Slow‑growingとfast‑growingダイズ根粒菌の単糖利 用性の比較について
その他(別言語等)
のタイトル
Comparison of monosaccharides utilization between slow‑growing and fast‑growlng soybean rhizobia
著者 佐藤 哲也, 菅原 四郎
雑誌名 帯広畜産大学学術研究報告. 第I部
巻 15
号 2
ページ 113‑119
発行年 1987‑06‑30
URL http://id.nii.ac.jp/1588/00002081/
l13
罵大研報Ⅰ,15(1987):113〜119.Slow−grOWingとfast−grOWingダイズ根粒菌の 単糖利用性の比較について
佐藤哲也・菅原四郎*
(受理:1986年11月29日)
ComparisoTlOf monosaccharides utilization between slow−grOwing and fast−grOWlng SOybeanrhizobia
Tets11yaS^TC)and Shiro SuGAWARA
摘 要
7株のslow−grO両ng(SG)およぴ4株のfast−grOWingダイズ根粒菌(FG)の増殖にお ける単糖想の影響を調べた。
令体的傾向として駅‡はベントースの利用性が比較的高くへキソースの利用性は非常に低か
った。それに対しFGはベント←スおよぴへヰソースとも利用性が高かった。しかLいずれの 南棟もこれらの利用性に若干の差異か認められた。
SGのベントー∵ス利用性に閲しrE,詳しく調べると.OUGl15,OUGl17 およぴ AIIU l13(=まリボースを炭素源とした時増殖が他に比し非常に遅かった。特にOUG川7はむしろ
リボースにより完全に娃漕が阻害される現象が認められ,またキジロースの利用性も低かった。
OUGl17はアラピノースを炭素源とした時,増殖速度は比較的早いが,最大増殖量は低く,
他の約1′/2であった。
I GであるUSDA194撞キンロース,JlOはアラピノースの利用性が他のFG株に比べ 非常に低かった。
いるものも知られている2月。王(ÅTZ封ELSOがとZAGALLC13)
は軋pん濫台eOヱ王と凡me上山£iがEI〕によりビルビ ン敢を生成することを明らかにした。またEMPを主
要な代謝系としていない耳」丞わ伍の変異株が存在
していることも明らかにされた4)。これらの報告にも
示されたように根粒雨の糖代謝はきわめて多様である
と考えられる。根粒菌が宿主の根細胞に感染,増殖し
礪粒を形成する過程で宿毛の光合成産物の供給を受け
る。マメ科植物根あるいは根粒中にはグルコース,フ
緒 でr
根粒菌の績代謝に関して,近咋いくつかの搾告がな されている。
′rtlZJMURAら1)は 即最適毎雨両面血血m局 Eml〕den−かryerllO洋一Parnas 叩〜IP)およぴ Tri一 頭rb〔】Ⅹ)rlic acid サイクルを有していることを示唆
Lた。これらの代謝系は生物界に広く存在するが微生 物の小にはEnLner−Dolldororf経絡(ED)を有して
ホ帯広畜産大学農産化学科
DepEITtment Or AgriL:ulturalChemistry,Obihiro University of Agriculture and Veterinary h・Ied主cine,Obihiro.Hr〉klくaic臨,Japnn.
佐藤哲也・菅原四郎
114
ラクトース,シュクローズなどの憶掛こ加えミオイノ シトール,ビニトールなどの倭状糖アルコールめ存在
が報告されている5,邑・7)。
炭水化吻利川性と俄粍形私室素因定能の関係につ
いて報告されている。Stre舶r自)は培養中菌体内にト レハt]−スが蓄培され この状態では宅薬園定能が低
Fすると述べている。
同一種に分類される櫓拉南にも多数の南棟が存在七.
その南棟の逢いにより宿エへの感染能.根粒形成能お よび窒素固定能に差異があり実用上の有効南株を識別,
同志するのは困難である。
著者らは有効菌の迅速な,かつ確実な選抜を目的と
しこれら蘭株の同定手段の検討孝行なってきた。エの 報告ではslow−gr亡IWing(SG)およぴfast−grQWirIg
(FG)ダイズ根粒菌を用い,これらの億犠(ベントー み恕よぴへヰソース)利用性の比較について述べる。
実 験 方 溝
使用東棟 ダイズ根粒南棟OUGlO7,OUGl軋
OU、Gl12,OtJ(jl15,OUGl17,S32およぴJlO は十勝農協連農産化学研究所より,AHUl130は北大
応用菌筆数墓より.またUS工)A191,USI〕A193お よぴUSDAlg4は農業環境技術研究所 沢田泰男艮 巷通しで分譲されたものを用いた。
菌棟の培養 南棟の保存にはYEh4寒天培地,炭素 頗の利用性試験には一部改良したYEM−ⅠIhl培地9)
を用いた。この東映において各種糖級長姐過滅菌を行 ない上記試験管【いの瀦薗培地にU.5%となるように添
和した。これ掟あらかじめ3日間前培養した蘭を各試 験瞥に2xlO8cells接種し3DモCで振藩培養を行な
った¢増殖整はし)J〕6首0で誠べた。
結果および考察
碍糠南は生育速度からslow瑠rOWer(SG)とfa扇−
grower(FG)に加ナられている棚。′この窯掛こ用い
られたOU(i107,OUGll(),OUGl比OUGl柑.
OUGl17∴S32およぴAHUl130は前者に.J18−
US¶Al軋Uモ;UA193およぴUSDA194は後者に 属する。こ∧れら菌株の増殖速度を示す鳩舎.寒天培地
Lでのコロニーサイズ】1・l諺)あるいは分裂速鮭13・14)
で示す方法がとられている。しかしこれらのデータの みぜは正確な、各軍素源の利用健を示すことには不充分 と考えられる。そこでこれら薗株の各ベントースおよ
びへヰソースを唯一の炭東倭とする培地で増賭させ,
それらの利用佐の妾削「を生育曲線を用い詳細に比較検
討した。
ベントース利用性 水薬験に用いたダイズ根粒菌は 全体晰こベント←スを良く利用したが南棟によ噺詐導
期の長さ,増殖速度(対数増殖期の勾配)および最大 増殖墾て定常期の01〕値)に美果が認められた。
SGおよぴF〔iのベントース利用健をそれぞれf ig.1 およびFig.2に示した。SGのうらOtIGllO,OUG llgおよぴS32はアラピノース,キシロ←スおよび
リボースを用い約2D時間程度句読導期憧後lこ比較的急 速に増殖,融、最大増薙琶が得られた。AHtJl130お よびOUGl15はアラピノースおよぴキシロースは前
述の顔株と同様であるがリボースの利用性が低かった
(速度および最大増殖量共)。OUGl17はキシロース を良く利用したか7ラビノース培地での増殖速度は乙 れらと同様であるが最大増殖呈は他の場合の1/2であ り80時間後に定常期となった。リボ一夫の利用性は著 しく低かった。OUGl()7は最も覇徽的な生育曲線を
示した。すなわちアラピノースを良く利用したがヰシ ロースの場合誘導親が30時間以上と長く増殖速度も遅
かった。またリボースを扶桑痴とした場合,生育阻害 が認められた。これらはリボースを除貴いずれも4D−
80時間で定常期に達した。
FG根粒菌はベントースを炭素弊とした時革G根粒 菌より若干務導期加砺かく療法速度も早い(ぎ主g.擁
しかしこれら4密林間で牛育曲線には差異が認められ た。、USl〕Aの豆株は特に生育か早く約48時間後定常 期に達した。USI〕A191およぴ193はすペてのベン
トスできわめて規似した牛育をホLたが.JlOはア ラピノースを相いた時卜速度も屈大増殖畳も他の約1/
2であ、った。USI〕A194のキジlコース利用性はきわめ て低かった。
SGはラムノスをほとんど利用しないが,FGで あるJlOは他心ベントースの場合と比べ誘導執は長 い條㈲時間)もめのその後の利同伴は高かっイこ。
USI〕Aの3株を含め他のFGについては日下検討中 である。
へ与ソースの利用性 F皐g.3に示されたようにす べてのSG根粒菌ほいずれのヘキソースの利用性もき
わめて低かった。しかしベントーの場合と異なり郎喝 間後も同じ速度で増殖L続けていた。FG根粒菌によ
るへキソースの利用性はいずれの炭素腐蕎堰いた横倉
ダイズ根拉歯の単糖利用性
三
ごご ▲手く■二・−ごり 【 bll と= 4L Gl1 1n⊂u如ti(m time、hr
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Fig.1Growth charaぐteristicsofSGsoybeanrlli2日t)ia nn l)叩tO6eS aS aSOleCarbonsource.
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佐藤哲也・菅原四郎
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Fig.2 GrowthcharacteristiesofFGsoybeanr上1i之ot)iaon
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Fig.3 GrowtユId摘racもefi8tic80fSGsoyb台an rhiスObia on hexoses as a sole carbomsource.
。。Se(■).
ダイズ根粒菌の単糖利用性
117
Fig.3
空っ9享至﹂じ
Ⅰ】【iり†1tlmC hl・て
Fig.4 Grow抽charactel、i盲ti(〕∬Of■ドGb〔)ybeanrhizobiaonhexosesas a sole carbon source.
Rhizobia
,
佐藤哲也・菅原四郎
11烏
においてもSGめ場合と著しい差異が認められた(Fig4)。
すなわち4種類のへキソース培地中では例外なく誘導 朋か15時間程度と頗く,速度も早かった。これらはい ずれも40時間前複で定常期に達した。ただJlO、′のみ は他の3J株と比べ若干増額速度が遅かった。
19飢年頃Ber酢yの分現書10】ではSGダイズ根粒
啓を月ねめ扉磁混血九力卯血血血としている。ま たScI‡OLLAと軋KANぱ5)はUS工)Al91など中国
で分離された下Gダイ明地勘=勒加抽叩劇画 と命名すること杏脚呂した。本実験に用いたJlOは マンニ、ト「ルの利用怯もSGと比べ非常に高く,糖の 利用性その他の性質から月.ケed墓云に分類するのが適 当かも知れない。
著者らはこれまで主としてSGすなわち 且ノ叩ひ ぬご虹mの菌株の詳細な比較を行なってきた。S 32 は蔽主特異性でありば,AIIVlla(=ま根粒形成する
(如d◆)が無効菌である。OtJGl15とOUGl17は きわめて類似した性質を有しているが1り,感染鰍こは 著しい差異がある18)。これらはここで示されたように
炭素頗ゆ利用性にも若干差昇が認められた。しかし宿 主に対する反応の違いを説明するには不充分である。
このように炭素腐の利用件に差異が有ることは代謝
確の遠いが存在することを意味すると考えられる。
DILW¢RT民ら柑)は月」廃血涙加如加瀬雄詫いて アラピノー又は2」ケトグルタレートを経て代謝きれる
がアラピノースの代謝能を欠く変異株はアラポネート デヒドロゲナーゼを欠くためアラポネートを蓄積する
と報告した。STOW㍊と乱KÅⅣは抑は仁OWpea根 粒菌の炭水化物代謝のkey酵素を検索した結果 HI〕
およぴ E虻P 経路め酵素は存在するが,PentQ5e−
ph〔1印hんもe経路に欠くことを示した。GLRNNら21)
は凡晦じm上乃0ぶdm椚の各酵素呈ほ添加した炭義 源め遠いによ牲異なり,hMPは存在しないと述べて
いる。
()UGl15とOUGl17を用いマニトールを炭素源 とした場合,炭7K化物の代謝に関係する数種のヂヒド ロゲナーゼ量薫比較した17)。いずれもNADP依存型 イソクエンl挨デヒドロゲナーゼが他のデヒドロゲナー ゼの約10倍量生成していることなど▲それらの生成パ ターンは顎似していた。これら2株は歯学的性質も非 常に類似しているが感染能に大差がある18)。これまで
のところ何者の感染能の差を証明する決定的な事実は
見出されていない。これら2株に加えそれぞれ特徴の
あるこれら菌株について詳細憺比較を行ない数値的分 頼法を含め有効性との関連を迅速に見きわめる方法を
検討中である。
参 考 文 献
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18)SATO,T.,T.KATOandS▲SuGAWARA,投稿
小.
ダイズ根粒菌の単糖利用性
119
丸==沈01eSGstrainBSILOWedcompara、tiveユy rapidgrowthonpβntOSeSlblltVel・ylLつWgrOWth rate on hexoses as a soIc carbon.On the contrary FG strains tltilized pent{)SeS aS Well a5hexo喜eS rapidly.
Earh stiairl used here diiiered frnm thc
otherinutilization of且fcwsugars.OUGl15,
OUGl17arld AHtブ1130βⅩhiblted very slow growth on Elribose containing medium,an(1 this sugarinhibited perfectly tht・grOWth of OUGlO7.
AmongtheFGrhiz〔−biagrol〃thofUSI)A194 0n Xylose andJlOon ar払t−mOSe、〜・ereli血もed
to some extent.
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Sl岬mary
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