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転機 に立 つ 日本 半導 体 産 業

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一27一

〈論 説〉

転機 に立 つ 日本 半導 体 産 業

新 井 光 吉

1は じ め に

コ メ が 余 って い る そ うで あ る。今 や 「豊 作 貧 乏 」 に対 す る悲 鳴 ば か りが 聞 え て く る。 と い って も, そ れ は 「産 業 の コ メ」 で あ る 半 導 体ICの 話 な の だ が 。

ま さ か 明 日 あ り と思 う心 の仇 桜 と い う訳 で も あ る ま い が,日 本 の 半 導 体 メ ー カ ー は 「ハ イ テ ク は 高 収 益 源 だ 」 と か 「メ モ リー は技 術 牽 引 車 だ 」 と か 「1世 代3年 の シ リ コ ンサ イ ク ル 」 な ど と い っ た 神 話 を 盲 信 し,従 来 と 同 様 の 投 資 競 争 に 狂 奔 し た 結 果,過 剰 設 備 の 負 担 に 喘 い で い る の で あ る。

だ が,万 物 は 流 転 す る。 企 業 の 経 営 戦 略 だ って 千 篇 一 律 で よ い 訳 が な い。 い く ら景 気 後 退 期 の 積 極 的 設 備 投 資 が 半 導 体 産 業 に お け る 日米 逆 転 の 原 動 力 と な っ た か ら と い っ て,守 株 の 如 く十 年 一 日 の 戦 略 で は激 変 す る経 営 環 境 に は到 底 対 応 で き る筈 が な い 。 そ ん な訳 で,今 や 世 界 半 導 体 産 業 の 勢 力 図 は 大 き く変 化 し,半 導 体 王 国 日本 の 地 位 も大 き

く動 揺 しつ つ あ る の だ。 韓 国 企 業 の 躍 進 は 今 更 い う ま で もな い が,台 湾 企 業 だ っ て 相 当 の 力 を 付 け て お り,米 企 業 も競 争 力 を 飛 躍 的 に 向 上 さ せ 復 調 が 著 し い の で あ る。 一 方,日 本 企 業 は90年 代 に 入 って 世 界 半 導 体 生 産 に 占 め る シ ェ ア を 低 下 させ て お り,80年 代 の 如 き圧 倒 的 競 争 力 を 回 復 す る こ と は も は や 難 し くな っ て い る と い って よ い 。

周 知 の 如 く,こ れ ま で 日本 のDRAM(記 憶 保持 動 作 が必 要 な随 時 書 き込 み読 み出 しメ モ リー)事 業 は 日本 電 気 か ら沖 電 気 ま で の 大 手6社 が 微 細 加 工 や 量 産 の 技 術 を 競 い な が ら急 成 長 す る と い う展 開 を 辿 って き た 。 と こ ろ が 投 資 金 額 の 増 大 と三 星 電 子 な ど韓 国 企 業 の 台 頭 に よ り,こ の6社 体 制 か ら先

ず 沖 電 気 が 脱 落 し よ う と して い る。 日本 の 半 導 体 産 業 は80年 代 半 ば に 世 界 の 頂 点 に 立 って 以 来, 僅 か5〜6年 足 らず で は や 散 り急 こ う と して い る

の か 。 は た して 現 下 の 状 況 は 日本 半 導 体 産 業 の 凋 落 の 前 兆 と い え る の か,そ れ と も一 時 的 な 調 整 に す ぎ な い の で あ ろ うか 。 そ う した 問 題 意 識 に 立 っ て,本 稿 は 日本 半 導 体 産 業 の 現 状 と直 面 す る 問 題

を取 り上 げ,そ の 将 来 を 展 望 した い と思 う。

II需 給 動 向

需 給 動 向 を 見 る前 に,予 め 半 導 体 産 業 が 産 業 全 体 に お い て ど の よ う な 地 位 を 占 め る の か を 確 認 し て お こ う。先 ず 生 産 額 を 見 れ ば,電 子 機 械 は90年

の機 械 工 業(87年 の製 造業 付加 価値 額 の38%)生 産 額82兆 円 の29%を 占 め,32%を 占 め る 自動 車 に 次 い で 大 き い(電 気機械 で は40%に 達 す る)。ま た 半 導 体 生 産 額 は3兆s,zzo億 円 で 機 械 工 業 生 産 額 の 4.4%,電 子 工 業 の15.1%を 占 あ,IC(集 積 回路)

に 限 定 して も生 産 額 は2兆9,132億 円 に達 し,機 械 工 業 の3.6%,電 子 工 業 の12.2%を 占 め る と い

う(t)。更 に輸 出額 を 見 る と,電 気 機 械 は90年 に 日 本 の 輸 出 額 全 体 の23.2%(自 動 車 は17.2%)に も 達 す るが,こ の う ち半 導 体 は10.4%(輸 出額全 体 の 2.4%),ICは8.8%(同2.0%)を 占 め て い た の で あ るf2)。尚,半 導 体 は一 般 電 子 部 品,能 動 部 品(電 子管,半 導体 素子,集 積回 路),液 晶 素 子 の3つ に大 別 さ れ る電 子 部 品 に 属 して い る。90年 の 生 産 額 を 見 る と,電 子 部 品 は8兆1,497億 円 で,そ の 内 訳 は 一 般 電 子 部 品44.8%,能 動 部 品53%(電 子 管 8,5%,半 導 体素 子8.7%,集 積 回路35.7%),液 晶 素 子2.2%と な っ て お り,半 導 体 産 業(半 導体 素子 と 集積 回 路)が 電 子 部 品 生 産 額 の44.4%を 占 あ て い

(2)

一28一 転機 に立っ 日本 半導体 産業

(億 ドル) soo

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200

100

第1図 世 界 の地 域別半 導体市場 規模(出 荷額)

' ' 國' ,35232 /,3

.530%;

2.052/

¥26,355;",

48,763 一ρ

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55,494

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6,912

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10,174

10,451 8,941

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9,599 8,104

6,188

15,57ユ 14,829 14,446

5,344

13,419 10,259

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101【1,

ア ジ ア 他

0 '86'87'88'89'90'91

i̲一 一 実 績 一 一 一i̲面 ト1

(注)北 米 に は,IBM,AT&T等 キ ャ プ テ ィ ブ 分(自 社 生 産 ・自 社 内 消 費)が 含 ま れ な い た め,市 場 構 成 比 トは 北 米 が 相 対 的 に 小 さ く な る。

(出 所)『 電 子 』1991年11月 号,44頁

(億 ドル) 600

500

400

300

200

100

第2図 世界 の製品 別半導体市 場規模(出 荷額)

0 '86'87'88'89'90'91

ト ー一 一 実 績 一 一一 一 一 一 予測 →{

(出所)『 電 子 』1991年11月 号,45頁 一/"

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9,383 そ の 他

MOSロ ジ ッ ク MOSマ イ ク ロ

MOSメ モ リ ー BIPデ ジ タ ノ ア ナ ロ グ

デ ィ ス ク リ ー 8.26

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11,527 6,228

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9,159 7,246

6,771

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14,277

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11,779 4,870

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4,529

3,731

5,212 3,581

3,152

4,751 4,463 4,059 3.44

8,553 4,455

7,801 7,228

一}

6,939 4.'L21

5,984 5,058

10,164 9,456

9,112 8.75 7,481

6,199 11「lll

る の で あ る 。 そ こ で,ま ず 半 導 体 の 需 給 動 向 か ら 見 て 行 く こ と に し よ う(3)。

(1)世 界 市 場

ま ず 第1に,世 界 半 導 体 市 場 の 規 模 を 地 域 別 に 瞥 見 して お こ う。 第1図 に よ れ ば,・1年 に 北 米 が38%か ら29%,欧 州 が21%か ら19%へ と

シ ェ ア を 低 下 さ せ た の に対 して,日 本 は35%か ら 39%,ア ジ ア そ の 他 も6%か ら14%に シ ェ ア を 上

昇 させ た 。91年 の 推 定 で は北 米28%,欧 州18%, 日本39%,ア ジ ア そ の 他15%と な って い る。そ の 結 果,日 本 は86年 に 半 導 体 市 場 規 模(出 荷 額)で 北 米 を 凌 駕 し,以 後 そ の 優 位 を 維 持 して い る と い っ て よ い 。 しか しな が ら米 内製 メ ー カ ー(自 社 生 産額 の3/4以 上 を 自家 消費)が 米 国IC生 産 額 の1/

4相 当 の 生 産 を行 な っ て お り,ま た例 え ばIBMの 半 導 体 生 産 額 が90年 に37億 ドル に 達 し,モ ト ロ ー ラ,イ ン テ ル を 凌 駕 して 世 界4位 を 占 め て い

(3)

転機 に立つ 日本半導体 産業 第1表 世 界 の10大 半 導 体 メ ー カ ー

一29一

(単位:%)

順 位 1991年 i99a 1989 ... 1987 ':. 1985 1984 1983 1980年

i 日 本 電 気

8.5 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 日 本 電 気 TI

2 芝8.2 東 芝 東 芝 東 芝 東 芝 日立製作所 TI TI TI ト ロ ー ラ

3 日立 製 作 所

6.7 日立製作 所 日立 製作所 日立製作所 日立製作 所 東 芝 モ ト ロ ー ラ ト ロ ー ラ モ トmラ 日本電 気

4 イ ン テ ル

6.3 ト ロ ー ラ ト ロ ー ラ ト ロ ー ラ ト ロ ー ラ ト ロ ー ラ 日立製作所 日立製作所 日立 製作所 ナ シ ョ ナ ル ・ セ ミ コ ン ダ ク

5 ト ロ ー ラ 6.0

イ ン テ ル 歴 士 通 TIITI

L TI

s 富 士 通4.8

富蝉1

富 ヒ 画 富 士 通

L̲̲

フ ィ リ ッ プ ・ シ グ ネ テ ッ ク ス臨 巳.旧

フ ィ リ ッ プ ・ シ グ ネ テ ッ ク ス

フ ィ リ ッ プ ・ シ グ ネ テ ッ ク ス

フ ィ リ ッ プ ・ シ グ ネ テ ッ ク ス

日立製作所

7 TI4.2 TII三 菱 電 機

! ン テ ル

フ ィ リ ッ プ

季議 グネ陣 樋

ン テ ル

ナ シ ョナ ル ・ セ ミ コ ン ダ ク

ナ シ ョ ナ ル ・ セ ミ コ ン ダ ク

ン テ ル

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三菱 電 機 4.0 松 下 電 子

3.7

三 菱 電 機 1イ ン テ ル

}㎜ 一}}一̲̲

フ ィ リ ップ ス 松 下 電 子

三 菱 電 機 ン テ ル

松 下 電 子 ナ シ ョ ナ ル ・ セ ミ コ ン ダ ク

ン テ ル イ ン テ ル フ ェ ア チ ャ イ ル ド

松 隔 子臣 菱電機

一 1

三 菱 電 機 士 通 ブ イ リ ッ プ ス 10 フ ィ リ ッ プ

ス3.2 下 電 フ ィ リ。プ ス 1

。,,。 プ 。1松 下 電 子 ン テ ル 松 下 電 子 松 下 電 子 松 下 電 子 1

シ グ ネ テ ッ ク ス (出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1992年1月13日 号,『 電 子 工 業 年 鑑 』1989‑91年,『 週 刊 東 洋 経 済 』臨 時 増 刊 号,1991年12月13日 ,102頁

る 点 な ど を 考 慮 に 入 れ れ ば,ア メ リ カ の シ ェ ア は 日 本 よ り も大 き く な ろ う(4)。に も か か わ ら ず90年 に は そ れ ら を 勘 案 し て も 日 本 が ア メ リ カ を 凌 駕 す る に 至 っ た と 見 ら れ る の で あ る 。

第2に 製 品 別 半 導 体 市 場 規 模 を 見 る と,第2図 の 如 く な っ て い る 。86‑90年 に 個 別 半 導 体 は 全 体 の24%か ら19%,ア ナ ロ グ は19%か ら15%,バ イ ポ ー ラ ・デ ジ タ ル も16%か ら8%に 減 少 し た が,MOS(金 属 酸 化 膜 半 導 体)メ モ リ ー は15%か ら 23%,MOSマ イ ク ロ は12%か ら18%,そ の 他 MOSロ ジ ッ ク も14%か ら16%へ と 増 大 し た 。 ま たIC市 場 でMOSの シ ェ ア は86年54%,88年

67%,90年71%,91年73%(予 測)と 人 幅 に 上 昇 し た の で あ る 。 更 にMOSメ モ リ ー は:・ ・1年 に3倍,MOSロ ジ ッ ク も2.9倍 に 増 大 し て い る の で あ る 。

第3に,90年 の 米 国 半 導 体 出 荷 額 構 成 を 見 る と,個 別 半 導 体(13%)を 除 く 集 積 回 路(87%)の う ち,バ イ ポ ー ラ は22%(リ ニ ア11%,デ ジ タル ll%)に す ぎ ず,MOSが65%(ロ ジ ッ ク ・マ イ ク ロ 38%,メ モ リー‑27%)を 占 あ て い る 。 一一方,日 本 に

つ い て 見 る と,個 別 半 導 体(20%)を 除 く 集 積 回 路 (80%)で は,半 導 体ICが74%を 占 め,こ の う ち

バ イ ポ ー ラ が18%(リ ニ ア11% ,デ ジ タ ル7%), MOSが56%(ロ ジ ッ ク ・マ イ ク ロ28%,メ モ リ ー 25%)で あ り,ハ イ ブ リ ッ ドICも7%を 占 め て い た の で あ る 。

第4に,世 界MOSメ モ リ ー 市 場 の シ ェ ア を 一 瞥 す る と,80年 に は ア メ リ カ が 日 本(24%)の3 倍 強 の73%を 占 め て い た が,日 本 は85年 に57%

の シ ェ ア を 握 り ア メ リ カ(37%)を 逆 転 し,90年 に は61%を 占 め て23%の ア メ リ カ を 圧 倒 し て い る 。 一 方,世 界MOSマ イ ク ロ の 市 場 シ ェ ア で は, ア メ リ カ は80年 に 日 本(22%)の3.4倍 の75%を 占 め て い た が,85年 に は57%(日 本37%)と か な り 後 退 し,90年 に60%(日 本35%)と 若 干 持 ち 直 し た 。こ

のMOSマ イ ク ロ の 優 位 は 最 近 に お け る 米 半 導 体 産 業 の 復 調 を 支 え る 大 き な 要 因 と な っ て い る 。

第5に,近 年 の 世 界10大 半 導 体 メ ー カ ー の ラ ン キ ン グ を 示 せ ば 第1表 の 如 く な っ て い る 。86年 以 降,日 本 企 業 は 日 本 電 気,東 芝,日 立 の3社 が 3位 ま で を 独 占 し,10位 以 内 に も6社 が 入 り,半 導 体 王 国 と し て の 地 位 を 誇 示 し て い る 。 ア メ リ カ

は86年 以 降 僅 か に3社 が10位 以 内 に 止 ま る の み で あ る が,特 筆 す べ き 傾 向 はTI(テ キ サ ス ・イ ン ス

ッ ル メ ン の の 地 位 低 下 と イ ン テ ル の 目 覚 し い 躍

(4)

一30‑一 転機 に立つ 日本半導体 産業 進 で あ る 。 イ ン テ ル は89年 の8位 か ら90年 に は

5位 に 躍 進 し てTIを 追 い 抜 き,91年 に は モ ト ロ ー ラ を も 抜 き 去 り 米 企 業 の ト ッ プ に 躍 り 出 た 。 因 み に91年 の 半 導 体 出 荷 額 は 対 前 年 比11.5%増 で あ っ た が,マ イ ク ロ コ ン ポ ー ネ ン ト(MPU, MCU,マ イ ク ロ ペ リ フ ェ ラ ル)は 僅 か6%増 のMOS メ モ リ ー を 尻 目 に22%も 増 加 し て い る 。 そ の た め パ ソ コ ン用MPU(マ イ ク ロ プ ロセ ッサ ー一 で 圧 倒 的 優 位 を 持 つ イ ン テ ル が 地 位 を 大 き く上 昇 さ せ る こ

と に な っ た の で あ る 。 尚,91年 の 世 界 半 導 体 生 産 額 中,日 本 企 業 は49.6%暉(対 前 年 比0.9%増),一 方,米 企 業 は35.9%(同1.1%減)の シ ェ ア を そ れ ぞ れ 占 め て い る と 推 定 さ れ る〔5)。

第6に,マ イ ク ロ コ ン ポ ー ネ ン ト の 出 荷 額 を 見 る と,85‑89年 に 北 米 は12.6億 ドル か ら27.4億

ド ル へ と 倍 増 を 示 し た が,日 本 が8.8億 ドル か ら 29.3億 ド ル へ と 出 荷 額 を3倍 に 増 加 さ せ て こ れ

を 追 い 抜 き,西 欧 も4。9億 ド ル か ら14.6億 ドル と3倍 に 増 加 さ せ て い る 。 そ こ で,日 本 の マ イ ク ロ コ ン ポ ー ネ ン ト の 内 訳 を 見 れ ば,85年 に は MCU(マ イ ク ロ コ ン トロ ー ラ,マ イ コ ン)41%,MPU 16%,マ イ ク ロ ペ リ フ ェ ラ ル44%と い う 構 成 で あ っ た が,89年 に は そ れ ぞ れ40%,23%,37%と

MPUの シ ェ ア の み が 上 昇 し て い る 。 ま ずMCU 出 荷 額 は85‑89年 に2.9倍 に 増 加 し,製 品 別 で は85年 に4ビ ッ ト3.8億 ド ル,8ビ ッ ト7.3億 ド

ル,16ビ ッ ト400万 ドル か ら89年 に は4ビ ッ ト 11.6億 ドル(36%),8ビ ッ ト19.9億 ドル(62%), 16ビ ッ ト59万 ドル(2%)と 各 ビ ッ ト間 に は ほ と ん ど 変 化 が 見 ら れ な か っ た 。 ま たMPU出 荷 額 は 85‑89年 に3.9倍 に 増 加 し,製 品 別 で は85年 に 8ビ ッ ト17.7億 ドル(37%),16ビ ッ ト2.8億 ド

ル(59%),32ビ ッ ト1900万 ドル(4%)か ら89年 に8ビ ッ ト1.5億 ドル(8%),16ビ ッ ト6.2億 ド ル(33%),32ビ ッ ト11.2億 ドル(59%)と 高 ビ ッ

ト化 が 急 速 に 進 展 し た 。 因 み に89年 のMPU地 域 別 シ ェ ア を 見 れ ば,ア メ リ カ は8ビ ッ ト30%,

16ビ ッ ト34%,32ビ ッ ト49%,日 本 は8ビ ッ ト 26%,16ビ ッ ト29%,32ビ ッ ト18%,西 欧 は8

ビ ッ ト27%,16ビ ッ ト23%,32ビ ッ ト23%を そ れ ぞ れ 占 め,MPU王 国 ア メ リ カ で 高 ビ ッ ト化 が 急 ピ ッ チ で 進 ん で い る こ と が 分 か る 。 最 後 に マ イ ク ロ コ ン ポ ー ネ ン ト ・メ ー カ ー 大 手10社 の ラ ン キ ン グ(90年)を 示 せ ば,イ ン テ ル27%,日 本 電 気12%,モ ト ロ ー ラ9%,日 立 製 作 所7%,三 菱 電 機5%,TI4%,東 芝4%,松 下 電 器3%,SGS/

ト ム ソ ン2%,AMD(ア ドバ ン ス ト ・マ イ ク ロ ・デ バ イ ス)2%の 順 で あ る 。 次 に 近 年 の 国 内 市 場 の 動 向 に つ い て 見 る こ と に し よ う 。

(2)国 内 市 場

ま ず 第1に,日 本 の 半 導 体 生 産 額 を 示 せ ば,第 第3図 日本 の半導体生 産額推 移

(兆 円) 4.0 3.5 3.0 生2.5 産2 .0

1.5 1.0 0.5

019707172737475767778798081828384858fi87888990 (出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1991年11月14日 号 。

(5)

半導体素子(個 別半導体)

L犠 瓢1。

2兆9,132億 円2兆6,726億

160億 個155億

転機 に立つ 日本半導体 産業 一31一

第2表 半 導 体 の分 類(日 本,1990年)

(代 表 的 製 品 例)

継膿 礁1;;1蹴

ロ ジ ック,時 計 用LSI 電 卓 用LSI バ イ ポ ー ラIC

6,593億 81億 個

ll繍1町 灘に

(出所)『 電 子 』1991年3月 号,60頁 よ り作 成 。

繍 総⊥:∴:蹴L

T∵

2,068億

撫 濡[∵鋭 藷∴

2,655億 円TV用IC 96億 円

2,309億

3図 の 如 くな って い る。70年 代 末 頃 ま で は 半 導 体 素 子(個 別 半導 体)が 半 導 体 生 産 額 中 最 大 で あ っ た が,第2次 石 油 危 機 以 降,省 エ ネ ・省 資 源 的 な 半 導 体ICの 生 産 が 急 増 し,90年 に は 全 生 産 額 の 74%を 占 あ る に 至 っ た 。 一 方,半 導 体 素 子 は 同 年 に20%,混 成ICも6%に す ぎ な か った の で あ る。

尚,半 導 体 の 製 品 別 分 類 と90年 の 生 産 額 ・生 産 個 数 の 内 訳 を 示 せ ば 第2表 の よ う に な っ て い る。

第2に,第3表 に よ れ ば,半 導 体ICの う ち MOSの シ ェ ア は76年 の49%か ら80年60%,85 年64%,88年72%,90年75%,91年75%と 大 幅

に 上 昇 して い る。一 方,バ イ ポ ー ラ デ ジ タ ル は76 年 の18%か ら90年 の9%,リ ニ ア も33%か ら

16%へ と シ ェ ア を半 減 さ せ た の で あ る。

第3に,第4表 を瞥 見 す る と,半 導 体ICの 生 産 額 は89年 に は19%増 加 した が,90年 に は 前 年 を1%下 回 っ て い る。デ ジ タ ル も89年22%増,90

年3%減 と や は り 同 じ傾 向 を 辿 っ た 。 だ が,バ イ ポ ー ラ 型 は89年17%減,90年9%増 と む し ろ 逆 の 傾 向 を 示 し て い る 。 一 方,モ ス 型 は89年29%

増,90年4%減,ま た メ モ リ ー も89年18%増,90 年16%減 と デ ジ タ ル 全 体 と 同 一 傾 向 に あ る が,付 加 価 値 の 高 い ロ ジ ッ ク は89年33%増,90年9%

増(マ イ コ ンは42%増,7%増)と 増 加 傾 向 を 維 持 し て い る の で あ る 。 こ れ に 対 し て リ ニ ア は89年5%

増,90年9%増(産 業 用 は1%減,25%増,民 生 用 は 8%増,2%増)と 他 の デ バ イ ス よ り も 比 較 的 安 定 し て い る と い っ て よ い 。 と い う の も リ ニ ア は 画 像 処 理 用 コ ン ピ ュ ー タ や 携 帯 電 話 な ど の 用 途 に 不 可 欠 で あ り,そ の 需 要 が 比 較 的 安 定 し た 推 移 を 示 し て い る た め で あ る と 思 わ れ る(6}。

第4に,89年 の 需 要 先 を 一 瞥 す る と,民 生 用 電 子 機 器37%,コ ン ピ ュ ー タ36%,通 信 機11%,産 業 用 機 器ll%,自 動 車4%,そ の 他1%と 民 生 用

(6)

一32一 転機 に立 つ 日本 半導 体産業 第3表 半 導 体ICの 生 産 額

(単位=億 円,千 万 個)

・マイ ボ ー ラ デ ジ タ ル MOS 合 計

金 額 数 量 金 額 数 量 金 額 数 量 金 額 数 量

1976 589 37 316 12 858 13 1,762 sz

・'1 1,333 116 726 51 3,097 86 5,156 254

1985 3,503 362 2,561 188 10,714 348 16,774 899

1986 3,370 396 2,734 238 10,009 437 16,113 1,071

1987 3,416 437 2,625 231 11,378 488 17,419 1,156

... 3,618 518 2,725 238 16,296 s20 22,639 1,376

1989 3,792 578 2,267 186 20,975 ss5 27,033 1,449

1990 4,126 630 2,467 177 20,132 738 26,726 x,545

1991 4,760 732 2,4441 165

1

21.42 8061

1 28,628 1,703

(出 所)『 電 子 工 業 年 鑑 』1991年,863‑864瓦 『電 子 』1991年3月 号,1992年3月 号 。

第4表 半 導 体ICの 品 種 別 生 産

(単位:億 円)

1988 1989 1990 1991 1992"

リ ニ ア 3,618 3,792 4,126 4,760 2,056

産業 用 1,191 1,176 1,471 1,958 soy

民生 用 2,427 2,615 2,655 2,802 1,155

デ ジ タ ル 19,022 23,241 22,600 23,868 10,373

バ イ ポ ー ラ 型 2,725 2,267 2,467 2,444 927

ロ ジ ッ ク 2,192 1,865 2,068 2,037 761

{メ モ リー 533 401 399 407 165

モ ス 型 16,296 20,975 20,132 21,424 9,446

'ロ ジ ッ ク 7,087 9,44fi 10,321 11,308 4,858

マ イ コ ン :1・ 3,982 4,365 4,700 1,971

{そ の他 4,281 5,464 5,956 6,6Q7 2,887

メ モ リ ー 9,210 10,877 9,173 9,404 4,316

RAM 9,006 7,393 7,520 3,470

RAM

ROM 1,871 1,779 .. 846

そ の他 652 639 712 273

合 計 22,639 27,033 1 26,726 12,429

(出 所)『 電 子 工 業 年 鑑 』1991年,844頁, 号 。(1)1〜6月 の 累 計 。

『電 子 』1991年3月 号,1992年3月 号,1992年9月

(7)

転機 に立 っ 日本 半導体産 業 一33一 第5表 半導体 の輸 出入 額

(単 位:億 円)

輸 出 輸 入

,.. 1989 1990 1991 1988 1989 1990 1991

半 導 体 素 子1,688 1,889 2,045 2,299 414

482 ・ ・

集積回路 11,478 11,013

‑十 一 一310 2,257 8,457

8,089

皿 『}一̲

11,120 3,102 3,754 4,072

モ ノ リ シ ッ ク 11,013 10,494 10,608 2,115 2,923 3,596 3,916

rデ ジ タ ル1

6,898 9,597 ・11 8,795 1,597 2,234 2,832 3,121

一}一 甲"

実 装 し て い な い も の1,193

‑}}}『 ¶一 一}̲

そ の 他5,706

‑一 冒 一}一̲̲ 一『}一 一

̲̲̲̲五 』竺 生 … 一追 ・.避̲

1,765 1,691 1,606 279 442 601 690

7,$33 7,209 7,188 1,318 1,792 2,231 2,432

}

4,554 3,634 3,225 277i 516 624 767

'モス 型 ・MPU㌻939

‑一一 一一一 ̲

そ の 他1,219

一 一̲一

そ の 他375

1,227 1,325 x,483

凱μ 竺 1

2881327

̲.二̲L̲

「375

732 704

1,620 1,829 2,047 432 371

431 421 443 389

1,416 1,594

433 1,813

315

一 山

519

}一}

142

一一̲

そ の 他 1,191

sso

765 795

実 装 して い な い もの 126 168 190 140 118

そ の 他 i,asp 1,248 1,404

1

1

…:播L132

558

179

824 s7s

.ハ イ ブ リ ツ ド 368 465 519 512 158 156

(出 所)『 電 子L業 年 鑑 』1991年,848頁,『 電 子 』1991年3月 ,1992年3月 号 よ り作 成 。

電 子 機 器 が 最 大 の 比 重 を 占 め て い る 。 比 較 の た め に89年 の ア メ リ カ半 導 体 利 用 分 野 を 示 せ ば ,コ ン ピ ュ ー タ53%,産 業 機 器16% ,政 府 関 係8%, 自動 車8%,民 生 用 電 子 機 器5%の 順 と な っ て お り,日 本 と は対 照 的 に 民 生 用 電r機 器 の比 重 が 低 く,コ ン ピ ュ ー タや 政 府 の 比 重 が 高 い 。 無 論,そ れ は ア メ リカ に お け る民 生 用 電 子 産 業 の 没 落 と 巨 大 な 軍 需 市 場 の 存 在 を 反 映 した もの で あ る17)。ま た 別 の 資 料 に依 拠 して も,90年 に お け る 世 界 の 半 導 体 需 要 は 民 生 用 機 器27%,コ ン ピ ュ ー タ ・OA 機 器40%,そ の 他(通 信,計 測,自 動 車 な ど)33%で

あ っ た が,一 方,日 本 の そ れ は民 生 用 機 器38%, コ ン ピュ ー タ ・OA機 器36%,そ の 他(通 信,計 測,自 動 車 な ど)26%と や は り民 生 用 機 器 用 途 の 比 率 が か な り高 い と い う特 徴 を示 して い る。

(3)輸 出 入 額

ま ず 第5表 に よ れ ば,半 導 体 素 子 の 輸 出 は 近 年,堅 調 な増 加 傾 向 を 保 っ て い る。ICは87年 後

半 か ら88年 の深 刻 な メ モ リー不 足 の結 果,88年 に は43%増,89年 も36%増 と輸 出 が 大 幅 に 増 加

した が,90年 に は 一 転 して4%の 減 少 と な り,91 年 に 入 っ て も減 少 傾 向 は 止 る気 配 を 見 せ て い な

い 。 次 に 品 目別IC輸 出 額 を 見 る と,89年 に は全 品 目 で 輸 出 が 増 加 して い る。90年 に はMPUが 8%,そ の 他MOSロ ジ ッ ク が13%,リ ニ ア も 13%増 加 し,91年 も増 加 傾 向 を 維 持 して い る。 こ れ に対 してMOSメ モ リー は 半 導 体 不 況 の た あ に 90年 に減 少 に転 じ,91年 も減 少 傾 向 に あ る。今 回 の 半 導 体 不 況 の 原 因 は主 力 メ モ リー で あ る4メ ガ DRAM需 要 の 伸 び 悩 み に 加 え て,米 パ ソ コ ン市 場 の 低 迷,1メ ガDRAMの 根 強 い需 要,パ ソ コ ン に 使 い や す い製 品 開 発 の遅 れ な ど の 要 因 が 重 な っ た た め で あ る と い わ れ て い る。4メ ガ 需 要 は 依 然 と して 汎 用 コ ン ピ ュ ー タ や ワ ー ク ス テ ー シ ョ ン用 が 中 心 で あ り,DRAM最 大 の 市 場 で あ るパ ソ コ

ンで は1メ ガ が 主 流 の ま ま で あ る。 これ は既 に1 メ ガ 時 代 に ノ ー ト型 パ ソ コ ンが 登 場 し,パ ソ コ ン

(8)

一34一 転機 に立つ 日本半導体産業

第6表 集 積回路 の主要相手 国別輸 出入

(単 位:100万 円)

米一西 国一独

フ;ン ス

英 国

;,リ ピ ン

マ レ ー シ ア シ ン ガ ポ ー ル

韓 国

1986 1987 ... 1989

i99aiigy1

̲一 一一而一}罰

輸 出 輸 入 輸 出 輸 入

̲一 一̲̲一  一 … 闇

332,228265,550360,844279,820

輸 出 輸 入 出1輸 輸 出 輸 入

輸τ1輸 入

163,940 110,085 195,391119,219 290,930 164,102 343,699 220,501 55,380 46,435]4,783 69,560 4,296 98,307 4,322

一一̲一 一 π而r‑

一}一

91

17:1:ぎ「9,8笥1{8,99985,98?5:鎧

5

836{11,122

̲̲̲↓̲..一 一 一 412120.1481718

4,574

4,32非 緬 4,7813,949 7,780 4,fi31 13,379 7,416

囹… 闇}

6≧151 33,487 68180,891 17,127, 6,730 21,8748,267

̲一̲̲.̲;̲̲̲̲

35,2021,12,940H

‑一 一 …

!‑… 一 一 一… 一 5,448 51 6,202

9,82544,37711,641

一 二1亙

11,6「294匝 馴 一5二 総 淵 了

85,

一一一一一x‑一一一一 一 87897,54911,360

2,65796,7018,844

̲̲一 一̲̲.L‑̲一̲

22,359'1117,795134,84510G

1

16,222 3,195

17,00613,538

148

7'798懇 鎧829

954膿

藩11儲  61'・6墾

34,845俵,312132,65司99,謙

50,508 746 59,774

‑    一}

55,0011,163 53.43400 58,0269,340

Ili

轄≒響諜i

(出 所)『 日 本 半 導 体 年 鑑 』1990年,401頁,1992年417頁 よ り 作 成 。

小 型 化 の動 き は一 段 落 して お り,メ モ リー 高 集 積 化 に よ って 得 られ る メ リ ッ トが 少 な くな って い る た め で あ ろ う(8)。

一 方,輸 入 額 を 見 る と,88年 か ら91年 ま で 半 導 体 素 子 とICの 輸 入 が 急 増 して い る。 そ こ で, 品 目別IC輸 入 額 を 見 れ ば,89年 に は全 品 目 で 輸 入 が 増 加 して い る。90年 に は ハ イ ブ リ ッ ドICを

除 く全 品 目 で,ま た91年 に はハ イ ブ リ ッ ドICと そ の 他MOSロ ジ ッ ク を 除 く全 品 目 で 輸 入 の 増 加 が 見 られ た の で あ る。

更 に 主 要 相 手 国 別 の輸 出 入 を見 れ ば,第6表 の よ うに 輸 出 入 と も米 国 が 最 大 で あ る。 輸 出 先 で は 89年 ま で 韓 国 が こ れ に 次 い で 大 き か っ た が,90

年 に シ ン ガ ポ ー ル,91年 に は香 港,台 湾 に も追 い 抜 か れ,5位 に 後 退 した。輸 入 先 と して は韓 国 が2 番 目 に 大 き く,英 国 が これ に 次 ぐが,90年 に は 台 湾 が 躍 進 し3位 に踊 り出 た 。 然 も近 年 に は シ ン ガ ポ ー ル や マ レー シ ア か らの 輸 人 も増 大 して お り, ア ジ ア 諸 国 が 集 積 回 路 の 生 産 を 順 調 に 軌 道 に 乗 せ,生 産 基 地 化 しっ っ あ る こ とが 伺 わ れ る。

III主 要 メ ー カ0の 財 務 状 況

(1)売 上 高 と利 益

まず 日本 電 気,東 芝,日 立 製 作 所,富 十二通,三 菱 電 機 の5大 半 導 体 メ ー カ ー の 財 務 状 況 を … 瞥 す

第7表5大 メ ー カの 財 務 状 況(3月 決 算)

(単 位:億 円)

1989 so 91

92〔1)

日 本 電 気

売 上

25,420 27,607 29,611 31,300

経常 利益

1,021 1,332 1,405 1,200

東 芝

売 上

29,215 30,609 32,277 33,200

経常 利益

1,490 2,018 1,754

日 立 製 作 所 経常利益

売 上

32,320 35,253

...

1,100139,500

1,911 2,208 2,058 1,450

富 士 通

23,378

25,000 800

一こ 菱

売 上

22,301 23,871 25,888 26,600

電.越

経 常 利 益 931 1,353 1,363 1,050

(出 所)r会 社 四 季 報 』1992年 版,(1)予 測 。

(9)

第4図1991年 の 売 上 高 構 成 1

兆 円8 ロ そ の 他 一7 吻 半導 体6

ロ 電 気 通 信 機 圏 コ ン ピ ュ̲タi

4

1

‑1///‑/, 2

懸 欝 ÷

…"'4'f"

〜i就'よ

日 立 日 本 電 気 七 通

(出 所)TheEconomist,Jan.ll.1992,p.56,

第5図 日 本 電 気 の 業 績 推 移

0 ∩ ) 2 売 上 高 ・ 千 億 円

売r̲高

1

0.51.0

経 常 利 益 ・ 百 億 円

匿 り 0 1 t 上 F D D

転 機 に立っ 日本 半導体産業

88/389/390/391/392/393/3

(出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1992年9月29日 号 。

れ ば,第7表 の 如 くな って い る。 国 内 景 気 の 減 速 と 米 国 景 気 の 回 復 遅 延 か ら収 益 の 柱 で あ る半 導 体 メ モ リー の 不 振 が 長 期 化 して い る た め,各 社 は収 益 の 足 を 引 張 られ,92年3月 期 に は2期 連 続 して 大 幅 な 経 常 利 益 の 激 減 に 見 舞 わ れ る に 至 っ だ9)。

無 論,そ の原 因 は 前 述 の 如 く半 導 体 メ モ リー の 主 力 商 品 で あ る4メ ガDRAM需 要 が 米 国 コ ン

ピ ュ ー タ産 業 の 低 迷 な ど で 盛 り上 が らず ,各 社 の 業 績 を 低 下 させ て い る た め で あ る。 大 手 各 社 は価 格 の 暴 落 と積 極 的 な4メ ガ 投 資 に 伴 う償 却 負 担 の 激 増 に よ って 急 速 な採 算 の 悪 化 に 直 面 して い る の で あ る。 特 に東 芝 は4メ ガ生 産 で 先 行 して い た だ

一35一

け に そ の 不 振 に 伴 う影 響 も非 常 に 深 刻 だ(1D)。日 本 電 気 も半 導 体 設 備 の 稼 働 率 を80%以 下 に 引 き 下 げ ざ る を 得 な くな り,収 益 の 悪 化 に 悩 ま され て い る。 そ こで,同 社 は か つ て は 儲 け頭 で あ り ピ ー ク 時 に は 半 導 体 事 業 の50%を 超 え て い た メ モ リー の 比 重 を92年 初 頭 ま で に25%ま で 低 下 させ る 方 針 を 打 ち 出 し,脱 メ モ リー 化 の 傾 向 を 鮮 明 に し

だ%だ が,同 社 は売 上 高 の 半 分 近 くを 占 め る コ ン ピ ュ ー タ部 門(売 上高構 成 は第4図)で ,低 価 格 機 を 引 っ提 げ て 市 場 に参 入 して き た 米 コ ンパ ッ ク や 台 湾 メ ー カ ー の 攻 勢 に よ り熾 烈 な低 価 格 競 争 に 巻 き込 ま れ っ っ あ る。 そ の た め に93年3月 期 の 経 常 利 益 は 第5図 の 如 く更 な る 減 益 に 見 舞 わ れ る もの と予 想 され る。 ま た連 単 倍 率(連 結純 利 益が単 独純 利 益 の何 倍 か を示 す)も2期 連 続 して1を 割 り 込 む と予 想 さ れ る の。 そ れ は,国 内 外 の 半 導 体 子

会 社 が 不 振 で あ る上 に,欧 米 の コ ン ピ ュ ー タ ・家 電 子会 社 も低 迷 して い る た め で あ る。

(2)価 格 動 向

次 に 価 格 動 向 を 見 る と,1メ ガDRAMは88年

11月8日 に2,000〜2,300円,89年10月3日 に 1,580〜1,650円 で あ っ た が,89年 末 か ら90年2 月 に か け て950〜1,100円 へ と 大 幅 に 下 落 し,92 年1月 現 在,480円 前 後 で 低 迷 し て い る 。 ま た256 キ ロSRAM(記 憶 保 持 動 作 が 不 要 な 随 時 書 き込 み 読 み 出 しメ モ リー)は88年11月 に1 ,000〜1,300円, 89年10月 に930〜1,050円 で あ っ た が,92年1 月 に は470円 前 後 に ま で 下 落 し た 。 更 に 半 導 体 メ モ リ ー の 主 役 で あ る4メ ガDRAMは91年1月

に4,000円 弱 で あ っ た が,91年8月 に は 早 く も

第6図4MDRAMの ス ポ ッ ト価 格

(1個,中 心 値) 18

61

14 円12

92/12345678910

(出 所)『 日本 経 済 新 聞 』1992年10月31日 号 。

(10)

一36一 転機 に立つ 日本半導体 産業 2,450円 ま で 下 落 し,そ の 後 は 第6図 の 如 く92年

9月 に1,170円 で 底 値 を 打 ち,92年10月 に は1,460 円 ま で 回 復 し て い る 。 こ れ は 大 口 需 要 先 で あ る パ

ソ コ ン な どOA機 器 や テ レ ビ,VTRな ど の 需 要 が91年 か ら92年 に か け て 国 内 外 と も に 冷 え 切 っ て し ま っ た た め で あ る(1帥。 然 も 韓 国 メ ー カ ー が 急 速 に 力 を 付 け,4メ ガ 市 場 に お い て も 品 質 や 納 期 な ど 信 頼 性 を 急 速 に 向 上 さ せ 日 本 メ ー カ ー の 脅 威 と な っ て い る 点 も 影 響 を 及 ぼ し て い る(1の。

周 知 の 如 く,前 回 の256キ ロ か ら1メ ガ へ の 交 代 期 に 当 る87年 〜88年 に お い て1メ ガ の 価 格 は

1個2,000円 以 上 で256キ ロ の6倍 以 上 に 達 して い た 。 そ れ に もか か わ らず 省 スペ ー ス や 小 型 化 が 図 れ るな ど の 大 き な利 点 が あ っ た た め,需 要 が 急 増 し87年 以 降 の2年 間 に 価 格 は 殆 ど 下 落 し な か った 。 一 方,現 在 の4メ ガ の 価 格 は1メ ガ の3 倍 強 と ビ ッ ト当 た り価 格 で 後 者 を10%以 上 も ド

回 っ て い る が,需 要 は 一 向 に4メ ガ に シ フ トせ ず,世 代 交 代 が 殆 ど進 ん で い な い の で あ る(15)。ま た,メ モ リー 価 格 が 暴 落 す る 中 で,比 較 的 安 定 し て い た ロ ジ ッ クICな ど の 価 格 も下 落 に 転 じ,半 導 体 相 場 は全 面 崩 壊 の 様 相 を 呈 して い る㈹。

第7図 日本 のIC関 連 投 資 の 推 移 (千 億 円)

12

10

8 ハ0 4 9 臼

設 備 投 資 ・ 研 究 開 発 費

[コ 設備投 資額 圏 研究 開発 費

刎 60

一 売 上高比 ノ 、

r

一一

'

̀

.n.,.;.,

A扇 鳳 薫 ・・

1975年76777879808182838485868788

(出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1991年11月14日 一,T;(注)通 産 省12社 調 べ 。 第8図 メ モ リ ー(DRAM)世 代 ご と の 投 資 額 14

12

10

O O ρ 0

投資額

4

2

50

40

30

20

10

U8990

064K256KIM4M16M64M

(出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1991年ll月14rl号,(注)通 産 省12社 調 べ 。 IMの 投 資 額 を1と す る

一 「一 一一=¶ 一「

,1,1「}}

一 一

i輸 層騨¶

一}

1}『‑

一7『

(11)

転機 に立っ 日本半 導体産業 第9図 各 世 代1)RAMの 設 備 投 資 金 額(推 定)

百 万 ドル 1000

800 soo 400 LOO

lM4M16M64M

(出 所)『 電 臼1992年7月 号,9頁

前前前後後ロ翻O囮■

程装置 程建物 程付帯 設備 程装 置 程建物

※ 「20K枚/月 処 理 能 力 」の モ デ ル1陽 を 想 定 して 試 算

(3)投 資

更 に 日 本 企 業 のIC関 連 投 資 を 示 せ ば,第7図 の 如 く な っ て い る。 売 上 高 投 資 比 率 は84年 ま で 順 調 に 上 昇 し た が,86〜87年 に は 大 幅 に 低 下 し, 88年 以 降 徐 々 に 回 復 す る も の の,80年 代 半 ば 頃

の 水 準 に は依 然 と して 及 ば な い 。 こ れ は設 備 投 資 がIC需 要 の 変 動 に 対 応 し て 激 変 し た た め で あ る。 … 方,研 究 開 発 投 資 は一 貫 して 増 加 傾 向 を 維 持 して い る。 ま た メ モ リー の 高 集 積 化 に 伴 っ て, 投 資 額 は第8図 の 如 く世 代 ご と に 大 幅 に 増 加 して お り,そ れ が 次 第 に半 導 体 メ ー カ ー各 社 に と って 大 き な 負 担 と な りっ つ あ る。 例 え ば,DRAM(月 産300万 個 の量産 ライ ン)の 投 資 額 は1メ ガ の 場 合 に は500億 円 だ っ た が,現 在 開 発 中 の64メ ガ に な る と3倍 の1,500億 円 に 膨 れ 上 が る と 言わ れ て い る(171。尚,工 程 別 の 設 備 及 び 建 物 別 の 設 備 投 資 額 を 見 る と,第9図 の 如 く高 集 積 化 と共 に前 工程 の投 資 額 が 激 増 し,設 備 集 約 型 産 業 の 特 徴 を 強 あ

て い る こ と が 分 か る 。

IV海 外現地生産

(1)電 子産業の海外展 開

一37‑一

と こ ろ で,日 本 の 半 導 体 メ ー カ ー は70年 頃 か ら賃 金 コ ス ト削 減 を 目的 と して ア ジ ア で の 現 地 生 産 を 開 始 し,そ の 後80年 代 半 ば 頃 ま で は市 場 確 保 を 目 的 と す るDRAM組 立 生 産(後 工 程)拠 点 を 欧 米 に次 々 と設 け る に 至 っ た。 更 に80年 代 半 ば 以 降,通 商 摩 擦 を 回 避 す る た め に 欧 米 で 前 工 程

(ウ ェハ ー処 理 段 階)を 含 む 一 貫 生 産 を 本 格 化 さ せ た の で あ る。

さ て,日 本 電 子 機 械 工 業 会 が 会 員 企 業467社 に 対 して 実 施 した海 外 投 資 に 関 す る調 査 に よ れ ば, 91年6月 末 現 在,海 外 生 産 法 人 は41力 国840社 に 達 し,前 年 比 で は71社 増,ま た研 究 開 発 法 人 は 15力 国71社 で31社 増,更 に 金 融 法 人 は6力 国 43社 で11社 増,そ して 統 括 法 人 は12力 国78社 で12社 増 で あ っ た と い デ 励。

地 域 別 に 見 れ ば,生 産 法 人 は ア ジ ア が492社 (全体 の59%),北 米 が170社(同20%),欧 州 が136 社(同16%),南 米 が33社(同4%)を 占 め て い る。

ま た,研 究 開 発 法 人 は北 米 が39社(全 体 の55%) で1位,以 ド欧 州16社(同23%),ア ジ ア12社(同 20%)と な っ て い る。 更 に ,金 融 法人 は欧州 が30 社(全 体 の70%)で1位,北 米 が9社(同21%)で

これ に 次 ぐ。 最 後 に統 括 法 人 は 北 米33社(全 体 の 42%),西 欧31社(同40%),ア ジ ア12社(同15%) 第8表 生 産 法 人 ・研 究 開 発 法 人 ・金 融 法 人 ・統 括 法 人 の 主 な展 開 国

生 産 法 人 研 究 開 発 法 人 金 融 法 人 統 括 法 人

ア メ リカ136 ア メ リ カ39 オ ラ ン ダ16 ア メ リ カ33

マ レ ー シ ア113 イ ギ リ スll イ ギ リ ス12 ドイ ツ12

台 湾101 シ ン ガ ポ ー ル4 ア メ リ カg イ ギ リス9

シ ン ガ ポ ー ル70 オ ー ス ト ラ リ ア3 シ ン ガ ポ ー ル4 シ ン ガ ポ ー ル7

大韓民 国65 香港2 ベ ル ギ ー1 オ ラ ン ダ5

タ イ56 フ ラ ン ス2 ス イ ス1 ベ ル ギ ー3

イ ギ リ ス50 マ レ ー シ ア2 香港3

ド イ ツ33 台湾2

中華人民 共和国32

ブ ラ ジ ル26

1

(出 所)『 電F』1991年11月 号,28頁

(12)

一38一 転機 に立つ 日本半導体産業

第9表 生 産 法 人 並 び に同 従 業 員 の前 年 と の増 減 比 較(1991年6月 現 在) 生産 法人数 並 びに同従業員 の 主な増加 国 生 産法人 ・同従業員 の減少国

レ ー シ ァ 韓 国

数19(94‑→113) 法 人 数 ▲3(68→65)

従 業 員 数23,805(62,875→86,680) 従 業 員 数 ▲3,256(40,275→37,019)

法 人 数10(46→56) ▲2(8‑→6)

従 業 員 数8,482(28,488→36,970) 従 業 員 数 ▲1,815(3,615→1,$04)

法 人 数10(126→136) ▲1(27→26)

従 業 員 数14,083(67,545→81,628) 従 業 員 数 ▲168(21,332→21,164)

シ ン ガ ポ ー ル ア ル ゼ ン チ ン

法 人 数7(63→70) ▲1(4一 や3)

従 業 員 数5,010(35,225一 級0,235) 従 業 員 数 ▲246(1,300→1,054)

法 人 数7(43‑50)

従 業 員 数4,347(18,012→22,359) (出 所)『 電 子 』1991年11月 号,29頁

と な って い る 。

次 に 製 品 分 野 別 海 外 生 産 法 人 を 見 る と,家 電 機 器 は241社,産 業 用 電 子 機 器 は168社,電 子 部 品 は502社 と な って い る。 尚,91年6月 現 在,海 外 法 人 従 業 員 数 は 約51万6,000人(対 前 年 比6万 8,000人 増)で,こ の う ち約5,000人 が 日本 か らの 派 遣 社 員 で あ っ た と い う。 ま た 電 子 部 品 生 産 法 人

の 地 域 別 分 布 を 見 れ ば,ア ジ ア が 全 体 の66%,北 米 が19%,欧 州 が12%,南 米 が3%を 占 あ て い る が,増 加 率 で は 北 米 が 最 大 で あ っ た 。

注 目 され る の は 第8表 の如 く,生 産 法 人 数 で マ レー シ ア(113社)が 米 国(136社)に 次 ぐ2位 を 占 あ,ま た 研 究 開 発 法 人 数 で は米 国 と英 国(全 体 の 79%),金 融 法 人 数 で は オ ラ ン ダ と英 国(同65%), 統 括 法 人 数 で は 米 国 と ドイ ツ(同61%)に 集 中 し

て い る点 で あ る。 更 に 第9表 の如 くマ レー シ ア, タ イ,シ ン ガ ポ ー ル,米 国,英 国 で は 生 産 法 人 数 と従 業 員 数 が 増 加 して い る の に,韓 国,イ ン ド, ブ ラ ジル,ア ル ゼ ン チ ンで は両 者 共 に減 少 して い る点 も注 目 さ れ る。 これ は恐 ら くt工 場 立 地 条 件 の 優 劣 と通 商 摩 擦 を 強 く反 映 して い る の で は な い か と思 わ れ る。

(2)海 外 生 産 の 現 状

周 知 の 如 く 日本 の 半 導 体 メ ー カ ー が 積 極 的 な 海 外 現 地 生 産 を展 開 さ せ る に 至 った 理 由 は 円 高,貿 易 摩 擦,ASIC(特 定 用 途向 け半導 体)化 へ の 対 応 な

どの 点 に あ っ た。 これ ら 日本 メ ー カ ー の海 外 展 開 を 図 示 す れ ば 第10図 の 如 くな って い る。 そ こで, 近 年 の 動 向 を 各 企 業 に つ い て 一一瞥 す れ ば,ま ず 日 本 電 気 は89年 秋,カ リ フ ォ ル ニ ア 州 ロ ー ズ ビ ル 工 場 で カ ス タ ム マ イ コ ンの一 貫 生 産 を 開 始 し,メ

モ リー か ら汎 用 マ イ コ ン,ASICま で 半 導 体 製 品 の 一 貫 生 産 体 制 を 確 立 し た(191。91年に は 英 国 ス コ ッ ト ラ ン ドに も 前 工 程 を 含 む 一 貫 工 場 を 建 設 し,日 本 メ ー カ ー と して 初 あ て 米 欧 両 市 場 に お け る半 導 体 一 貫 生 産 体 制 を 構 築 し た。 無 論,同 社 は ア イ ル ラ ン ドと シ ン ガ ポ ー ル に も後 工 程(組 立) の み の 工 場 を 持 っ て い る。 英 工 場 で 前 処 理 され た 1メ ガDRAMは ス コ ッ ト ラ ン ド と シ ン ガ ポ ー ル で 組 み 立 て ら れ,月 間50万 個 の 規 模 で 対 米 輸 出 さ れ て い る 。92年 以 降 は米 工 場 の4メ ガ 生 産 ラ イ ンが 本 格 稼 働 す る の に 伴 って 米 工 場 で 前 処 理 した 4メ ガDRAMを シ ン ガ ポ ー ル で 組 み 立 て,米 国 と欧 州 市 場 向 け に輸 出 を 開 始 した(尚92年 中 に次 世 代16メ ガの量 産 が開 始 され る)。斯 か る生 産 拠 点 の 分 散 化 に よ って 同 社 は ダ ン ピ ン グや 日本 製 品 に

(13)

転機 に立っ 日本半導体産業 一39‑一 第10図 わ が 国 半 導 体 メ ー カ ー の 海 外 展 開

{ス コ ッ トラ ン ト)

● 日 本 電 気

〈イ ギ リ ス)

● 富1=通

ぐア イ ル ラ ン ト チ

蹴 嘉気

(ド イ ツ) 日 、笑製 作 所

讐 礫

魍8欄 機

811燃

(ワ シ ン トン)

● 松 ド くオ レ ゴ ン ラ

8鞭 僕

1聾 離 饗r)

(マ レ ー シ ア) 東 芝

響 響

電 臼 二 (テ キ サ ス)

● 正1凱製 作 所 ソ ニ ー

(ノ ー ス カ ロ ラ イ ナ)

● 三 菱 電 機

(ブ ラ ジ ル)

● ロ ー・ム

D

(出所)志 村 幸 雄 『2000年 の 半 導 体 産 業 』134‑135頁

対 す る最 低 販 売 価 格 制 度 な ど の 問 題 を 回 避iしよ う と して い る の で あ る5101。

ま た 富 士 通 は89年 夏 か ら オ レ ゴ ン州 グ レ シ ャ ム 工 場 でDRAMの 一一貫 生 産 を 開 始 し,92年10 月 に は1メ ガDRAMの 量 産 に入 った が,そ の一 方 で カ リフ ォ ル ニ ア州 サ ンデ ィ エ ゴ工 場 を 閉 鎖 し

た。 こ の 米 国 生 産 縮 小 を 補 う た め に 同 社 は 英 国 ダ ・一 ラ ム 工 場 の4メ ガDRAMの 生 産 能 力 を93 年 初 頭 ま で に 月 間150万 個 ま で 引 き上 げ,う ち約 半 分 を 東 南 ア ジ ア で 後 処 理 し た後,米 国 へ 輸 出 す る こ と に して い る。 そ の た め に富 士通 は ダ ー ラ ム 工 場 で の4メ ガ の 生 産 能 力 増 強 の た め に 新 た に 3,500万 ポ ン ド(約74億 円)を 投 資 す る こ と に な っ た。 こ の 投 資 はEC市 場 統 合 後 の 欧 州 で の 半 導 体 事 業 拡 大 と 同 時 に4メ ガDRAMの 商 戦 が 本 格 化 して きた 米 国 市 場 へ の供 給 体 制 を 強 化 す る こ

とを 目 的 と して い る と い う⑫1)。

更 に 日 立 は89年5月 に テ キ サ ス州 ダ ラ ス工 場 でSRAMの 一 貫 生 産 を 開 始 し た。91年 に は 日立 は米 工 場 で 前 処 理 した メ モ リー を マ レ ー シ ア で 組 み 立 て 始 め た が,92年 春 に は ドイ ッで 稼 働 す る一 貫 工 場 の後 工 程 を も分 担 す る こ と に な り,生 産 品 目 も4メ ガ か ら16メ ガ,マ イ コ ン,ASICへ と拡

大 す る 予 定 だ と い う㈹。 三 菱 電 機 も90年 初 頭 に ノ ・一 ス カ ロ ラ イ ナ 州 ダ ー ラ ム 工 場 でASICと DRAMの 一 貫 生 産 を 開 始 し,ASICデ ザ イ ンセ ン

タ ー を3ヵ 所 増 設 して 北 米 の デ ザ イ ン拠 点 を6カ 所 に 拡 充 し た。 東 芝 は カ リ フ ォ ル ニ ア 州 サ ニ ー ベ ー ル にASIC‑一 貫 生 産 試 作 ラ イ ンを 完 成 し

,松 下 電 子 も91年 に 米 国 で メ モ リー,マ イ コ ン,ASIC な ど の 組 立 工 場 を稼 働 さ せ て い る。 斯 くの 如 く 日 本 の 半 導 体 メ ー カ ー は 貿 易 摩 擦 を 回 避 す る た め に 欧 米 地 域 に 前 処 理 工 場 を 相 次 い で 設 置 す る 一 方 で,労 働 コ ス トの 低 い東 南 ア ジ ア の組 立(後 工程) 工 場 を 拡 充 して 両 者 の 連 携 を 図 り,半 導 体 生 産 の 国 際 分 業 を 推 進 しよ う と して い る の で あ る。

V直 面する問題

さ て,日 本 の 半 導 体IC生 産 額 は シ リ コ ンサ イ ク ル の 谷 に 当 た る90年 に は 僅 か0.8%の 増 加 に 止 ま っ た 。 然 も91年 に は4メ ガ へ の 世 代 交 代 か

ら需 要 回 復 が 期 待 さ れ て い た に もか か わ らずf米 国 の コ ン ピ ュ ー タ不 況,国 内 耐 久 消 費 財 産 業(家 電 自動 車)の 不 振,半 導 体 輸 入 の 増 加 な ど の 影 響 が 重 な っ た た め に生 産 額 は6.4%増 に す ぎな か っ

(14)

一40一 転 機 に立っ 日本半導 体産業 第11図 地 域 別 半 導 体 市 場 動 向(対 前 年 同 月 比,

現 地 通 貨 ベ ー ス) (%)

'‑10

東 南 ア ジ ア,

‑x一 一 そ の 他

\/\

\ △/

…x… 欧 州

… 《)一一 日 本

x¥/ ̀x ‑x

bR '91/14710'92/1

(出 所)『 日 本 経 済 新 聞 』1992年11月12日 号 。

た 。 ま た 半 導 体 市 場 は 第11図 の 如 く東 南 ア ジ ァ や 米 国 で は91年 後 半 に 回 復 に 向 か っ た の に 対 し て,日 本 で は逆 に 悪 化 して い る。 そ の 結 果,92年 に は 東 南 ア ジ ア そ の 他 が60%,米 国 も26%と 高 い 成 長 を 達 成 す る一 方 で,日 本 の み が 円 ベ ー ス で 3。8%減 とマ イ ナ ス成 長 に 陥 る も の と予 想 さ れ る。

日本 市 場 の 本 格 的 な 回 復 は こ の ま ま で は92年 末 以 降 に ズ レ込 み そ うで あ る。 日本 の 半 導 体 産 業 は 資 金 負 担 力 や 量 産 技 術 の 優 位 な ど に よ りDRAM

に代 表 さ れ る メ モ リー 分 野 で は圧 倒 的 な 競 争 力 を 保 持 して い る も の の,MPU分 野 で は米 国 が 依 然 と して 圧 倒 的 な 優 位 を 維 持 して い る。 更 に 日本 メ ー カ ー は 現 在,韓 国 な ど後 発 諸 国 の 急 速 な 追 い 上 げ,環 境 対 策 費 の増 加,高 集 積 化 の 限 界 に 伴 う 投 資 効 率 の 低 下 な ど の 不 安 材 料 を 抱 え て い る の で

あ る。 そ こで,以 『ドで は 日本 の 半 導 体 産 業 が 直 面 して い る 問 題 を検 討 す る こ と に しよ う。

(1)半 導 体 不 況 1メ モ リー

メ モ リー は91年11月 に4メ ガDRAMへ の 世 代 交 代 が 実 現 した が,メ モ リー 不 況 の 影 響 で 販 売 不 振 と価 格 ド落 に見 舞 わ れ,各 メ ー カ ー は一 気 に 16メ ガDRAMの 量 産 化 を 前 倒 しす る 動 き を 強 あ て い る。 これ は,汎 用 コ ン ピ ュ ー タの 低 調 と パ ソ コ ンの 販 売 不 振 に伴 う米 国 コ ン ピ ュー タ不 況 に よ り主 力 商 品 の4メ ガ(DRAM需 要 の大 半 は コ ン ピュー タ関連)の 立 ち 上 が りが 大 幅 に遅 れ た 上,好 調 だ っ た 家 電 向 けASIC需 要 も91年 夏 以 降 不 振

に 陥 っ た か ら で あ る。 そ う した 中 でIBMは 世 界 に 先 駆 けて16メ ガ の 量 産 を開 始 し,従 来DRAM の 世 代 交 代 を主 導 して き た 日本 企 業 に半 年 以 上 も 先 行 す る に 至 っ た 。IBMは91年 後 半 に 月 産10万 個,92年 に は 月 産100万 個 単 位 の 量 産 体 制 を 整 え,92年 半 ば に は16メ ガ 搭 載 の コ ン ピ ュ ー タ1 号 機 を 出 荷 す る予 定 だ と い う。 い ず れ に せ よ,斯 か るIBMの 攻 勢 に よ っ て4メ ガ は益 々 短 命 商 品 に 終 わ る運 命 が 定 ま った よ うだ 。

無 論,日 本 企 業 も高 集 積 化 に は精 力 を 傾 け,90 年 以 降64メ ガDRAMの 試 作 に 相 次 い で 成 功 し て い る。 と は い えIBMも91年12月,独 シ ー メ ン ス と 共 同 で64メ ガ の 試 作 に は 成 功 して い る。 因 み に64メ ガ は95年 頃 か ら本 格 的 量 産 が 開 始 さ れ る 次 々 世 代 メ モ リー一で,1個 に新 聞256ペ ー ジ分 の 情 報 が 記 憶 で き,コ ン ピ ュ ー タ の 大 幅 な 小 型 化 を 促 し,高 品 位 テ レ ビの 小 型 化 ・低 価 格 化 を 可 能 に す る な ど広 範 な 応 用 が 期 待 で き るX131。

こ れ に 対 して64メ ガ の 試 作 開 発 で 他 社 に 後 れ を 取 っ た 日 本 電 気 は92年 中 に 約200億 円 を 投 入 して256メ ガ の研 究 開 発 施 設 を 建 設 し,必 死 に巻 き 返 し を 図 っ て い る 。256メ ガ は 漢 字 で 約L600 万 字,新 聞 に して1,000ペ ー ジ分,音 声 な ら4時 間 分 もの 情 報 が 蓄 積 で き る とい う。 従 って,高 性 能 コ ン ピ ュ ー タ用 主 記 億 装 置 と して の 用 途 は無 論,MPUの 高 速 化 に 対 応 す る シ ス テ ム の 小 型 化 に も有 益 だ し,ま た 外 部 記 憶 装 置 と して も フ ロ ッ

ピ ー デ ィ ス ク20〜30枚 分 の デ ー タ が 記 録 で き る の で あ る⑳。 更 に エ レ ク トロ ニ ク ス 製 品 は現 在 デ ジ タ ル 化 や 高 品 位 化 が 急 速 に進 展 して い る の で,

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