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成人期の対応 研究分担者 中島 淳

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Academic year: 2021

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(1)

厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業) 

分担研究報告書 

成人期の対応 

 

研究分担者  中島  淳    横浜市立大学肝胆膵消化器病学 主任教授  研究協力者  大久保 秀則  横浜市立大学肝胆膵消化器病学 助教   

【研究要旨】 

慢性偽性腸閉塞症(CIPO)は低栄養や感染症から死に至ることもある難病だが、1人/10万人 と極めて有病率が低く、これまで十分な症例集積に基づく研究報告が皆無であった。当院は今 日まで本邦唯一の成人拠点病院として全国から多くの症例を集積し、本邦最大規模のデータ ベースを有している。本年はこのデータベースを用いて、成因別に原発性・二次性に分け、そ れぞれの臨床像の違いを後ろ向きに解析した。 

結果として、栄養状態、IVH必要率、死亡率は原発性、二次性で特に差は見られなかった。

なお、腸内滅菌療法の有効率が42.9% vs 87.5%と二次性で有意に高かったが、その一方で IVH必要者の死亡率も25.0% vs 42.9%と二次性で有意に高かった。 

 

A.研究目的 

本邦最大の成人データベースを用いて、成 因別の臨床像の違いを明らかにする 

 

B.研究方法 

2011年4月〜2017年12月までに当院を受診 した120例の疑診例のうち、厚労省診断基準か ら確定診断の得られた34例(男/女=10/24、平 均年齢49.6歳)を対象とした。成因/背景疾 患、発症年齢、受診時の栄養状態(BMI、血清 Alb値)、経過中のIVHの必要率、シネMRI所 見、腸内滅菌奏効率、転帰を原発性と二次性で 比較した。 

(倫理面への配慮) 

連結不可能匿名化データを扱った研究であ り、倫理審査は不要である。 

 

 

(2)

C.研究結果 

(1)成因/背景疾患 

  続発性の大半は全身性強皮症由来であった。 

 

(2)発症年齢 

  続発性の方が有意に高齢発症であった。 

 

(3)経過中のIVH必要率/受診時の栄養状態 

  いずれも原発性・続発性で有意差は見られなかった。 

(3)

(4)シネMRI所見 

  原発性の方が有意に平均腸管径が大きかった。 

 

(5)腸内滅菌奏効率 

  続発性の方が奏効率が高い傾向にあった(p=0.07) 

(4)

(8)転帰(生存or死亡) 

  転帰(経過中の死亡率)に差は見られなかった。 

 

D.考察 

①  原発性の方が平均腸管径が大きい理由:続 発性(特に強皮症)の腸管は平滑筋の線 維化のために硬く拡張しにくいためと推 測される。 

②  腸内滅菌が続発性(特に強皮症)で有用で あったこと 

強皮症の患者は、CIPO症状の有無に関 わ ら ず 、 43% で 小 腸 内 細 菌 異 常 増 殖

(SIBO)を来しているとの報告がある。

CIPOを伴う症例に限れば、恐らくかなり の高確率でSIBOを合併しているものと推 測され、腸内滅菌が有効であると考えら れる。 

③  予後 

Amiotらは経口摂取能が保たれている症 例ほど臨床予後は良く、強皮症をベース としたCIPOは死亡率が高いと報告してい る。我々の症例は、原発性も続発性も経 口摂取能が保たれている患者がほぼ同じ 割合で、栄養状態も同等であったために 予後に差がなかったと推測される。一方

で、IVHを必要とした症例に限定すれば、

原発性よりも続発性(特に強皮症)では 死亡率が高く、既報に矛盾のない結果と 考えられる。 

  E.結論 

栄養状態、IVH必要率、死亡率は原発性、二 次性で特に差は見られなかった。一方、二次 性、特に強皮症ベースの場合はひとたびIVHを 必要とするようになると死亡率が高まる可能性 があり、腸内滅菌療法を中心とした積極的な内 科治療を検討すべきと考えられた。今後も更な る症例の集積が必要である。 

 

F.研究発表  1.  論文発表 

なし   

 2.  学会発表  なし 

 

G.知的財産権の出願・登録状況 

(5)

1. 特許取得  なし  2. 実用新案登録  なし 

3. その他  なし   

参照

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