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Academic year: 2022

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Ca ?スパイキングを誘導するキチン受容体の探索と その応答遺伝子群の同定

著者 東 真由

URL http://hdl.handle.net/10236/00028946

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2019 年度修士論文 要旨

Ca²⁺ スパイキングを誘導するキチン受容体の探索と

その応答遺伝子群の同定

関西学院大学大学院理工学研究科 生命科学専攻 武田研究室 東真由

【研究目的】植物とアーバスキュラー菌根(AM)菌との菌根共生、根粒菌との根粒共生の成立過程において、

シグナル分子を介した相互認識が行われる。AM菌、根粒菌が分泌するシグナル分子(キチン, Nod factor等)

を宿主植物が受容すると、Ca2+濃度の周期的変動 Ca2+スパイキングが根の細胞の核とその周囲で誘導され、

下流のシグナル伝達機構を活性化する。N-アセチルグルコサミンが鎖状に連なったキチンはAM菌のシグナ ル分子の1つとして機能し、Ca2+スパイキングを誘導することが知られている(1)。しかし、ミヤコグサ(Lotus

japonicus)のAM菌共生におけるキチン受容体は同定されていない。一方、イネ(Oryza sativa)ではLysM型受

容体キナーゼ OsCERK1 が AM 菌シグナルとしてのキチン受容に関与していることから、ミヤコグサで

OsCERK1 と相同性が高い LysM 型キナーゼが同様の機能を担っている可能性が高い。系統樹解析からは、

OsCERK1と相同性の高いものとして、Nod factor受容体として知られるNFR1に加え、Lys1、Lys2、Lys6、 Lys7がキチン受容体候補として考えられる(1)(2)。また、Ca2+スパイキングの下流で働く因子CCaMKはCa2+依 存的に活性化されることで下流の遺伝子を制御するが、Ca2+スパイキングによって制御される遺伝子につい ては不明な点が多い。本研究ではミヤコグサにおける Ca2+スパイキング発生に関わるキチン受容体の探索を 第一の目的、第二の目的としてCa2+スパイキングによって制御される遺伝子群の網羅的探索を行った。

【実験方法】ミヤコグサのLysM型受容体キナーゼであるNFR1、Lys1、Lys2、Lys6、Lys7の単独または多重 変異体をCRISPR-Cas9を用いて作成した。変異体を毛状根形質転換し、Ca2+センサーyellow cameleon (YC)を 導入した。これらの形質転換根をキチン処理し、Ca2+スパイキングの有無や間隔への影響を検証した。また、

Ca2+スパイキングによって制御される遺伝子群の網羅的探索のために、根粒共生は成立しないが Ca2+スパイ キングのみ生じるnfr1変異体のアリル nfr1Ca+へ根粒菌感染あるいはキチン処理を行い、RNA-seqによるト ランスクリプトーム解析を行った。そして候補となる遺伝子の根粒菌感染初期に Ca2+スパイキングが活発に 観測される根毛細胞内での発現をqRT-PCRを用いて確認した。

【結果と考察】lys1lys2nfr1lys1nfr1lys1lys2変異体が得られた。これらを用いてキチンに対するCa2+濃度 の変動を観察したところ、いずれの変異体も Ca2+スパイキングが生じていた。しかし、スパイキングの間隔 を測定した結果、野生型と比較していずれの変異体でも平均スパイキング間隔が有意に長くなるという結果 が得られた。先行研究において添加するキチン濃度を増加させるとスパイキング間隔が短くなることが知ら れており(3)、本実験の結果から変異体ではキチンに対する感受性が低下した可能性があり、Lsy1やLys2がキ チン受容体の1つとして機能していることが示唆される。さらに、根粒菌感染やキチン処理を行ったnfr1Ca+

に対するRNA-Seqの結果よりCa2+スパイキングにより制御を受ける遺伝子の候補の探索を行った。根粒菌感

染初期にCa2+スパイキングが活発に観測される根毛細胞内でこれらの遺伝子が発現誘導されるかをqRT-PCR を用いて確認した結果、実際に Ca2+スパイキングに応答する遺伝子はみつからなかったが病原菌応答に関与

するHSPRO2が病原シグナルとして機能するキチンへ応答して発現誘導されたと考えられる。

(3)

【参考文献】(1) Gennaro, C. et al, New Phytologist, nph.14539. (2017) (2) Bozsoki, Z. et al, Proc Natl Acad Sci U S A, 114(38):E8118-E812. (2017) (3) Giles E. D. et, al. The Plant Journal, 28, 2, 191-199 (2001)

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