奈良教育大学学術リポジトリNEAR
学習意欲を高める授業
著者 吉田 武尚, 小野 義治, 吉田 誠
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 27
ページ 199‑211
発行年 1991‑03‑01
その他のタイトル About a Teaching for Heighten Will to Learn
URL http://hdl.handle.net/10105/6770
学習意欲を高める授業*
吉 田 武 尚‥・小 野 義 治8日・吉 田 誠…Ⅰ
(技術科教室) (緑ヶ丘中学校) (附属中学校)
要約:学習意欲を高める授業の方法として、 やる気の構造〝 を実習主体の技 術教科の授業に取り入れ、男女生徒に実践を試みた。技術教科の授業は、感情
の到達点として捉え、自由な発想から構想図を描き、「考える」を持続させな がら活動する授業形態とした。事後におけるアンケートの分析から、実習授業 に対する意欲・感心・興味・やる気といったことが大きな反応割合として現れ た。また、木材加工作業での生産の喜びや楽しさがVTRの再生から認められ る。授業に やる気の構造〝を組み入れたことは、より大きな授業効果を得る 手段になったと共に、よりよい授業、すなわち、よりよい授業改善の方法にも つながることがわかた。
キーワード:学習意欲 開化‥興味 やる気の構造
I.はじめに
近年、教育界では学習意欲を高めるとかやる気を育てるとかといったことが焦眉の急問題とし て取り扱われていると見受ける。この学習意欲・やる気の問題は確かに現代っ子を見ればそのよ
うな風潮が現実の姿に現れていると言える。
学習意欲とか、やる気とかといったことは学習者の秘めたかたちで結ぶェネルギーである。こ の学習意欲は個人の気力と共に学校における授業の問題につながる。
授業は、教室という環境の場で、単元題材に目標をともなわせて指導者と学習者が相互活動を 展開することである。また、授業には学習形態、教材教具、指導方法及び機器などといった多く の要素がある。これら要素を成立させたものが授業でもある。
授業を成立させるためには、学習の意欲・感心を高める教授・方法の適用が考えられる。けれ ども、そのような授業というものはむずかしく、説明しがたく、求めにくい。とりわけ、技術・
About a Teaching for Heighten Will to Learn
‥ Takehisa YOSIDA(Department of Tecnical Education,Nara University of Educa−
tion,Nara)
*Yosiharu ONO(MidorigaokaJunior Hischool,Nara)
….Makoto YOSHIDA(Tecnic of AttachedJunior High School,Nara University of Education,Nara)
−199−
家庭という教科は、知識の習得とともに技能の習得といった重要な課題をかかえていると同時に 体系化がしにくい。そのことから、現場においてはいぜんとして実習中心の学習が進められてし
まうといわれる。
そこで、これらの問題を克服するためには、学習者に自主性をより多くともなわせ、授業に対 する積極的な取り組み態度の育成が重要である。特に、実習を主とする技術教科は、感情の到達 点として、生産の喜びや楽しさといったことを持続させることにある。
一般に、学習意欲・関心の高いこどもは先生の説明をよく聞く、よく発表する、よく質問する といった行動が伴うと言われる。このことを踏まえ、心理学の、、やる気の過程〟を構造的にうち たてることによって、学習者自身がいっも考えながら行動するといった学習法を「木工領域」の 授業に展開し、実践を試みた。
その結果から、男子生徒にはより高い知識・技能を体験させ、女子生徒には教育環境・条件の 整備とともに道具・機械というもののすばらしさを捉えさせることによって、製作実習への意欲・
感心・興味につながる授業へ発展する効果は大きいことが明らかとなった。
不均衡 要求
(ポテンシケル)
学習者の内心
図1 やる気の構造
子 ど も 自 身 い つ も 考 え な が ら 行 動 さ せ 得 る 授 業 の 確 立 を 目 的 と し た 授 業
図2 やる気の構造を取る入れた授業
表1KANSHIN(事前)
* 賃開形式は.賀間番3.4.9ではチェヅク方式,その他の賀開番号に ついては記述方式である。
l 木材加工製品についてあなたはどう思いますか
】 応 答 男 女
塑接 を 日 分 で 作 っ て み た い 3 4 .2 24 .3
お ち つ い た 雫 同 気 を 感 し ろ 2 0 .7 2 1 .3
!手 ぎ わ り 良 く , 暖 か み が あ る 1 7 .9 1 5 .2
古 く な る と 古 ぼ け た 感 じ が す る の で 好 き で な い 5 .5 1 3 .3
き ず つ い た り , こ わ れ や す い 9 .2 7 .6
い 司 も 感 じ な い し 思 わ な い 6 .5 7 .6 ニ
:製 品 を 自 分 で 作 り た い と は 思 わ な い 4 .9 6 .8
:そ の 他 3 .3
2 本材料に対してあなたはどのような興味・関心がありますか
応 答 男 女
】何 も 思 わ な い 16 .7 2 1 .5
値 錆 は と れ た :すす る の か 知 り た い 18 .5 1tI.8
.末 日 伎 〇・ ̄末 日け )美 し さ ここつ い て 18 .5 1 3 .1 : i ど ん な 使 わ れ 方 を す る の か 興 味 が あ る 14 .8 16 ・8 i
木 の 樟 類 を 知 り た い 1 3 .0 15 .1
磯 度 は ど ん な も の か 畠田べ た い 1 3 .0 5 .4 大 き さ 重 さ は ど れ く ら い か 知 り た い 5 .6 5 .9
l そ の 他 4 .g
3 木材材料の糊規・名称を知っていますか。細っている物を0でかこみなさ
い
「応 答 男 女 [
li ラ ワ ン 3 3 .1 1 0 .7
こ く た ん 2 1 .8 5 .5 し た ん 3 ,1 3 .3 に や と う 4 .8 ぷ な 5 1 .6 チ ー ク 2 1 、8 8 ,3
そ の 他 9 .1
応 答 男 女
木 表 6 4 .5 5 3 .7 木 島 6 3 .7 も と 5 8 .9 3 8 .8 す え 6 0 .5 4 6 .3 こ ば 5 4 .8 3 5 .5 木 口 5 9 ,7 3 7 、之 柾 目 5 9 .7 7 Z .7 板 目 6 2 .1 3 3 .5 木 目 8 1 .5 9 9 .2 ふ し 5 8 .5 別 .9
そ の 他 7 .4
4 木工適良で.知っているものには0.使ったことのあるものには◎をして 下さい
応 答
男 女
応 答
男 女
○ ◎ ○ ◎ 0 ◎ 0 ◎
の こ ぎ り 1 2 .9 8 3 .9 16 .5 8 2 ,6 や す り 2 8 .8 5 0 .0 2 5 .4 5 7 .0 か ん な 4 3 .5 5 0 .8 7 1 .1 1 9 .8 け ぴ き 3 0 .5 1 6 .1 祖 .8 0 .8 の み 3 6 .3 4 9 .2 桐 .1 Z Z .3 直 定 規 2 9 .0 5 3 .2 5 1 .2 18 .Z き り 1 4 .5 8 0 .6 18 .2 7 0 .2 さ し か ね 2 1 .0 4 5 .Z 38 .0 5 .8 か な づ ち 9 5 .0 9 2 .8 9 6 ,6 9 8 .2 は た が ね 1 9 .4 1 .6 5 .8 0 .3 げ ん の う 2 Z .5 3 3 .g 8 .3 6 .6 糸 の こ 2 2 .6 5 8 .g 1 9 .8 6 8 .6 ド リ ル 4 7 ・号 3 5 .5 6 7 .8 1 1 .6 そ の 他 2 .5 2 1 .5
一201−
5 つぎに見せる物(作品)に ついてどのような興味・関心
がありますか。(女子のみ) 応 答 女
自 分 で 作 っ て み た い 2 9 .7
使 用 し て み た い 2 6 ・呵
ど の よ う な 方 法 で 作 っ た か 知 り た い 1 9 .2 何 の 木 で 出 来 て い る か 知 り た い 1 1 .0 自 分 な ら も っ と い い も の が 作 れ る 6 .0 あ ま り 自 分 で 作 り た い と は 思 わ な い 1 6 .5
何 も お も わ な い 1 0 .4
そ の 他 (感 じ な い ) 9 ,g
6 これからの投票はどのような方法で進むことを希望しますか
応 答 男 女
1 先 生 の 就 明 が あ り , そ し て . 自 分
5 6 .8 4 5 .3 の 考 え で 、 計 画 し 実 習 学 習 す る
自 分 で 考 え . 実 習 す る 34 .4 3 0 .2 ;
; 先 生 の 説 明 と う り の 実 習 亨 督 す る 8 .8 9 .4 .
そ の 他 15 .1
i 応 答 男 女 :
:自 分 ひ と り で 4 7 .4 4 9 ・7 i
:友 達 の 協 力 3 6 .3 13 ・1 1
先 生 の 助 け 16 .3 3 4 .5
そ の 他 2 .7 1
Ⅱ.方
9 あなたは次のどちらが好きですか
法
生徒の加工や製作活動に対する興味及び関心事の意識や内容の知識についてアンケート調査
(これを事前調査という)を行う。その結果をもとに、 やる気の構造′′(図1、2)を主体的に 取り入れた授業設計を行い実際に授業を展開する。そして、単元授業終了後においてその授業に 関するアンケート調査(これを事後調査という)を行う。その調査結果を分析し、つぎのよりよ い授業設計への改善手段とした。対象者は市立中学校第1学年、男子121名、女子112名。授業時 数は24時限分。
1.事前調査とその結果
本調査は生徒自身設定しょうとする題材・考案への関心の程度とやる気の構造を組み入れる時 の授業設計への関連性を兄い出すことにある。アンケートの調査内容とその結果はKANSIN(事 前)として表1に示す。表1より授業設計にむける主点は、以下のことがらである。
◆木材・材料については、杉という名称を最もよく知っている
◆作品作りには非常な興味を持っている
◆自主的に考え・計画したい、実習学習は早くしたい事を望んでいる
◆出来るかぎり自分の力で完成したいと思っている 2.授業の組立とフロー
まず、事前調査より、生徒の木材加工製品に対する興味・関心は大である。また、自分で作品 を製作したいと思っている者が多いことから、この興味・関心を如何に持続させるか、発展させ るかが授業設計に重要なポイントとなる。授業の形態は型にはまったものではなく、自由な発想 から生まれる作品の製作活動である。また、学校の設備や授業時間及び費用の問題などについて も含め運用する必要がある。これらのことから、本授業の特長は、1)一定の大きさの板材を生 徒に手渡し、そこから自由な発想のもとで、木材加工製作品を構想・製作させることとする。2)
実習授業全体を通して、生徒は教師の説明どおりの授業形態をあまり望んでいないことから、
「考える」ことから「知る」、「考える」ことより「行う」とする。そして、「考える」ことから行 い知るとするこれら3活動内の「考える」を中心とした授業形態で進むように授業設計した。3)
図3 授業のフロー
ー203−
また、やる気の構造では「要求」「動因」「誘引」「強化」とおおきく4つの段階に分けられてい るが、実際の授業では、これら4つが複雑に作用しあうため、これが要求これが動因といった区 別をせず場面場面においてそれぞれこの4つの段階を取り入れた。そして、指導者教師の活動は 調査結果の判断で作業活動中における細かい忠告助言は避け生徒自ら考え行動するような質問形 式の制御助言を与えることとした。ここで、事前調査からなるべく自分一入りの力でやりたいと 思っている生徒が多い中で、どのような助言を与えるべきかは非常に重要な問題である。ベテラ ン教師何人もの意見を聞き、また生徒達からも意見を聞いた上で進めるべきであったが、よりよ い授業構造を探ることを主目標としたことから、そのことは今後の課題とする。ここに組み上げ た指導の綿実は紙面の都合で省き、授業の流れは図3授業のフローとして示す。
Ⅲ.結 果
1.事後調査と分析
表2 KANSIN(事後)に示す男女の比較において質問1の名称について、いまだ知らないと 答えた者の割合が明らかに男子の方に多い。男女とも同じ内容の授業であるにもかかわらず、性 別・性格的な陛由であるがどうかわからないが、男子の場合、女子に比して、実習を通しての知 識学習というものをあまり念頭におかず製作ということだけにとらわれやすいと思われる。この ことは、柾目、板目、木目の示す値からもいえる。また、杉材の板目板を実習に使用したことか ら、身近に手に取ったものはとくに覚えていたものと考える。
質問2では男女とも木目、ふし、板目の順でこの3つに集中していることで板材の特徴を生か そうとしたことが分かる。
質問3からわかることは作品を恩い浮かべたり、作ったりすることにたいへん興味を示してい る。そして、質問8より、本授業が楽しいと答えた者の理由としてあがっていることは、「好き なものが作れる」ということである。これは、何を作ろうかという発想の段階が生徒に興味深い ことである。作品を恩いうかべること、作ることに対する興味は、作品を恩いうかべ、それを作 ろうとすることに、よりいっそう興味を伴わせるのではないかと考える。質問13の解答に示す興 味・意欲が湧いたと答えた者の割合からもわかる。
質問4では、男女間に大きな差がある。男子の場合、道具・機械類の使用範囲を広げることは、
難しい作品への挑戦となり、より大きな意欲ずけにもつながる。しかし、失敗により、やる気を なくすということにつながることから、それよりも先ず、決められた道具を使いこなすことの方 が大切といえる。女子の場合は、道具・機械類に対して、恐怖感を持ち過ぎている感がある。も
う少し、道具・機械に慣れさせ、便利さとともに扱い方を知らせることである。
質問5の順位には男女差はある。ここに理由は分からないが、授業内容・方法等で興味・意欲 を伴わせ、やる気を起こさせることに依ってよりすきな教科となるであろう可能性は十分にある。
質問6からは80%強のものが興味ある授業を願っている。理由は男子では実習が多いというこ と、女子では色々なものが作れるということで違いがみられる。
表2 KANSHIN(事後)
い つ い印もい
そあた判実は の.いた.に
次ててまをの
れぞれの名称につ なたが以前から知 ものには△印を.ら習○ないものには×じて知った
I 名 称
男 女 男 女. 男 女
○ 0 △ △ × ×
正目 5 9 .0 8 0 .4 2 4 .8 1 7 .8 6 .Z 1 .8 施 日 7 1 ・3; 7 6 ・8 1 8 可
Z Z .3 9 .8 O l , I こ ば 7 0 .5 7 6 .8 7 .4 8 .g 2 2 .1 1 4 .3
; 木口 7 5 .2 7 6 .8 9 .0 1 0 .7 1 4 .8 1 2 .5
もと 6 0 .7 7 3 .2 1 1 .5 7 .2 2 7 .8 1 9 .6
すえ 5 9 .0 7 4 .1 8 ,2 9 .8 3 2 .8 1 6 .1 太秦 5 9 .7 7 3 .2 1 8 .0 2 2 .3 1 2 .3 4 .5
水睾 7 0 .5 7 3 ,2 1 8 .0 2 2 .3 1 1 .5 4 .5
l 木目 捕.1 4 4 .6 5 0 .0 5 4 .5 4 ,9 0 .g
ふ し 4 1 .8 3 9 .3 4 1 .0 3 5 .7 l I 、Z Z 5 .0
2 手にした板材をみてあなたが完成させようと思った作品は何を特徴にしよう と しましたか。
3 あなたは.作品を思い浮かべた り、作ったりすることに鉾喋があ ありますか。
答 男 女
は い 8 4 .4 7 tl.5 い い え 1 5 .6 2 8 .5 ふ つ う 0 .0 1 .0
5 あなたの好きな教科か らl馴こ番号を付けて下さ い。◇技術・家畦の峻
名 称 男 女
水 鏡 2 .4 3 .9
木 目 3 7 .6 5 4 .9
ふ し 3 2 .8 18 .1
形 ・デ ザ イ ン 3 .2 1 .g じ よ ぷ さ 6 .4 0 .0
実 用 性 0 .0 0 .9
4 あなたは.次の何に興味があ りますか。
答 男 女
手 作 り 作 品 2 9 .5 5 9 .0 機 械 作 品 3 6 .1 7 ,1 両 方 3 4 .4 3 3 .g
贈 男 女
1 番 4 .9 2 .7 2 番 1 6 .4 5 .4 3 番 2 5 ,4 3 .6 4 番 18 .0 1 0 .7 5 番 8 .2 8 .9
6 番 9 . 8 9 . 8
7 番 9 , 0 9 . 8
8 番 2 . 5 2 5 . 9
9 番 3 .3 2 0 . 5
無 答 2 . 5 2 . 7
平 均 4 . 1 6 ・ 5 1
6 あなたは,興味ある援婆というものを謡っていますか。
答 男 女
は い ; あ な た が 興 味 あ る 授 業 と い う こ と は
8 0 .0 8 3 .6
.ど う い っ た こ よ で す か 書 い て 下 さ い
楽 し く て お も し ろ く わ か り や す い 5 1 .1 4 0 .0
い ろ い ろ と 作 れ る 6 .6 2 0 .0
説 明 な く て も . 自 分 達 で や れ る 1 1 .5 1 1 .7
み ん な で 作 れ る 0 .0 1 5 .7
実 習 の 多 い 13 .1 0 .0
無 答 1 7 .7 1 1 .6
い い え 2 0 .0 16 .4
−205−
l 男 女
い ろ い ろ な 道 具 に つ い て も っ と 知 り た か っ た 1 2 .9 7 .4 道 具 を 使 っ た こ と で も っ と 作 品 を 作 り た い と 思 っ た 4 1 .3 3 2 .2 も っ と い ろ い ろ な 道 具 を 使 っ て み た か っ た 3 4 .2 3 6 .2
道 具 の 悪 さ を 感 じ た 7 .1 1 2 .1
そ の 他 4 .5 1 2 .1
答 男 女
た の し い 8 6 .9 8 4 .3
そ れ は な ぜ で す か
好 き な も の が 作 れ る 3 5 .8 3 9 .4
作 る の が す き 2 8 .9 1 6 .g
作 れ た か ら 1 7 .0 1 2 .8
み ん な と 協 力 で き た 3 .8 1 2 .7 い ろ い ろ な 道 具 が つ か え た 0 .9 7 .0
一 生 懸 命 に し た 0 .9 2 .8
先 生 が 教 え て く れ た 0 .9 1 .4 じ ぷ ん の ベ ー ス で で き る 3 .8 0 .0
無 等 7 .0 7 .0
た の し く な い 1 3 .1 1 5 .7
そ れ は な ぜ で J 失 敗 し た 3 5 .7 Z 9 .5l あ ま り 興 味 か な い L 6 1 4 .6 作 る の が 難 し い 2 2 .6 2 4 ・弓 席 が 出 席 番 号 順 だ か ら 1 〜.5 9 .6 i わ る い 木 に あ た っ た 1 2 .6 5 ・1 】
[無 等 1 5 .0 1 6 .8
答 男 女
思 う 5 !L 8 朋 .1
そ れ ほ ど の よ う な こ と で す か
木 材 加 工 2 0 .5 3 0 .9
好 き な 材 料 で 好 き な も の が 作 れ る 1 :L 7 18 .2
今 回 ど う り 2 6 .0 9 .1
み ん な で も っ と 道 具 を 使 っ て 6 .8 18 .2
金 工 ・餞 械 5 .4 0 .0
作 業 の 時 間 を も っ と 長 く 4 .3 1 2 .7
無 答 2 3 .3 10 .9
思 わ な い 4 0 .2 5 0 .9
答 男 女
思 う 5 2 .5 5 9 .8
た と え ば ど の よ う な も の で す か
本 立 , 本 箱 3 4 .1 2 0 .9 精 子 (い す ) 19 .5 1 1 .9 テ ー ブ ル , 机 4 .9 7 .5 何 か 役 に 立 つ も の 2 2 .0 10 .4
犬 ご や 12 .2 0 .0
小 物 入 れ 2 .4 4 .5
カ セ ッ ト ラ ッ ク 4 .9 10 .4
そ の 他 0 .0 3 4 .4
思 わ な い 4 7 .5 4 0 .2
11実習援婆の制作作業にもっといろいろなこと(たとえば.道具のこと,材 料のこと)について学習したかったですか。
答 男 女
し た か っ た 1 1 .5 1 5 .2
そ れ ほ ど の よ う な こ と で す か
道 具 の 使 い 方 な ど 5 0 .0 5 8 .8 制 作 上 の 注 鐘 事 項 0 .0 1 1 .8
そ の 他 2 1 .4 0 .0
無 等 2 8 .6 Z g .4
即 座 に し た か っ た 7 0 .5 6 8 .6
j し た く な か っ た 1 8 .0 1 6 ・2 ;
12 実習作品は内分ひとりで13 あなたは.いままでの授業を通じて技術・
完成できましたか。 蜜蜂科に興味や意欲がわきましたか。
答 労 女
は い 5 0 .8 3 7 .2
;先 生 の 指 導
12 .3 8 .3 友 達 の 助 け 9 .0 18 .2 j 一 部 先 生 2 7 .g 36 .3
答 男 女 ・
は い 9 1 .8 8 2 .3
い い え 8 .2 1 7 .7
そ れ あ ま り う ま く 作 れ
4 0 .0 4 4 .2 は な ぜ
で す か
l
な か っ た
時 間 が な い 2 0 .0 9 .4
も と も と で き る か ら 1 0 .0 0 .0 わ か ら な い − な ん
と な く 2 0 .0 2 1 .9
:卯 輌 日 、
0 .0 6 ・り
ニ そ の 他 0 .0 9 .4
無 答 1 0 .0 8 ・8 i
14 あなたの作品を考えつくまでに、どれだけの時間がかかりましたか。
15 あなたの作品を完成する
時 間 男 女
1 時 間 1 0 .7 1 1 .6 Z 16 .4 1 1 .6 3 6 .5 7 .2
16 作品を完成するのにあなたは大変苦労し までの時間についてはどう ましたか。
時 間 男 女
た ら な い 27 .0 27 .7 お お す ぎ る 7 .4 1 ,8 こ の ぐ ら い 65 .6 7 0 .5
17 あなたは.将来この授業で 学んだことが投に立つと思い ますか。
答 男 女
は い 4 0 .Z 3 8 .4
そ れ は ど う い う と こ ろ で す か
の こ ぎ り ぴ き 3 1 .4 3 4 .2 接 着 ・ 接 合 3 8 .5 2 2 .4 か ん な 1 2 .9 2 2 .3 は る と こ ろ 1 7 .1 Z l .1
い い え 3 3 .6 2 4 .1
す こ し 2 6 .2 3 7 .5
答 男 女
思 う 3 5 .3 7 4 .1
思 わ な い 1 3 .1 2 5 .0
そ れ は ど う い う こ と か ら で す か
将 来 し な い と 思 う 5 6 .3 2 5 .0 機 械 が あ る 1 8 .7 3 ,5
女 だ か ら 0 .0 5 7 .1
無 答 2 5 .0 1 4 .3
無 答 1 .6 0 .9
−207−
質問7の道具に閲し、生徒達は興味を持ち、意欲的であるといえる。ここに、「もっと作品を 作りたい」「もっと色々な道具を使ってみたい」というように次の行動へ移ろうとする意欲が伺 える。もっと道具を使いこなせるようになれば、次の行動への意欲は、より大きくなるであろう。
また、質問11から、ほとんどの学習者は作業前の学習は望んでない。しかし、望んだ者のうち、
男女とも50%またはそれ以上の者が道具に関する学習を望んでいる。これらのことから、技能向 上への基本となる道具についての説明がより必要である。
質問8より、実習授業は好きなものが作れる、作るのが好き、作れたからという理由で楽しさ を味わっている。また、楽しくないとした女子の割合は男子の倍以上になっている。そこには失 敗したとともに作る難しさをあげている。男子も失敗したからという理由が大きな割合を示して いる。女子は特に、実習授業に入る以前に問題があり、一度いやだと思うことがあれば、それが 後に続くのではないかと思われる。
その地の質問に関して、男子と女子の差は、割合から見れば少々の差はあるけれども、理由を 伴うことは考えられなく違いはないと判断できる。
つぎに、男女を総合して考察すると、質問1より「木目」以外のものに対しては、いまだ知ら ないと答えた者が数多くあり、また、質問2では木材の特徴をいかしていないような解答が伺わ れる。木材の骨徴をどのように生かすか、また、どのように使われるかば木材を扱う上で基本で ある。その上で、よい作品を作らせることが実習活動への興味・意欲により強くつながるのでは ないか。
質問11からは、作業前の学習より、作業を通しての学習を望んでいる者が多い、一度材料を手 にすると製作したいという欲求が即座に現れるようである。心理学に言うやる気 やる気の構 造〝を組み入れたことから考えると、材料を最初に手渡すことは、 実習で何をするのだろう〝
という「要求」.を 作りたいという欲求〝に換えさせる方向につながったと判断できる。
質問12では、作品完成まで自分一人の力、一部先生の助けをかりた者が70%以上いる。これは、
自分一入りでもできるのではないかという自信の現れではないか。材料を手渡した後の道具の使 い方が、製作に入るまでの授業内容で 自分一人でできる〝 自信を持たせる「誘引」ずけになっ たと判断する。
質問14の構想に要した時間として、2時間までの者が70%以上いることから、2時間程度が作 品を構想するのに適していると考える。
質問15の作品完成までの時間については、70%前後がこのくらいでよいと答えている。時間が たらないと答えた者に対しては、質問16の苦労した点について、半数以上の者が のこぎりび き〝 接着・接合〝であることから、この2点については、その都度、よく指導すれば時間(24 限分)的に十分たり得るようであった。
質問8から、本授業は、男女の差はあるが、楽しいと患った者が多い。その理由は「作る」と いう行動に直接関係している。つまり、「作る」ことに関しては、大きな興味・意欲があると判 断できる。また、質問13の授業全体を通しても同様な判断ができ、「作る」という興味や意欲か
ら、実習授業全体に関心が高まったといえる。
品論,:止
l「
図4−1 製作品例(男子)
lIlrll −/
図4−2 製作品例(女子)
質問13から、本授業は生徒達にとって、非常な興味・意欲が伴ったものであったといえる。け れども、質問6・9・10からわかることは、それを 次の行動〝へと導く指導者の「強化」が不 足していたことがあげられる。
質問12・17の自分一人、または、一部先生の助けをかりただけで作品を完成できたということ、
そして、将来役立っと思うということから、生徒はある程度の技能習得はできたのではないか。
また、それにつながる自信を持ったと言える。本実習での製作品例の中によい作品でありながら 木取りの仕方の誤ったものがいたことから、この点については基本的な問題としての指導が必要 である。作品例を図4に示す。
2.授業の改善例
実践した授業案を基本的にくずさず、つぎの4点を加味したうえでの授業改善案を図5として 示す。改善例に取り入れた点はつぎのことがらである。
1.木材材料の各名称に関することがらを調べさせ、発表させる。この時、木表、木裏、もと、
すえ、小口、こぼは木材加工製品ではどのように考え、使われているを知らせる 2.道具の正しい使用法は、実演を多く取り入れ知らせる
3.「のこぎりびき」「接着・接合」に関しては、特に重点的指導する
4.授業のまとめの部分は、「次の行動」へとつながるよう「強化」に重点をおいて指導する
Ⅳ.む す び
すべての学習者が積極的に取り組め、学習理解できるような授業をしたいということは、教師 全ての悲願であり、教育に関わる者の研究活動時間のかなりの部分がこのために向けられてしまっ ている。本研究においても、この悲願に一歩でも近ずけるようにと、興味・意欲という点に着眼 し進めた。 その結果、授業改善例を提示することができた。これを他の学習対象者に通用した 場合、大変良い結果が認められはしたのの、初めの授業案と比較対象することは避けた。なぜな
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図5 授業のフロー(改善例)
ら、VTRの再生をみれば、学習対象者のみならず他の比較条件とも異なると判断したためであ る。
本研究においては、自由な構想のもとでの木工製品の製作ということを教材として取り上げ、
「考える」中心の授業形態で進めたことより、学習者は授業に非常な興味・意欲を持ったと言え る。このことから、本研究は中学校の教科目標にある「工夫し、創造する能力を育てる」につな がる教授・学習過程確立のひとつのでがかりとなったとともに学習意欲を高めるよい授業の1方 法と判断する。
最後に、今後の課題について考察すれば、以下のことがらとなる。
1.事前調査および授業終了後のアンケート調査の問題の内容、質問の仕方により、その結果は どうなるか
2.授業中の助言の与え方により、学習者の興味・意欲はどうなるか 3.実習授業に入る前の授業の影響はどんなものか
4.「木材加工」以外の単元に対して、本研究の結果をどのように生かすか、また発展させるか
参考文献
1)堀内敏夫監修;新教育用語辞典、教育出版、1975、163−39
2)坂元昂;学習意欲開発の方法に関する研究(1)、日本教育工学雑誌1、73−85、1976 3)昌子武司;やる気の心理学、あすなろ書房、1977
4)坂元昂;教育学大事典、第一法規、1978
5)木村寛冶池;学習意欲開発の方法に関する研究、信学技報、ET78−2、1978 6)技術・家庭科研究全編;新しい技術・家庭科の指導、A一木材加工編、開隆堂、1978 7)坂元昂;授業改造の技法、284−307、明治図書、1980
8)渡辺茂編;技術・家庭(上)、開隆堂、1984
9)文部省;中学校指導要領解説、技術・家庭科編、1984
10)吾田武尚他;学習意欲・関心について一考えるを中心にした授業形態一、日本産業技術教育 学会近畿支部 第1回発表、2−9、1984
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