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小児がん患児のきょうだいに対する母親の 心理的プロセス

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Academic year: 2021

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家族支援

同じ立場から寄り添う

−ピアサポート活動−

本田 睦子、福島 慎吾

認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク

P1-011

【目的】

当会で行っているピアサポート活動は、同じ経験をしたな かま“ピア”として、支援を必要としている人たちの話を傾 聴し、共通の体験をベースに“共感と分かち合い”の気持ち で寄り添うことにより、その家族のエンパワーメントを支 えることを目的としている。

【基本スキーム】

同じ立場である経験のある親たちが、経験の浅い他の親た ちを支えること。疾病や障害の種別を超えて、今支援を必 要としている親たちを支援すること。初めは支援を受ける 側にいた家族が、今度は他者を支援する側に回り支援の輪 が広がっていくこと。

【研究方法】

ピアサポートは、国立成育医療研究センターなど3箇所で 行われている。また、平成26年より慶應義塾大学病院で月 1回活動が始まり、平成29年1月より埼玉県立小児医療セン ターでも開始される。院内に部屋やカウンターを借りて 行っているが、病院から独立した窓口という位置づけのた め、相談の内容は緊急時を除いて病院に通知することはな い。なお病院や医師の紹介、現在の治療方針への意見等は しない。また今年度は、病院内への周知と患者家族がもっ と気軽に立ち寄れるように、国立成育医療研究センターに ておもちゃで遊ぶコーナーやカード作り等のコーナーを会 議室に設け、患者家族が気軽に立ち寄れ、気楽にお話でき る場として「ピア・さろん」を開催した。

【結果】

平成26年度の相談件数:成育81件/神奈川145件/都立小児 129件/慶應義塾大学病院7件。「ピア・さろん」の患者家族 の訪問数:1回目20組、2回目30組。ピアサポートによる支 援は、体験や経験を共感できる「なかま」による支援のため、

問題の解決そのものよりも共感を志向している。ゆえに「わ かる人に話を聴いてもらいたい」、「この先不安でたまらな い」というような気持ちに寄り添うことができた。また、「ピ ア・さろん」は2回目の訪問数が多いことからも、病院内や 患者家族への周知が図れたと考えられる。そして、寛げる 空間で手を動かしながらの会話は、患者家族の不安な気持 ちを吐き出せる場となり、実際に具体的な相談にもつな がった。

【考察】

結果が示唆するように、病院内に気軽に立ち寄れる相談の 場を患者家族が求めていると考えられる。引き続き病院内 で行う家族支援として、気兼ねなく相談できる場を構築す る必要がある。

小児がん患児のきょうだいに対する母親の 心理的プロセス

池田 真紀1,2、長濱 輝代3、木全 貴久4、 吉村 健4、野田 幸弘4、河崎 裕英4、 石﨑 優子4、金子 一成4

1淀川区保健福祉センター、

2杉原小児科内科医院、

3大阪市立大学大学院 生活科学研究科、

4関西医科大学 小児科学講座

P1-012

【目的】

小児がん患児の入院に母親が付き添う場合、母親と離れて 生活する患児のきょうだい(以下、きょうだいとする)の中 には行動面、精神面、身体面に変化を生じる者がいること が報告されている。また、きょうだいをめぐる母親の思い に焦点を当てた報告があるが、入院期間内の一時期を捉え ているものが多い。そこで、発症から退院に至る期間を通 した、きょうだいに対する母親の心理的プロセスを明らか にすることを目的とし、母親およびきょうだいへの支援に ついて検討を行う。

【方法】

関西医科大学附属病院小児科にて小児がん治療のため通院 中の患児で、小学校低学年以下のきょうだいがおり病状が 安定し退院後1か月以上が経過している、研究への同意が 得られた4名の母親を対象とした。インタビューは2015年 11月に半構造化面接にて行った。インタビューでは、きょ うだいに対して抱いた思いや実際の関わり等について質問 し、内容はM-GTA法を用いて分析した。

【結果と考察】

患児の入院に付き添う母親は、離れて暮らすきょうだい のことを気にかけ、心配していることが示された。しか し、闘病生活の中では母親がきょうだいに向き合う余裕は なく、不本意ながらもきょうだいのことを割り切って闘病 に臨まざるを得ず、母親がきょうだいに対して抱く思いは、

≪申し訳なさ≫が中心となっていた。患児の治療や入院生 活が安定し、母親に余裕がもてるようになると、きょうだ いが母親と離れた環境で生活できていることを実感し、環 境の変化に適応しているきょうだいに対して≪感謝≫の気 持ちを抱くようになることが明らかとなった。きょうだい に対する≪申し訳なさ≫から≪感謝≫への母親の心理的変 化は、それまで“自分がいないとやっていけない”と思って いたきょうだいが、母親不在の生活を乗り切っていること、

つまり母親が「きょうだいの力を実感する」ことがきっかけ となっていた。入院によって生じた物理的・心理的距離は、

患児の治療の進展と、きょうだいが大きな変化なく母親不 在の生活を乗り切ることができることで、母親にとって きょうだいを新たな面から捉えなおすきっかけとなりうる ことが示唆された。

【結語】

きょうだいへの支援は間接的に母親への支援にも繋がる。

入院時からきょうだいを含めた家族を長期的にサポートす ることは重要である。

162 The 64th Annual Meeting of the Japanese Society of Child Health Presented by Medical*Online

参照

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