5 施設整備にかかる問題の整理と整備の考え方
本章では、供用年数や維持管理コストなどの面から現有資産の評価を行った上で、今後の施設整備 の考え方を検討する。さらに、運用上の問題・課題についても整理する。
(1)現有資産の概略・評価 ① 供用年数
管理事務所を除き、財務省令で定める減価償却資産用の耐用年数を超えている。
このことは、即時の使用不可を示すものではないが、施設更新時期の目安を超えていることを 示している。
減価償却資産の耐用年数表〔抜粋〕
(減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和 40 年財務省令第 15 号)) 1 建物
構造、用途 細目 耐用年数
鉄骨鉄筋コンクリート造、 鉄筋コンクリート造
事務所用、下記以外用 50 年
住宅用、宿泊所用 47 年
店舗用、病院用 39 年
送受信所用、車庫用、格納庫用、と蓄場用 38 年
れんが造、石造、ブロック 造
事務所用、下記以外用 41 年
住宅用、宿泊所用、店舗用 38 年
病院用 36 年
送受信所用、車庫用、格納庫用、と蓄場用 34 年
金 属 造
骨格材の肉厚 (4 ㎜を超える)
事務所用、下記以外用 38 年
住宅用、宿泊所用、店舗用 34 年
送受信所用、車庫用、格納庫用、と蓄場用 31 年
病院用 29 年
骨格材の肉厚 (3 ㎜を超え
4 ㎜以下)
事務所用、下記以外用 30 年
住宅用、宿泊所用、店舗用 27 年
送受信所用、車庫用、格納庫用、と蓄場用 25 年
病院用 24 年
骨格材の肉厚 (3 ㎜以下)
事務所用、下記以外用 22 年
住宅用、宿泊所用、店舗用 19 年
送受信所用、車庫用、格納庫用、と蓄場用 19 年
病院用 17 年
施設名 竣工年月 供用年数 耐用年数 評
② 機能的適合性
1) 基本機能(集荷・分荷機能)
集荷に関しては十分なスペースが確保されており、現状では機能的には問題はない。 分荷機能については、特に青果部門において、仲卸業者が卸売場の一部を借りて商品の整理 を行っている状況があり、荷捌きスペースが不足していると考えられる。
2) 加工機能
加工施設として保有しているのはバナナ発酵室のみであるが、現在バナナ発酵のためには使 われていない状態となっている。
近年急速に需要が高まりつつあるカットや包装などの加工施設は有しておらず、必要機能の 不足が認められる。
3) 衛生機能
特に水産部門では業者が個別にカットなどの加工をしており、衛生管理への配慮が求められ るが、現状では仲卸業者が個別に、小間に、衛生管理区画を設けて対応しており、市場として の統一的な管理ができる施設とはなっていない。
今後さらに衛生管理は強化されると考えられることから、機能的な適合性は低い状態と考え られる。
4) 交流機能
現在市場では、わくわく感謝デーなどで多くの集客実績を有するが、これら一般市民が交流 する空間としての機能の不足が認められる。
特に不足と考えられるのは、滞留・休憩スペースであり、現在は関連棟内の一部にベンチが あるのみとなっている。
また、トイレについても設置個所数、規模、設備の機能が不足していると考えられ、今後開 かれた市場を目指す上では機能的適合性が低いと判断する。
③ 維持管理コスト
収益的収支のうち、市場を通して事業者から東京電力に支払われている電気使用量と、一般会 計からの繰入金を除き、本来の営業活動で得られる収益に対する維持管理コストの状況を確認し た。この結果、単年の収支は約 7 千万円で大幅なマイナスになっている。
事業者負担分の電気料金を除く支出に占める市場管理人件費割合は 32%、総支出に占める市場 管理人件費割合は 26%となっている。(第 3 セクターの高崎市場では、12~13%となっている)
平成 23 年度
収入 (千円)
使用料収入 [A] 93,065
支出
人件費管理費計 [B] 165,909
人件費 53,347
管理費(業者負担光熱費控除後) 112,562
電気料金(市場負担分) 7,957
その他(熱水費、管理委託等) 104,605
④ 耐震性評価
平成 23 年度に実施した耐震診断の結果、以下の既存施設について、地震の振動および衝撃に 対して倒壊又は崩壊する危険性があり、建替え・補強等の対策が必要である。
ⅰ)[青果部] 事務所棟・セリ場
X 方向「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。」 Y 方向「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。」 ⅱ)[水産部] せり場棟(南側)
X 方向「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある。」 Y 方向「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。」 ⅲ)[水産部] 仲卸売場棟
X・Y 方向「地震の振動および衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある」
この結果、以下の既存施設について、地震の振動および衝撃に対して倒壊又は崩壊する危険性 があり、建替え・補強等の対策が必要である。
② 青果部事務所棟、せり場