『就実大学大学院教育学研究科紀要 2018(第3号)』 抜刷 就実大学大学院教育学研究科 2018年3月10日 発行
藤 井 誠
特別支援学校の体育の授業における ICT機器を利用した介入の在り方
Research on improving instruction for physical education in special needs school using ICT equipment
−99−
特別支援学校の体育の授業における
ICT機器を利用した介入の在り方
特別支援教育学コース 3616004 藤井 誠
Ⅰ目的
本研究では、iPadを用いたビデオモデリング手続きを取り入れ映像提示によって示範へ の注意持続の困難さを改善できることを示すことを研究目的とした。
Ⅱ研究1
① 方法
A特別支援学校の体育の授業と朝の運動の時間に研介入を実施した。
介入では、さくらんぼ体操・ラジオ体操ともに、テレビ画面で教師の師範動画を流しそ の動画を見て体操を行うよう変更した。ベースライン期と同様に師範動画を流すテレビと 児童の距離は、さくらんぼ体操は2.5メートルで設置し、ラジオ体操は1メートルで設置 した。2場面とも教師からの直接指導は行わなかった。
Ⅲ結果
Ⅳ考察
2つの介入場面の結果から、示範を教師ではなく映像に変えることによって知的障害の 障害特性の一つである選択的注意の問題を改善できたのではないかと考える。子どもの注 視率の向上はこの選択的注意の改善によって示されたと考えている。教師が子どもの前で 実演する従来の示範では、子どもがどこに注目すべきなのかが明確ではなかった。そのた め、教師の示範を注視することが難しく、指示された体操を行わなかったり、時には授業 場面からの逸脱行為があったりしたのではないかと考えている。
知的障害児に対するiPadを活用した自己映像即時フィードバック・ビデオモデリングを 用いた新規動作獲得の検討について
Ⅰ目的
iPadによる即時映像フィードバック手続きを用いた介入を、特別支援学校で行われてい る体育の授業に取り入れることで、児童の新規行動の獲得ができるのではないかと考えた。
−100−
そこで、本研究では、iPadを用いた自己映像即時フィードバックを用い、その効果を検討 することとした。
Ⅱ方法
介入①(前転)
教師の示範をiPadで動画撮影し子どもに視聴させた。その後子どもに前転を実施させ子 どもの前転を撮影した。2回目の子どもの前転実施直前に自身の動画をiPadで視聴させる とともに、言語で修正点を指摘し,前転を行わせるようにした。
介入②では、下記の表にある4つの手順を加え再検討を行った。
Ⅲ結果
Ⅳ考察
知的障害児に対して自己映像即時フィードバックを活用することで、新規動作の獲得が できることを示された。
言語指示と自己映像フィードバックを組み合わせて指導を行うことによって、体のどの 場所を修正するべきかを教師と一緒に指さしで確認し理解できた。また、同時に教師の示 範動画を見せることによって、正しい身体の使い方を理解することができたと考えている。