熊大教育実践研究第17号,35-41,2000
小・中学生の動植物の噌好傾向
前 田 健 悟 * ・三島 嶽 志 *
FavoritePlantsandAnimalsofStudents KengoMAEDAandTakeyukiMIsHIMA Thepurposeofthepresentstudyistoclarifythefavoriteplantsandanimalsof
studentsfromthesecondtotheeighthgrades・Thestudentswereaskedtoanswerthree plantsandthreeanimalsinorderoflikingandtheirresponsestothequestionswere analyzedinconnectionwithageandsex、ThefindingsWeresummarizedasfOllows:
1)Thepercentagesofthestudentswhocaninstantlyanswerthefavoriteanimalwithout
thinkingwere60-80%andwereabout20%higherthanthatinthecaseofplant、
2)Theplantsofsunflower,tulip,roseandcamphortreewerepreferred,butthatorder
wasnotfixed
3)Thefavoriteanimalofthestudentswasdogatallgrades,andtheanimalsofhamster,
catandrabbitwerepreferredsubsequently、
4) heage-andsex-relateddifferencestobestatisticallysignificantwerefOundoutin
bothplantsandanimals・Theevolutionofthepercentageresponsewithagewas differentineachplantandanimal.
は じ め に
人の動植物に対する好き・嫌いの感情やイメージ は,人と動植物とのふれ合いの中から培われており,
それらの実態を明らかにすることは,人と動植物と のかかわりや人間‘性を知る重要な手がかりを示唆す ると考えられる.また,理科教育においても,児 童・生徒の動植物への興味・関心及びそれらとのか かわりは大切であり,無視することはできない.こ のようなことから,児童・生徒の動植物に対する興 味 ・ 関 心 に つ い て , こ れ ま で 調 査 が な さ れ て き た1.2.3).筆者らも,大学生の動植物の噌好傾向を調 査し,その実態を詳細に報告してきた4'5,6).
本研究では,自由記述形式による好きな動植物の 調査により,小学2年生から中学2年生までの動植 物の噌好傾向を明らかにすることを試みている.ま た,前報で報告した大学生の結果とも併せて,噌好 傾向の年齢による推移も検討した.調査時期につい ては,平成4年度から小学校で生活科が導入された ことから,小学5年生と中学2年生については,平 成8年度から平成10年度まで3カ年にわたって調査
し,他の学年は平成10年度でのみ調査した.
*理科教育
調査対象及び調査方法
調査は,熊本大学教育学部附属小学校と附属中学 校の児童・生徒を対象として,平成10年度の3学期 に実施した.また,先に述べたように,小学5年生 と中学2年生は,平成8年度と9年度の3学期にも 調査されている.調査対象の詳細は,表1に示して ある.
表2には,小学5年生以上の調査で使用した質問 紙を示してある.その内容は卵植物と動物に関する 質問から構成されており,各動植物については,最 初に,一番好きな動植物が直ちに答えられるかを尋 ねている.次に,好きな動植物を3番目まで列挙さ せ,それらの好きな理由を尋ねている.ここの質問 で,3種類全部が同じ仲間,即ち植物では草本植物 か木本植物,動物では脊椎動物か無脊椎動物であっ た者については,最後に,異種のもので一番好きな
表 1 調 査 対 象
小学校 中学校
調査年 2 年 3 年 4 年 5 年 1 年 2 年
平 成 8 年 度 1 1 7 ( 5 9 , 5 8 ) 1 5 7 ( 7 8 , 7 9 ) ・ 平 成 9 年 度 、 6 ( 5 8 , 5 帥 1 5 8 ( 7 8 , 8 0 ) ・ 平成10年度71(37,3鋤114(55,59)118(59,5帥71(36,35)148(72,76)153(78,75)b
a生活科未習,b小学2年次の生活科のみ学習,()は男子と女子の人数
- 3 5 -
前田健悟・三島搬志
表2 調査内容
すきな憧物、動物しらベ ( 1 ) 位 別 男 女
(2) あなたは、ー番す書な植物【木や車砲など}の名前壷今す号、考えずに答えられますか.
①.えもれる @答えられない
③をえらんだ人t.,考えて答えて〈ださい.
あなたのす島な植物{木や事花など}の名前とすきな瑚由を禽いて〈だ書い.
1番すーな植物 2番す書な値絢
3 .
す書な姐鋤値鞠の名前 すきな理由
い阜、書いた3樋目聞の名前が全部、木の仲聞だった人はアに、野猿争事花の仲間だった人 はイに答えて〈ださい.
ア.あなたのー脅すきな野猿や草mなどの仲間の名前を遭いτ〈ださい.
イ.あなたの‑.すきな水の仲間の名前聖書いて〈ださい.
( 3
) あなたは、‑&す曹な鋤舗の名前垂今す号、考えずに答えられますか.
α泊匪えられる o えられない
③をえらんだ人t.,考えて箸えて〈だ吉い.
あなたのす麿な鋤"の名前とすきな理由を.いて〈だ書い.
動物の名前 す暑な思陶
1書すーな鋤鋤 2脅すeな動物
3 .
す曹な動物い章、富いた3種鯛の名前が全信、背骨量持った動衝{ウシ、スズメ、フナ.へピ(tど}の 仲聞だった人はアに、骨骨を持たない動物{コガネムEへミミズ.ハマグリなど}の仲間だ ラた人はイに答えτ〈ださい.
ア.あなたのー喬す書な背骨壷持たない鋤物の仲間の名前聖書いて〈ださい.
イ.あなたの‑.すーな宵骨を待った働物の名前を'いて〈ださい.
動植物名を回答するよう求めている.なお,小学 2, 3年生に対しては,好きな動植物の名前を3番目 まで答えさせる質問しかしていなし小学4年生に 対しては,最後の異種についての質問はしていない.
結果と考察 植物の噌好傾向
3ヵ年にわたるデータがある小学5年生と中学2 年生の植物の噌好傾向を分析し,その後,学年推移
を検討する.また,動物の噌好傾向についても全く 同じ形式で検討をする.
1 )小学5年生と中学 2年生
表3には,一番好きな植物を考えずに直ちに回答 できるか,即ち,意中の植物の有無について,回答 された植物を木本植物と草本植物別に集計した回答 率を示しである.括弧内は男女別の回答率であり,
この表の後に示される全ての表でも同じである.
表3に示されるように,一番好きな植物が意中に あるとする者は,小学5年生で60% ,中学2年生で 44% であり,小学5年生の方が中学2年生に比べて 多いことがわかる .
- t
検定の結果でも,有意水準 0.5% で,両学年間に有意差が認められた.なお,大学生で意中にあるとする者は51% である.これ らの3者間では,中学2年生が最も低い値を示して
表3 一番好きな植物の意中の有無
盤 中 の 有 領 小学5年 中 学211' 有 水本 2.17 2(2 ム)9.11 1.61 2.7(1 ),0.51 草本 03.4 (2.7 ,8)38.6 3.28 匂16. ,35,、)0 木本 2.16 2.5(2 , )3.7 8.23 (284.,.912>
鯨 革本 .222 包2.3 ,.21 2>.330 .013( ,)5.92 1
1回 答 仏7 (0.7 , 0:1> 3.1 ( 1.8. )3.1 好きなし .30 (仏7,ω.O .00 ( 00. , ω.O 草本 3.0 ( 00. , .07> .00 ( 00. , )0.0 無 回 答
無 回 答 .00 ..0(0 ω.O 2.0 ( 04. , ω.O ( )内は,左側が男子.右側が女子の回答率を示す.
おり,植物への関心は,中学生辺りで最も低下する のではないかということが窺える.また,一番好き な植物が意中にあるとする男子は小学5年生で50% , 中学2年生で39% であるが,女子は小学5年生で 70% ,中学2年生で50% であり,男子に比べて女子 が高くなっている .
- t
検定でも,小学5年生と中 学2年生で,有意水準がそれぞれ0.5% と2.5% で男 女聞に有意差が認められ,女子が男子に比べ,好き な植物を常に思い描いていると言える.意中の植物 としては,草本植物が木本植物に比べ多く,女子に おいては,圧倒的に草本植物が多くなっている.類 似の傾向は,意中になかった者の回答にも見ること ができる.表4には,小学5年生と中学2年生の一番好きな 植物の回答率を示しであり,表中のサクラからタン ポポまでの61 種の植物の順序は,小学5年生と中学 2年生を合わせた合計欄の回答率が高い順となって おり,両学年での男女別の回答率が少なくとも一方 で2% を超える植物について示しである.その他に 属する植物の種類は,小学5年生で59種,中学2年 生で19 種であった.
表4に示した61 種について,合計欄の小学5年生 と中学2年生の回答率を,図1に棒グラフで示して
表4 一番好きな植物の回答率
4直旬名 小 学5年 中 学2隼 合 計
サ~ラ 12.62.71( , )9.7 8.21 1.41( ),5.11 7.21 (1臥3),1.01 ヒマワリ 9.8 ( 62ω3.1. 4.9 ( 8η.10.1. 2.9 ( 70. ,l1.4.l チ ュ ー リ ッ プ 9.9 (5.3 ,)6.41 8.6 ( 3.4,)3.01 1.8 ( 42. ),9.11 パラ 4 . .0 ( .62 , )3.5 3.7 ( 6.6. )0.9 0.6 ( 44. , )5.7
0スノキ .36.6.01( )0.2 5.4 ( 64. , )6.2 2.5 ( 81. , .23)
コスモス 0.4 ( 1.3. ω.6 4.1 ( 7.1, .64.l 0.4 ( 16. , )5.6 ユリ 2.6 ( 2.0. .33) .34 ..6(2 ω.6 .63 ( 23. , )9.4 カスミソウ 0.2 (仏O. ω.4 .63 ( 0.4, )8.6 0.3 ( 03. , 7.5ヲ パ ン ジ ー 3.4 C .06 , )6.2 7.1 (2.1 , .13) 7.2 ..6(3 ω.1 スズラン 0.3 (0.0 , )0.6 5.1 ,( 0.0 , ω.3 1.2 ( 00. , )2.4 アサガオ .33 (6.3 , )3.1 90. ( 17. , ω.O 1.8 (3.1 ,臥防 サボテン 6.2 ( 6.3. ω.O 1.1 ( 17. , .O心 7.1 (3.1 , )3.0 ス イ ー ト ピ ー 0.2 ( 0.7 , )3.8 6.1 (仏4,)6.2 7.1 (仏6,ω.2 ラフレシア 3.2 ( 4.6 , ω.O .90 ( 17. , ω.O 4.1 (2.9 , ω.O スミレ 0.2 ( 0.7 , )3.3 9.0 (0.4 , )3.1 3.1 (仏5,)1.2 9ンポボ .00 ( 0.0 , ω.O 1.2 ..0(3 )3.1 1.3 ( 18. , .08) そ の 他 S札1 (1.33 ,)2.27 3唱8 (.6.64 ,9).62 24.3 3.41( ),0.72
小・中学生の動植物の晴好傾向
1 6
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宵絢固
図1一番好きな植物の回答パターン
ある.また,比較のために,前報ωの図1で示した 大学生が一番好きな植物の回答率も一緒に示しであ る.図からわかるように,小学5年生の一番好きな 植物は,サクラ,チューリップ,ヒマワリ,クスノ キ,パラの順であり,中学2年生では,サクラ,ヒ マワリ,パラ,チューリップ,クスノキの順となっ ている.これら商学年の好きな順序は多少前後する がよく似通っている.ただ,さらに細かく見ると,
小学5年生が中学2年生より,チューリップ,パン ジー,アサガオなどで回答率が高く,逆に中学2年 生で、回答率が高い植物にはパラ,ユリなどがあり,
両学年の回答ノTターンに相違が見られる.図示した 1
6 種にガーベラとラベンダーを加えた81 種による
x2-検定によれば,有意水準5%0. で,両学年間に有 意差を認めることができ,全体的な回答パターンは 異なっていると言える.
上位4種に限って言えば,両学年の合計による回 答率は,サクラ,ヒマワリ,チューリップ,パラの 順序となり,大学生の順序とよく一致している.
小・中学生と大学生の回答率に大きな相違が認めら れる植物としては, 5番目のクスノキ, 8番目のカ スミソウがある.また,大学生による調査では,回 答率に性差を認めることができたが,小学5年生と 中学2年生でも,表 4に示されるように,サクラや クスノキなどは男子の回答率が高く,チューリップ,
コスモス,カスミソウなどでは女子の回答率が高く なっている.各学年において x
有意水準0.5% で男女間に有意差を認めることがで き色,植物の曙好に性差が厳然として存在することが わかうた.
調査では,好きな植物を3番目まで尋ねているが,
これは,一番ではないが,よりよく好まれている植 物 を 把 握 す る た め に 設 け た も の で あ る . 表5に は, 3番目までにあげられた植物への回答率を,男
表5 好きな3種類の植物の調査での回答率
植物名 小学s年 中学2年 合 計
サクラ .701 (1.23 , )2.8 .69 0.1(1 , )3.8 .001 .9.11( )2.8
ヒマワリ .47 ( 6.0. )8.8 .68 ( 7.7. )6.9 1.8 ( 7.0. )3.9 テューリップ .59 (6.8 ,12.1) .27 ( 4.3,.01 1) .18 ( 59).0.13.
パ
ラ 92. ( 2.2: )5.3 .95 ( 4.4. .74> .74 ( 3ム)9.5
クスノキ 64. ( 5.7. )5.3 24. (5.1 , )3.3 4.4 ( 54. , )4.3
コスモス 6.5 ( 2.9. 8.4) 82. ( 1.7. )8.3 93. (2.2 , )6.5
ユリ 22. ( 11. , )3.3 53. ( 27. , )3.4 03. 1.(2. )9.3
パンジー 25. ( 79. , .24> 5.1 ( 1.7, )3.1 .92 (4.2 , 1.7)
~ンポポ 8.1 (2.0 , )5.1 52. ( 28. , .21) 22. (2.5 , )9.1
カスミソウ 1.5 (0.2 , )9.2 62. (0.4 , )7.4 2.2 (0.3 , )0.4
スズラン 2.2 (0.4 , )0.4 1.6 ( 01. , )0.3 1.8 (0.3 , .3心
サボテン 12. (2.4 , 1.)8 1.5 ( 21. , )9.0 7.1 (2.3 , 1.2) アサガオ 52. (3.3 , 1.)8 1.1 ( 2.0. .OI> 6.1 ( 25. , )8.0
ウ
メ 0.1 ( 1, 1.)9.0 1.2 ( 21. , )0.2 61. ( 1.7, 1.)6
スミレ 2.2 (2.0 , .2心 2.1 ( 0.6 , )9.1 6.1 ( .1, 1.21)
イチョウ 0.2 ( 18. ,)2.2 2.1 ( 19. , )6.0 5.1 ( 1.8. 1.2) その他 56.3 8.0(4 ,.23 2> 03.4 3.9(4 ,).863 50.4 .064( ,)0.35
女の何れかの回答率が2% を超える61 種の植物につ いて示しである.表5で示した回答率は,一つの植 物の回答者数を調査人数で割り,さらにその値を 1
/
3 倍した百分率である.また,この調査で得られ た植物種の数は,小学5年生で813 種であり,中学 2年 生 で は 200種 に も 達 す る . 大 学 生 の 調 査 で は, 321 種が得られており,中学2年生が極めて多 様な種類の植物を好きとしていることが特徴として あげられる.ただ,中学2年生の植物種数について は,調査人数468人が,小学 5年生の 304人及び大 学生の284人より多いことも多少影響しているかも
しれない.
表5と表4の結果を比較すると,回答率の高い上 位5種の順序,即ち,サクラ,ヒマワリ,チュー リップ,パラ,ユリの順序は,不変であることがわ かる.また,表4のスイートピーとラフレシアの回 答率が2% 以下となり,新たにウメとイチョウが出 現してきている大学生のウメとイチョウの回答率 は,それぞれ0.7% と2.4%であった.ただ,それら の回答率はかなり低く,順位の相違を議論すること は余り意味を持たない.また,前述したように,一 番好きな植物に関しては,両学年間で回答パターン に相違を認めることができ,各学年において性差も 認めることができた.そこで,同様に,表5に示さ れる3種類の植物の調査において,回答パターンに 両学年間で有意差が認められるか,各学年において 性差が認められるかを,表5中の61 種にモミジとキ ンモクセイを加えた81 種の回答を用いて, -l検定 してみた.その結果から, 3番目まであげられた好 きな植物の回答に関しても,その回答パターンに,
有意水準0.5% で,両学年間及び男女聞に有意差が あることがわかった.
円i
前田健悟・三島撮志
表6 好きな3種類の植物の内訳
3認の内訳 小学5隼 中学2年 木 本3 .本 67. 7.12( , ω.2 8.8 (17.3 , ω.3 木 本2草 本1 .671 00.2( , .261 925. 包6ム24.8) 木 本1草 本2 .237 78.3( ,ω.63 34.8ω2.5 ,.73 2)
* 本0草 本3 .232 3.19( ,45.ω24.8 7.9(1 ,).992 その他 36. 3.9.( 1.3) 8.5 ( 7ふ)3.4
表6には,好きな3種類の植物において,木本植 物と草本植物の種類数の内訳を示しである.表中に おける3種の内訳の欄では,木本は木本植物,草本 は草本植物,それらの後の数値は種類数をそれぞれ 示している.従って, 3種類とも木本植物を回答し た場合,
r
木本3草本oJと表記される.表6からわかるように,木本植物1種と草本植物 2種の回答が最も多く,木本植物 3種の回答が最も 少ない.草本植物3種の回答と,木本植物が2種で 草本植物が1種の回答に関しては,小学5年生では 明らかに回答率に差があるが,中学 2年生ではほぼ 同一の回答率となっている .
- t
検定でも,両学年 間に,有意水準5% で有意差が認められる.なお,中学 2年生の回答率は,大学生の回答率(前報)6 の 表2参照)とほぼ一致している.3種類とも木本植 物をあげるのは女子に比べ,男子の方が多く,逆 に, 3種類とも草本植物をあげるのは男子に比ぺ,
女子に多い.特に,小学5年生の女子では,草本植 物を 3種あげる児童がほぼ半数に達することである.
t
-
検定では,男女間に,有意水準%5.0 で有意差が 認められる.3種とも木本植物,または草本植物を好きと回答 した児童・生徒に,別種の中から一番好きな植物を 回答してもらった.その結果, 3種とも草本植物を 好きとした者は,回答率の高い順に示すと,サクラ,
クスノキ,イチョウ,スギなどを列挙している.こ れらの木の中で,クスノキは熊本県の県木,イチョ ウは熊本市の市木である.なお,木本植物3種を回 答した児童・生徒は非常に少ないため,彼らによる 異種の植物の回答率は殆ど統計的な意味を持たない.
2 )学年推移
図2には,平成10 年度に調査した好きな3種類の 植物について,表5に示した上位6種の回答率の学 年推移を示しである.小学5年と中学2年のところ には表5の3ヵ年分による回答率も比較のために示 しである.一番好きな植物の学年推移に関しては,
図 2とほぼ閉じ傾向を示しており,また,好きな植 物の回答率としては, 3種類の植物を回答させた方
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2 小 5)¥' 中2 中2 大 学
学年
図2 植物の噌好の学年依存性 の結果が信頼性は高いと考える.
まず,小学5年生と中学2年生において,単年分 と3ヵ年分の回答率を比較すると,両者の回答率に 大きな差はなく ,p‑検定でも有意水準5% で有意差を 認めることはできなかった.このことから,単年度 の結果でも十分に学年推移を推測できると考える.
また,平成8年度と平成9年度の中学2年生は生活 科をまったく受けていないが,彼らと小学 2年次で 生活科を受けた平成01 年度の生徒の間でも,検定 による有意差は認められなかった.このことと学年
、推移の全体的傾向を併せて考慮すると,その傾向に 生活科未学習の影響はないと考えることができる.
図2から,小学2年生は,多少の偏り 5( :!: 2%) はあるものの, 6種の植物をほぼ万遍なく好きであ ると言え,小学3年生以降から,明瞭な学年依存性 を見ることができる.回答率が増加飽和傾向を示す 植物として,上位3種のサクラ,ヒマワリ,チュー リップがある.サクラは小学5年生,ヒマワリは小 学4年生で飽和に達し,それぞれほほ11% ,9,5%
の者が好きになると推測される.チューリップも小 学5年生で飽和に達する (8%) と見られるが,大 学生の回答率(1%)0 をみると,中学以降も多少増 加するかもしれないと考えられる.パラは,増加飽 和傾向を示すというよりも,ほぽ一定か,僅かに増 加傾向を示す.
コスモスについては,小学3年生と中学1年生の 間で,回答率が8% から2% まで線形に減少するこ とがわかる.その後,一定値を示し,大人になるに 従って,多少増加する傾向を示す.クスノキの回答 率は,周期的な変動傾向を示し,即ち小学4年生で 極小,中学 l年で極大を示している.ただ,大学生 で最も低い値となっていることを考慮すれば,小‑
中学生と大人とでは明らかにクスノキの認識度に差 があると言える.
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