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GNE ミオパチー患者の CNV 解析 研究分担者:西野一三

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))

希少難治性筋疾患に関する調査研究班 分担研究報告書

GNE ミオパチー患者の CNV 解析

研究分担者:西野一三

12)

共同研究者:ZHU Wenhua

1)

1)国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第一部 2)国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター メディカル・ゲノムセンター ゲノム 診療開発部

A:研究目的

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオ パチー)はGNE遺伝子の両アレル性変異を原 因とする。大半の患者はミスセンス変異を原因と する。これまでに臨床病理学的にGNEミオパチ

ーが強く疑われるにも拘わらず、片側アレルにし か変異が見いだされない症例が一定数存在する 事が明らかとなってきた。これらの患者について 対側アレルに大欠失や重複などのcopy number variation (CNV)解析が存在する可能 研究要旨

縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)はGNE遺伝子の両アレル性変 異を原因とする。大半の患者はミスセンス変異を原因とする。これまでに臨床病理学的 にGNEミオパチーが強く疑われるにも拘わらず、片側アレルにしか変異が見いだされ ない症例が一定数存在する。そこでこれらの例について診断を確定させるべく、次世代 シークエンサーを用いたcopy number variation (CNV)解析を行い、対側アレルの欠失 や重複の有無を検討した。その結果、11家系13例で1つ以上のエクソンを含む欠失ま たは重複を認めた。特にエクソン2が欠失している例が7家系8例を占めていた。凍結 筋が保存されていた6例での検討では、全例で、欠失側アレルのGNE遺伝子発現を認 めなかった。エクソン2は、2つの主要なGNEトランスクリプトのうち短い方の hGNE1の第1エクソンであるが、長い方のhGNE2には含まれない。このエクソン2 はGNEの短いトランスクリプトhGNE1の第1エクソンであり、アミノ酸をコードし てないが、この部分の配列がhGNE1の発現に必須であることを強く示唆している。ま た片側アレルにCNVを有していた日本人患者8家系のうち、6家系が対側アレルに

D207V変異を有していた。シアル酸補充療法の承認が現実的なものとなる可能性が高ま

っている現在、このようなCNV変異を見逃さず、正確な診断を下すことが極めて重要 と考えられる。

(2)

- 9 - 性を検討することを目的とした。

B:研究方法

患者血液から抽出したDNAを用い、GNE遺 伝子各エクソン領域をカバーするようにプライマ ーを設計し、Ion PGMを用いて次世代シークエ ンス解析を行った。得られたデータに対して、

depth of coverage解析を行った。欠失または 重複が見いだされた例については、別途プライ マーを設計し、断端部のシークエンス解析を行っ た。また、CNV変異が認められた例で凍結骨格 筋が保存されている例については、mRNAの発 現をRT-PCRによって確認した。

(倫理面への配慮)

本研究で用いる全ての検体ならびに臨床情報は 全例採取時に国立精神・神経医療研究センター 倫理委員会で承認された「診断と検体の研究使 用に関する承諾書」をもとにインフォームド・コン セントを得ており、「神経・筋疾患の病態解明と治 療法開発」を目的とした研究への使用が許可さ れている。

C:研究結果

11家系13例で1つ以上のエクソンを含む欠失 または重複を認めた。特にエクソン2が欠失して いる例が7家系8例を占めていた。凍結筋が保 存されていた6例でのRT-PCR解析からは、何 れの例でも欠失側アレルのGNE遺伝子発現を 認めなかった。また片側アレルにCNVを有して いた日本人患者8家系のうち、6家系が対側ア レルにD207V変異を有していた。

D:考察

GNEには2つの主要トランスクリプトがある。短 い方のhGNE1はエクソン2が第1エクソンで

あるが、開始コドンはエクソン3に存在する。従 って、エクソン2はアミノ酸をコードしていない。

一方、長い方のhGNE2はエクソン1に開始コ ドンがあるが、エクソン2は読み飛ばされる。これ までにエクソン2変異を原因とするGNE ミオパ チがー例も見いだされていないことも合わせて、

エクソン2はGNE遺伝子にとって重要ではな いとの考え方もあった。

今回の検討で11家系中7家系でエクソン2欠 失を認めた。更に、凍結筋が入手可能であった 6例全例で欠失側アレルのGNE遺伝子発現を 認めなかった。このことは、このエクソン2の配列 がhGNE1の発現に必須であることを強く示唆し ている。

D207V変異はホモ接合で変異を有していても GNEミオパチーを発症しない人が存在する事 が知られている弱い変異である。このような弱い 変異がnull変異である病原性の強いCNV変 異と組み合わされているという事実は、GNEミオ パチー発症には強すぎず、弱すぎない適度な病 原性強度となる組み合わせの変異が必要である ことを強く示唆している。シアル酸補充療法の承 認が現実的なものとなる可能性が高まっている 現在、このようなCNV変異を見逃さず、正確な 診断を下すことが極めて重要と考えられる。

E:結論

一部のGNEミオパチー患者はCNV変異を片 側アレルに有している。一見ヘテロ接合型に見 えても対側アレルにCNV変異を有していること があり、注意が必要である。

F:健康危険情報 なし

(3)

- 10 - G:研究発表

(発表雑誌名、巻号、頁、発行年なども記入)

1:論文発表

Suzuki N, Mori-Yoshimura M, Yamashita S, Nakano S, Murata KY, Inamori Y, Matsui N, Kimura E, Kusaka H, Kondo T, Higuchi I, Kaji R, Tateyama M, Izumi R, Ono H, Kato M, Warita H, Takahashi T, Nishino I, Aoki M: Multicenter questionnaire survey for sporadic inclusion body myositis in Japan. Orphanet J Rare Dis. 11(1):

146, Nov, 2016 PMID: 27821140 DOI 10.1186/s13023-016-0524-x

Preethish-Kumar V, Pogoryelova O, Polavarapu K, Gayathri N, Seena V, Hudson J, Nishino I, Prasad C,

Lochmuller H, Nalini A: Beevor’s sign:

a potential clinical marker for GNE myopathy. Eur J Neurol. 23(8): e46-8, Aug, 2016

doi: 10.1111/ene.13041. PMID: 7431025

2:学会発表 なし

H:知的所有権の取得状況(予定を含む)

1:特許取得 なし

2:実用新案登録 なし

3:その他 なし

参照

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