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腸管系病原ウイルス培養細胞の探索に関する研究

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Academic year: 2021

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平成 29 年度厚生労働科学研究費補助金(食品の安全確保推進研究事業)

「ウイルスを原因とする食品媒介性疾患の制御に関する研究」

研究分担報告

腸管系病原ウイルス培養細胞の探索に関する研究

研究分担者 研究協力者 研究協力者 研究協力者

上間 匡 永田文宏 高木弘隆 野田 衛

国立医薬品食品衛生研究所 国立医薬品食品衛生研究所 国立感染症研究所

国立医薬品食品衛生研究所

研究要旨

食品媒介性病原ウイルスのうちノロウイルス等の腸管病原性ウイルスには 現在簡便で実用的な実験室内培養系が存在しない。そのため食品中でのウイル スの生存性や、消毒剤によるウイルスの殺菌効果を直接評価することが出来 ず、培養細胞を用いた簡便な培養系の開発が求められている。腸管系病原ウイ ルスのうち、ブタサポウイルスは 2004 年に、培養細胞を用いた培養系に胆汁酸 が必須であることが報告された(Kyeong-Ok et al, PNAS, vol. 101(23), 2004)。また、ヒトノロウイルスの実験室内培養についても、2016 年にエンテ ロイドを用いた培養系が報告され、この中でも胆汁がウイルスの増殖に効果的 であることが示されている(Ettayebi et al, Science, vol.353 (6306), 2016)。上記のように胆汁に含まれる成分が腸管系病原ウイルスの培養系に必 須である可能性が示されていることから、いくつかの腸管由来細胞株の培養系 に胆汁成分を添加した際の培養条件について検討した。今後は今回の培養条件 のもと、ウイルスの増殖性について検討していく予定である。

A. 研究目的

食品媒介性病原ウイルスのうちノロウ イルス等の腸管病原性ウイルスには現在 簡便で実用的な実験室内培養系が存在し ない。そのため食品中でのウイルスの生存 性や、消毒剤によるウイルスの殺菌効果を 直接評価することが出来ず、培養細胞を用 いた簡便な培養系の開発が求められてい る。

腸管系病原ウイルスのうち、ブタサポウ

イルスは 2004 年に、培養細胞を用いた培 養系に胆汁酸が必須であることが報告さ れ た (Kyeong-Ok et al, PNAS, vol.

101(23), 2004)。

また、ヒトノロウイルスの実験室内培養 についても、2016 年にエンテロイドを用い た培養系が報告され、この中でも胆汁がウ イルスの増殖に効果的であることが示さ れ て い る (Ettayebi et al, Science, vol.353 (6306), 2016)。

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上記のように胆汁に含まれる成分が腸 管系病原ウイルスの培養系に必須である 可能性が示されていることから、ノロウ イルスの培養系構築を目的に、いくつか の腸管由来細胞株について、胆汁成分存 在下での培養条件を検討した。

B. 研究方法 1. 細胞株

Caco-2 細胞、INT407 細胞、HT29/219 細胞を用いた。

Caco-2 細 胞 は 増 殖 培 地 と し て 5%FBS-DMEM/F12 培地を使用した。

INT407 細 胞 は 増 殖 培 地 と し て 5%FBS-DMEM/F12 培地を使用した。

HT29/219 細 胞 は 増 殖 培 地 と し て 5%FBS-DMEM を使用した。

2. 胆汁成分

ウシ胆汁末(0.2%)、

ブタ胆汁末(0.2%)

コール酸(CA 10mM、DCA 10mM、GCA 10mM、GCDCA 10mM、CDCA 3.3mM)、

マレイン酸 10mM、オレイン酸 10mM をストック溶液として用いた。

3. 培養方法

96 穴プレートに細胞を播種し、数日 培養し、定着させる。定着後、培養上 清を胆汁酸と混合した新鮮な培地に いれかえて 1 週間培養し、細胞の生存 性を顕微鏡下で観察した。

胆汁酸は、ストック液:培地=1:1 で混合したものから、2 倍階段希釈で 2−1 から 2−8 までをあらかじめ準備し、

定着後に 96 穴プレートに静かに加え

た。

(倫理面への配慮)

本研究では、特定の研究対象者は存在 せず、倫理面への配慮は不要である。

C. 結果と考察

Caco-2 細胞、INT407 細胞、HT29/219 細 胞の 3 種類の培養細胞についてウシ胆汁、

ブタ胆汁酸、5 種類のコール酸(CA 、DCA 、 GCA 、GCDCA 、CDCA)、マレイン酸、オレ イン酸について、細胞毒性を示さない最 大の添加量を決定した。細胞によって許 容する胆汁成分の濃度は異なり、新たに 細胞株を検討する際には、それぞれの細 胞で培養条件を詳しく検討する必要があ る。

今後、糞便材料等を用いて腸管系ウイ ルスの増殖性について検討していく予定 である。

D. まとめ

3 種類の腸管系細胞株について、胆汁成 分などの至適添加量を決定した。

E. 研究発表 1. 論文発表:なし 2. 学会発表:なし

F. 知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得:なし

2. 実用新案登録:なし 3. その他:なし

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