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元素分析付高分解能電界放出型走査電子顕微鏡

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Academic year: 2021

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キーワード:FE-SEM、高分解能、EDX 

高分解能電界放出型走査電子顕微鏡について 走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning 

Electron Microscope)は、光学顕微鏡では観 察不可能な試料の微小な表面構造を鮮明に観 察することができます。さらに、焦点深度が 深い像が得られることから、凹凸の激しい試 料表面の構造を拡大して、私達が肉眼で物を 見るのと同じような感覚で、三次元的に顕微 鏡像を観察できる装置です。 

最近では、10〜100nm程度のナノスケール領 域での表面観察を要求されることが多く、高 倍率での表面観察には電界放出型走査電子顕 微鏡(FE-SEM:Field-Emission Scanning  Electron Microscope)を用いて表面観察を行 います。FE-SEMは電子源に電界放出型電子銃 を用います。表1に電子銃の違いによる性能の 比較を示します。この電界放出型電子銃には、

冷陰極電界放出型電子銃とショットキー電子 銃の2種類があり、汎用SEMに使われる熱電子 銃に比べ、輝度が高く、エネルギー幅が狭い ため、電子源径を10nm程度まで絞ることがで きます。そのため、高倍率での形態観察に適 しています。また、電子銃の長寿命が熱電子 銃に比べ長いことも特徴として挙げられます。

冷陰極電界放出型電子銃を有するFE-SEMは電 子ビームをより細く絞ることができるため高 分解能観察に適しており、ショットキー電子 銃を用いたFE-SEMは高温でビームを照射する

ため、電流値が安定しており、エネルギー分 散型X線分析装置(EDX)や波長分散型X線分析 装置(WDX)などの各種分析を得意とします。 

当研究所に平成20年に導入されたFE-SEMは、

冷陰極電界放出型電子銃を備えた高分解能電 界放出型走査電子顕微鏡及びEDXから構成さ れ、電子顕微鏡像観察とX線分析の測定が簡便 かつ短時間で両方測定可能です。サンプル表 面のダメージを抑えつつ高分解能での観察・

分析を行うことができます。図1に装置の概観 を表2に装置の仕様を示します。 

                   

図 1  当研究所の FE-SEM の概観 

観察例 1   

図2は付箋に用いられる粘着剤の表面構造を 調べた結果です。紙の繊維の上に数十μmの 大きさの球状アクリル系粘着剤を確認するこ とができます。付箋を貼り付ける時には紙の

汎用SEM

 電子源 タングステン 冷陰極電界放出型電子銃 ショットキー電子銃

 電子源径 30μm 5〜10nm 15〜20nm

 輝度(A/cm3・sr) 106 109 109

 エネルギー幅(eV) 2 0.2 0.7〜1

 陰極温度(℃) 2500 室温 1500

 使用圧力(Pa) 10-4 10-7 10-7

 寿命(hr) 50 数年  1〜2年

FE-SEM  表1 電子銃による性能比較

元素分析付高分解能電界放出型走査電子顕微鏡

No.08011 

(2)

図2  付箋の表面写真

(加速電圧:10kV、倍率200倍)

上から圧力を加えることで、この球状の粘着 剤が押しつぶされて広がり、粘着層の表面積 が拡大し、貼りつく構造となっていることが わかります。

観察例 2 

図3に磁気テープの表面に金蒸着を行った試 料の表面観察結果を示します。金とテープで は二次電子放出量が大きく異なるため、テー プの部分は暗く、金粒子は明るく観察されま す。数 nm〜10nm 程度の大きさの金蒸着粒子 とともに粒子間の nm オーダーの隙間がはっ きりと確認できます。汎用の SEM ではここま での解像度は無く、FE-SEM を用いることで高 倍率での試料観察が可能となります。

図3  金蒸着を行った磁気テープの表面写真

      (加速電圧:15kV、倍率22万倍)

このような金蒸着粒子は電子ビームに対して 安 定 か つ 二 次 電 子 放 出 量 が 大 き い た め 、 FE-SEM の解像度を確認する際の標準試料と してよく用います。

最後に

当研究所の FE-SEM は、依頼試験および開放機 器として利用いただけます。皆様のご利用を お待ちしています。

  本 装 置 は 財 団 法 人 日 本 自 転 車 振 興 会(現  財団法人 JKA)の平成 19 年度公設工業試験研 究所設備拡充補助事業により導入された装置 です。

 本  体  S-4800 (日立ハイテク社製)

 X線分析装置  GenesisXM2(エダックスジャパン社製)

 電子光学系  冷陰極電界放出型電子銃 セミインレンズタイプ  加速電圧  0.5kV〜30kV

 分解能  加速電圧15kV WD=4mmにおいて1.0nm

 倍  率  低倍モード×20〜×2,000 高倍モード×100〜×800,000  ステージ制御  5軸モーター駆動

 駆動範囲  X:0〜110mm、Y:0〜110mm、Z:1.5〜40mm、T:-5〜+70°

 試料サイズ  φ150mm、厚み10mmまで可能

 画像保存  BMP、Tiff、Jpeg方式で画像保存可能  検出元素  B〜Uまで(点、線、面分析可能)

 スパッタ  E-1045(日立ハイテク社製)(ターゲット:Pt-Pd、C)

 表2 FE-SEMの仕様

200μm  200nm 

作成者  化学材料系  舘  秀樹  Phone: 0725-51-2676  発行日  2009 年 2 月 1 日 

図 2  付箋の表面写真  (加速電圧:10kV、倍率 200 倍)  上から圧力を加えることで、この球状の粘着 剤が押しつぶされて広がり、粘着層の表面積 が拡大し、貼りつく構造となっていることが わかります。  観察例 2  図 3 に磁気テープの表面に金蒸着を行った試 料の表面観察結果を示します。金とテープで は二次電子放出量が大きく異なるため、テー プの部分は暗く、金粒子は明るく観察されま す。数 nm〜10nm 程度の大きさの金蒸着粒子 とともに粒子間の nm オーダーの隙間がはっ きりと確認できま

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