The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
半
導
体
に
つ
い
て
佐
々
木
健
男
*1
.
は じ め に最 近 トラ ン ジス タ等の 半 導 体製品が われわ れの 身 近 な もの とな
・
コ
て ぎ た が,
そ れら が どの よ うに して作られ る かと い うこ と を中心に し て,
半導 体の性 質,
トラ ン ジス タの機 能 等を 概略説明し て見る。 半 導 体で 作ら れ る トラ ン ジ ス タは 1947 年.
米 国ベ ル 研 究 所のShoclcley
らに よ っ て 発明 さ れた が.
こ の 発 明は物 性 物埋の分野で,
理 論的 な 予測がその ま ま実 験 的に 実 現さ れ たと い う点で 画 期 的 な もの で,
そ れ 以来工業 的には bラ ン ジ ス タ は真空 管となら ん で電r一
工 業に不 1・∫欠の もの とな り、一
方これ を契機として, ゲル r“
ウム , シ リコ ン等の 半 導 体,
さ ら には固 体一
般に関 する研 究が急激に非 常な進歩 をとげ た。
2
.
半 導 体 と は固 体を 電 気 伝導の立場か ら 見 ると金 属の ように電 気 を 良 く遁 すもの, す なわ ち良導体と
,
石 英.
雲母の よ うに 電気をほ と ん ど 通 さ ぬ もの,
すな わち絶 縁 体と,
そ れ ら の 中 間の 電 気 伝導 度を持つ 半 導 体の三つ に大別で きる。
半 導 体の 電 気 伝 導は低温では絶 縁 体の よ うで,
高 温で は 良 導 体の よ うな 特 性を持っ
て い る。
現 在 実際に 半導体材 料 と し て使われて い るの は 主と して第 4族の元素た る ゲ ル マ;
ウム,
つ い で シ リコ ン で あるが,
これ らに つ い て は 理論的に も,
実 験 的に も研 究が十 分 なされてい る。 こ の他に もセ レ ンや元 素 同 志の結合である金 属 間 化 合 物 等 が研 究さ れ、
あ るもの はすで に実 用 化さ れて い る。3
.
精 製 の 方 法半 導 体の性 質は結 品 内 電 子の 運 動で きま るので
,
電 ∫: 装 既と して実 用に供 する ため に は非 常な高純 度が必 要で あ るu その精 製 方 法を、
主に ゲル マ ニ ウム を例 と して説 明 して見る。
(1) 化 学的 橘 製
原鉱 か ら塩 化 物を作り, 精 留 後
、
加 水 分解して酸 化 物と し,
さ らに水 素 気 流 中で 加熱還 元 * 日 本電 気 (侏)研 究 所 して 令属ゲル マ ニ ウム とする 。 こ の操作で得 られ る純度 は 103〜105
で ト ラ ン ジス タに使 用 するに は 不 十分で あ る。(2) 物 理 的 精製
化 学 的に精 製された ゲルマ ニ ウ 1
・
をカ・
一
ボ ン ま た は石 英 ボー
ト に入 れ.
不 活性雰囲気 中で 濡 虫し諮 騰 を一
方 向か ら〜k
却固 化 させ ると,
偏 析 現 \\
、
\ 族 周’
一
期△ 1 2 3 4 5 6 第 1表 周期 律表の 1部 目 m.
NI
・ト
・1
・ b.
{弛
ndZC BA 訂英 勇丶
L C Si.
GaIn.
Tlノ
高穉政コ冶レ GeSn ; PbI V.
bINp 飴 恥
政
Iw。
一 see IO〔
ダ
O
.→ nOD → O →一
一
蘿
塞重 シ コ ン k 000 DOCOQ
・O
第1
図帯溶融偏析
象 によっ
,不純
物は最 後に 固 す 部 分 集 具 卸レ 鰍2
図 浮 鬲虫 帯1
容鬲虫 偏 析を行う
。 こ れ を 浮遊 帯 融 と呼ぶ。
こ
のような 操侮 で100
,vlol
フ
高純度 の 材 料が
得られる。 (3
) 単結 品 以上 操 作によ って 化学的 な不純物は 除ぎ得 る が,な お多 の結
晶の集 合体 で あるた 結 晶境
る。偏 析 の能 を 上げる ため, 帯 状 溶 融 部分 を 移動させ 精 製す る 。 こ れ を 帯 融偏 析 と呼 ぶ 。 シリン
の 揚合 に は溶 融 し た リ コン が 容器 と反 . す るので
, 棒 状にしたV
リコン を垂直 に宙 釣 り にして, 面 張 力で
保 た れた 溶 融帯を移動 さ せて (32) N工 工The Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
不純物添劃]営 引 で上ワ弊 單 続晶 簿 ゲルマニ弘
軍糒
8
融 ケ)しマニウ厶 1万雌 ガ入ド
」
睡
辯
1 ク“
ラファ{ト)レツrc.
Io o← 蔽 周 良コイ丿臣 o 艱 電 対 第3
図 単結晶の 引き上げ 界 面で電 子が異 常 な 動 き方 を するの で,
トラ ン ジス タ材 料 と し て は好ま し くない。
結 晶 境 界 を 含ま ぬ一
つ の 大き な 単結 晶を作る に は,
精製さ れ た材.
料を石 英ル ッボ中で 溶 融し.
上 方か ら小さ な単結 品の種 を 溶 融 物に浸けて, そ れを 中 心に 大 きな単結晶を成 長させ て引 き上 げ る 方法 が用い ら れて い るc この他 帯 溶 融法で一
端に単 結 晶の種 を置 ぎ, 緩やか な 温 度 勾 配をつ 1ナて溶 融 帯を移動さぜ た り,
浮 遊 帯 溶 融 法で や は り一
端に単 結 晶の種を置い て大 きな単結晶を作る方法 も用い られてい る。 ま た とくに シ リコ ン の単結 晶につ い て は石英ル ツ ボ か らとけて 出す酸 素が シ リコ ン の特 性を害するの で , 溶 融 物が直接容器 に 触れ ない浮 遊 帯 溶 融が推 奨さ れて い る。
(4) 不純 物の添加
きわめ て純 粋に なっ た材 料はそ の ま まで ト ラ ソ ジス タな ど に使われるこ と は ま れで
,
こ れにその性質を決め る少 量の活 性な 不純物を 用 途に応じ て添加 し,
ゲル マ ニ ウム の純 度を 2〜
3 桁 下 げる。 不純 物の 添加は 弔 結 聶 引ぎ上 げの際に溶 融 物 中に投入 する と か,
偏 析を利 用して結 晶 内に不純 物を均 等に 分 布 させ る 方 法を 用い て い る。
第5
族の Sl),
As などを不 純 物と し て加え る と, 結 晶 内で電 子が電 荷を運ぶ N型の結 晶が 得 ら れ,
ま た第 3族のGa ,
in等を 加 える と,
電 子の小 足分 が電 荷 を 運ぶP
型の結 品が人 為 的調節の下にでぎ上 る。4
.
半 導体の性 質(1) 物理的 説 明
半 導 体の性 質は エ ネルギ
ー
帯 模型 で説 明 され る。 たとえば デル マ ニ ウム の 原 干が 1個だけ 原 壬画距離一 一
→ 第 4図 原 子間距離とエ
ネル ギー
帯↑
エ ネ ル 話贏 囚匝魅 → 第 5図 エ ネル ギー
帯模 型.
孤 立し て存在 し て い る 場 合,
その 価 電 子に は い くつか のエ ネル ギー
準 位が与 え られてい る。 し か し多数の原子が結晶 格 予を形 成し た場合, 原 子 間 の相 互 作 用で エ ネル ギー
準位 が 分 離し て,
4個のG
’
−f・
を含 む 原 子の集 合がエ
ネル ギー
帯 を作り,
その 中に価 電 子で完 全に 満た さ れた充 満 帯が生じ,
その上に ある伝 導 帯と の 間に禁 止 帯が できる。 禁止帯の il]ll
ぱ物質の性 質を決め る 重要な値で,Ge
で は 0.
785
eV,
Si
で は1.1eV
で ある。
邇判電チ魍
樗重 帝 三ウ
蕈
薪
十
蠶
第6図 N 型デル マ ニ ウム 電 場 不純 籾甼恤 (ドナー
) 不N物ldi げクヒ%夕) 第 7図 P 型デル マ ニ ウムL
N
型 結 品を作る5価の不純 物が 入 っ た場 合,
伝導帯に 近い 禁止帯中に エ ネル ギー
準位がで き,
その電 子 束 縛エ ネル ギー
は約 0.
0/ eV で伝 導 帯に.
電 子を ケ身.
る もの と して ドナー
と呼ぱれる。 P型 結 晶 を 作る 3価の不 純 物の 場含に は充 満 帯に近い禁止 帯 中にエ ネル ギー
準 位カミ作 ら れ, 充満帯の電 了を受け取っ て (ア ク セ プタ) 充 満 帯に 電 子の抜 け 穴 (ホー
ル ) を 作る。
伝 導 帯の雹 予,
充II
}ll
帯 の ホー
ル は結 晶に電場が 学え られれ ば電 気伝導に与るo (2) 実 験お よ び測 定 半 導 体の件 質を知る ため に い ろい ろの実 験お よび測 定が 行 わ れて い るが,
つ ぎにその 主 な もの を 挙 げて見る。 a.
電 気 伝 導度(比 抵 抗 ) 棒 状 試 料の両 端に.
電極 を 付 げ,一
定の電 流を試 料に 流しつ つ,
電 流の方 向に一
定の 間隔を おい た 2本の探 針 間の 竃 位 差 を 求め,
電 流と電 位 差 試料 か ら比抵 抗 (ρ)ま たは その逆 数の電 気 伝 導 度 (σ) を 求め る(ρ;E
!l= 11σ)。一一
般に は 第8
図 比 抵抗 測定 4本の一
線に並んだ探 針 を 試 (33 ) N工 工一
Eleotronio LibraryThe Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
ノ
1
第91刈 !耳1
浅 鋸10図講
ホー
ル广
数の測 定 料の一
一
一
・
rAi
.
ヒに 置二 [1「・
亅Prltの振針軌 1].
ごlt.
tJl、を流し,
中 央 の 2木の 探 斜の問の電 位グ を求め,
TutiL厨盾に.
補TliをJlll
えて比 抵 抗を求め る4探鎧去 が 用い ら れてい る。b
ホ…
ル疋 故 棒 状 試 料の亀1
充の方 向と[fr直に磁 場 を 加え 毛 }充、
磁 賜,
rlli方 向に さ らに.
不.
直 な 方 向の電 广N を 測 定し て.
R=
E/JII(E=
電t−
’
¥H =
磁場の強さ,1
=
電 流 )な る目係で 表わ さ れ るホー
一
ル定 数R
を求め る。
R ・
1/nec (n :伝 冂電f
数,
e :地子の電荷,
c:定 数 ) で あ.
っ て, こ’
.
)値か・P
型,N
型の判 別、
伝a
し子 または ホー
一
ル数 を決め るこ とがで ざ,
ま た 不純 物 泗 丿:
の推 定,
その 温.
,
M 変化か ら不純吻 雫.
立の深 さ を決 定 出 来る。 電 気 伝丶 度は σ=
ne,
U (μ :厄 予 ま た はホー
ル の 易 可しノ でお ろ か」
’
R と σ の,
ILI係か ら結晶内の 伝iif.
ま た はホー
ル の速度に当る%動度 μ を沃疋 できる ⊂、
c.
光の吸収 半,
体 結 品に丿t
を当て てその吸 陳スヘ ク ト ル を 解 析1
るとニ ネル ギー
ギ ャ ップ の値や 翫 巨物.
ギ 位の位 陛、
結 陥 格 子の結 合の性 Lih’
の角←明ア)鼠得ら れ る。 光の吸収に よ一
て生 す 」 亀f
と ホ・
.
一
ル 対のπ笏 に よ る 挙 動 すなお 七 光伝 導を 調べ,
その減,.
r翫線か ら ト ラ ソジス タに と・
てi
[TIr
ヅ な少 数キャ リ アー
すな わ ちNII乏「
Lll・
T LI の ホー
ル.
P 「亅1 晶 中の 畫j一
が.
再結 合に よっ て消 滅す るまで のH.
1問,
す なわち プ川 ,時 間が測 定で きる、:,
こ の 他 熱 起 霊 力,
磁 気 抵 抗 サ イクロ トロ ン レゾナ ン ス,
商エ ネル ギー
匸子, 励 起r・
,
不,
1屯物 伝 導,
結 晶 転 位、
伽 液 俸ヘ リ ウムを用いた低 諤ljl測 定を中心 と し て研 究の A」
象 と さ れて い る。5
.
トラ ン ジス ダ (1)PN
接 合お よ び トラ ン ジス ター
つ の結 晶の 中 でP
型 領 或と)N )「[!領1.
がII1
狡 して存 在する時 PN 接合と P N ル ヂ 1 難_
→ a) 零バ イア ス 第 ユ1
図 P NP
呼 ば れ る が,
結 晶全体の電 減的1.
P
性を維 持す る た め,
接 而に電 揚 が 形 成 さ れ 弗 流’
陸 が 出て く るDP 型にe ,
N 月 こ θ なる毘 位を eJ−i
るとぎ,
順方向に バ イア ス さ れ た とい い,P
領 域には N 領1.
か らの亀子が,
N10 戈に ぱ P領 域か らの ホー
ル がそれ.
そ れ}』
…合 面を 通て注入 さ れ電 流がi,
1Lれ る。 逆に 廼 I !}こe ,
N !tiJ
「
こ Φ なる電 位 を 与 え る とき, 逆 方 向バイア ス と1乎ばれ、
電 流は流れない。 し か しこ の 場 合で も熱とか光で.
P領域に電子,
N vJTt’
.
域に ホー
ル がで ぎたユL合 は接 合 面を 通.
・
,
て電 流が流れ る。一
つ の PN 恢 俘を用い た1
「.
三置が.
接 合型ダ イオー
ド,
フ オ ト トラ ンジ ス タ、
ま た は シ リコ ン で 作っ た太「
昜電 池 等で ある.
狭1、
・
ベー
ス 領⊥い 狭.
Lで 二 つ の PN 接 合が存 する時,
一.
与.
月k
(エ ミヅ 効 に〕1V
/方 向電1Tニビ加 え る と,
も しエミッ タ
N
一
スコ レクタ
ベ
ー
ス領1LbSP
型であ れば.一一一
ノ
ード
騨窒職
二
鷺
菜
器
ω ゜ °1
pr・べ
.
。 黴 [村にエ 、 :t.
1Lq
l4
厂
+t + ”’
厂 一 ヨ ソ タ かb
紀f
が注 入さ れて,ヂ
轡
vl 他ebti.
fr
(・ レ ク タ)tこ達ヒ
死 黼
!
一
す る。 コ レ ク舛 天僧 こ逆方N
p
N
向バ イア スが掛 す られて い れ ばこの電
f
はベー
ス か ら.
第 ユ2「1
NPN トラ ンジ ス タ の
エ
ネルコ レ クタ に 充入 しコ レ ク ダ ギ
ー
匝・
1
叔 抗を kぎ く変化 させ る冂
こ れ二 よっ てエ ミ ッ ダ とべ一
ス の闘の微 小 信 号が:
1 レ グ タ とべー
一
ス の間の た きな耄プ丑こ遊 換で ぎる。
これが トテ ン ジス タ の 増幅の 原理である。 ベー
スが NJ1!のP”
/ すな わ ち PNP ト ラ ンジス 9 の 場合でも電f
に 代っ てホー
ル がN 型ベー
ス に注入 さ れ て同 じ効果 を 示 す。 実際の ト ラ ン ジス ダばベー
ス領 域 内に不 純 物 渉 度 勾 配 をつ け、
ベー.
ス 内、こ電馬 を 形成して電f
また ぱ ホー
ル を 加 速 す る と か、
Z ミッ タ冂の不純 物振度をと くに Vptくし てベー
スへ の疋 子 また は ホー
ル の注入効率を良くする等の工夫 が さ れてい る。 (2) PN 抜今の 製 作 法 N a.
戊 長法 たとえ ばN 型 不 純 物 を 少・
tl.
二含ん だ’
P
結島 を引 き一
ヒげつ つ,
多 量の.
P型不穐 物を加えてベー
ス を 成 長させ,
た 九ち に さ らに 多 騒:の N 型 不 純 物 を 加 え 1 てエ ミ ッ タ と し て成 長さ せ て ト ラ ン ジス1
タを作る方 法であ る。 こ の結 晶を NPN巨
竺
:
・÷
±
齡 姶 む細 片に切 断して1
°μ 程 眇 距 雄一→
距 離 一 b)順 方1司パ イ ァス c) 逆 方 向バ イア ス P−
N 接 合の エ ネル ギー
帯 模 型 薄さの ベー
ス部分に 細い 金Tttを奔 着して トラ ンジス タ とする。 b.
成長 拡 放 法 成 長 法と同じ くゴ V (34 ) N工 工一
Eleotronio LibraryThe Chemical Society of Japan
NII-Electronic Library Service The Chemioal Sooiety of Japan
ク タ成長の 後