• 検索結果がありません。

手 島 貴 範*,細 田 三 二**,角 田 直 也*

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "手 島 貴 範*,細 田 三 二**,角 田 直 也*"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

−39−

男子サッカー選手における Yo-Yo test からみた間欠的持久性走能力の発達 Development of aerobic work capacities on Yo-Yo intermittent recovery

tests in male soccer players

手 島 貴 範*,細 田 三 二**,角 田 直 也*

Takanori TESHIMA*,Mitsuji HOSODA** and Naoya TSUNODA*

Ⅰ.は じ め に

サッカー競技は、90 分という競技時間の中で、

ジョギングなどの低強度運動とスプリントをはじ めとした爆発的な高強度運動が何度も繰り返され る競技である。サッカー選手に必要とされる体力 的要素の中でも、有酸素性能力についてBangsbo

1)

は、サッカーの試合における最も重要なエネルギ ー供給源であると指摘している。さらに試合の中 では、状況に応じて爆発的なスプリントが必要と されることから、無酸素性能力についても優れた 体力を必要とされる。また、爆発的なスプリント を繰り返し行うことのできる無酸素性の間欠的運 動能力が要求されることも事実である。したがっ て、サッカー競技においては、体力のベースとな る優れた有酸素性能力はもちろんのことながら、

間欠的な無酸素性能力が必要になるものと考えら れる。

サッカーのトレーニング現場において、体力の 測定と評価が可能なフィ ールドテストとして、

Bangsbo

1)

の開発したYo-Yo intermittent recovery testが存在する。このテストは、高強度の間欠的 な運動を行うスポーツ選手の能力を評価すること が可能である。このYo-Yo intermittent recovery

testについて、Bangsbo et al.

2)

は、Level1 は、

高強度の有酸素性運動を繰り返し行う能力に、

Level2 では無酸素性運動と有酸素性運動が組み 合わさった高強度の間欠的運動に焦点を当ててい ると述べている。 これまでの先行研究において Level1 における10歳代サッカー選手の発達傾向

2)

についての報告は存在するものの、Level2 につ いては、年代カテゴリー別

3)

の比較にすぎず、発 達傾向については殆ど明らかになっていない。そ こで、本研究では、10歳代の男子サッカー選手に おけるYo-Yo intermittent recovery test Level1 と Level2 との関連性からサッカー選手の持久的 走能力について検討することを目的とした。

Ⅱ.方  法

1.被検者

被検者は、13 歳から 22 歳までの男子サッカー 選手 185名とした。これらの被検者を 1 歳毎の年 齢群別に分類した。 また、20 歳以上の被検者に ついては、20 歳以上群として一つの群として群 分けを実施した。被検者の年齢、競技経験年数及 び身体的特性をTable 1に示した。本研究の被検 者には、研究の目的及び内容等について十分な説

* 国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科(Graduate School of Sport System, Kokushikan University)

** 国士舘大学体育学部(Faculty of Physical Education, Kokushikan University)

THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE

VOL.34, 39-42, 2015

報告書(体育研究所プロジェクト研究)

(2)

手島・細田・角田

−40−

明を行い、本研究への任意による参加の同意を得 た.また本研究は、国士舘大学体育学部研究倫理 委員会の審査を受けて承認を得た後に実施した。

2.身体組成

各被検者の身長は、身長計を用いて計測した。

体重及び除脂肪体重(FFM) は、 体内脂肪計

(BODY FAT ANALYZER、 TBF-110、 TANITA 社製)を用いて計測した。

3.Yo-Yo intermittent recovery test の測定 本研究では、間欠的な持久的運動能力の指標と して、Yo-Yo intermittent recovery test Level 1 とLevel2(Yo-Yo IR L1 , Yo-Yo IR L2)を採用 した。Yo-Yo intermittent recovery testには、2 つの異なるレベルが存在し、Level1 は、走行速 度が10km/hから、Level2 では13.0km/hから開 始され、それぞれ徐々に速くなる信号音にあわせ て20mの往復スプリントと 5mのジョギングによ る休息区間の往復を繰り返すという間欠走テスト である。走行距離の計測は、2 回の信号音に追従 できなくなった時点までの距離を個人の総走行距 離として採用した。

4.IWCI の算出

本研究では、有酸素性能力に対する間欠的な運 動能力の指標としてYo-Yo IR L1の走行距離に対 するYo-Yo IR L1の走行距離の比を算出し、これ をIWCI(Intermittent work capacity index)と 定義した。

5.統計処理

本研究における各項目の値は、全て平均値±標 準偏差値で示した。各項目間における相関係数の 算出には、ピアソンの相関分析を用いた。各測定 項目に対する年齢の影響については、一元配置分 散分析により検定した。要因に有意な効果が認め られた場合には、Turky Kramer法による多重比 較検定を行い、各年齢群間における有意差検定を 実施した。有意水準は、5%未満(p<0.05)をも って有意とした。

Ⅲ.結  果

Fig.1 は、Yo-Yo IR L1 の走行距離を年齢群別 に比較したものである。Yo-Yo IR L1の走行距離 は、年齢の増加に伴って高い値を示す傾向がみら

Table 1.Physical characteristics of subject in each age groups.

Values are expressed mean 㼼S.D..

Height (yrs) Age group

17G 15G 13G

FFM : Fat free mass

20G: Over 20 years old group.

170.6 㼼 8.8 167.1 7.3 155.6 6.9

16G 14G

171.4 5.8 162.0 6.7

20G 18G

174.4 6.2 171.1 4.4

19G 174.1 㼼 5.6

Weight (kg)

59.0 㼼 6.7 56.4 5.9 40.9 3.7

60.6 7.0 48.4 5.2

66.7 5.7 60.9 5.6 66.0 㼼 6.7

52.0 6.2 48.9 4.5 36.8 㼼 3.7

52.9 4.6 41.5 㼼 5.2

60.4 㼼 4.7 54.8 㼼 4.5 59.4 5.0

FFM (kg)

(3)

男子サッカー選手における Yo-Yo test からみた間欠的持久性走能力の発達

−41−

れ、14 歳群と 15 歳群の間、17 歳群から 19 歳群ま で の 各 群 間 に お い て 有 意 な 差 が 認 め ら れ た。

Fig.2 は、Yo-Yo IR L2 の走行距離を年齢群別に 示したものである。Yo-Yo IR L2の走行距離は、

年齢の増加に伴って高い値を示す傾向がみられ、

Yo-Yo IR L1と同様に 14歳群と 15歳群の間、17 歳群から 19 歳群までの各群間において有意な差 が認められた。

Fig.3には、全被検者におけるYo-Yo IR L1の 走行距離とYo-Yo IR L2の走行距離との関係を示 し た も の で あ る。Yo-Yo IRL1 の 走 行 距 離 と

Yo-Yo IR L2の走行距離の間には有意な相関関係 が認められた(r=0.902,P<0.05)。

Fig.4 には、Yo-Yo IR L1 の走行距離に対する Yo-Yo IR L2の走行距離の比を示す、IWCIを年 齢群別に示したものである。IWCIは13歳群から 17 歳群にかけてほぼ同様の値を示したものの、

18 歳以降の年齢群において高値を示す傾向を示 した。IWCI に有意な年齢群間差が認められたの は、17歳群から19歳群までの各群間であった。

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000

13 14 15 16 17 18 19 20over

Yo -Y o IR 1d istance (m )

Age group (yrs)

* *

*

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

13 14 15 16 17 18 19 20over

Yo -Y o IR 2d istance (m )

Age group (yrs)

*

*

*

y = 0.00009x+0.1573x-3.9622 R² = 0.8132

r = 0.902 (p<0.05)

0 500 1000 1500 2000 2500

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 Yo-Yo IR 1 distance (m)

Yo-Yo IR 2distance (m)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6

13G 14G 15G 16G 17G 18G 19G 20G

IWCI

Age group (yrs)

*

*

Fig.1.Age related changes in Yo- Yo IR 1 distance.

Fig.2.Age related changes in Yo- Yo IR 2 distance.

Fig.3.Relationship between Yo-Yo IR 1 and 2 distances.

Fig.4.Age related changes in IWCI.

(4)

手島・細田・角田

−42−

Ⅳ.ま と め

これまでの先行研究において、Yo-Yo IR L1の 走行距離は、年齢に伴って発達する

3)

ことが報告 されている。本研究においては、Yo-Yo IR L1と Yo-Yo IR L2 共に、思春期に相当する 14 歳から 15 歳にかけて著しい発達が確認された。 また、

思春期以後の 17 歳から 19 歳までの各年齢群間に おいても有意な差が認められた。一般に、発育期 の有酸素性能力の発達は男子で 13 歳から 15 歳に かけての思春期中に著しい

7)

。さらに、有酸素性 能力に焦点が当てられているYo-Yo IR L1と無酸 素性運動と有酸素性運動が組み合わさった高強度 の間欠的運動に焦点が当てられている Yo-Yo IR L2の結果において、共に 14歳群と 15歳群の間に 著しい発達が認められ、これらは有酸素性能力の 発達時期と一致していた。したがって、発育期の 男子サッカー選手においては、有酸素性能力のみ ならず、高強度の間欠的な運動能力についても、

思春期中に著しく発達する可能性が推察された。

一方で、思春期後期の 17 歳から 19 歳までの時期 においても、Yo-Yo IR L1及びYo-Yo IR L2の走 行距離の両方に著しい増大が認められた。さらに は、Yo-Yo IR L1の走行距離に対するYo-Yo IR L2の走行距離の比を示す、IWCIにおいても、同 時期に有意差が認められたことを合わせて考えた 場合、思春期以降のサッカー選手の体力は、その ベースとなる有酸素性能力を高めることのみなら ず、これを上回る間欠的な運動能力を有するもし くは、身に付けなければ、高校生の後半以降、大 学生の年代にかけてサッカー競技に必要な体力水 準を獲得・維持できないものと推察された。

本研究は、 平成 27 年度国士舘大学体育学部付 属体育研究所研究助成により実施された。また、

本研究は、JSPS 科研費 25750299 の助成の一部に より実施した。

引用・参考文献

1)Bangsbo, J.:The physiology of soccer--with special reference to intense intermittent exercise.

Acta. Physiol. Scand. Suppl., 619, 1-155, 1994.

2)Bangsbo, J., Iaia1, M., Krustrup, P.:The Yo-Yo Intermittent Recovery Test Intermittent Sports,

Sports Med.,38 (1), 37-51,2008.

3)Chuman, K., Hoshikawa,Y., Iida, T., Nishijima, T.:

Relationships between Yo-Yo Intermittent Recovery Tests and Development of Aerobic and Anaerobic Fitness in U-13 and U-17 Soccer Players, Int. J. Sport Health Sci. 9, 91-97, 2011 4)Deprez, D., Coutts, AJ., Lenoir, M., Fransen, J.,

Pion, J., Philippaerts, R., Vaeyens, R.:Reliability and validity of the Yo-Yo intermittent recovery test level1 in young soccer players. J. Sports Sci., 32 (10), 903-910, 2014.

5)Iaia, M., Rostgaard, T., Krustrup, P., Bangsbo, J.:

Seasonal changes in intermittent exercise performance of soccer players evaluated by the Yo-Yo intermittent recovery test level 2. Science and Football VI:the proceedings of the Sixth World Congress on Science and Football. 357-359, 2009.

6)Krustrup, P., Mohr, M., Amstrup, T., Rysgaard, T., Johansen, J., Steensberg, A., Pedersen, PK, Bangsbo, J.:The Yo-Yo intermittent recovery test:physiological response, reliability and validity. Med. Sci. Sports Exerc. 35, (4), 697-705, 2003.

7)吉澤茂弘:幼児の有酸素性能力の発達,pp14-26.

杏林書院,東京,2002.

参照

関連したドキュメント

本研究の目的と課題

 そこで、本研究では断面的にも考慮された空間づくりに

川畑会長 はい。. 池田委員

 本学薬学部は、薬剤師国家試験100%合格を前提に、研究心・研究能力を持ち、地域のキーパーソンとして活

G,FそれぞれVlのシフティングの目的には

本研究は、tightjunctionの存在によって物質の透過が主として経細胞ルー

自動運転ユニット リーダー:菅沼 直樹  准教授 市 街 地での自動 運 転が可 能な,高度な運転知能を持 つ自動 運 転自動 車を開 発

 基本的人権ないし人権とは、それなくしては 人間らしさ (人間の尊厳) が保てないような人間 の基本的ニーズ