九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
立て型温水・氷同時蓄熱システムの開発研究
北村, 邦彦
Graduate School of Engineering, Kyushu University
https://doi.org/10.11501/3180264
出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
4章 実用機の1/7スケール試験蓄熱槽での
実験的・解析的研究
密度安定器‘'Duo Stable" 形状が温度成層に及ぼす影響を明らかにするために, 実用 機の1/7スケール試験蓄熱槽で、の実験的・数値解析的検討を行った. 実験では形状が 異なる密度安定器を用いて, 蓄熱槽内の温度の経時変化を測定し, 密度安定器の最適形 状を究明した. 数値解析では定常状態に達した時点における蓄熱槽内の温度分布を算出 し, さらにそれを実験結果と比較した.
本章で得られた結果より, 立て型温水・氷同時蓄熱槽の形状に対して, 密度安定器の 適切な基本形状が設定できるようになった.
4.1実験装置および実験方法 4. 1. 1 実験装 置
実験装置の概要図を図4-1に示す. 温水一次側では, 電気温水器から760Cの温水を流 しプレート式熱交換器を通し温水二次仰!と熱交換させた プレート式熱交換器に流入す る水の温度の制御は, 温水一次側循環系, 温水二次側循環系のそれぞれの温度検出器を 用いて測定した温度を基に電動三方ボール弁の開閉具合を制御し, 電気温水器からプレ ート式熱交換器に流入する温水の流量を調節することによって行った. 熱交換により温 度が低下した温水を再び電気温水器で、加熱した. 温水二次側では, 温水蓄熱用熱交換器 に550Cの一定温度でブラインを流入させるため恒温槽を用いた. しかし, 温水蓄熱用熱 交換器出口からの温度が低下したブラインをそのまま恒温槽に戻すと, 恒温槽の性能の 問題で一定の流入温度を保つことができない. そこで、温水蓄熱用熱交換器出口の温度が 低下したブラインをプレート式熱交換器で、温水二次側と熱交換させて恒温槽に戻レ恒温 槽の負荷を軽減させた.
冷水一次側では, ブラインチラーは冷却のみを行い冷却されたブラインを貯めておく タンクが装備されていないため, 別途にブラインタンクを用意した. まず, -100Cに冷 やされたブラインをブラインタンクに送った.ブラインタンクから-80Cにてプレート式 熱交換器に通し冷水二次側と熱交換させて温度が上昇したブラインをブラインタンクに 戻した. ブラインタンク内のブラインを再びブラインチラーに戻し-100Cに冷却した.
プレート式熱交換器に流入する温度の制御は, 温水二次側と同様に温度検出器を用いて 測定した温度を基に電動三方ボール弁の開閉具合を制御して行った. 冷水二次側は温水 二次仮IJと同様のシステムにより氷蓄熱用熱交換器に-5. 00Cの一定温度でブラインを流 入させた.
試験蓄熱槽詳細図と密度安定器詳細図を図4-2に示す. 蓄熱槽本体はアクリル製で、直 方体であり内寸5 50mrnx 440rnrn, 高さ930rnrnで内容積は225リットルで、ある. 中央に密度 安定器を設けており, その上部と下部に熱交換器をそれぞれ1台ずつ設置し加熱・冷却 する. 熱交換器は内径8. Ornrn, 外径9 . 5rnrnで銅管8 本を6列に千鳥配列状に並べたもの である. また, 蓄熱槽からの熱損失を最ノトに抑えるために蓄熱槽の周りには断熱材を貼 り付けた. さらに密度安定器には温水 蓄熱部と 氷蓄熱部の熱伝導を最小に抑えるために 5mmの断熱材を貼り付けることにより, 図4-2 に示す寸法になるようにした. なお, 試 験蓄熱槽は, 中規模事務所ビ、ル向け実用機の1/7スケールとして図4-3 の写真に示す とおり, 高さ2,000rnrnで、温水部に4台の熱交換器を設置して製作したが, 本章の密度安 定器の実験では, 密度安定器の形状を変えた実験を繰り返し行うため, 水圧から水深を 1m以下とする必要があり, 温水蓄熱部の高さを氷蓄熱部と同じ高さに設定して実験を 行った.
蓄熱槽内および流入・流出部の温度の測定にはK型シース熱電対を用いた. 各熱電対 の起電力データはデータコレクタに10秒おきに記録した. 得られた起電力を, 熱電対の 検定を行い, 各熱電対ごとに求めた1次の近似式を用いて温度に変換した.
表4-1 に実験使用機器の一覧および仕様を示す.
表4-1 実験使用機器一覧
名称 蕗品名 商品番号 製造元
チラー一 一 プラインチリングユニット UWA5MFZ ダイキン工業 電気温水器 電気温水器 SRQ-3044M-BL 三菱電機
一 『
温水用熱交換器 超小型プレート式熱交換器 UX-005A-J-12 一 日阪製作所 冷水用熱交換器 超小型プレート式熱交換器 UX-005A-]-12 日阪製作所
低温恒温槽 NCB-3200 EYELA 冷水用PID-恒温槽 低温恒温水循環装置 NCC-2100 EYELA 一次冷水ポンプ←ー 加圧給水ポンプ FSFD6.25 荏原 一次温水ポンプ 加圧給水ポンプ FSFD6. 25 荏原 二次冷水ポンプ マグネットポンプ 一 即-15R(M)-N IWAKI 二次温水ポンプ マグネットポンプ MD-20R(M)-N IWAKI 循環用ポンプ マグネットポンプ 一一 間一30RZ(M)-N IWAKI
電動=方ボール弁 電動二方弁 VY5100 山武ハネウェル 電動=方ボール弁 電動二方弁 VY5100 山武ハネウェル データコレクタ データコレクタDCIOO DCIOO-21-31-1M 横河電気
パソコン ノ号ーソナルコンピュータ PL5700S1-WOl COMPAQ
一一
ブライン ナイブラインZl-K 日槽丸善ケミカノレ
熱電対 K型シース熱電対
チ一一一一一千二三口RY
k k :
出TlC-3一一一ーの一一ー���一一一一!一一一:
温水蓄熱用 φ φ ! の
熱交換器 恒温槽 ; 1 プレート式 l
;tt',/ザ(加熱装置) 片寸」 熱交換器 斗,J
点目l 回l-Uv長計��←十
55"C TEW I ?� I 花W件ー〉仁村 ⑬Jl
よ1
-4"C;
13i
n)
恒温槽 | く> I '... 千J
汁fソザ (冷却装置) 花W I S� I 花W I
(点目l E
_50C l-HA1?叫←十
氷蓄熱用 1 プレート式
熱交換器 φ 熱交換器 φ 半
ÒTl_�_1__ーー-②②-一一
戸� フ� �
ーーーチ一一一ーに一二Ð RY
トAt'V
試験蓄熱槽
ト蓄熱部→同
温水 ・ 冷水二次側-州|
図4-1 実験装置概要
{自動機器表}
記号 名称 備考
TEW 温度検出器 Pt100Q TlC 温度調節器 R315G
RY リレー
BV 電動三方ボーノレ弁
チラー
BV 1、 "20A"
l 、一ー 戸 --^CJ
φ
(40 Vmin)
温水 ・ 冷水一次側
【温水】
【冷水}
温水蓄熱用熱交換器
。円∞
∞∞FH仏∞F×FF。ωN
550
ぱヲ、ー- 温水蓄熱用熱交換器
7x 36 P= 252
∞OFHa∞F×FF
0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
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。 試験蓄熱槽
温 水 蓄熱部
Duo Stab1e
氷蓄熱用 熱交換器
面 図
,E・E・-4町叩ハ,aAι,.
、、,,JtD 〆,,‘、
[単位:mrnJ 図
440
正 面 (a)
宅 、
天板 外壁
内壁
c、a
,ミ
15 槽内壁
(c)密度安定器詳細図
試験蓄熱槽詳 細 図
43 95
図4-2
ばコ,...; 」ト
図4-3 試験蓄熱槽の全体写真
44
4.1.2 実験方法
温水側で、は, まず温水用恒温槽のPID制御スイッチをONにし, 一次温水ポンプを動 かして電気温水器から約760Cの温水を循環させた. 温水用恒温槽と温水一次側循環系の 温度検出器がそれぞれ 55.00C以上の温度を示すようになったら, 温水用恒温槽の出口の バノレブを開いて二次温水ポンプを動かして温水二次側循環系の温度検出器も約 55.00C の温度を示すようにした. 一方, 冷水側で、は, まず冷却用恒温槽のスイッチとブライン チラーのスイッチをONにし,一次冷水ポンプとブラインチラー用ポンプを動かして冷水 一次側循環系にブラインを循環させた. 冷水用恒温槽と冷水一次側循環系の温度検出器 がそれぞれ-5.00C以下の温度を示すようになったら, 冷水用恒温槽の出口のバルブを開 いて二次冷水用ポンプを動かして冷水二次側循環系の温度検出器も約-5.00Cの温度を示 すようにした.
蓄熱槽内の水量調節用ホースとの接続部のバルブを開き, ホースのもう一つの端を蓄 熱槽内の上部に入れて, 循環用ポンプを用いて蓄熱槽内を循環させた. 蓄熱槽内に設置 したK型シース熱電対が200C以上の温度を示しているならば氷蓄熱用熱交換器に-50Cの ブラインを,200C以下の温度を示しているならば温水蓄熱用熱交換器に 550Cのブライン を流すことで蓄熱槽全体の温度が約200Cを示すように初期温度を設定した.初期温度の 設定が終わったら, 循環用ポンプを止めてバルブを閉じ, 蓄熱槽内の上部に入れてある ホースの端を取り出して蓄熱槽に蓋をした. 実験開始前に初期温度を記録した.
実験開始と同時に, 温水二次側循環系, 冷水二次側循環系がそれぞれ温水蓄熱用熱交 換器, 氷蓄熱用熱交換器内を循環するようにバルブ操作を行った. また, 各熱電対の起 電力データと温度データの記録を開始した.
実験を開始してから密度安定器内に温度成層が形成された時点で実験を 終了した.
4.1.3
実験条件
表4-2に実験条件として密度安定器の各種形状を示す. 実験条件No.1は, 密度安定器 高さd=60mm, 内壁・外壁開通路幅1=50mm, 外壁高さh)=50mm, 内壁高さん=50mmでこれ を基本形状とし, “Duo Stable"高さ , 内壁・外壁間通路幅 , 外壁高さおよび内壁高さを 変えて実験を行い, 基本形状の温度の経時 変化および実験終了時に密度安定器 内に形成 される温度成層を比較した.
実験条件No.2, 3, 4では それぞれh)=Ommとして外壁がない形状 ,ん=Ommとして内壁がな い形状, さらにh),h2=Ommとして内壁と外壁がない形状に変えて実験を行った. また外 壁高さの影響を見るために実験条件No.2,5, 6では外壁高さh)をそれぞれ Omm, 30mm, 55 mに変えて実験を行い, 内壁高さの影響を見るために実験条件No.3, 7では内壁高さんを
Ommと 30mmに変えて実験を行った. 次に, 内 外壁開通路幅の影響を見るために, 実験条 件No.8,9では内壁と天板からなる通路の幅lを35mmと 54mmに変えて実験を行った. 最 後に密度安定器高さの影響を見るために実験条件No.10, 11では密度安定器高さd を30mm
と120mmに変えて実験を行った.
表4-2 密度安定器 形状の実験条件
[単位:mmJ
Duo Stable高さ 内外壁開通路幅 外壁高さ 内壁高さ
実験条件 (d) (1) (h1) (h2)
No. 1 60 50 50 50
No. 2 60 50 。 50
No. 3 60 50 50 。
No.4 60 50 。 。
No. 5 60 50 30 50
NO.6 60 50 55 50
No. 7 60 50 50 30
No.8 60 35 50 50
NO.9 60 54 50 50
No. 10 30 50 50 50
NO.11 120 50 50 50
46
4.2実験結果および考察
4.2.1 槽肉温度の経時変化
蓄熱槽内に設置した熱電対配置を図4-4 に示す. 温水・氷同時蓄熱実験における蓄熱 槽内温度の経時変化の代表例を図4-5 に示す。実験開始後2400分後の結果は密度安定器 部の温度が完全に安定した定常状態を示す. さらに実験開始250分までの密度安定器内 温度の経時変化を図4-6に示す.
温水蓄熱部で、は加熱に伴って, ⑭,⑬の温度が上昇し, 100分以降, 約550Cで一定とな る. また, ⑬の温度は徐々に上昇し240分で約210Cとなり, 温水蓄熱部に200C----550Cの 温度成層が形成される. その後, ⑬の温度はさらに上昇し, 2400分で350Cになる.
氷蓄熱部で、は冷却に伴って, ①,②の温度が低下し,40 分以降, 最下部①は最大密度 を示す約40Cとなり, ②は約OOCとなる. その後, 温度低下は上方に及び, ③,⑤の温度 が低下し, ともに約 OOCで一定となり, 150分で氷蓄熱部の最下部から上方へ40C----OOC の温度成層が形成される.また, ①, ②の温度は,2400分でそれぞれ-lOC,-50Cとなる.
これは, 熱交換器周りに生成した氷が成長し, ①, ②に接触しているためだと考えられ る.
密度安定器“Duo Stable" 内では,120分で温度が低下し始め, ⑥,③および⑬の温度 はそれぞれ約20C,約40Cおよび約70Cで一定となる.また,⑫の温度は徐々に低下し240 分で約170Cとなることから, 密度安定器内の外壁の左側上方(⑥)から左側底部( ③), 左 側底部(③)から右側底部(⑬), さらに右側底部(⑬)から右側上方(⑫)にそれぞれ約 2 ---- 40C, 約40C'"" 70C, 約70C'""170Cの温度成層が形成され, 底部に最大密度を示す40Cの水 域が存在することがわかる. しかし, 密度安定器内に温度成層は形成されても, ⑫の温 度は緩やかに下降, ⑬の温度は緩やかに上昇していることから, 槽内はまだ定常に達し ていない. 蓄熱開始後2400分になると, 密度安定器内の温度成層は維持されたまま,⑫
の温度は約170C, ⑬の温度は約350Cで定常に達する.
なお, 氷蓄熱部において水の温度が200Cから40Cまでの温度降下により, 水の体積収 縮量は, 約O.13/で、氷蓄熱部水容量(100 l) の約O.130/0で, 次に240分まで氷の成長に 伴う体積膨張量は約1 .88 /で, 上部温水蓄熱部水容量( 約100 l) の約1 .88%である.し たがって, 氷蓄熱部における氷の体積の収縮・膨張の温度成層におよぼす影響は小さい
と考えられる.
47
さらに, 密度安定器部内の温度の経時変化を視覚的に示すために, 各熱電対の実験 データをもとに槽内温度を色分けしたものを図4-7(a),(b)に示す.
図4-7(a)は, 外壁高さh)=50rnmの場合(実験No. 1)であるが, 実験開始時の0分では 全体が約200Cで均一だが, 60分では氷蓄熱部下部より温度低下が始ま り,120分では密 度安定器の天板まで温度低下が広がり, その後密度安定器の内壁上部より密度安定器内
にO"'-'lOCの密度の重い(温度の低し、)水が流入する. 180分では密度安定器底部全体に 温度低下が広がることにより, 密度安定部左側では対流により, 右側では熱伝導により 温度が変化し,220�240分で密度安定器の底部に約4 0Cの冷水が安定すると共に, 密度 安定器内の温度分布もほぼ安定し温度成層が形成される. 240分以降2400分 経過まで,
この密度安定器内の温度分布はほとんど変化しなかった.
図4-7(b)は, 外壁がない場合, すなわちん=Ornmの場合(実験No.2)であるが, 実験 開始時の0分 から120分までは図4-7(a)の代表例と同様の結果である. その後密度安定 器の内壁上部より密度安定器内にO�lOCの密度の重い(温度の低し、)水が流入するが,
180分では密度安定器の底部だけでなく, 密度安定器内の全体に温度低下が生じ, 対流 により温度が変化している. 240分 においては, 図4-7(a)の場合と異なり, 安定した温 度成層は形成されていない.
なお,本研究で、の温水蓄熱は蓄熱槽内の熱交換器により行ったが,温水蓄熱部の蓄熱・
放熱をデ、イフユーザーによる温水の流入・流出により行う場合には, ディフユーザーの 形状および設置位置が密度安定器の密度安定形成に影響を与えないように留意する必要 がある.
• •
温水
蓄熱部
•
•
•
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⑬o
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- 0 0 0 0 0 0
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-⑬ ・ mmN
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氷蓄熱部
。 0・② 。 o.
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。 o 0 。
-o
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0 0 • 0
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-①
141 79
-は熱電対設置位置を示す
戸⑬
•
•
^
的∞
mm
v、
⑤④③
一一lー+
辰 二
TZ⑪・ 1 1
・⑨ ⑩・-
L す
!-1子
[単位:mm]
図4-4 熱電対配置図 ・番号図
60 一一 一一
⑭⑬ ⑭⑬
d=60 mm
1 =50 mm
40ト/
�l=�Q mm ⑬h;=50 mm
「ーï
ふ〉
生H 20恥
思目
50 11 ハリ ハU 150 2450
時 間[分]
図4-5 槽内温度の経時変化(実験No. 1)
A 11 1、\ ヘ、~ッ、-
� r ψ\
寸
lt\ ⑫/ �' '-面
lp
i kメ�⑥
頭 10「
d=6O MIl1
1\
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l \ \二\1 =50 mm; 、
附0mm i !
③当 ~ \
払=50mm :,h
i \\hXJ一一「~一
I.\ _ '\_... - _� . .t._ � -.c--_ __ ・ �� レ�c :::r--司乙〉τ,ー� -- --にー
。 150
時 間[分]
200 250
図4-6 “Duo Stable" 付近の温度の経時変化(実験No. 1)
50
Omin(全て約180C)
180min
60min
240min
120min
2400min
(a)外壁高さhl二50mmの場合(佐60 mm, h1二50 mm,九二50 IllIll, 1二50 mm, t二0----240min,2400min)
Omin(全て約200C)
180min
60min
240min
120min
:55
4:5 RdRJRJ qdw内4・・
,。
(b)外壁がない場合(外壁高さhl=Omm) (許60 mm, h1=0 IllIll, h2=50 mm, 1=50 IllIll, t=0----240min) 図4-7 密度安定器付近の温度変化
51
4.2.2
槽内温度に及ぼす密度安定器形状の影響
ここでは, 密度安定器の形状をそれぞれ変化させて, 蓄熱開始後240分における⑥~
⑫の温度 によりその影響についての検討を行った.
(1) 外壁高さの影響
外壁高さを変えた場合(実験No.1, 2, 5, 6)について, 蓄熱開始後240分における⑥
~⑫の温度を図4-8 に示す. 外壁の左側上方(⑥)から底部( ③,⑨,⑬), さらに右側 上方(⑫)にかけて, 底部 に最大密度を示す40Cの水域が存在する温度成層を形成 し ている ことがわかる. この傾向はh)が大きくなる程, 顕著となり,h)=5 5mm のとき
⑥~⑫の温度変化が最大となる.逆に外壁高さh}が小さくなると, この温度変化も 小さくなるが, これ は密度安定器内壁上部からこぼれ落ちてくる密度の重い(温度 の低し、) 水の混合域が広くなるため, 密度安定器右側の熱伝導支配域が狭くなり,
外壁の左側!と外壁の右側での熱交換が促進されるからである.
外壁のないん=Ommの場合は,外壁の左倶IJ⑥,⑦,③の温度がそれぞれ6.80C, 3. 20C,
2 .70C, 外壁の右倶IJ⑮,⑪,⑫の温度がそれぞれ 3.30C, 3.80C, 7.20Cで一定となって いる. しかし, 密度安定器内の 底部と上方の聞に最大密度を示す40Cの水域が存在 しているため, 密度安定部内で密度逆転が生じ, 温度成層が乱れていると推察され る. また, ⑥と氷蓄熱部の温度 OOCの聞にも最大密度を示す40Cの水域が存在し, 温 度成層が乱れている領域があると推察 できる.
( 2 ) 内壁高さの影響
内壁高さを変えた実験(実験No.1,3,7)について,蓄熱開始後240分における⑥~
⑫の温度を図4-9に示す.内壁高さん=50rnmの場合には外壁の左側上方(⑥)から,
内壁高さ ん=30rnm の場合には 外壁の左側中央部(⑦) から底部( ③,⑨,⑬)さらに 右側上方(⑫) にかけて, 底部に最大密度を示す40Cの水域が存在する温度成層を 形成 していることがわかる•h2=30rnmの方が⑦~⑫の温度変化 は大きいが,密度安定 はいずれも保たれている.
内壁がないh2ニOrnmの場合は,外壁の右側⑨, ⑬,⑪,⑫では 底部から上方 にかけて 順次温度が大きくなっており, 温度成層が形成されているが, 外壁の左側⑥,⑦,③ の温度がそれぞれ 1.20C, 3.30C, 1. 30Cとなって温度成層が形成されていない. こ れは密度安定器内の外壁左側上方 に最大密度を示す40Cの水域が存在し, 外壁左側 下方に約20Cの水域が存在しているため, 密度逆転 によって温度成層が乱れている からであると推察される.
52
ロ 〆 /
ノ
ノ// ノ 一
OJ〆/冶
〆ι
/ /
2r
Jノ/ 一 ,
ふん γ 一 閃
ノ/-〆、
lrE A品寸
20
[υo]
四10
EH
。
20
μ
並区
10賜
t =240min d=60mm
1 =50mm h2=50mm
&-h1= Omm h1=30 一合-h1=50mm -O-hl=55mm
,
,
⑥ ⑦ ③ ⑨ ⑬ ⑪ ⑫
熱電対番号
図4-8 密度安定器の外壁高さの影響
t =240min 0 h2=Omm d=60mm --日--h=30mm
1 =50mm 一合一-h2=50mm h}=50mm
じレ〆 ノふ 〆〆/ノ〆色/
4卜一一一一一一三一-
74ンー-
。 ⑥ ⑦ ③ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫
熱電対番号
図4-9 密度安定器の内壁高さの影響
53
(3)内外壁開通路幅の影響
内外壁開通路幅を変えた実験(実験No.l,8, 9)について,蓄熱開始後240分における
⑥~⑫の温度を図4-10に示す. 内壁と外壁からなる通路の幅lを変えても外壁の左 側上方(⑥)から底部(③,⑬), さらに右側上方(⑫)にかけて, 底部に最大密度を示す 40Cの水域が存在する温度成層が形成されている. また, 密度安定器内の⑥~⑫の温 度変化はほぼ同じであり, 内壁と外壁からなる通路の幅 l が温度成層に及ぼす影響 は小さいことがわかる.
(4)密度安定器高さの影響
密度安定器高さを変えた実験(実験No.1,10, 11)について,蓄熱開始後240分におけ る⑥~⑫の温度を図4-11 に示す. 密度安定器高さdが大きくなるに従って⑪, ⑫の 温度も高くなるが, これは 高さdが大きくなるに従って⑪, ⑫の設置位置も高くな り, (⑪はdの中点, ⑫は天板下面から5mm下方に設置) 温水蓄熱部の影響をうけた
ためである.
密度安定器高さdを変えても外壁の左側上方(⑥)から底部(③,⑩),さらに右側上 方(⑫)にかけて, 底部に最大密度を示す40Cの水域が存在する温度成層が形成され ている. しかし, 安定器高さdが大きくなるに従って⑥~⑫の温度変化が大きくな
っており, 温度成層の強度が増大していることがわかる.
一← �
園・ ・
<置 置置量面画面 画面ー
20
4
t =240min 0 1=35mm d=60mm --日一一1=50mm h1=50mm -A-l=54mm h2=50mm
[υo]
住区
10岨
。 ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑬ ⑪ ⑫
熱電対番号
図4-10
密度安定器の内外壁開通路幅の影響
20
t =240min 0 d=30mm 1 =50mm -ー ロー-d=60mm d-h唱=10mm 一会-d=120mm ω;=10mm
//戸
戸
μ L_j 10
制 賜
4
。
⑥ ⑦ ③ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫
熱電対番号
図4-11
密度安定器の高さの影響
55
- þ
-
千三三=ーーーーーーーー
4.3数値解析方法
立て型温水・氷同時蓄熱槽の密度安定部における温度分布の定常解を求めるために,
蓄熱槽内の層流自然対流場についての2次元数値解析を行う. なお, 定常解のため, 氷 の成長に伴なう体積膨張は考慮していない.
解析系および座標系を図4-12 に示す. 蓄熱槽内の上部にある温水蓄熱部と下部にあ る氷蓄熱部の問に, 密度安定器が設置されており, 蓄熱槽の軸対称性を考慮、し, 蓄熱槽 の右半分で氷蓄熱用の熱交換器上面から温水蓄熱用の熱交換器下面までを数値解析の 領域(x=O ""'-' X, y=0 ""'-'ηとする. なお, 数値解析の領域の左下端を水平, 垂直方向座標
(x,y) の原点とする.
浮力の項に関する水の密度以外の物性値は温水蓄熱部と氷蓄熱部の温度の平均値
{={九+え)/2
}から算定される値で一定とすると,蓄熱槽内における連続の式,水平 x,垂直y方向運動方程式, およびエネルギ一方程式は(4-1)""'-'(4-4)のようになる.
au ðv
一+
白 -=--:_ = 砂 0 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (4-1)十三+ν号)=-Z+μ(会+会)
っυ A斗A
OO T ρ
\111111ノ
今一秒
+μ /lill--\ 一が 仇
+的一ザ
\Ill111ノ への一秒
ν +か一ゐ
u /Illi---\ ハUFρCp(u: +v
:
J=k(主
+手
)ここで, U, νは x, y方向速度, ρは水の密度, μは水の粘度, Pは圧力, gは重力加 速度, cpは水の比熱, Tは温度, kは熱伝導度である.
式(4-3)中の浮力の項に関する密度ρは, 温度の6次関数57)として次式で与えられる.
ρ(η=0.999891 X 103 + 0.006114 X 101 T-O. 08415 x 10 -IT2 +0.07072 X 10-3T3-0. 05419 X 10・5T4
+0. 02529 x 10-7T 5 -O. 005317 x 1 0-9T 6 • • • • • • • • • • • • • • (4-5)
・圃圃固�ー画面面薗圃圃圃園田園田園圃圃圃・・・・圃園田国ー4�
定常状態において温水蓄熱用, 氷蓄熱用熱交換器部分ではそれぞれ温度成層が形成され ており, また, 蓄熱槽および密度安定器のそれぞれの壁面 は断熱されているとすると,
境界条件は(4-6) '"" (4-9)のようになる .
u=ν=0, T=Th u=ν=0, T=Tc u = ðv/釘=θT/θx=O
at x=O'"" Xラy=Y
at x=O '"" X , y=0 at x= O'"" X , y=0
(4-6) (4-7) (4-8) 蓄熱槽および密度安定器の壁面では
u=ν=0, θT / ðx =O at stabilizer wall ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ (4-9) なお, 流れ関数は次式により 計算される.
d中=-vdx ψ:流れ関数[rrf/s] ... (4-10)
解析において, 連続の式(4-1), 運動方程式(4-2) および(4-3), エネルギ一方程式 (4-4)を有限体積法によりそれぞれ離散化し,境界条件のもとでSIMPLE(Semi-Implicit Method for Pressure Linked Equation)解法制lこよる反復計算を行い, 速度および温 度の定常解を求めた. 反復における1目前の速度および温度の値と新しく求めたそれら 各値の相対誤差が10-4以下になったときに解が収束したものとみなし, 反復計算を打ち 切った格子は水平方向, 垂直方向 にそれぞれ等間隔にとり, 計算領域を46X 72の格 子に分割した. 計算では, 蓄熱実験 に用いた試験蓄熱槽および実験で設定した温水蓄熱 部, 氷蓄熱部の温度を考慮して, X=0.22m, Y=0.35mおよび乃=550C, 九二OOCを与 え, 密度安定器の 形状(高さd, 外壁高さhJ, 内壁高さんおよび内壁と外壁からなる通 路幅l) を変化させた.
57
均 一 一-�
220凹
ヒ二二二二二二二二二二二二二二---二二==========二7ご、
! 温水蓄熱用熱交換器
タ
ヤーーーーーーーーーーーーーーーーー
EECωの
550匂N
T=Th=550C
T=Tc= OOC y=y
; 氷叩熱交換器
ヲ
y=O x=O
解析系および座標系 図4-12
- A 一 一 E|
4.4数値解析結果および考察
4.4.1密度安定器内の温度成層
代表的な密度安定器形状について,解析結果より等温線図, 流線図およびベクトル線図 を図4-13 に示す. 温水蓄熱部で、は, 下方から上方にかけて20'"'-' 550Cで等温度間隔になっ ており,流れがないことから温度成層が形成されていることがわかる.密度安定器内では,
外壁左側から右側にかけてlOC'"'-'20oCで定常に達して, 最大密度を示す40Cを通過する温 度成層が形成されており, 密度安定器の底部にはどCの水における密度逆転現象による循 環流が生じている. 氷蓄熱部では, 0'"'-' lOCで定常に達しており,2 つの大きな循環流が生
じている.
密度安定器で生じる循環流の最大値ゆa=1.61 X 10-6m2/sであるのに対して, 氷蓄熱部で 生じる循環流の最大値ゆc二4.33X 10-5m2/sとなっており, 密度安定器で生じる循環流は氷 蓄熱部で生じる循環流より1オーダー小さくなっているので,密度安定器を設置すること によって, 密度逆転による混合が十分に抑えられていることがわかる.
以上より, 等温線図および流線図から密度安定器内の温度成層について考察する.
- --& ー一 44 ーーーー
550C
。OC
OOC
(a)
等温線図
(c)
ベクトル線図
ψcFl. 61 X 10-6m2/s ゆ('=4. 33 x 1 0-5m2 / s
(b)
流線図
図4-13 密度安定器内の数値解析結果代表例
60
l 国
...
4.4.2温度成層に及ぼす密度安定器形状の影響
(1)外壁高さの影響
密度安定器の外壁高さh)を変えた場合について, 数値解析結果から得られる等温 線図と流線図を図4-14'""'-'図4-18に示す.
外壁高さん=0mmの場合, 密度安定器内で最大密度の40Cの領域が広く, 密度逆転 による循環流はψa=3. 52 X 10-6m2/sで, かなり広範囲に及んでいる. また, 氷蓄熱部 の循環流が密度安定器内まで及んでおり, 天板と内壁からなる通路において温度勾 配が約30Cとかなり大きく, 氷蓄熱部の循環流はわ=1. 3 3 X 10-4m2/sで強し\循環流が 生じている.
外壁高さh)=10mmの場合, 外壁高さん=Ommの場合と同様に, 密度逆転による循環 流はゆa=3.03 X 10-6m2/sで広範囲に及んでおり, 天板内壁開通路において温度勾配が 約20Cで, 氷蓄熱部の循環流はゆc= 7. 30 x 1 0-5m2/ sと強くなっている.
外壁高さh)=30mmの場合, 密度逆転による循環流はゆcF-2.56 x 1 0-6m2/ sで広範囲に 及んでいるものの,天板内壁開通路において温度勾配が約lOCと緩やかになり, “Duo Stable" 内まで及ぶ氷蓄熱部の循環流が小さくなり, 氷蓄熱部の循環流はゆc=4.03
X 10-5m2/sと弱くなっている.
外壁高さh)=50mmの場合,外壁高さん= 30mmの場合に比べ, 密度安定器内で最大密 度の40Cの領域がかなり狭くなり, 密度逆転による循環流はゆcF-1. 61 X 10-6m2/sと弱 くなっている. また, 天板内壁開通路において温度勾配は外壁高さ h)=30mmの場合 とあまり変わらないので, 氷蓄熱部の循環流はψc二4. 3 3 X 10-5m2/ sと変わらない.
外壁高さh)= 55 mmの場合, さらに40Cの領域が狭くなり, 密度逆転による循環流は ゆcF-2.07 x 1 0-7m2/ sとかなり弱くなっている. また, 天板内壁開通路における温度は 氷蓄熱部の温度と等しいので, 氷蓄熱部の循環流もれ=2. 34 X 10-5m2/ sと非常に弱く なっている.
また, いずれの外壁高さにおいても, 温水蓄熱部では, 下方から上方にかけて20 '"" 550Cの温度成層が等温度間隔で形成されており, 流れがないことが確認できる.
密度安定器では,外壁左側から右側にかけて最大密度を示す40Cを通過する温度成層 が形成されており, 密度安定器の底部に密度逆転による循環流が生じていることか ら, 密度安定器内で40Cの水が安定していることがわかる. 氷蓄熱部では,O'""'-'lOCで
安定しており 大きな循環流が生じている.
ー 一-::�-�--- --- .... .... • -
550C
」一一一
ELー「
OOC
(a)等温線図(L1作1. OOC)
500C
400C
300C
200C
100C
φr3. 52 X 10-6m2/s ゆc=1.33 X 10-4m2/s
(b)流線図(-ームゅ=5.0X 10-6m2/s ì l --- ムφ=5.0X 10-7m2/sj 図4-14 外壁高さhj=Ommの場合(ん=50mm, 1=50mm, d=60mm)
550C
OOC
(a) 等温線図(L1 7と1. OOC)
500C
400C
300C
200C
lOOC
ψr3. 03 X 10-6m2/s ゆc=7.30 X 10-sm2/s
(b) 流線図f一一- ßψ=5. 0 X 10-6m21 s ì L ムψ=5.0X 10-7m2/s ) 図4-15 外壁高さh)=10mmの場合(h2=50mm, 1=50mm, d=60mm)
62
ヤ
ーーーー-�550C
OOC
(a)等温線図(L11と1. OOC)
500C
400C
300C
200C
lOOC
ψcF2. 56 x 1 0-6m2 / s ゆc=4. 03 x 1 0-5m2 / s
(b)流線図f一一ムψ=5.0 X 10-6m2/s ì し ー ムゆ=5.0 X 10-7m2/sJ 図4-16 外壁高さh1二30mmの場合(h2=50mm, 1=50mm, d=60mm)
550C
。OC
(a) 等温線図(L11と1. OOC)
500C IゆcFl.61 X 10-6m2/ s
400C
300C
200C
lOOC
ψc=4. 33 X 1 0-5m2 / s
(b) 流線図f
一一一
ムゆ=5.0 X 10-6m2/sì
L ムゆ=5.0 X 10-7m2/s ) 図4-17 外壁高さん=50rnmの場合(h2=50rnm, 1=50rnm, d=60rnm)
63
550C
500C Iゆj=2. 70 X 10-7m2/s
ゆc=2. 34 x 1 0-sm2 / s
400C
300C
200C
lOOC
ア/ ℃ AUI
OOC
(b)等温線図(L1 T=1. OOC) (b)流線図( - tJ.ゅ=5.0X 10-6m2/s ì l --- tJ.ψ=5. 0 X 10-7m2/ sj 図4- 18 外壁高さん=55mm の場合(ん=50mm, 1=50mm, d=60mm)
外壁高さが高くなるにつれ,密度安定器の底部に安定している40Cの領域が狭くな っており, それに伴って密度逆転による循環流は弱くなっている. また, 密度安定 器まで、及ぶ氷蓄熱部の循環流は小さくなっていき, 天板内壁開通路での温度勾配が 緩やかになるので, 氷蓄熱部の循環流は弱くなっている.
定常時における密度安定器内の温度(③~⑬, 図 4-4参照)および定常時に密度安 定器内で生じる循環流の最大値をそれぞれ図4-19, 図4-20に示す. 外壁高さが高く なるにつれ, 密度安定器の底部に安定している40Cの領域が狭くなり, 外壁左側と右 側で温度差が大きくなる. また, 40Cの領域が狭くなるので, 密度逆転現象によって 生じる循環流は弱くなっている. したがって, 密度安定器の外壁高さを適切な値に 調節することによって, 密度逆転現象による混合が抑制され, より高い強度の温度 成層が形成されることがわかる.
40
[υ。]
h]=Omm -h1=10mm
30ト一一一ーh1=30mm
一一一-
h1=50mm ーー一一h]=55mmm m
町O
住区
20頭
噌EEi ハリ。③ ⑥ ③ ⑩
熱電対番号
⑤ ⑫
図4-19 定常時における密度安定器内温度
∞
Na 2.0
胸、
そミト
d 60mm 1=50mm h2=50mm O.OL
O 20 40
⑬
60
図4-20 定常時に密度安定器内で生じる循環流の最大値
65
一一 -
(2)内壁高さの影響
密度安定器の内壁高さんを変化させた場合について, 数値解析結果から得られる 等温線図と流線図を図4-21 �図4-24に示す.
内壁高さん=Ommの場合, 外壁と底板からなる通路の底部に最大密度の40Cの領域 が形成されており, 外壁右側から温水蓄熱部にかけて温度成層が形成されるが, 内 壁がないために, 密度安定器内では密度逆転による循環流より, 密度安定器まで及 ぶ氷蓄熱部の循環流のほうが強くなり, ゆCF1. 37 x 10 5m2 / sとなる. さらに, 1 �20C - の領域が氷蓄熱部にこぼれ落 ちて, 氷蓄熱部の循環流は混 合 により ゅc=1.08 x
10-4m2/ sと強くなっている.
内壁高さh2=10mmの場合, 内壁高さん=Ommの場合と同様に, 密度逆転による循環 流より, 密度安定器まで及ぶ氷蓄熱部の循環流のほうが強く, ゆcF1.70 x 1 0-6m2 / sと なる. また, 1 �20Cの領域は密度安定器内で安定するので, 氷蓄熱部の循環流は底 板の下までくい込むような流れになっており,ゆcニ6 .50X 10-5m2/sで,内壁高さん=Omm の場合より弱くなっている.
内壁高さん=30mmの場合, 内壁高さん三Omm, 10mmに比べ, 40Cの領域は広くなるも のの, 密度逆転による循環流より, 密度安定器まで及ぶ氷蓄熱部の循環流のほうが 強く, ψcF1. 95 X 10-6m2/sとなる. 氷蓄熱部の循環流は, 内壁高さん=10mmの場合の ように, 底板の下にくい込むような流れは小さくなっており, ゆc=3.62 x 1 0-5m2 / sと 小さくなっている.
内壁高さん=50mmになると,密度安定器まで、及ぶ氷蓄熱部の循環流は小さくなり,
密度逆転による循環流が生じている.
また, いずれの内壁高さにおいても, 温水蓄熱部では下方から上方にかけて20�
550Cの温度成層が等温度の間隔で形成されており, 流れがないことが確認できる.
密度安定器部では, 外壁と底板からなる通路底部に最大密度の40Cの領域が形成され ているが, 内壁高さんこOmmの場合を除いては, 外壁と底板からなる通路から外壁右 側にかけて40Cを通過する温度成層が形成されている. 氷蓄熱部では O�lOCで安定
しており, 大きな循環流が生じている.
一方, 内壁高さん=Ommの場合, 内壁がない為に, 1 �20Cの領域が氷蓄熱部にこぼ れ落ちて, 氷蓄熱部の循環流は混合によりゅcご1.08 x 1 0-4m3/ sと, 他に比べてもっと
も強くなっている. 内壁高さが高くなるにつれ, 密度安定器内で40Cの領域が広くな り, 密度逆転による循環流が生じる. また, 密度安定器まで及ぶ氷蓄熱部の循環流 が小さくなっており それに伴って, 氷蓄熱部での循環流は弱くなっている.
66
一一一
550C
40C
。OC
(a)等温線図(Ll 作1. OOC)
500C
400C
200C
lOOC
ゆd=1.37 X 10-5m2/s ψc=1. 08 X 10-4m2/s
(b)流線図f一ームψ=5.0X 10-6m21 s ì l --- ßゆ=5.0X 10-7m2/sj 図4-21 内壁高さん=Ornmの場合(h1=50rnm, 1=50rnm, d=60rnm)
550C
40C
OOC
(a)等温線図(Ll T=1. OOC)
lOOC
ゆcF1. 70 X 10-6m2 I s ゆc=6.50 X 1 0-Sm2 I s
(b)流線図(-ームψ=5.0X 10-6m2/s ì l ---- ßゆ=5.0X 10-7m2/sj 図4-22 内壁高さん=10rnmの場合(hl二50rnm, 1=50rnm, d=60rnm)
67
550C
OOC
(a)等温線図(L1 T=1. OOC)
500C
400C
300C
200C 100C
ゆt.F1.95 x 1 0-6m2 / s ψc=3. 62 x 1 0-5m2/ s
(b)流線図(-ームφ=5. 0 x 1 0-6m2 / s ì し ムψ=5.0X 10-7m2/sJ 図4-23 内壁高さん=30mrnの場合(h)=50mrn, 1=50mrn, d=60mrn)
550C
OOC
(a)等温線図(L1 T=1. OOC)
500C Iψ?l. 61 X 10-6m2/s
300C
ゆc=4.33 x 1 0-5m2/ s
(b)流線図(-ームψ=5.0X 10-6m2/s ì l --- ô.ψ=5.0 X 10-7m2/sJ
図4-24 内壁高さん=50mrnの場合(h)=50mrn, 1=50mrn, d=60mrn)
68
定常時における密度安定器内の温度(⑤~⑬,図4-4参照)および定常時における密 度安定器内で生じる循環流の最大値をそれぞれ図4-25, 図4-26に示す. 内壁高さが 高くなるにつれ, 密度安定器の底部に安定している40Cの領域が広くなる. また, 1
"-'20Cの領域が密度安定器内で安定するので, 氷蓄熱部⑤の温度は高くなっている.
密度安定器内で生じる循環流は内壁高さ ん=30mm まではおける密度安定器まで及 ぶ氷蓄熱部の循環流の影響で大きいが,内壁高さん=50mmになると密度逆転による循 環流に変わっている. したがって, 内壁高さを適切な値に調節することによって, お
ける密度安定器まで及ぶ氷蓄熱部の循環流を抑えることができる.
[υo]
世 4
-EE,J Z、JV
ハリ 唱EEi
× rlt、、、、∞ 守、』g
、
も
O.OL O
h2= Omm 8ト一一一ー h2=10mm - h2=30mm 一一一一h2=50mm
d 60mm 1=50mm h1=50mm
。 ⑤ ⑥ ⑧
熱電対番号
⑩図4-25 定常時における密度安定器内温度
d 60mm 1=50mm h1=50mm
20 40 60
m m
今,J
Fn図4-26 定常時に密度安定器内で生じる循環流の最大値
一
一
ー=(3)内外壁開通路幅の影響
密度安定器の内外壁開通路幅lを変えた場合について, 数値解析結果から得られ る等温線図と流線図 を図4-27'"'-'図4-29に示す.
内外壁開通路幅1=25mmの場合, 密度安定器内に温度成層が形成される過程におい て, 外壁左側においては, 対流によって温度低下が進行していくが, 内外壁開通路 幅が狭いため, 流れが速くなり, 温度成層が形成された後も,40Cの領域が広くなり,
密度逆転による循環流はゆd二3.18 X 10-6m2/ sと強くなっている.
内外壁開通路幅1= 50 mmの場合, 密度安定器内の温度成層形成過程において, 対流 が弱くなるので, 内外壁開通路幅l二25mm の場合に比べ, 40Cの領域が狭くなり, 密 度逆転による循環流はψr1. 61 X 10-6m2/ sと弱くなっている.
内外壁開通路幅l二 7 5mm の場合, さらに対流が弱くなるので, 40Cの領域が狭くな り, 密度逆転による循環流はゆr 7.20 X 10-7m2/sと弱くなっている.
また, いずれの内外壁間通路幅においても, 温水蓄熱部では, 下方から上方にか けて20'"'-' 550Cの温度成層が等温度の間隔で形成されており, 流れがないことが確認 できる. 密度安定器では, 外壁左側から右側にかけて最大密度を示す40Cを通過す る温度成層が形成されており, 密度安定器の底部に40Cの水における密度逆転現象 による循環流が生じていることから, 密度安定器内で40Cの水が安定していること がわかる. 氷蓄熱部では, 下方から上方にかけて 0'"'-' lOCの温度成層が形成されてい るが, 氷蓄熱部の広範囲において, 循環流が生じている.
定常時における密度安定器内の温度(⑥~⑫, 図4-4参照)および定常時に密度安 定器内で生じる循環流の強さをそれぞれ図4-30, 図4-31に示す. 内外壁開通路幅 が広くなるにつれ, 密度安定器の底部に安定している40Cの領域が密度安定器の右 側に寄るので, ⑥~⑫の温度差は小さくなる. また, 40Cの領域は狭くなるので, 密 度逆転現象によって生じる循環流は小さくなっている. したがって, 密度安定器の 内外壁開通路幅を適切な値に調節することによって, 密度逆転現象による混合が抑 制されることがわかる.
一一
一
ー550C
OOC
(a)等温線図(L11と1. OOC)
500C
400C
300C
200C
lOOC
ゆ?3. 18 X 10-6m2/s ψc=3. 61 X 10-5m2/s
(b)流線図( -ー ムゅ=5.0X 10-6m2/ s ì L --- ムψ=5.0X 10-7m2/sj 図4-27 内外壁開通路幅1=25mmの場合(hl=50mm, h2=50nun, d=60mm)
550C
OOC
(a)等温線図(L11と1. OOC)
500C
400C
300C
200C
ψ?l. 61 X 10-6m2/ s ψc=4. 33 X 10-5m2/ s
(b)流線図( -ー ムψ=5.0X 10-6m2/s ì L ----- ðψ=5.0 X 10-7m2/sj 図4-28 内外壁開通路幅1=50mmの場合(h1=50mm, h2=50mm, d=60mm)
72
550C
40C
OOC
(a)等温線図(L1 T=1. OOC)
500C
200C lOOC
φcF7. 20 X 10-7m2/s ゆι=2.68 X 10-5m2/ s
(b)流線図( -ー ムψ=5.0X 10-6m2/s ì L 曲 ムゆ=5.0X 10-7m2/sj 図4-29 内外壁開通路幅1 =75mmの場合(hl=50mm, h2=50mm, d=60mm)
ー一一 ー 孟 ョ
20
1==25mm - 1==50mm
一一一一
1==7 5mm'F vh 片 川町山
面
ω 10騨
f/ 1/
�; f'/ /
��P 1'/ /
〆" / -:,"'- ,/
一=---,-' .,/
一----ー _ "'-三二一一一一
一ずr一一一一一一一一一一一一一一一一
- 'ー
,〆
_-
。 ⑥ ③ ⑩
熱電対番号
⑫
図4-30 定常時における密度安定器内温度
[x 1 0--6]
4.0
∞
NS 2.0
、 そ三ト
d==60mm h1==50mm h2==50mm
40 60 80
0.0 20
m m
図4-31 定常時に密度安定器内で生じる循環流の最大値
ー一 孟三
(4) 密度安定器高さの影響
密度安定器の高さdを変えた場合について, 数値解析結果から得られる等温線図 と流線図 を図4-3 2'"'-'図4-35に示す. なお 放熱運転時に内壁と天板からなる通路 および外壁と底板からなる通路において, 槽内の水が移動による流動抵抗を最小に 抑えるために, 通路高さ(d-h1,d-h2)をd-h,=d-h2二10mmで一定とし解析を行った.
密度安定器高さd二20mmの場合, 密度安定器内で温度成層が形成され,40Cの領域 がかなり狭くなるものの, 内壁が低くなり, 天板の位置も低くなるため, 氷蓄熱部 の循環流が密度安定器まで及んでしまう. 密度安定器内で生じる循環流の強さはゆ rl. 09 X 10-6m2/ sとなる.
密度安定器高さd=30mmの場合, 密度安定器高さd= 20mmの場合と同様に, 密度安 定器内で温度成層が形成される. 密度安定器高さd二20mmの場合に比べ40Cの領域は
広くなり, 氷蓄熱部の循環流は弱くなっているが, 密度安定器まで及んでいる. 密 度安定器内で生じる循環流の強さはゆr8 .64 X 0-7m2/sとなる.1
密度安定器高さd=60mmの場合,内壁の高さ,天板の位置がある程度高くなるので,
密度安定器まで、及ぶ氷蓄熱部の循環流が小さくなり, 密度安定器内の40Cの領域は 広くなり, 密度逆転による循環流がゆcFl.61 X 10-6m2/sと強くなっている.
密度安定器高さd= 90mmの場合外壁左側の20C,30Cの領域が広くなっているが,
40Cの領域は密度安定器高さ許60mmの場合とほぼ同じ広さで, 密度逆転による循環 流がψcFl. 86 X 10-6m2/ sと密度安定器高さd=60mmの場合と変わらない.
また, いずれの密度安定器高さにおいても, 温水蓄熱、部で、は, 下方から上方にか けて温度成層が等温度の間隔で形成されており, 流れが無いことが確認できる. 密 度安定器では,外壁左側から右側にかけて最大密度を示す40Cを通過する温度成層 が形成されており, 密度安定器の底部に40Cの水における密度逆転による循環流が 生じていることから, 密度安定器内で40Cの水が安定していることがわかる. 氷蓄 熱部では,0'"'-' lOCで安定しており, 大きな循環流が生じている.
定常時における密度安定器内の温度(③~⑫, 図4-4参照)および定常時に密度安 定器内で生じる循環流の最大値をそれぞれ図4-36 , 図4-37に示す. なお, 各密度
安定器高さにおいて熱電対の位置が変わるので, 密度安定器高さd二60mmの場合の熱 電対の位置を基準とした.密度安定器内での温度差は密度安定器高さd=30mmの場合 が一番大きくなっており, 氷蓄熱部の循環流が密度安定器まで及んでしまうが, 密 度安定器内での循環流の強さも一番小さくなっている.
したがって, 密度安定器の高さd二30mmに対して, 高さd二20mm,60 mm, 90 mmとも に密度安定性が弱いことより, 最適な高さが存在することがわかった.
550C
ー-f
40C
OOC
(a)等温線図(L1 Jと1. OOC)
。OC OOC
OOC
。OC
OOC
ψcr=l. 09 X 10-6m2/s ゆC二3. 19 X 1 0-Sm2 I s
(b)流線図(- {1ゅ=5.0X 10-6m2/s ì l --- {1ψ=5.0 X 10-7m21 sj 図4-32 密度安定器高さd三20mrnの場合(h1=50mrn, h2=50mm, 1 =50mm)
550C
。OC
(a)等温線図(L1 T=1. OOC)
500C 400C
300C
lOOC
ψcF8. 64X 10-7m2/s ゆc=3.32 X 1 0-Sm2 I s
(b)流線図 f一一-{1ψ=5.0X 10-6m2/s ì l --- ムゆ=5.0X 10-7m2/sj 図4-33 密度安定器高さd=30mmの場合同=50mrn, h2=50mrn, 1 =50mrn)
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