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「説 唱 芸 能 (唱 南 港 ) の語 り」

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「説 唱 芸 能 (唱 南 港 ) の語 り」 続 編

訳 ・ 鹿 田 律 子

× 9号で前半部分 を翻訳 したが、引 き続 いて訳 を試 み る。

二法師法清 は、彼 らの言 い分 を聞 くと、 「き‑ き‑ き君 は法事 をや‑や‑や る だ ろ う。」 ともう一度言 う。飽家 の人 た ちは これ を聞 くや、急 りだ して、 「そん な ことを言 うな ら、俺 らは君 を殴 り殺 してや るぞ.′」 と言 う

二法師は死 んだふ りをす ることがで きるか ら、話 を聞 くな り、一息ついて倒 れ て しまった。

法清は死 んだふ りを して地面 に倒 れ、飽家は驚 か されて ごた ごたす る。

これは理解 で きない罪障 だ。下男 はび くび くして主人 に知 らせ る。

飽文、飽武は、通行人 を殴 り殺す べ きではない と下男を罵 る。

飽兄弟はとて も急 り、 もし、文武の百官 がここに来 て調べれ るよ うなことになっ た ら、 ど うしよ う。

もし法清の家の人 が ここに来た ら、彼 らに何 と訳 を言 えよ うか。

早 く彼 を草む らの中にお き、世人 の耳 目をおおい隠す ことが何 よ り大切 だ。

この とき、二法師は皆 の言 うことがは っ き り聞 こえた。

彼は一本の千斤 の金槌 に化 けて、 自分 を地面 に打 ち付 け る。

衆人は彼の頭 を捉 えて も頭 が動 かず、衆人 は彼 の足 を引 いて も足 が しっか り地 面 に くっついてい る

「おや、 ど うしてだ ろ う、板 が生 えた よ うだ。」

飽家 はてんて こまい し、皆 がやた らに声高 に叫 び出す。

本当に天 に登 りたいが道 がな く、地 に入 り込 みたいが、門がない。

飽文、飽武 は悲鳴 を上 げ、大法師が来て、その声 を聞いた

大法師 は急 いで来て、「君 らはなん とそそ っか しい者 だな。俺 の弟 を

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殴 り殺 した とは。」 とい う。 彼 は弟 が死 んだふ りをす ることが出来 るとい うこと を知 っているが、わ ざと 「そ うでなければ、飛んで きた悪魔 の仕業か もしれない。」

とい う。

俺 は蛇妖退治 のために南江殿 ‑行 くのだが、お りよ くここを通 った。

ど うして弟は飛んで きた悪魔 に出会 い、お宅 の門前 に倒 れて しまったのか。

大法師 は、弟 が死 んだふ りを して い るのだ ろ うと思 って、「50両 の銀 を出 して くれは、俺 は悪魔 を退治 して弟 を生 かす ことがで きる。」 とい うと、飽 文、飽 武 は、「俺 らは余分 の銀 を持 っていないか ら、君 は好 い ことを して助 けて 下 さい。」 と答 え る。

悪魔 を退治 して人 を生 かす のはや さ しい ことではない。 うま くで きな い と俺 も危 うい。

君 が50両 の銀 を出 して くれれば、俺 は危険 を冒 してみて もよいが、銀 を出 さな いな ら、俺 は立去 って行 く。

飽家 は大変 な ことを しでか した と考 えて、止むを得ず50両 の銀 を取 り出す。

大法師 は50両 の銀 を受取 り、契約 を書 き、約束 を してか ら、法清の千 斤 の金槌 を外す。

片手 で法清 を背負い、片手で神担 を持 ち上 げ る。

人気 のない処 まで背負 って行 くが、法清は死んだふ りを して何 とも言 わない。

法通 は彼 が本 当に死 んだ と思 って、涙 を流 して叫び出す。

「法通 、突 くな .′ お‑お一俺 は死 なない。」

内壇小衆神両駕 、兄弟二人 は一緒 に旅立 つ。

この 「夫人伝」 に さらに南江殿 の ことを語 ろ う、後 にまた続 いて語 ろ う。

今年 は貧乏 な人 が隣組 の頭の番 に当 り、 ち ょうど二人 の貧乏者 だ。

一人 は張姓 で張三 と言 い、 も う一人 は李姓 で李四 とい うO

張三 は野菜売 りで暮 ら し、李四は水汲み人夫 と して生計 を立て る。

張三 の独 り子 は張貴 といい、聡 明でか しこ く、18歳 にな る。

李四の独 り娘 は李媛 といい、聡 明でか しこ く、17歳 にな る。

この年 の祭 りの当番 に当 る隣組 の頭 は貧乏で、 自分 の子女 を妖怪 に供 えるよ う に迫 られた。

張三 は泣 きなが ら、「貴 ち ゃん、お前 は着物 を着換 え、体 を きれいに

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洗 ってか ら、南江殿 ‑芝居 を見 に行 きなさい。」 とい う。「お父 さん よ′」

芝居 を見 に南江殿 ‑行 くとは、あなたはわた しを編 して い る。 明 らか にわた しを妖怪 の供物 にす るのだ。

妖怪 への供物 にされて も、わた しは怨 まないが、お父 さん とお母 さんは もうお 年寄 りで、今後誰 に煉 ることがで きよ うか。

「おや、我 が子 よ.′」

なん と言 って もお父 さんの過 ちだ。南江殿 の隣組 の頭 にな るべ きでは なか った。

隣組 の頭 になって も大 した ことがない と思 ったが、なん と災難 が身 に落 ち ると はど うして知 ろ う。

ただ、 この期 日になった ことが恨 め しい。 た とえ、鳥 にな って も逃 げ去 る事 が 出来 ない。

李四は李嬢 に迫 って、 きっぱ りと話 し出す。

「媛ちゃんよ .′ 媛 ちゃんよ .′ お前は着物 を着換 え、体 を きれいに洗 っ て、芝居 を見 に南江殿 に行 って下 さい。」「おや、お父 さん よ.′」

芝居 を見 に南江殿 へ行 くとは、わた しを編 してい る。 明 らかにわた し を妹怪 ‑の供物 にす るのだ。

妖怪 への供物 に されて も、わた しは怨 まないが、お父 さん とお母 さんは も う年 寄 りで、今後誰 に頼 ることがで きよ うか。

「我 が娘 よ .′ 我 が娘 よ.′」

どの家 が娘 を大切 に しないだ ろ うか。 つ ま りは、 もっとも憐 れむべ き は貧乏 な者 だ。

若者 が 白髪 の老人 を送 るのは当前 だが、 ど うして 白髪 が黒髪 の若者 を送 ること がで きよ うか。

若者 が 白髪 を送 るには大声 で泣 き、 白髪 の若者 を送 るのは涙 が とめ どな く流れ る。

外 に隣組 の頭 が来て叫 んで、「さっそ く来 い、契約 が作 られ た、署名 も した、助 け られ る見込みがない。」

隣組 の頭 は しき りに催促 し、泣 いて い る息子 と娘 は親 に抱 かれて分 か れ られない。

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張の家の張貴は歩 き出 し、李 の家の李暖 も出かけ る。

泣 きなが ら南江殿 に至 り、張三 と李四は話 し合 う。

「張三 お兄 さん′」「李四お弟 さん.′」「俺 たちは殿祖爺 の庇護 に頼 らな くて もいいのに。君 は野菜 を売 って暮 らし、俺 は水 を担 う仕事で生計 を立て る。隣組 の頭 にな ったか ら、二人 の子 が害 されて悲 しい。」

君 は俺 の子 を吊る してお き、俺 は君の娘 を縛 っておこう。

隣組 の頭の張、李は入れ代わ って、子 を左右の柱 に吊るしてお く。

張三、李四は帰 って行 き、頭 を抱 えて泣 きなが ら茅屋 に帰 る。

張 の家 と李 の家 の人 たちは痛 ま しく泣 いてい る。「夫人伝」 に この ことは さて お き、話 を変わ って語 ろ う。

この 「夫人伝」 に さらに さらに南江殿 の ことを語 ろ う。雌雄の蛇妖 は洞の中に い る

「あなた.′」雌の蛇妖 は大声で呼ぶ。「お前 .′ 今 日は祭 りの番だ。 こ の年、二人 の隣組 の頭 は貧乏者 で、少年少女 がいるかど うか分か らない。 いれば いいが、いなか った ら、豚 の頭、鵡鳥 などで もいい。」

皆 さん、 この年 に、隣組 の頭 は この災を避 けよ うとすれば避 け られ るはずだ。

妖怪 が 自らそ う言 ったのだか ら。

妖怪 は洞を出てみ ると、「まあ、少年少女はいないと思 ったが、意外 に もくきっ た豆 もや しの中か ら鶏の足 を拾い上げるようなことがおきた。すぼ らしいものだ。」 と言 う。

「彼 らを食 って しまお う。」 と雄 の蛇 は言 うと、「おい しい ものは腹 いっぱいの 人 にふ さわ しくない。 あなたは食 べたばか りだか ら、先ず後 の洞で食物 を消化 し てか ら、後でゆ っ くり食 べ よ う。」 と雌の蛇 は答 える。

蛇妖 は後 の洞 に行 って食物 を消化 し、張貴、李暖 は涙 をほろほろと流

「媛 さん よ.′」 と張貴は言 う。

わた しにす ぐれた腕前 があれば、李媛 を助 けてお家に帰 らせたい。

わた しは殿堂の柱 に吊 るされて、李暖 を助 け ることが難 しい.

「張貴 お兄 さん ′ 張貴 お兄 さん .′」

わた したちは真 っ直 ぐに切 られた黄蓮 の ようだ。黄蓮 よ りももっと苦

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しい。

二人の少年 と少女が悲 しく泣 いてい るところに、二人の法師が ここに至 る。

「お弟 さん、中には二人の男 と女 が泣 いているよ うだ。君 は入 ってみ て ごらん。」 と大法師は言 う。

「法通、一人の少女 がい‑い‑い る。一人 の少年 もい‑い‑いる。」 と二法師 は入 ってみて言 った。

「君 た ちの名前 は何 と言 うか。」 と二法師 は入 ってか ら、張貴 と李暖 に聞 く。

「わた しは張貴 とい う。」「わた しは李媛 とい う。」「おや、俺は先ず君たちをは‑

は一放 してやろ う。君たちは家に帰 ってか ら、張貴は李嬢 と縁組 を し、李暖 は張 貴 と縁組 をせ よ。俺 は君 たち二人 の媒酌人 になろ う。」

張貴 と李暖は放 され、張貴、李暖 は帰 って行 く。

張貴、李媛は家に帰 ると、茅屋 に入 って両親 を拝 んだ。

再 び逢 った親子 は大喜 びで、一家の老若 ともはっと した.

張貴 と李媛 は家 に帰 って両親 を拝 んだ。

「わが子 よ、誰 がお前 を助けたか。」「陳姓の二法師だ。」

一家の老若は喜 び、親戚、隣、同族の人 たちは祝 いを述 べに来 る

張、李の家は祝賀宴 を催 し、 さらに大、二法師が南江殿 にいることを語 ろ う。

「お弟 さん、君 は神眼で眺めてみ よ、妖怪 が どこにい るか。」 と大法 師は聞 く。「妖怪 は後の洞で食物 を消化 してい る。」

大法師は二つの金の鈎 に化けて、妖怪 の洞 の入 口に吊る し、撃 に化 け させ られ た二法師は山畑を耕 しなが ら入 って行 く。

「撃 が山畑 を耕 して来た。危 ないか ら早 く逃げ よ う。」後 の洞 にい る二人 の妖 怪 はこう言いなが ら後‑逃げ る。

二つの化けた金の鈎 が、雌雄一対 の妖怪 を しっか り吊る して捉 える。

「あいつをこ‑ こ‑殺 してや ろ う。」 と二法師はい うと、「先ず あいつ を吊るしておこう。祖師の壇 を立て、竜角 を吹いて師 を招 き、五行 の神兵神将 を 集めてか ら、妖怪 を殺そ うね。」「もっともだ、 もっともだ。」 と二法師 は言 う。

大法師は抜いた一本の髪 の毛 を金の鍵 に化け させて、雌雄一対 の妖怪 を しっか り吊る してお く。

雄の蛇 を左の柱 に吊る してお き、雌の蛇 を右の柱 に吊る してお く。

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大法師 は祖師の壇 を立 て、三枚 の文書 を整 え る。

三枚の文書 には、それぞれ中とい う字 の頭の部分 、中間 と尾の部分、す なわち、

由、田、 甲とい う字 が書 かれて あ る。

神兵神将 を集 めて妖怪 を殺 そ うとす る。

隣組 の頭 の張 と李 は南江殿 に来て、法師 を大恩人 と呼ぶ。

「大法師、二法師、あの 日に、 あなた方 のお力で二人 の子 が命拾 いを した 。 お 二 人 は 家 に い ら して お 祝 い の 酒 を何 杯 か 飲 ん で 頂 け な い か。」

「い らない .′い らない .′ 俺 は祖師の壇 をここで立 てたか ら、離れてはいけない。」

「ぜひ来て頂 きたい。」

本来弟 を行 かせて もいいが、彼 は よ くでた らめを言 うか ら行 ってはいけない。

祖師 の壇 を守 る ことが大切 だ.′ 「俺 は酒 を飲 み に行 こ う。君 は祖 師の壇 を よ く 守 って くれ。」 と大法 師は法清 に言 いつけてか ら、人情 のために酒宴 に出席す る。

二法 師 は怒 って、拳 で机 を蔽 きなが ら、「あの人 は大法 師 に対 して とて も親切 に招 いたが、俺 に対 しては冷淡 に一言 だけ呼 んだ。俺 に祖師の壇 を守 らせ るなん ていやだ。 か まわず に してや ろ う。」 と言 いなが ら祖 師の壇 を離 れて外‑行 った。

二法師は南江殿 を出て、前方 に占いの館 が見 え る。

法清 は先生 と何 回か呼ぶ と、中か らどなたか と聞 く。

俺 は福州の生 まれで、陳姓 の法通 と法清 とい う。

蛇妖退治 のために南江 に来た と法清 は答 えた。二法師は占いの壇 に坐 る。

占いを して もらいたい人 が外 か ら集 まると、先生 に占いを して もらいたい と大 声 で叫ぶ。

先生 .′ 占いを して下 さい、 占いを して下 さい .′

俺 が壇 の上 に坐 る時 に君 は来 ない。俺 は壇 を離 れ ると、 こんなに さわ

「占いを して くれ るか、 しないか。」「君 は余所 に行 って 占いをせ よ。」 いでい る。

「先生、緊急 な ことがあ るか ら、ぜ ひ占いを して下 さい。」

「おや、帰 って行 かないか ら、止 む な く彼 のため に神 を招 いてみ よ う。」「二 法師、あなたは神 を招 くことがで きるか。」「神 を招 くことな ら玄人だ、玄人だ.′」

「神 を招 くため に何 の供物 が入用 か。」「鶏‑羽 、 肉一切 れ、祭 りの家 は供物 を 用意 してお きな さい。」

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祭 の家 は庁堂で供物 を用意 し、香 を焚 き、 ろ うそ くをつけ、仏 の灯 を 点 け る。

二法師は神 を招 き寄せ、菩薩 の降臨 を祈 る。

二法師は神 の机 に飛び上 が り、彼 は身 が高 くて大 きいか ら、頭 がその 低 い家 の棟 にぶつかって痛 か った。「何 と憎 た ら しい ものだ、頭 がぶつか っては いやだ。」「神 を招 くことさえで きれば、何 よ りめで たい ことだ。真心 で招 き寄 せた神 に、 きっそ く伺 って下 さい。祭 りの家 に紛失 した ものがあ る。 ど うぞ占い を して下 さい。」 と祭 りの家 が言 う。

二法師は、「仙祖 よ.′」 と呼んだ。

ある日、君 の表 門の前 を通 った。 そ こに一対 の水深 々があ った。

「水親 々 とは何 か。」「君 は何 を知 りたいか。」

「俺 は一艇 のサ ソバ ソを友達 に貸 したが、彼 は穀物 を積み込 むために 借 りて行 った。今 まで返 さない。」

「あの水親 々の ことだ。君 の よ うな凡人 はあれをサ ソバ ソとい うが、

仙祖 はあれを水諸 々 とい う。」

水課 々、水漠 々、東 ‑漂 った り、西‑漂 った りす る。

鉄の釘 が抜 き出 されて売 られ、解体 された舟 の板 が薪 と して焼 かれて しまった。

「もう終 った。壇 を離れ よう。 まあ、食 べることだ .′ 食 べ ることだ.′」

と二法 師 は言 う。「ち ょっと待 って、 また用 が あ るんだ。」「何 の ことか。」「俺 の家の敷地 があま りよ くない。」

「あ る 日、君 の表門の前 を通 った時 に、門 の前 に一 つの石 の香 炉 が見 えた。」

と二法師はい う。「石 の香炉はない。」「ないか。何 か石 の香 炉みたいな ものはな いか。」「ただ一 つの こわれた臼が あ る。」「そ うだ .′ 凡人 はあれ が こわれた臼 だ とい うが、俺 はあれが石 の香炉だ とい う。 あれを余所 へ除 けた らいい。 ご馳走 になろ う、 ご馳走 になろ う.′」「ち ょっと待 って、 ち ょっと待 って、 また用 があ る。」「何 の用 か。」

「部屋 の中にいつ もポ ソポソと音 がす るが、風邪 の災 が侵 して来 たのか、それ とも何 か崇 ってい るのか。」「仙祖 はあ る 日君 の表 門の前 を通 った。 門の前 に一 匹の烏苛 々がいた。」「烏苛 々 とは何 か。何 に似 てい るか。俺 の門の前 にそ んな ものはない。 ただ、一匹の雌 の黒 い犬 が九十三年 も飼 われて きた。」「そ うだ。

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犬 が老 い ると、かまどに這 い上 が り、人間が老 い ると悪 くな る。 それだ。君 の よ うな凡人 は黒 い犬 とい うが、俺 らの仙祖 はそれを烏苛 々とい う。 ご馳走 になろ う、

ご馳走 になろ う。」

「ち ょっと待 て、 また用 がある。」「また何 をい うか。」「敷地 が よ くないか ら、

家の人 たちは寒 が った り、風邪 を引 いて咳 が出た りす る。 それは妖怪 が進入 した せいか、それ とも神 さまの もた ら した ものか。 ど うぞ、 占いを して下 さい。」

「仙祖 はあ る 日、君 の表 門の前 を通 った。 門の前 に‑尾の腐 った太 刀魚があっ た。」「腐 った太 刀魚 などない。」「何 か太 刀魚 に似 てい るものがなか ったか。」

「門の前 に、ただ足 を巻 く長 い布 が あった。」「そ うだ、凡人 は足 を巻 く長 い布 とい うが、仙祖 は腐 った太 刀魚 とい う。 さっそ くそれを しまっておけ .′ しまっ ておけ.′」

法師 は神 の台か ら飛 び下 りて、先ず鶏 の足 を手 に した。

「おい しい .′ おい しい .′ この供物 の味 は うまい。」「先生、 もとも とそれを妙 めて上 げ るつ もりだ ったが、今、鶏 の足 をその まま食 べたか ら、その 他 の物 も食 べて下 さい.′」

祭 りの家 の人 は占いの壇 を離 れ、二法師 は壇で食 べ物 を食 べ る。

食 べ物 を全部食 べてか ら、二法師 は占いの壇 を離 れて立 った。

占いの壇 を離 れて、南江殿 の大門に帰 った。

その一対 の蛇妖 は法清 を見 ると、頭 を拾 げて悲鳴 を上げ る。

あなた と前世 には恨みがな く、現世 で も仇 で もないのに、 ど うしてお互 いに仇 とな る必要 があろ うか。

我 々夫婦 をお許 し下 されば、天 の よ うに高 く、海 の ように深 い ご恩 に必ず報 い る。

「妖怪 .′ お‑お‑お前 は腕前 があーあーあ るとい うが、法通 の一本 の髪 の毛 で 吊 るされただけで悲鳴 をあげてい るね.′」 と二法師 はい うと、「金 の 鍵 だ。」 と妖怪 はい う。「金 の鍵 、金の鍵 、妖怪退治 のために貴重 な ものを使 う必 要 があ るか。髪 の毛 で充分 だ.′」「金 の鍵 は こわい、髪 の毛 な らこわ くない。二 法師 、 お茶 を少 しもらえないか。」「お前 は身 のは ど知 らず だ。 お茶 はない。」

「そんな ら、水で も少 し飲 ませて もらえないか。我 々夫婦 はお二人 に負けたか ら、

殺 されて も仕様 がないが、の どが渇 いて死 ぬのは残 念 だ。」「外 の水 はない。 ど 69 (18)

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うして も欲 しいな ら、あの清水 の椀 に水がい っぱいあ る。 ち ょっと飲 ませてや ろ う。 あの清水 に大法師の法術 があ るか ら、それ を飲 めば力が とて も強 くな る。」

蛇妖 は清水 の碗 に映 ってみ ると、 ほん と うに一本 の髪 の毛 だ。「あなた、本 当 に髪 の毛 だ、金の鍵ではない。早 く逃 げ よ う。」蛇妖 は急 いで もが き出す。

妖怪 は金の鍵 か ら抜 け出 して、急 いで逃 げて行 く

早 く逃 げれば命 が助 か り、のろ く逃 げれば命 が危 い。

二法師はび っ くりして、慌 てて三枚 の文書 を焚 く。

文書 が焚 かれ ると、それを取 り次 ぐ使 いが来 るム三界の使者 が急 いで文書 を送 り出す。

一枚の文書 は天上へ上奏 して、天上 の将 が兵 を率 いて来 るよ うに願 う。

臨水俣王 がち ょうど当番で、 この文書 を受取 るや、 目か ら火が出 るほど怒 った。

法通 よ、法通 .′ お前 は九匹の牛 が田を耕す よ うに我 が臨水廟 を こわ した。天 の よ うに高 く、海 の よ うに深 くお前 を恨 んでい る。

そんな事がなか ったのな ら、何 かで俺 に願 い事 をすれば、仏 さまの顔 を立てて、

助 けてや るが、今問題 が起 こって俺 に願 い事 をす るな ら、 これ を取 り次いで上奏 す ることは絶対 ご免だ。

臨水侯王 は文書 を手 に抑 えて上奏せず、天上 の将 が兵 を率 いて来 るこ.とはで き ない。

第二枚 の文書 は闇山に送 って、関山の兵 を派遣 して もら うよ うに願 う。

弟子 が南江殿 で困 ってい るか ら、その法 を助 け るために援兵 を出す はず だ。

内壇祖師 に馬一匹、雲一切 れを用意 し、闇山祖師 は雲 に乗 る。

雲 に乗 って南江殿 に来てみ ると、祖師の壇 にお香 の煙 が断 たれていた。

おや .′ 法通 .′ 法通 .′ お前 .′

師 と しての我 に法 を助 けて もらいたいな ら、我 に香 を断つべ きではない。

香 を断 った ことが罪 にな り、我 に法 を助 けて もら うことは絶対 で きない。

内壇祖師 に馬一匹、闇山の祖師は神 の門に帰 って行 く。

第三枚 の文書 は茅 山の洞 に送 られ、茅 山の師 は雲 に乗 る。

雲 に乗 って南江殿 に来 ると、祖師の壇 にはお香 や灯 が断 たれていた0 おや .′ 法通 .′ 法通 ′ お前 は .′

も し師 と しての我 に法 で助 けて もらいたいな ら、我 にお香 や灯 を断 つべ きでは

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ない。

お香 や灯 を断 ったのが罪 にな り、我 は法で助 けてや ることは絶対で きない。

内壇祖師 に馬一匹、茅 山祖師 は神 の門に帰 って行 く。

この時、法清 は慌 てたので、お香 や灯 をつけず に、先ず文書 を焚 き、

文書 を焚 いてか らは、祖師の壇 にお香 や灯 をつけ ることを も忘れた。 それで、闇 山、茅 山の祖師はお香や灯 が断 たれていたのを見 ると、皆神 の門に帰 って行 った。

大法師が南江殿 に帰 って来 た。

「法通 、 しまった。妖怪 が逃 げて行 った。文書 を も焚 いたが、天兵天将 は来 な か った。闇山、茅 山の祖 師 も来 なか った。」 と二法師 がい うと、「ぜひ祖師壇 にお 香 や灯 をつけてお くよ うに、君 に言付 けたのに、君 が分 か らず屋で、お香 や灯 を 断 った。」 と大法師は言 う。

大法師 はあ らためて祖師の壇 にお香や灯 をつけ、 もう一度三枚 の文書 を作 った。

それぞれ中 とい う字 の頭 、中間部分 、尾 の部分 がその文書 に書 かれた0 三枚 の文書 が焚 かれ ると、三界 の俵 が急 いでその文書 を送 る。

一枚 の文書 を天上 ‑ と上奏 し、天上 の将 が天兵 を率 いて来 るよ うに願 う。

臨水俣王 がち ょうど当番 してい る。 その文書 を受取 るな り、 目か ら火が出 るほ ど怒 った。

法通 .′ 法通 .′ お前 は .′

お前 は我 が臨水廟 を九匹 の牛が 田を耕す よ うに こわ したか ら、お前 に対す る恨 みは天 の よ うに高 く、海 の よ うに深 い ものだ。

お前 の文書 を上奏 しない、我 に救援 の兵 を求 め ることな どご免だ。

も う一枚 の文書 が闇山の洞 に伝 え られ、闇山の祖師はその事情 が分 か った。

弟子 よ .′ 弟子 よ .′

も し師 と しての我 に法 で助 けて もらいた くとも、三 回迎 え、三 回願 いを して も 降臨 しない。

皆 さん .′ 大法師の文書 が もともと霊験 のあるものだ った。一回お招 きすれば、す ぐ効 き、二 回 日お招 きすれば神 が降臨す る。 この 日にか ぎって、 ど うして効 かな くな ったか。法清 が九匹 の牛 が田を耕す よ うに臨水廟 を こわ し、祖 師の壇 の上 のお香 や灯 を断 ったので、臨水侯王 と闇山、茅 山の祖師 は怒 って、救 援 に釆 ないのだ。

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「この分 か らず屋 のわ るい仕業で災 を起 した/」 と大法師 は言 って、法清 を一 本の朽 ちた木 の枝 に化 け させ、地面 に倒 してお く。 自分 は鉄 の門 に化 けて門の角 の後 に立 つ。

「あなた.′」「お前.′」「我 らは ここまで逃 げたが、あの兄弟二人 が来 たか ら、

我 らは出て彼 らと法 の戦 いをや ろ う。」

二匹の妖怪 は出て見 ると、誰 もいない .′ 「あなたは牛 に化 け、私 は肇 に化 け て、地面 を耕 してみ よ う。」 と蛇婆 は言 う。

蛇公 は牛 に化 け、蛇婆 は撃 に化 けて、撃 の先 は沙地 を往復 して耕 して みたが、陳姓 の法師 はいない。

「あの妖怪、撃 の先 は鋭 い もので、頭 に当て られた ら、其二 つにな っ て しま うだろ う.′」 と二法師はその様子 を見 なが ら言 う

妖怪 は蟹 の先 をち ょっと揺 り動 かす と、陳姓 の法 師 を撃 で しっか り捉

「おや / 法清 .′ 法清 / お前 は .′」

お前 は我々夫婦 を高 く吊る しておいたか ら、その恨 みが天 よ りも高 く、

海 よ りも深 いのだ。

今、我 々夫婦 の手 に落 ちて、生 の鉄が炉 に落 ちた よ うに塵境 にな って しま うぞ。

「お前妖怪 のな らず ものめ .′ 家 の法通 はお前 を吊 る して おいたが、

俺 はお前 を放 してや った じゃないか。」 と二法師 は言 う。「そ うか。 お前 の兄は我 の仇敵で、お前 は我 の恩人 だ。 お前 の兄の ことを知 らせて くれは、お前 を放 して や る。」「お前 の命 を助 けてや ったば か りなのに、兄の ことを知 らせてや るはず などあるもんか。」 と二法師はい う。「お前 が兄の ことを知 らせないと、お前 を食 っ て しま うぞ。俺 に知 らせ るな らば、お前 を放 してや る。」「俺 の肉は酸 く、苦 く、

辛 い ものだ。食 いたいな ら、食 って もいい。」 と二法師はい う。「お前 は酸 く、苦 く、辛 い ものな ら、俺 はお前 を放 り投 げてや るぞ.′」「知 らせてや ることは しな い、食 って もいい.′」妖怪 は ロを開け、鱗 を伸 ば して見せ る。「歯 がそん なに鋭 いか ら、噛み付 いた ら死 んで しま うだ ろ う。」 と二法師はい う。「噛み付 いて殺 し てや るつ もりだ。」

「ち ぇっ、知 らせてや ろ う、知 らせてや ろ うO法通 はば‑ば‑化 けて、門の角 にた‑た一立 っていて、お前夫婦 を割 り殺すつ も りだ .′」

(21) 66

(12)

大変 な大間違 いは法清 の仕業 だ。法の ことを妖怪 に言 うべ きではない。

内壇小衆神‑駕 、大法師 はすで に姿 を変 えて身 を隠 した。

妖怪 は門の鉄 の棒 に化 けて、大法 師の法 を破 った。

「フソ、彼 はすでに猛虎 に化 けて山の奥 に入 った。その 口は箕 の よ う に大 き く開けて、お前夫婦 を食 って しま うだ ろ う。」「俺 は ど うした ら彼 に勝て るか。」「お前 は狩人 に化 けた らいい。」

大変 な大間違 いは二法師の仕業 だ。法 の ことを蛇妖 に言 うべ きではな い。

内壇小衆神一駕 、大法師 はすでに姿 を変 えて身 を隠 した。

妖怪 は狩人 に化 けて狩 りに行 き、陳姓 の法師の法 を破 った。

「ああ、いない、いない.′」「い るよ ′ 彼 は竜 に化 けて雲 に中に隠 れた。」「おい、俺 は ど うした ら彼 を捕 え られ るか。」「お前 は麟麟 に化 けて竜に 追 いつけばいい。」

大変 な大間違 いは二法師 の仕業 だ。法 の ことを蛇 に知 らせ るべ きでは ない。

内壇小衆神‑駕 、大法師 は さらに姿 を変 えて身 を隠 した.

麟鱗 に化 けた妖怪 は竜 に追 いついて、陳姓法師 の法 を破 ろ うとす る0

「いない、 いない′」「いない、 も う言 わ ない。」「言 わないな ら、

お前 を食 って しま う。」「食 って くれ、俺 の肉は酸 く、苦 く、辛 い ものだ。」

妖怪 は ロを開け、鱗 を伸 ばす。

「歯 が鈎 の よ うだ、噛 み一噛 みつかれた ら死 んで しま うだ ろ う.′」「お前 を噛 み殺す つ も りだ。」「言 ってや ろ う、言 ってや ろ う。彼 は石 の卵 に化 けて、石炉 の腎 の底 に身 を隠 して い る。」「俺 は ど うした ら、彼 を捉 え られ るか. .「お前 は 仏 を拝 む婦人、仏 を拝 む客 に化 けて、香 を焚 き彼 を拝 めばい。」

大変 な大間違 いは法清の仕業だ。法 の ことを蛇妖 に言 うべ きではない0 内壇小衆神‑駕 、大法師はすで に姿 を変 じて身 を隠 した。

妖怪 は仏 を拝 む者 に化 けて、大法師の法 を破 ろ うとす る。

「いない .′ いない.′」「いない .′ 彼 は斑 の雌鳥 に化 けた。」「斑の 雌鳥 か、 ど うした ら彼 を捉 え られ るか。」「お前 は若娘 に化 けて、お米 を食 べ さ せた らいい。」

65 (22)

(13)

大変 な大間違 いは二法師の仕業 だ。法 の ことを妖怪 に知 らせ るべ きで はない。

妖怪 は若娘 に化 けて、米一握 を取 って鶏 を呼ぶ。

「いない .′ いない.′」「いない、彼 は 白菜 の種 に化 けて泥抄 の中 に 身 を隠 した。」「泥砂 の中に身 を隠 した者 をど うや って捉 え られ るか。」「お前 は その上 を掩 う雪 に化 けた らいい。」

大変 な大間違 は法青 の仕業 だ。法 力の ことを蛇 に言 うべ きではない。

内壇小衆神‑駕、大法師はすで に姿 を変 じて身 を隠 した。

妖怪 は地面 を掩 う雪 に化 けて、陳姓 の法師の法 を破 ろ うとす る。

「またいない、 またいない.′」「いない、俺 は言 わ ない。」「言 わ な いな ら、お前 を食 って しま うぞ.′」「俺 の肉は酸 く、苦 く、辛 い もので、食 って み ろ.′」

妖怪 は 口を開け、鱗 を立 て る。「おや、歯 が鈎 の よ うだ。噛 み つ かれ ると死 ん で しま うだろ う。」 「お前 を噛 んで殺すつ も りだ′」

「言 ってや ろ う、言 ってや ろ う。彼 は刺 しゅ うの針 に化 けて大海 の中 に身 を隠 した。」「それな ら、 ど うした ら彼 を捉 え られ るか.」「お前 は磁石 に化 けて、彼 を吸 い上げた らいい。」

妖怪 は磁石 に化 けて、陳姓 の法師 を しっか り吸 い上 げ る。

法通 .′ 今我 々二人 の手 に落 ち入 った以上 、 お前 の よ うな仇 の命 を許 さないぞ

内壇小衆神‑駕、大法師 は妖怪 に遇 った。

(語 る者 はその罪 について、ち ょっと説 明す る。)

法清 は憎 らしい奴だ .′ 法 力の ことを妖怪 に言 うべ きではない。

「法通 、お‑お一俺 が言 わない‑ないな ら、 あいつの鈎 の よ うな歯 が 俺 をか‑か‑噛 んで殺 ろされて しま うのだ.′」

お弟 .′ 法清 .′

俺 は妖怪 に殺 されて も仕方 がないが、年寄 りの両親 は誰 に頼 ることがで きよ う か。

目上の両親 を冷遇 してはいけない。朝晩君 は孝行 せ よ。

南雲楼 にいる十四妹 の世話 を してや り、姉 さん と仲 良 くして くれ。

(23) 64

(14)

現世で君 と会 えな くな り、いず れ冥土‑の道 で逢 うだろ う

兄弟二人 は悲痛 な情 に堪 えず、 肉親 の別 れは辛 い。

天上 か ら無情 の剣 が落 とされて、 肉親 の情 を断 ち切 る。

「法通 、君 は も う最後 だ。 お‑お‑俺 はか‑か‑帰 って家 に し‑ し‑

知 らせ よ う.′」

二法師 は法器 の担 ぎ荷 をかた して、南江殿 を離 れて旅立 つ。

「あなた、陳姓 の者 は食 べに くいの よ .′ あなたはなわで法通 を縛 っ て、天 の網 で彼 を後 の洞 に覆 ってお く。わた しは陳の家 に行 って状況 を探 って く るか ら、食 べて もいいな ら、彼 を食 って しま うが。食 べてはいけないな ら、彼 を 放 してや ろ う。」蛇婆 は蜜蜂 に化 けて、二法 師 の側 に飛 んで行 くと、傘 の裏 に隠 れて、 ひそかに陳 の家 に行 って状況 を探 る 皆 さん .′ 「南遊」 の ここには誤 り があ る。法清 は神眼 の持主 で、 ど うしてあの蜜蜂 が見 えないか。法清 の神眼はた だ前方 を見 るもので、 さ らに心配事 があ るか ら、 よ く見 る気 が しなか った

何 回 も繰 り返 して この 「夫人伝」 を細 かに読 んだが誤 りがない。

この 「夫人伝」 に南江殿 の ことは さて お き、蛇公 は洞 の中で考 えをめ ぐら してい る。

妻 は状況 を探 るために陳の家 に行 った。彼女 はいつ も俺 に隠 して食 べ て きた。今 日俺 も妻 に隠 して食 べて、存分 に法通 を食 って しまお う.′ 蛇公 は法 通 を洞 か ら出す。「この妖怪 め、 この妖怪 め.′」 と法通 は言 う

法通 がお前 に食 われ るのは運命 に よ り定 まってい るな ら、妖怪 よ、お 前 は立 って聞け。

一 口呑 みで俺 を食 って くれ、俺 をば らば らに噛 んではいけない。

蛇妖 は これを聞 くと、に こに こ笑 って、陳姓 の法師 を食 って しま う0 体 中の肉を全部食 い尽 くして、残 った骨 が銀 の よ うに白い。

内壇小衆神‑駕 、大法 師は妖怪 に逢 った。

大法師 さま .′

もとか らあなたの以前 の事 を持 ち出 してはいけないが、 この 「夫人伝」 には こ の よ うに伝 わ って きた

あなたの以前 の事 を持 ち出す罪 を許 して下 さるよ うに乞 う。 この罪 を許 されて か ら、再 び師のために読経 す る。

63 (24)

(15)

あなたの以前 の事 を語 りなが ら、 あなたの教 えを信奉す るか ら、あなたの教 え に背 くことはない。

皆 さん. 「南遊」 の この段落 には誤 りがあ るで はないか。 もともと 法通 は三十六通 りの大変化 の術 、七十二通 りの小変化 の術 に通 じていたが、 ど う して妖怪 に しっか り捉 え られて食 われて しまったのか。三十六通 りの大変化 、七 十二通 りの小変化 はすべて法清 に洩 らされて しまった。 そ して変化 の術 を行 うに は手足 の よ くき くことが必要だ。今手足 がなわで縛 られて、法術 を施す ことがで きな くなったか ら、 この よ うな災難 に遭 った。何遍 も繰 り返 して 「夫人伝」 を読 んだが、 ここに誤 りはない。

大法師の七 つの魂塊の霊光 はふわふわ と歩 いて、南江殿 を離 れて家‑

帰 って行 く。

夜 は静 ま り、三回 目の時刻知 らせが過 ぎてか ら、林氏 のベ ッ ドの前で夢知 らせ をす る。

林氏 よ、醒 めて、早 く醒 めて、醒 めてか ら話 を聞いて くれ。

誰 か と聞いた ら、君 の夫法通 が家 に帰 って きた。

妖怪退治のために南江殿 に来て、俺 は妖怪 の手 に落 ちて しまった。

今 日家 に帰 って君 に夢知 らせを してい る。両親 に仕 え ることがで きな くな った か ら、親孝行 をす るよ うに君 に頼 む。

昼 に防火 し、夜 に盗難 を防 ぐ。両親 に仕 えることがで きな くな ったか ら、親孝 行 をす るよ うに君 に頼む。

南雲楼 の上 にい る十 四妹 の世話 を して、姉妹 は仲 良 くすべ きだ。

妻 と して君 を抱擁 したいが、君 は陽で俺 は陰 となった

現世で君 と会 えないが、いずれ冥土で会 お う。

目が醒 めてか らも、 しっか り憶 えていて、一陣 の風 に吹 かれた よ うに忘れては いけない。

夢 の中の魂 は天地 を覆 う網 になって、林氏 の部屋 の門 を覆 った。

大法師の七つの魂塊の霊光 は遠 く行 き、部屋 にい る林氏 はお どろいて 目を醒 ま す。

長 い間夢 を見 なか ったが、 この夜 、三 回 目の時刻知 らせが過 ぎた ころ、は っき り夢 を見た。

(25)62

(16)

夫 の法通 が家 に帰 った夢 を見 て、裸 の彼 は血 に塗 れてい る。

彼は悲 しい話 ばか りを し、南江殿 の中で妖怪 に逢 った と言 う。

それは うそか、本 当かわか らない。 明 日男 ごに知 らせてあげ よ う。

何度 も寝返 りを うって夜 が明け、家中の老若 は早 く起 きる。

顔 を洗 い、 お茶 を飲 み、朝食 を摂 ってか ら、庁堂で男姑 を拝 む。

「お前 、朝 に何 ごとが起 こったか。」

夜 が静 まって三 回 目の時刻知 らせが過 た ころ、わた しは夢 を見た。大 法師の魂 が家 に帰 った夢 を見た。

南江殿 で妖蛇 の 口に陥 って しまった と言 った。 この ことを男 ごにお知 らせ致す。

お前 、夢 の中の話 しは信ず るべ きではない。法通 はずい分長 く家 を離れてい る か ら、 まもな く帰 って くるだろ う。

庁堂で こんな話 を して い る うちに、外 か ら二法 師が家 に帰 って きた0 妖怪 は天地 を覆 う網 を見 ると、蝶 々に化 けて抜 け出す。

妖怪 は天地 を覆 う網 を見 ると、蝶 々に化 けて大 きな松 の木 の中で身 を 隠 し、陳 の家 の状況 を探 る。

二法師は家 の中に入 って、「お父 さん、お母 さん .′ 具 合 が悪 い .′」 と言 った。

「何 の具合 が悪 いのか。」「法通 は南江殿で妖怪退治 の うちに妖蛇 の ロに陥 って しまった。」「お前、本 当か、 うそか。」「うそ じゃない.′」 この時、両親 は気が 遠 くなって地面 に倒れた。二法師は大声で叫んだ。「お父 さん、お母 さん醒めて よ.′ お父 さん、お母 さん醒 めて よ.′」

両親 は蘇 え り、家中の老若 は大声 で叫んだ。

ああ .′ 法通 よ .′

お前 が南江で妖怪 を退治で きると思 ったが、妖怪 に逢 って害 された とは思い も よらない。

造 々の隔 た りで会 えず、我 が子 は妖怪 に害 されて、 もう逢 うことはで きない。

若者 は 白髪 の ものを送 るはず だが、 ど うして 白髪 が若者 を送 ることがで きるも のか。

若者 が 白髪 を送 るには悲 しく泣 き、 白髪 が黒髪 を送 るには老 い涙 を さめ ざめ流 す。

黄 い梅 は落 ちず、青 い梅 が落 ち、 白髪 はかえって黒髪 を送 る。

61 (26)

(17)

馬が石橋 を渡 ると跡形 がな くな り、水面 に針 を抽 出 した ら捜す処 もない。

嫁 の林氏は悲 しく泣 いて、現世 で夫婦 が会 うことはで きない。

冥土‑の道でわた しを待 って、 あの世で逢 うことがで きよ う。

私達夫婦 の情 は深 くて長 い ものだ った。 あなたは妖怪退治のために家 を離 れた。

妖怪 を退治 してか ら、早 く帰 って来 るとばか り思 い込 んだが、跡形 もな く帰れ な くなった。

庁堂で両親 と嫁 は泣 きぬれ、南雲楼 にい る陳太陰 に も分 った。

陳氏聖母 は南雲楼 か ら下 りて、大法師だ妖怪 に害 された と聞 く。

長兄は妖怪退治 のために南江殿 に行 ったが、妖怪 に害 された。

次兄は帰 って この凶報 を もた らして、両親 と兄嫁 は涙 をほろほろ流す。

法 を学 ぶためにわた しを闇山に行 かせれば、南江殿で蛇妖 を殺 して兄を救 お う。

「我 が娘 よ.′」 と老法師 は大 きい溜息 をす る。

お前 は女流の者 で、町 に出れば道 もわか らないほ ど不慣 れであ る。

闇山はほんのおぼ ろげに知 ってい るだけの処 で、 どの道 が神 の門 に通 じるか分 か らないだ ろ う。

妹 と して兄の仇 に報 い るのは当た り前 の ことで、三 回 目の夜 の時刻 の知 らせが過 ぎれば、わた しは出かけて行 きたい。

考 えがあると、道 の遠 い ことを恐 れず、心 に決 め ると、道 の歩 きに くい ことな ど気に しない。

闇山がほんのおぼ ろげに知 ってい るだけの処 で も、わた しは仏母 さまの香炉 を 抱 いて道 を辿 って行 く。

闇山で法 を習得 してか ら、家 に帰 って、両親 と兄嫁 と兄に孝 を尽 くそ う。

遠 回 しに言 って両親 を慰 めた上で、南雲倭 の上 に帰 った。

南雲楼 の上 に帰 った陳聖母 、思 い巡 らしてい る陳太陰。

黄昏 が過 ぎて子 の時刻 にな ると、仏母 の香炉 を抱 いて家 を出て行 こ う。

陳聖母 が思 い巡 ら してい る うちに、妖怪 には彼女 の言 うことが全部 は っき り聞 こえた。

妖怪 は全部 はっき り聞いたか ら、 しば ら く考 え ると大そ う心配 す る。

妖怪 は鳥 に化 けた り、野獣 に化 けた りして、大 きな松 の木 を離 れて行 く。

南江殿 に帰 って来 ると、妖怪 は慌 てて大声 で叫び出す。

(27) 60

(18)

「あ なた.′」 「お前.′」「早 く彼 を返 して.′」「何 を返 す のか。」

「法通 を返 してや るのだ.′」「も う食 って しまった.′」「ど うして食 ったのか。」

「腹 が空 いたか ら.′」

「あなたはだめだ。法通 を食 っては災 とな るに違 いない。彼の妹陳十 四が法 を 学 んだ ら、わた した ちはひ どい 目にあ うだ ろ う.′」「本当か。」「本 当だ。 あな たを編 すわけ じゃない よ.′」「おや、お前 はいつ も俺 にか くして食 っただろ う。

それは無事で済 んだのに、俺 はお前 に隠 して食 ったのは法通 だけだ。 ど うして災 を しで かす ことになろ うか。」「それはね、 あなたは ロの幸 いがな く、福運 のな い者 だ。 しょ うがない。 あなたは ここで この巣 を よ く守 って くれ。 わた しは陳十 四 に化 けて、先 に闇山 に行 って彼女 を待 と う。」「それはいい考 えだ。俺 は巣 を 守 ろ う。」

蛇公 は後 の方で巣 を守 り、蛇婆 は元気 を出 して南江 を出て行 く。

妖怪 は鳥 や獣 に化 けて、飛んだ り、走 った りして出かけ る。

閤山の洞 に着 くと、陳十 四に化 けて道 を歩 く。

妖怪 は閣山の洞 に来 ると、唐 、蔦 の二人 の将軍 は真君 に取 り次 ぐ。

俗世 の陳十 四が来 た と取 り次 いで、法 を学 ぶために闇山の洞門 に来た と言 う。

蛇婆 は陳十 四 に化 けて、声 、顔立 、背丈、身 な りなどすべて陳十 四に そ っ くりだ。 内に入 って師 を拝 む。

「お師匠 さま、十 四 は こ こで お 目見 え致 します。」「十 四、 お立 ちな さい。」

「お師匠 さまにお礼 を致 します。」「お前 は法 を学 ぶために闇 山に来て、南江殿 で蛇 を殺 して兄 を救 うつ も りなのか。」「まさにその通 りです。」

皆 さん、「夫人伝 」 の ここには、 また間違 いがあるよ うだ。闇山の祖 師は占いが霊験 あ らたかで、三百年前 の こと、四百年以後 の ことをすべて知 って い るのに、 ど うして妖怪 か人間 かを占 うことがで きないのか。そ うではない、祖 師は この時 占いを しなか った。彼 はすでに法通 が蛇妖 に食 われた こと、彼の妹陳 十 四が法 を学 ぶために来て、その うち南江で蛇 を殺 して兄を救 お うとす ることを 知 ってい るか ら、陳十四が来た と聞 くと、 占い もせず、す ぐ彼女 を留めてや った。

何遍 よ く読 んで も、「南遊」 には間違 いがない。

祖師 は占いをせず、蛇妖 を洞 の中に受 け入れた。

この 「夫人伝」 に間山の洞 の ことは さてお き、話変 って陳宅の ことを語 ろ う。

59 (28)

(19)

読経 し、仏 を拝 む陳聖母 は、黄昏 になって か ら家 を出 よ うと心 に決 めた。

光 が太陽 に収 め られてか ら、明月が送 られて きた。

夜食の後 、一回 目の夜 の時刻知 らせが過 ぎ、町中はなお賑 やかだ。

夜 は静 まって、二回 目の夜 の時刻知 らせが過 ぎると、家 中の老若 は部屋 で休む。

夜 が静 まって、三 回 目の夜 の時刻知 らせが過 ぎると、陳太陰 は南雲楼 の上 にい る。

文房具 を整 え、墨 をす って字 を書 く。

陳十四は筆 を持 って、両親 と兄嫁 と兄に手紙 を書 く。

長兄は妖怪退治のために、南江 に行 って、不幸 に も妖怪 に害 された0 次兄は帰 って この凶報 を もた らす と、両親 と兄嫁 と兄は涙 をほろほろ流す。

少女のわた しは法 を学 ぶために間山の洞 に行 くが、両親 、兄嫁 、兄は心配 な さ るだろ う。

妹 と して兄の仇 を報 い るはずだか ら、三 回 目の夜 の時刻知 らせが過 ぎると、わ た しは出かけて行 く。

南雲楼 の上で、お姉 さんたちにお頼 みす る。 お姉 さんた ちは、両親 に仕 え られ ないわた しの代 わ りに孝行 して下 さい。

闇山で法 を修得 した後 に、家 に帰 って、ゆ っ くり両親 とお姉 さんたち と兄 に孝 行 しよ う。

情 の こもった一枚 の手紙 を机 の上 に置 いて、墨 や硯 でその紙 を押 さえつけてお く。

供 え台の前 で三教祖師 に申 し上 げ、陳聖母 はお香 を焚 いて祖師 を拝 む。

内壇祖師‑駕、娘 々馬‑駕 、陳十 四聖母 は祖師 を拝 む。

祖師 さま、弟子 は法 を学 ぶために闇山に参 ります ので、祖師 の壇 のお香 の灯 を つけ ることがで きな くな ります。

法 を学 ぶ ことを全 うして、闇山か ら帰 って まい りま した ら、祖師 の壇 にお香 に 灯 を恭 しくお供 え致 します。

宮窪大士観音仏 、陳聖母 はお香 を焚 いて観音 さまを拝 む。

内壇観音大士‑駕 、娘 々馬‑駕 、陳聖母女神 さまはお香 を焚 いて観音 を拝 む。

この信女 は法 を学 ぶために闇山 にまい ります ので、仏母 さまにお香や灯 を供 え な くな ります。

(29) 58

(20)

法 を学 ぶ ことを全 うして閣山か ら帰 って まい りま した ら、香炉 にお香 を焚 き、

二階で読経致 します。

災難 に遭 った弟子 は仏母 にお頼み して、香 炉 を抱 いて出かけ る。

内壇娘 々馬‑駕 、十 四 さまは南雲倭 か ら下 りる。

南雲楼 か ら下 りて花 園 に来、星 が光 り、月が明 るい。

後 の花園の長 い門 に鍵 はな く、花 園の二枚 の扉 を開 く。

まっす ぐに花 園 に通 じる横町 を出て、香 炉 を頭 の上 にのせて旅立 つ。

ここで陳十 四の ことは さてお き、後 に続 けて語 ることに しよ う

「夫人伝」 の陳宅 の翌 日の ことを語 ろ う。家中の老若 は早 く起 きる0 裏 門は開け っ放 しにな っていた。夜 に泥棒 が こっそ り入 ったに違 いない。

老法師 はすべての ものを調 べてみたが、品物 を少 しも失 うことがない。

品物 を調 べた上で紛失 がな く、夜 に泥棒 が こっそ り入 った ことはない。

林王嫁 は南雲楼 に上 が ってみ ると、妹 が見 えないか ら、慌て出す。

茶碗 が机 の上 に置 かれた まま、一枚 の手紙 を持 って階下 に下 りる。

庁堂 で彼女 らは父子 に迎 え られ、男 ごに礼 をす る。

「男 ご、事情 は大変 にな りま した。」「何 が大変 か。」「南雲楼 の上 に 妹 さんが見 え ません。 ど うぞ、 この一枚 の手紙 を ごらん下 さい。」老法師 は一字 一字 よ く見て、「おや、陳十 四 よ/」 と言 う。

お前 は女流 の輩 で、町 を出 ると、道 も分 か らないのだ。

闇山はおぼ ろげに知 ってい るだけの処 で、 どの道 が神 の門 に通 じるか、お前 はど うして分 か ろ う。

老法師 は各 々のお宮 や廟 に行 って、娘 が加護 されて無事で あるよ うに 願掛 けをす る。

老法師 は願掛 けにお宮 や廟 に行 って、娘 が加護 され るよ うに、仏 に薪 み、おみ くじを引 いてみ る

陳宅 の ことは さてお き、 さらに陳太陰十 四の ことを語 ろ う。

内壇娘 々馬‑駕、香 炉 を頭 にのせた陳十 四は拝 んでか ら旅立 つ.

三歩 ごとに一度拝 み、四歩 ごとに一度脆 いて、お香 の煙 に頼 って道 を歩 く。

お香 の煙 が南 ‑窺 って行 けば、彼女 はそれ について南東 の方 向‑ と進む。

家 か ら十里 ほ ど離 れた処 の、万頂 山の上 に妖怪 が出て来た。

57 (30)

(21)

以前ひどい 目に逢わされた恨みを晴 らそ うとす る腹痛の鬼は陳聖母 が敵だと知 っ ている。

陳聖母 は万頂 山に着 くと、妖怪 か ら一陣の気味悪 い気分 が体 に襲 って きた。

腹 が痛 くてたまらない陳聖駕 は涙 をほろほろ流す。

今度、法 を学ぶために間山に行 くうちに、万頂 山の上で病気にかかった。

第一は天に頼 り、第二 は地 に蘇 り、第三 は 日、月、星 に頼 る。

法を修得 して家に帰 る日に、聖君 さま方 に一万本 の よいお香でお礼 を申す。

痛切 な悲 しみに沈んでい る陳聖駕の ことは、俗世 の人 は知 らないが、仙人 には 分かった。

雷音寺 の監察星官は、慈悲深 い観世音 に上奏す る。

大慈大悲の雷音寺で監察 としてのわた しは一枚 の文書 を上奏す る

わた しの上奏 申す ことには、仏門の弟子陳十四が法 を学 ぶために闇山の洞 ‑進 んでいる うちに、万頂山の上で妖怪 に逢 って、ひどい腹痛 に苦 しんでい る様子 に びっ くりした。

仏母 はわた しの上奏 を許 して、 この仏門の弟子 を間山 まで導 いて行 かせ るよう にさせて下 さい。

香山仏母はこの上奏 を許 し、監察星官は雷音寺 を出 る。

外壇小衆神一駕、天上の監察の星 に礼拝す る。

雷音寺で上奏 した功労は大 き く、 自ら宝の馬 を頂 いて星の壇 を司 る0 香山仏母はご命令 を下 して、竜女 と五雷公 を遣 わす。

遣 わされた竜女 と五雷公は、方 々か ら雲や雨を呼んで来 る

南方の雲か ら雷や稲光の鞭 が響 き、北方の木の葉 が高 く空 へ飛んで行 く。

天上で雷公が一度轟 くな り、万頂 山の妖怪 が退治 され る。

外壇五雷五駕、天上の五雷公 に礼拝す る。

妖怪 を退治 した功労は大 きく、 自ら宝馬 を頂 いて聖壇 を司 る

内壇娘 々馬‑駕、竜女女神 さまは化身す る。

いろいろな化身がで きる竜女 さまは、一人のお嬢 さん となって俗世 に降 りる。

山の道の分かれ る処で、十四陳太陰 を待つ。

万頂 山で仏母 に供 える香炉を紛失 したので、君 の若 い命 か ら三年 を減 らす。

内壇娘 々馬‑駕、陳十四聖母の若 い命は引かれた。

(31) 56

(22)

病気 が愈 った陳聖母 は、考 えを巡 ら しなが ら涙 をほろほろ流す。

仏母の香炉を紛失 した処で、道 が分 か らな くな って、 ど うや って前 に進 もうか。

前方の三叉路 まで行 くと、一人 の娘 がその道 の分 かれ る処 にい る。

× 次号 に訳 を続 け る予定。

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