古 寺︵伊︶ あらはれ 墨 古︵島︶ あらはれ 墨 古︵祐︶ ゆふへ あらはれ そめ 古︵書︶ あらはれ 墨 ﹂︵三︶*︵三︶=︵国︶︒︵静︶ 古︵内︶ の あらはれ 墨 古*︵内︶は他本﹁袖に﹂を﹁袖の﹂と作る︒︵神
︵続内︶打はあらはれ墨てら ︵続書︶打払らふあらはれ墨てら ︵続︶打払らふあらはれ墨てら 1︶あらはれ墨
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 ︵内︶ *︵静︶=︵国︶=︵内︶︒ ︵静︶﹂ ︵三︶蚊ひ ︵書︶いつはり蚊遣 ︵祐︶いつはりなみたやと蚊遣 ︵島︶いつはりなみた蚊遣 ︵伊︶いつはり蚊遣﹂ ︵明︶いつはりのありとふすふる妻ならて涙袖せく宿の蚊遣火
︵神 ︵続内︶蚊遣﹂ ︵続書︶蚊遣﹂ ︵続︶蚊遣 1︶いつはり蚊遣 2︶蚊遣﹂ 右 暁爐火﹂︵彰︶︵国︶ 寒 わふるうき身にいつかむかひみん其 暁 のうつみ火のかけ︵大︶ 向 み︵ノ︶ さえ 埋 火︵彰︶ さえ その︵明︶ さえわふるうき身にいつかむかひみん其 暁 の埋 火のかけ﹂
︵三七ウ︵伊︶ さえ 埋︵島︶ さえ ﹂そのあかつき 埋︵祐︶ さえ ﹂そのあかつき 埋︵書︶ む 埋 火 ︵彰︶ たれ 敷︵明︶ 寺ふりぬたれ もむすはて月ひとり水なき池 に氷をそしく︵伊︶ たれ︵島︶ たれ*︵島︶は﹁ひひとり﹂の最初の﹁ひ﹂にミセケチで月と傍書︵祐︶ たれ︵書︶ たれ︵三︶*︵三︶=︵静︶=︵国︶=︵内︶︒初期から最終段階まで変わらなかったということだ︒︵静︶︵内︶ ﹂︵神
︵神 *︵続内︶は﹁たれ﹂の﹁た﹂は何かを消して上書き︒ ︵続内︶たれ *︵続書︶は﹁氷をく﹂の﹁く﹂にミセケチ﹁そ﹂と傍書︒書き損じ故だろう︒ ︵続書︶たれ ︵続︶たれ 1︶たれ結は
*︵神 2︶たれ 2︶は﹁たれ﹂の﹁れ﹂︑﹁氷をそ﹂の﹁そ﹂が読みにくい︒ 七十番 左 蚊遣火︵神
︵彰︶いつはり蚊遣 ︵ノ︶いつはり蚊遣﹂ ︵大︶いつはり有とやと蚊遣 ︵国︶偽のありとふすふる妻ならて涙袖せく宿のかやり火﹂ 1︶
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しうる︒︵書︶︵三︶︵静︶︵内︶︵神
︵神 ︵続内︶ ︵続書︶ ︵続︶ 1︶
︵神 ︵内︶ ︵静︶々× 自本文︒他例なし︒蛍が二度使用されているから︑誤写か︒ *︵三︶は﹁あはさりし世ゝの蛍の思かも岩もる水によるのほたるは﹂という独 ︵三︶蛍の思かもほたるは ︵書︶おもひ ︵祐︶おもひほたるひかり ︵島︶おもひほたる ︵伊︶ ︵明︶あはさりし世ゝの思ひの蛍かも岩もる水によるの光は ︵彰︶ ︵ノ︶おもひひかり ︵大︶よゝほたる ︵国︶あはさりし世ゝの思ひの蛍かも岩もる水によるの光は 2︶
︵続︶夜々おもひ 1︶ひかり ︵神 *︵内︶は他本﹁わふる﹂を﹁にふる﹂と作る︒独自本文︒ ︵内︶に ︵静︶影 *︵三︶=︵国︶︒ ︵三︶
︵神 ︵続内︶さえ侘るその埋もと *︵続書︶は﹁もと﹂に﹁かけ﹂と傍書︒異本は︵内︶と同文︒ ︵続書︶さえ侘るその埋もと *︵続︶は文末﹁もと﹂に﹁かけイ﹂と傍書︒異本は︑︵内︶他他本と同じ︒ ︵続︶さえ侘るそのもと 1︶見あかつき埋影
*︵神 2︶さえ侘る埋もと もと末句は﹁もと﹂なのだろう︒ 2︶は﹁むかひせん﹂の﹁せ﹂にミセケチ﹁み﹂と傍書︒︵続︶系はもと 七十一番左 水上蛍︵国︶︵大︶︵ノ︶︵彰︶︵明︶︵伊︶︵島︶ ×*︵島︶は誤写か︒︵祐︶ ×*︵祐︶は︵島︶をそのまま承けた︒つまり︑︵祐︶は︵島︶を写した本と見做
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神
2︶ちかく雪 七十二番左 夕立﹂︵大︶︵国︶ くもりきて過行庭の夕 立 をしくれにつくる軒の松 風︵大︶ 時 雨 告 る︵ノ︶ 曇 り 時 雨︵彰︶ 時 雨 まつかせ︵明︶ くもりきて過行庭の夕 立 を時 雨につくる軒の松 風︵伊︶ 時 雨 かせ︵島︶ ゆふ 時 雨 ﹂︵祐︶ ゆふたち 時 雨 かせ﹂︵書︶︵三︶ 来 かせ︵静︶*︵静︶=︵国︶︒︵内︶ 時 雨 つもる かせ*︵内︶は他本﹁つくる﹂を﹁つもる﹂と作る︒︵神
︵神 ︵続内︶曇り﹂ *︵続書︶は﹁つくる﹂の﹁く﹂に﹁も﹂と傍書︒異本は︵内︶と同文︒ ︵続書︶曇り *︵続︶は﹁つくる﹂の﹁く﹂に﹁もイ﹂と傍書︒異本は︵内︶と同じ︒ ︵続︶曇り 1︶時雨かせ 2︶曇り 右 雪﹂︵国︶︵静︶︵神
1︶︵三︶︵彰︶ ︵神 ︵続内︶夜ゝおもひ ︵続書︶夜ゝおもひ
2︶夜ゝおもひ 右 遠山雪︵国︶ 九重にしらぬとこよを日にそへて遠 よせくる嶺の白 雲*私家集大成は﹁を﹂と読むが︑おそらく﹁遠﹂と書こうとしたのではないか︒末句﹁雲﹂にしても︑最終形態か︒﹁遠く﹂だから﹁雲﹂となる︒他本は﹁近く﹂﹁雪﹂︒︵大︶ 近 く 雪︵ノ︶ ちかく しら雪︵彰︶ ちかく 雪︵明︶ 九重にしらぬとこよを日にそへてちかくよせくる嶺のしら雪︵伊︶ ちかく 雪︵島︶ ちかく しら雪︵祐︶ ちかく しら雪︵書︶ ちかく 雪﹂︵三︶ 遠 く 雪*︵三︶は︵国︶と同文のはずであった︒﹁遠く﹂で一致する︒︵静︶ 近 × 雪*︵静︶は︵大︶・︵明︶と同じ︒︵国︶とは異なる︒︵内︶ ちかく 雪︵神
︵続内︶ちかく雪 ︵続書︶ちかく雪 ︵続︶ちかく雪 1︶ちかく雪
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︵国︶ なく蟬 を時 雨にきけは枝 たはに雪をなひかす鷺 そむれゐる︵大︶ 鳴 蟬︵ノ︶ 鳴 蟬 の*︵ノ︶は﹁鳴蟬の﹂の﹁の﹂が独自本文︒書き損じか︒︵彰︶ 啼 せみ︵明︶ 鳴 蟬 を時 雨にきけは枝 たはに雪をなひかく鷺 そむれゐる﹂ ︵三八オ︶︵伊︶ 鳴︵島︶︵祐︶ しくれ えた さき︵書︶ 鳴 蟬*︵書︶は﹁鳴蟬の﹂の﹁の﹂にミセケチ﹁を﹂と傍書︒︵三︶ しくれ︵静︶ しくれ︵内︶︵神
︵神 ︵続内︶鳴蟬しくれ ︵続書︶鳴蟬しくれ ︵続︶鳴蟬しくれ 1︶せみ 2︶鳴蟬しくれ
右 月前時雨﹂︵内︶︵国︶ 月に雲風にまかする空 はれてやすく世をふる村 時 雨哉︵大︶ 晴 て むら︵ノ︶ 晴 て むら かな︵彰︶ ︵国︶ 老か身よ冬はいつくもとこよ哉 頭 の雪に雪を重 て︵大︶ かなかしら かさね︵ノ︶ かなかしら かさね︵彰︶ 世 かしら かさね︵明︶ 老か身よ冬はいつくもとこよ哉 かしらの雪に雪をかさねて*︵明︶は﹁﹁冬は﹂の﹁は﹂は傍書﹂︵伊︶ かしら かさね ﹂︵島︶ かなかしら かさね*︵島︶は七二番右〜八二番左まで後半に移動している︒これについてはいずれ再検討したい︒︵祐︶ かなかしら かさね︵書︶ かなかしら かさね︵三︶ かしら かさね︵静︶ かしら︵内︶ さなから かしら かさね*︵内︶は他本﹁いつくも﹂とあるのを﹁さなから﹂と作る︒独自本文︒︵神
*︵神 1︶さなからかなかしらかさね
︵神 ︵続内︶かなかしらかさね *︵続書︶は﹁いつくも﹂に﹁さなから﹂と傍書︒異本は︵内︶と同文︒ ︵続書︶かなかしらかさね﹂ *︵続︶は﹁いつくも﹂に﹁さなからイ﹂と傍書︒異本は︵内︶と同じ︒ ︵続︶かなかしらかさね 1︶は﹁さなから﹂が︵内︶と同文︒ 2︶かなかしらかさね﹂ 七十三番左 夏鳥﹂︵内︶︵ノ︶
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 ︵内︶
︵神 ︵続内︶故 ︵続書︶故 ︵続︶故 1︶
︵神 ︵内︶ほとゝきす古 *︵静︶=︵国︶︒ ︵静︶ ︵三︶むかし声おそら ︵書︶にしき時鳥を *︵祐︶は﹁こゑのあやをる﹂とする︒︵島︶の﹁こゑのあやおる﹂を変えた︒ ︵祐︶にしきむかしほとゝきすさと ︵島︶にしきむかしほとゝきすお古そら ︵伊︶にしきほとゝきすお古里そら ︵明︶にしきたつ昔の人や時鳥こゑのあやおる古郷のそら ︵彰︶にしきむかし時鳥古そら る︶﹂でよい︒ *︵ノ︶は︵大︶と異なり︑﹁あやをる﹂とする︒仮名遣いとしては︑﹁おる︵織 ︵ノ︶にしきほとゝきすをさと ︵大︶むかし時鳥声お古 しい︒最終形態か︒ *︵国︶は他本﹁あやおる﹂を﹁あやをる﹂と作る︒仮名遣いでは﹁をる﹂が正 ︵国︶錦たつ昔の人や郭公こゑのあやをるふる郷の空 2︶故
︵続︶むかし時鳥声おさと 1︶ほとゝきす古 ︵神 ︵内︶晴て ︵静︶しくれ ︵三︶かな ︵書︶晴てかな ︵祐︶そらむら ︵島︶そらむらかな ︵伊︶かな ︵明︶月に雲風にまかする空はれてやすく世をふる村時雨哉
︵神 ︵続内︶むらしくれかな ︵続書︶むらしくれかな ︵続︶むらしくれかな 1︶ 2︶むらしくれかな 七十四番左 古郷郭公﹂︵島︶・︵祐︶︵国︶︵大︶ 故︵ノ︶︵彰︶︵明︶︵伊︶︵島︶︵祐︶︵書︶ 故︵三︶︵静︶
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︵国︶ かひなしや花 橘 を墨 のかに半 もてけつ袖 の上 かな︵大︶ すみ 香 うへ哉︵ノ︶ すみ 香︵彰︶ すみ うへ︵明︶ かひなしや花 橘 をすみの香に半 もてけつ袖 の上 かな︵伊︶ すみ 香 うへ哉﹂︵島︶ すみ 香 うへ︵祐︶ はなたちはな すみ 香 そて うへ︵書︶ すみ 香︵三︶ うへ*︵三︶は﹁花橘の﹂の﹁の﹂にミセケチ﹁を﹂と傍書︒書き損じによるか︒︵静︶ うへ︵内︶ すみ︵神
︵神 ︵続内︶たち花すみなかは *︵続書︶は﹁すし︵ゝ︶﹂の﹁し︵ゝ︶﹂にミセケチ﹁み﹂︒書き損じ故だろう︒ ︵続書︶たち花すみなかは﹂ ︵続︶立ち花すみなかは 1︶すみ 2︶たち花すみなかは﹂
右 滝辺時雨﹂︵三︶︵国︶ 雪 ちらすなちの太山の滝なみを雹になして降 時 雨哉︵大︶ ゆき み 浪 ふる︵ノ︶ 浪 しくれかな﹂︵彰︶ み ふる かな︵明︶ 雪 ちらすなちの太山の滝浪 を雹になして降 時 雨哉﹂︵三八ウ︶ ︵続書︶ むかし 時 鳥声 お さと︵続内︶ むかし 時 鳥越え お 里 そら﹂︵神
2︶むかし時鳥声おさと 右 寒閨霰﹂︵彰︶︵国︶ みかきもつ心 の玉を閨 の戸に知 や霰 の竹を打 声﹂︵大︶ しる うつ︵ノ︶ こゝろ しる うつ︵彰︶ と しる うつこゑ︵明︶ みかきもつ心 の玉を閨 のとにしるや霰 の竹をうつ声︵伊︶ と しる うつ︵島︶ こゝろ ねや と しる うつ︵祐︶ こゝろ ねや と しる あられ うつこゑ︵書︶ しる うつこゑ﹂︵三︶ しる あられ うつ*︵三︶は﹁竹の﹂の﹁の﹂にミセケチ﹁を﹂と傍書︒書き損じによるか︒︵静︶ あられ うつこゑ﹂︵内︶ しる うつこゑ︵神
︵神 *︵続内︶は他本﹁もつ﹂を﹁もり﹂と作る︒連想による書き損じか︒ ︵続内︶りしる ︵続書︶しる ︵続︶しる 1︶しるあられうつこゑ 2︶しる 七十五番左 橘薫袖﹂︵大︶︵神
1︶
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 ︵内︶川 ︵静︶
︵神 ︵続内︶ ︵続書︶ ︵続︶ 1︶川
︵神 *︵内︶は﹁かゝり火﹂と作る︒ ︵内︶嶋津かゝり﹂ ︵静︶ ︵三︶見り ︵書︶嶋津うへ影 ︵祐︶嶋津なみうへ見り ︵島︶嶋津篝 ︵伊︶嶋津篝影 ︵明︶嶋津鳥うき世を浪の上にみよ魚と水とに篝火の影 ︵彰︶嶋津うへり ︵ノ︶嶋津見り影 ︵大︶嶋津うへ篝火影 火﹂のはず︒ ﹁かゝり﹂と読むか︒﹁浪﹂が﹁かゝる﹂と捉えたか︒おそらくは本来は﹁かゝり *︵国︶は他本﹁篝火﹂とするに︑﹁かゝる火﹂と作る︒それとも︑これで ︵国︶しまつ鳥うき世を浪の上にみよ魚と水とにかゝる火のかけ 2︶
︵続書︶嶋津り陰 ︵続︶嶋津り陰 1︶嶋津見り ︵神 ︵内︶那知波ふるかな *︵静︶は︑﹁電﹂にミセケチ﹁雹﹂と傍書︒同筆か︒ ︵静︶浪雹ふるかな ︵三︶浪ふる ︵書︶浪 ︵祐︶浪﹂ふるしくれかな ︵島︶﹂しくれかな ︵伊︶浪
︵神 ︵続内︶那智波霙ふるかな ︵続書︶那智波霙ふるかな *︵続︶﹁霙﹂に﹁雹イ﹂と傍書︒異本は︵内︶他本と同じ︒ ︵続︶那智波霙ふるかな 1︶浪 2︶那智波霙ふるかな 七十六番左 夜河篝︵国︶︵大︶︵ノ︶ 川︵彰︶︵明︶︵伊︶︵島︶︵祐︶ 川︵書︶︵三︶
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︵ノ︶ ねむふる*︵ノ︶は﹁ねむふる﹂の﹁む﹂の下に﹁本ノママ﹂と傍書︒﹁む﹂が不要なことは分かっていたか︒︵ノ︶が見ていた︵大︶系の本に問題があったか︒︵彰︶ ちか︵明︶ 灯 にむかひてね ふる窓 ちかく又 かたふくや雪の村 竹︵伊︶ ちか 村︵島︶ ちか また︵祐︶ まどちか また たけ︵書︶ ちか︵三︶ 村︵静︶ 村︵内︶ われ壁に ちか 傾 く*︵内︶は他本﹁灯﹂を﹁われ壁﹂と作る︒独自本文︒︵神
*︵神 1︶われ壁にちか村
︵神 ︵続内︶ちか ︵続書︶ちか *︵続︶は﹁灯に﹂に﹁われ壁にイ﹂と傍書︒異文は︵内︶と同じ︒ ︵続︶ちか 1︶は︵内︶と同文︒﹁われ壁﹂が独自本文︒ 2︶ちか
七十七番左 雲外郭公﹂︵国︶︵静︶︵国︶︵大︶︵ノ︶*︵ノ︶=︵大︶︒ ︵続内︶ 嶋 津 × ﹂*︵続内︶は︵続︶系他本﹁かゝり火﹂とするが︑﹁り﹂が脱字︒︵神
2︶嶋津り陰 右 窓前竹雪﹂︵彰︶︵国︶*他本と題が異なる︒歌の内容からは﹁竹﹂があったほうがよい︒最終形態か︒︵大︶ ×︵ノ︶ ×︵彰︶ ×︵明︶ ×︵伊︶ ×︵島︶ ×︵祐︶ ×︵書︶ ×︵三︶︵静︶*︵静︶は︵国︶と同じ︒︵内︶ ×︵神
︵神 ︵続内︶× ︵続書︶× ︵続︶× 1︶× ︵大︶向ひちか ︵国︶灯にむかひてねふる窓近く又かたふくや雪のむら竹 2︶×
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 と作る︒独自本文︒ *︵内︶は他本︵大︶︵明︶系﹁ひとつ﹂︑︵国︶﹁おなし﹂とするのに︑﹁ともに﹂ ︵内︶河波ともにかよひち 同じ︒ *︵静︶は﹁おなし﹂にミセケチ﹁ひとつイ﹂と傍書︒異文は︵大︶・︵明︶系と ︵静︶河
*︵神 1︶河ほとゝきすともに嶋かよひち
︵神 じか︒ *︵続内︶は他本﹁にほの﹂とするのに︑﹁にほふ﹂と作る︒連想による書き損 ︵続内︶河波ほとゝきすひとつにほふかよひ路 *︵続書︶は﹁ひとつ﹂に﹁ともに﹂と傍書︒異文は︵内︶と同文︒ ︵続書︶河波ほとゝきすひとつにほ通路 *︵続︶は﹁ひとつ﹂に﹁ともにイ﹂と傍書︒異文は︵内︶と同じ︒ ︵続︶河波ほとゝきすひとつにほ通路 1︶は他本﹁鳰﹂とあるところを﹁嶋﹂に作る︒書き損じか︒
*︵神 2︶河波ほとゝきすひとつにほ通路 と傍書︒ 2︶は﹁通﹂が﹁辺︵へ︶﹂に勘違いされることを嫌って︑ミセケチ﹁通﹂ 右 初冬時雨︵神
︵明︶山風や紅葉の錦冬のきてはつるゝ糸を時雨にそみる *︵彰︶は﹁かつる﹂の﹁か﹂にミセケチ﹁は﹂と傍書︒別筆か︒ ︵彰︶紅葉にしき ︵ノ︶紅葉にしき ︵大︶紅葉にしき ︵国︶山風やもみちの錦冬のきてはつるゝ糸を時雨にそみる 1︶ ︵神 ︵内︶ ︵静︶ ︵三︶ ︵書︶ ︵祐︶ ︵島︶時鳥 ︵伊︶時鳥 ︵明︶時鳥 ︵彰︶時鳥
︵神 ︵続内︶ ︵続書︶ ︵続︶ 1︶時鳥 ︵三︶河ほとゝきす ︵書︶河時鳥かよひち ︵祐︶くもなみほとゝきすひとつかよひち﹂ ︵島︶ほとゝきすひとつかよひち﹂ ︵伊︶ほとゝきすひとつかよひち ︵明︶湊川雲しく浪の時鳥なかすはひとつ鳰のかよひち ︵彰︶時鳥ひとつかよひち ︵ノ︶ほとゝきすひとつかよひち ︵大︶みなと河時鳥ひとつかよひち 最終形態か︒ *︵国︶は他本︵︵内︶は﹁ともに﹂で独自だが︶﹁ひとつ﹂を﹁おなし﹂と作る︒ ︵国︶湊川雲しく浪の郭公なかすはおなし鳰の通路 2︶
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魚 のすむおもひこそあれしま津鳥いけるをはなつ浪そはかなき﹂ ︵三九オ︶*︵明︶は﹁こそあれ﹂の下に﹁をしらて﹂が消されている︒︵伊︶ こそあれ︵島︶ おもひこそあれ嶋*ここでも︵大︶は︵明︶が削除する原案を採用している︒︵大︶の本文の後︑︵明︶ができたと考えてよい︒︵祐︶ おもひこそあれ嶋︵書︶ 魚 のすむ思 ひをしらて嶋 つ鳥いけるをはなつ浪そはかなき*︵書︶は︵明︶が書き改めた最初の案︵思ひをしらて︶を採用︒︵三︶ ×*︵三︶=︵静︶=︵国︶︒︵静︶ ×*︵静︶は﹁思をしらて﹂の﹁をしらて﹂にミセケチ﹁こそあれ﹂と傍書︒先祖返りか︒︵大︶・︵明︶と同じ︒︵内︶ 津 波 かなしき*︵内︶は﹁おもひをしらて﹂と︵国︶と一致するものの︑末句が﹁かなしき﹂と独自本文︒︵神
*︵神 1︶うを津かなしき
︵続内︶おもひ津波﹂ *︵続書︶は﹁はかなき﹂に﹁かなしき﹂と傍書︒異文は︵内︶と同文︒ ︵続書︶おもひ津波 て︑異本は︵内︶・︵国︶と同じ︒ *︵続︶は﹁はかなき﹂に﹁かなしきイ﹂と傍書︒﹁おもひをしらて﹂と合わせ ︵続︶おもひ島津波 1︶は︵内︶と同文︒結句は﹁かなしき﹂ ︵神 ︵内︶かせ紅葉見 ︵静︶しくれ ︵三︶かせにしきしくれ見 ︵書︶紅葉にしき﹂ ︵祐︶にしきいとしくれ ︵島︶紅葉にしきしくれ ︵伊︶紅葉﹂
︵神 ︵続内︶かせ紅葉来見 ︵続書︶かせ紅葉来見﹂ ︵続︶かせ紅葉来見 1︶紅葉にしき見 2︶かせ紅葉来見﹂ 七十八番左 鵜河︵ノ︶ 川︵国︶ 魚 のすむ思ひをしらて 嶋 つ鳥いけるをはなつ浪そはかなき*︵国︶は︵明︶が訂正後﹁おもひこそあれ﹂とあるのを︑﹁思ひをしらて﹂と作る︒これが最終形態だろう︒︵大︶ 舟出する心にいかに鵜かひもりくらきに入も篝 火のかけ﹂︵ノ︶ おもひこそあれ嶋 波*︵ノ︶はここでは︵大︶系の本文﹁舟てする﹂をとっていない︒︵ノ︶が見た︵大︶系の本文は﹁こそあれ﹂をもつ﹁静﹂系の本文によって校訂されていたと思われる︒重要な用例である︒︵彰︶ 舟出する心にいかに鵜かひもりくらきに入もかゝり火の影︵明︶ 舟てする心にいかに鵜飼 守 くらきに入も篝 火のかけ*︵明︶はこれに線を引いて削除︑新たな和歌を傍書︒
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神
*︵神 1︶た見も年ふる庭すかた
︵神 ︵続内︶たもとしふるすかた ︵続書︶たもとしふるすかた ︵続︶たもとしふるすかた 1︶は﹁も年ふる﹂が︵内︶と同文︒ 2︶たもとしふるすかた 七十九番左 更衣﹂︵島︶︵祐︶︵国︶ は衣 のうすきにかへて人ことに天にすむ世の夏はきにけり﹂︵大︶ 住︵ノ︶ 羽︵彰︶︵明︶ 羽衣 のうすきにかへて人ことに天に住 世の夏はきにけり︵伊︶ 羽 住︵島︶ ころも 住︵祐︶ 羽ころも 住︵書︶ 羽︵三︶ 来*︵三︶は﹁かへす﹂の﹁す﹂にミセケチ﹁て﹂と傍書︒︵静︶ ﹂︵内︶ 羽︵神
︵神 ︵続内︶はころも毎に来 ︵続書︶はころも毎に来 ︵続︶はころも毎に来 1︶羽毎に来
2︶はころも毎に来 ︵神
2︶おもひ津波 右 庭上雪﹂︵ノ︶︵三︶︵彰︶︵国︶ なれもみよ雪にかたふく庭の松つもれは人の老の姿 を*他本﹁たれ︵誰︶﹂とするも︑︵国︶は﹁なれ﹂とする︒最終形態か︒こちらの方が和歌としてよい︒﹁なれ﹂と呼びかけになっているからだ︒︵彰︶ たれ 見 すかた︵大︶ 誰︵ノ︶ 誰 見 も*︵ノ︶は﹁雪も﹂と作る︒﹁雪も﹂型は︵三︶・︵神
*︵三︶は︵神 ︵三︶たも年ふる庭■■ ︵書︶たすかた ︵祐︶た見すかた ︵島︶た ︵伊︶た ︵明︶たれもみよ雪にかたふく庭の松つもれは人の老の姿を 1︶・︵内︶・︵群︶系︒ のに﹁雪も年ふる﹂と作る︒ *︵内︶は﹁誰﹂として古本の形態を有しつつも︑他本﹁雪にかたふく﹂とある ︵内︶誰見も年ふる庭積れ ︵大・明︶︑﹁としふる﹂︵内・続︶がここに現れる︒︵静︶は大・明系に戻る︒ 消す︒つまり︑ここに見られるあらゆる本文﹁なれもみよ﹂︵国︶︑﹁たれもみよ﹂ たふく﹂と傍書︒但し︑﹁雪にとしふる﹂とも書き︑﹁としふる﹂に傍線を引いて *︵静︶は﹁なれもみよ雪にかたふく﹂に傍線を引いて消し﹁たれもみよ雪にか ︵静︶ 読不能︒他本は﹁の松﹂︒ 1︶・︵内︶・︵群︶系と同じく︑﹁雪も年ふる﹂と作る︒■■は判
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︵続内︶ 見 浅 間 木の葉 払 ふ︵神 2︶見浅間木の葉払ふ 八十番 左 夜橘︵神
︵神 ︵内︶にほふ ︵静︶ ︵三︶かけ匂×みや ︵書︶のまにほふみや ︵祐︶のまかけにほふたち花そて ︵島︶のまかけにほふ ︵伊︶の間﹂ ︵明︶木のまよりもる影匂ふ橘に天津袖しる月の宮人 ︵彰︶かけにほふ立花 ︵ノ︶のまにほふ ︵大︶かけ ︵国︶木間よりもる影匂ふ橘に天津袖しる月の宮人 1︶
︵神 ︵続内︶のまみやひと﹂ ︵続書︶のまかけみやひと﹂ ︵続︶のまかけみやひと 1︶のまにほふ 2︶のまかけみやひと﹂
右 氷初結﹂︵彰︶︵国︶ 今朝みれは暁 をきの花棚 に 雫 もこほるあかの水かな︵大︶ お しつく 氷 るあかの*︵大︶は﹁暁﹂にミセケチ﹁あか﹂と傍書︒ 右 落葉風︵国︶ 遠近 やいつれをみるもあさま山冬は木 葉をはらふ嵐 に︵大︶︵ノ︶ のは︵彰︶ こち︵明︶ 遠近 やいつれをみるもあさま山冬は木 葉をはらふ嵐 に*︵明︶は﹁冬は﹂の﹁は﹂は傍書︒︵伊︶︵島︶ あらし︵祐︶ あらし︵書︶︵三︶ 見*︵三︶=︵静︶=︵国︶︒︵静︶︵内︶ に木のはみたれてしなの路や山をあさまになす嵐哉*︵内︶は二句め以降﹁あさま﹂﹁嵐﹂はあるが︑独自本文にしている︒︵神
*︵神 1︶に木葉みたれて信濃ちや山をあさまになす嵐かな 不明︒ かな﹂と傍書︒異文は︵内︶と同文︒傍書﹁この﹂に﹁は﹂と傍書︒この意味は *︵続書︶は﹁遠近﹂以後﹁にこのはみたれて信濃路や山をあさまになすあらし ︵続書︶見浅間木の葉払ふ なイ﹂を傍書︒異文は︵内︶と同じ︒ *︵続︶は﹁遠近﹂以後﹁にこのはみたれて信濃路や山をあさまになすあらしか ︵続︶浅間木の葉払ふ 1︶は︵内︶と同文︒
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 *︵内︶は夏に﹁別本﹂と傍書︒ ︵内︶な *︵静︶も﹁かすましな﹂とする︒︵国︶系の最終段階前の本文に拠るか︒ ︵静︶な *︵三︶=︵静︶︒ ︵三︶な ︵書︶な今朝む ︵祐︶なたひなつころも今朝 ︵島︶ななつ今朝 ︵伊︶な ︵明︶かすましな旅たつ春の夏衣今朝はいかなる色にかふらん ︵彰︶な ︵ノ︶な今朝﹂ ︵大︶なころも今朝
︵神 ︵続内︶な ︵続書︶な ︵続︶な 1︶なむ 2︶な
右 時雨告冬﹂︵国︶︵静︶︵三︶︵国︶ 世に吹 やなたの塩 風 冬 のきてさらにいかまもなき時 雨哉*︵国︶は他本﹁いとま﹂を﹁いかま﹂と作る︒ただし︑﹁と﹂を書こうとして間違った可能性がある︒﹁いかま﹂では意味が通らないからである︒誤写とみたい︒︵大︶ しほかせ と かな ︵ノ︶ お しつく 氷 る*︵ノ︶は﹁暁おき﹂で︵大︶と同一表記︒︵彰︶︵明︶ 今朝みれは暁 をきの花棚 に しつくもこほるあかの水哉﹂
︵三九ウ︶︵伊︶ しつ 哉︵島︶ あかつき ﹂しつく︵祐︶ あかつき たな ﹂︵書︶ しつく ﹂︵三︶ お しつく 哉︵静︶ お しつく 哉*︵静︶は﹁うほる﹂の﹁う﹂にミセケチ﹁こ﹂︒同筆か︒︵内︶ 見 しつく 氷 る 哉︵神
︵神 ︵続内︶起のたな哉 ︵続書︶起のたな ︵続︶起のたな 1︶けさ見おしつく 2︶起のたな 八十一番左 行路夏衣﹂︵大︶︵国︶ かすましる旅 たつ春の夏 衣 けさはいかなる色にかふらん*︵国︶は他本﹁かすましな﹂︵﹁かすまじな﹂︑﹁霞まじな﹂か︶とするのに︑﹁かすましる﹂︵かすまじる﹂﹁霞まじる﹂︶と作る︒﹁かすまじな﹂は正徹にある︒正徹の語彙を取るのが正広だから︑ここは﹁かすましな﹂としたいが︑意味的に考えて︑﹁いかなる色にかふらん﹂といっているのであるから︑﹁かすましる﹂の方がよい︒最終形態か︒新編国歌大観は﹁かずまじる﹂と読む︒
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︵書︶ 故︵三︶︵内︶︵神
︵神 ︵続内︶故 ︵続書︶故 ︵続︶故 ︵静︶ 1︶
︵神 ︵内︶ふる咲や此こゑ時鳥 ︵静︶ふる此郭公哉 ︵三︶ふる此こゑ哉 ︵書︶難波ふる此こゑ哉 ︵祐︶難波ふるみやこさくこゑ﹂ ︵島︶難波ふるさくこゑ﹂ ︵伊︶難波ふるさく此郭公哉 ︵明︶難波かたふるき都にさくや此声を花なる郭公哉 ︵彰︶難波ふる咲や此 ︵ノ︶難波ふるさく此こゑ ︵大︶難波ふるさく此郭公哉 ︵国︶なにはかた古き都に開やこの声を花なるほとゝきすかな 2︶故
︵神 ︵続内︶潟ふるさくこのこゑ哉﹂ ︵続書︶潟ふるさくこのこゑ郭公 ︵続︶潟ふるさくこのこゑ郭公 1︶難波ふるさく此こゑ哉
2︶潟ふるさくこのこゑ郭公 ︵神 ︵内︶しほかせと ︵静︶しほとかな ︵三︶しほかせと ︵書︶ ︵祐︶しほかせとしくれ ︵島︶しほとかな ︵伊︶しほと ︵明︶世に吹やなたのしほ風冬のきてさらにいとまもなき時雨哉 ︵彰︶とかな ︵ノ︶しほと
︵神 ︵続内︶灘のふゆ来と ︵続書︶灘のふゆ来と ︵続︶灘のふゆ来と 1︶ふくと 2︶灘のふゆ来と 八十二番左 古郷郭公︵国︶︵大︶︵ノ︶*︵ノ︶=︵大︶︒︵彰︶︵明︶ 故︵伊︶ 故︵島︶ 故︵祐︶ 故
明星本﹃正広自歌合﹄の本文と校異︵
2︶前田雅之 ︵神 ︵内︶× *︵静︶は︵国︶と同じ︒ ︵静︶ *︵三︶=︵静︶=︵国︶︒ ︵三︶ ︵書︶× ︵祐︶× ︵島︶× ︵伊︶× ︵明︶× *︵彰︶の題は﹁五月雨﹂︒ ︵彰︶×× ︵ノ︶× ︵大︶×
︵神 ︵続内︶× ︵続書︶× ︵続︶× 1︶× ︵明︶あさき江にすてたる船のすにゐるもうかふ道ある五月雨のころ﹂ ︵彰︶すて ︵ノ︶すて ︵大︶浅きすて ︵国︶あさき江に捨たる舟のすにゐるもうかふ道ある五月雨の比 2︶×
︵四〇オ︵伊︶ すて 船 ころ 右 杣寒月﹂︵神
︵神 *︵内︶は他本﹁さえのほる﹂を﹁すみのほる﹂と作る︒独自本文︒ ︵内︶かせすみのま影 ︵静︶ ︵三︶影 ︵書︶影 ︵祐︶そまやまのま ︵島︶のま ︵伊︶のま﹂ ︵明︶吹みたす杣山風はさえのほる月をとふさの木のまもるかけ ︵彰︶のま ︵ノ︶のま ︵大︶かせのま ︵国︶吹みたす杣山風はさえのほる月をとふさの木間もるかけ 1︶︵彰︶
*︵神 1︶かせすみ影
︵神 ︵続内︶冴ののま影 *︵続書︶は﹁もる﹂の誤読をおそれてミセケチ﹁もる﹂と傍書︒ ︵続書︶冴ののま影﹂ *︵続︶は﹁冴﹂に﹁すみイ﹂と傍書︒異文は︵内︶と同じ︒ ︵続︶冴ののま影 1︶は︵内︶と同文︒ 2︶冴ののま影 八十三番左 江上五月雨﹂︵内︶︵国︶