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2. 導 入 の 経 緯 2003 年 8 月 の 開 設 時 FDG 自 家 製 造 のためのサイクロトロ ン(RDS111 eclipse Siemens 製 )とPET 装 置 2 台 (Allegro Philips 製 )にて 診 療 を 開 始 した その 後 2004 年 11 月 に

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TOFアルゴリズムを搭載したPET/CT

GEMINI TFの使用経験

Clinical Experiences of Using PET/CT GEMINI TF System with TOF Algorism

論 文

Key Words: PET/CT, TOF, FDG-PET, GEMINI TF

当施設は自家製造のFDGを検査に使用し、PET装置はPhilips製Allegro 2台で7年にわたり運用を行ってきたが、今回1台を PET / CT装置GEMINI TF16(以後GEMINI TF)と入れ替えた。導入後はほぼ全例PET/ CT装置での検査に移行している。

GEMINI TFは時間分解能495psを有するTOFアルゴリズムを搭載した装置で、短時間収集で高画質の画像を提供する。実際 の日常診療において1bed 60秒の収集で撮像を行い、1検査20分以内で終了している。従来機種を上回る画質が得られ、診療の質 の向上やスループットの改善が得られている。

Our institution has been using the home-made FDG in examinations for running 2 sets of Allegro PET system of Philips for 7 years, and one of the 2 sets was replaced with GEMINI TF16 PET/CT system (GEMINI TF hereafter) recently. Almost all cases of the examinations after its introduction were switched to the examinations using PET/CT system.

GEMINI TF is a system incorporating TOF algorism having time resolution of 495ps and provides high quality images with a short time acquisition. Each imaging is made within 60 seconds acquisition per bed and each examination is fin-ished within 20 minutes in actual daily operations. The system provides image quality superior to those by conventional systems allowing improvements both in clinical quality and in throughput.

1.はじめに

魚住クリニックは2003年8月に熊本県内初のPET検査に よる画像診断診療施設として誕生した。熊本市中心部から 4km南に位置し、建物は地下1階、地上1階建てで延べ床面 積735m2である。診療標榜は放射線科のみでPET検査を主 とした画像診断に特化したクリニックである。施設内では治 療は行わず、県内外の悪性腫瘍を扱う医療機関からの紹介を 受けて検査を施行してその結果を報告する紹介型医療機関 魚住クリニック 院長 (熊本大学医学部 臨床教授併任) 魚住 秀昭 Hideaki Uozumi であり、紹介率は100%である。PET検査は大部分が保険診 療であり、悪性腫瘍治療前の病期診断や治療後の転移・再発 診断を行っている。 今回、検査の質の向上、スループットの改善を目的に2011 年1月に導入したGEMINI TFについて臨床応用の初期経験 を報告する。

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2.導入の経緯

2003年8月の開設時、FDG自家製造のためのサイクロトロ ン(RDS111 eclipse、 Siemens製)とPET装置2台(Allegro、 Philips製)にて診療を開始した。その後、2004年11月にマル チスライスCT装置1台(ROBUSTO※、日立メディコ製)を増 設し、PET装置からのPET像とマルチスライスCT装置から のCT像を元に専用software(Syntegra、Philips製)により 融合画像を作成し診断に利用してきた。Allegroでの撮像時 間は1症例あたり30分程度であり、撮影室入退出を合せると 40分程度である。続いてPET-CT融合画像を作成するため のCT撮影を行っていたため所要時間はFDG注射後60分の 安静待機から一連の撮像終了までに約150分要していた。開 設7年を経て、検査の質の向上や検査時間の短縮、検査数増 加への対処などを考慮してPET / CT装置への入れ替えを 図った。その際の機器への希望要件として以下の5点を考慮 した。1)高画質であること。2) 1日最大20件の検査をFDG合 成1回で処理できること。これはFDG収量から逆算すると画 質を担保し1件 20分枠で検査を行う能力を機器に求めるこ とになる。3)現在の検査室に機器を設置できること。4)休日 診療を行う関係で機器のトラブル処理が休日でも行えるバッ クアップ体制があること。5)生成した画像データの院内およ び院外への配信が容易であること。 以上の要件を満たす装置としてGEMINI TFを導入した (図1)。

4.検討項目

1) PET / CT GEMINI TFにおいて撮像されたデータを用い TOFアルゴリズムの有無による再構成を行い、その画像比較 2) PET/ CT GEMINI TF、Allegroにて続けて撮像を行って 得られた画像を用い、両者の画像比較 3) ルーチン検査における所要時間の検討

5.撮影方法

FDG-PET検査には院内製造の放射性医薬品18F-FDGを 用いた。被検者は検査前4時間以上の絶食とし、検査時血糖値 を計測し、記録している。18F-FDG投与量は3.7~5.1MBq / kgで実際の投与量は185MBq~370MBq/人である。投与後は 安静待機室にて60分安静待機し、その後GEMINI TFにて PET / CT検査を施行する。PET / CT検査は吸収補正用CTを 撮影後1bedあたり60 秒で身長に応じて9~11bedのエミッ ション撮影を施行した。続けて検査室を移動し、時間をおかず Allegroにて病変中心の関心領域のみ137-Csによる1bed 35 秒のトランスミッション像撮像ののち、1bedあたり180秒で2 ~3bedエミッション撮影を行った(表1)。 図 1:運用中のPhilips製GEMINI TFと従来機種のPhilips製 Allegro PET/CT:GEMINI TF PET:Allegro 表1:撮像プロトコール ・絶食4時間以上 ・FDG投与量:185∼370MBq(3.7-5.1 MBq/kg) ・投与後60分安静待機 ・GEMINI-TF 撮像 1分/bed:9∼11bed (所要時間:15∼20分) ・続けてAllegro 撮像 3分/bed:2∼3bed (所要時間:15∼20分)

6.結果・症例提示

1) 症例1 26歳 男性 体重94kg。平成16年発症の大細胞型びまん 性悪性リンパ腫。寛解状態にあったが倦怠感が出現し、上下 肢の腫れも出現。再発を疑いFDG-PET検査を施行した。 FDG投与量は343MBq(体重あたり3.5MBq / kg)、安静待機 60分ののちエミッション撮影は11bed行った。撮影室入退室 までは20分弱である。図2aは全身のMIP像である。TOFア ルゴリズム使用の有無での再構成像を提示する。頸部から縦 隔、腹部、右鼠径および脾臓に及ぶ病変が認められる。体格 は大きいもののシャープな像が得られている。TOFアルゴリ ズム(+)では高い生理的集積を呈する脳周囲でノイズが少な い像となっている。左鎖骨窩~縦隔、上腹部の多数結節状集 積域を比較するとTOF(+)アルゴリズムでは個々の集積が より鮮明に描出されている。図2bは同一症例でTOFアルゴ リズム使用の有無でのMPR冠状断像である。TOFアルゴリ ズム(+)では肺野や腹腔内脂肪組織の無信号領域のヌケが

3.PET/CT(GEMINI TF)の概要

GEMINI TFはPET装置部分とCT装置部分が分離独立 できる機能をもつ機器である。PET装置部分とCT装置部分 の概要は以下のごとくである。

a) PET装置 クリスタル:LYSO 4×4×22mm2、28,336 crys-tals、420 PMTs 70cm bore、18cm axial FOV

b) CT装置 16 slice multi-detector X線管球 8MHU 最小ス ライス厚0.625mm(スパイラルモード)/0.6mm(アキシャルモー ド)、スライス幅 0.6mm×2/ 0.75mm×16/ 1.5mm×16/ 3mm× 8/ 4.5mm×4、スキャン時間 0.5/ 0.75/ 1.5/ 2.0 秒(フルスキャ ン)、0.33秒(240°スキャン)

c) 再構成 吸収補正はCTデータにより、List mode TOF-OSEM再構成法にて行う

d) TOF(Time of Flight)は時間分解能495psでTime of Flight localization accuracyは7.43cm

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よく、集積部分のコントラストがより鮮明な像となっている。 図2cは同様にMPR矢状断像である。TOFアルゴリズム(+) では胸骨への集積、縦隔病巣の描出、椎体への集積などがコ ントラストよく描出されている。 2) 症例 2 食道癌 62歳 男性 体重55kg。食物通過障害をきっか けに発見された食道癌。治療計画前の転移検索、病期診断を 目的にFDG-PET検査を施行した。FDG投与量は231MBq (体重あたり4.2MBq / kg)である。安静待機 60 分後、まず GEMINI TFにてエミッション撮影10bedの全身像撮像を 行った。そのまま撮影室を移動し、Allegroにてエミッション 撮影胸部のみ3bed撮影した。したがってAllegroでの撮影は FDG注射後撮影開始まで 80 分となる。図 3aは GEMINI TF、Allegroにて撮像したMIP像である。中部食道に原発巣 由来の集積があり、左上肺野および右下肺野に点状集積が認 められる。GEMINI TFでのMIPはコントラストがよい。図3b では左上区および右中葉の肺野小結節影についてGEMINI TFとAllegroでのPET像比較である。左上区の結節影では 肺野背景は同等だが病変への集積がGEMINI TFにてSUV-max=2.9、AllegroにてSUVmax=1.0となり、GEMINI TFでは病変描出がよりはっきりしている。また、右中葉底部 の横隔膜近傍にある2 個の小結節影についての比較でも GEMINI TFではAllegroに比較し高い集積を呈している (GEMINI TFにてそれぞれSUVmax=3.7、2.8、Allegroに てそれぞれSUVmax=2.2、2.0)。肺底部は呼吸性移動が大 きい部位で集積像が縦長になったりSUVが低く見積もられ やすい傾向があるが、GEMINI TFではよりはっきりと結節 状に描出されているのがわかる。 3) 症例 3 膵臓癌 57歳 男性 体重87kg。心窩部痛を自覚したた め医療機関を受診。腹部超音波検査にて膵臓に異常を指摘さ れ、膵臓癌の診断を受けた。治療計画前の転移検索、病期診 b:(左)TOF(+)再構成MPR-冠状断像 (右)TOF(−)再構成MPR-冠状断像 TOF(+) TOF(−) a:(左)GEMINITF撮影(1bed60 秒)MIP像 (右)Allegro撮影(1bed180秒)再構成MIP像 GEMINI TF Allegro b:(左)CT像 (中)GEMINITF撮影(1bed60秒)横断像 (右)Allegro撮影(1bed180 秒)横断像 GEMINI TF CT Allegro SUVmax=2.0 SUVmax=2.8 SUVmax=2.2 SUVmax=3.7 SUVmax=1.0 SUVmax=2.9 図 2:症例 1 26 歳 男性 体重94kg 悪性リンパ腫 図 3:症例 2 62 歳男性 体重 55kg 食道癌 c:(左)TOF(+)再構成MPR-矢状断像 (右)TOF(−)再構成MPR-矢状断像 TOF(+) TOF(−) a:(左)TOF(+)再構成MIP像 (右)TOF(−)再構成MIP像 TOF(+) TOF(−)

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の高集積、肝右葉に転移と思われる小結節状集積がある。 図4b、図4cにて膵臓頭部の原発腫瘍と肝右葉の転移巣につ いてGEMINI TFとAllegroで撮像した画像を供覧する。膵 頭部原発腫瘍についてはGEMINI TFにてSUVmax=10.2、 AllegroにてSUVmax=8.3と計測され、 正常肝実質はそれ ぞれSUV=2.3、2.1であった。病変描出についてはGEMINI TFにてやや鮮明というところである。一方、肝右葉の1cm 大の転移巣についてはGEMINI TFにてSUVmax=5.7、 AllegroにてSUVmax=3.4と差があり、視覚的にもGEMINI TFによる集積は鮮明である。 4) 症例 4 右上葉肺癌 70歳男性 53kg。健診にて発見されたスリ ガラス濃度の約15mm大の結節影(図5a)高分化型腺癌の診 断にて治療計画前の転移検索、病期診断を目的にFDG-PET を依頼された。FDG投与量は238MBq(体重あたり4.5MBq/ kg)安静待機60分ののち、GEMINI TFにてエミッション撮 影11bedの全身像撮像を行い、続けてAllegroにてエミッ ション撮影胸部のみ3bed撮影した。図5bはGEMINI TF、 AllegroそれぞれのMIP像、冠状断像、横断像である。肺野 病変はGEMINI TFにてSUVmax=1.3、AllegroにてSUV-max=0.8である。背景肺野はそれぞれSUV=0.4と0.3で病 断を目的にFDG-PET検査を依頼された。FDG投与量は 347MBq(体重あたり4.0MBq / kg)、安静待機 60 分ののち、 まずGEMINI TFにてエミッション撮影11bedの全身像撮像 を行った。そののちAllegroにてエミッション撮影を上腹部 のみ2bed撮影した。こちらはFDG注射後撮影開始まで80分 となる。図4aはGEMINI TFにて撮像した全身のMIP像お よび病変部の造影 CT像である。上腹部に膵頭部腫瘤由来 a:(左)GEMINITF撮影MIP像 (中)造影CTMPR冠状断像 (右)造影CT横断像赤→肝転移巣緑→膵癌 b:(左)CT像 (中)GEMINITF撮影(1bed60秒)横断像 (右)Allegro撮影(1bed180秒)横断像 上段:肝転移巣 下段:膵癌原発巣 GEMINI TF SUVmax=10.2/2.3 SUVmax=8.3/2.1 SUVmax=5.7/2.3 SUVmax=3.4/2.1 Allegro CE-CT c:(左)CT像 (中)GEMINI TF撮影(1bed 60秒)冠状断 MPR像 (右)Allegro撮影(1bed180秒)冠状断MPR像 上段:肝転移巣 下段:膵癌原発巣 GEMINI TF Allegro CE-CT a:(左)CT横断像 (右)CT冠状断MRP像

b:(左上)GEMINI TF 撮影(1bed 60秒)MIP像、冠状断 MPR像 (左下)Allegro 撮影(1bed 180秒)MIP像、 冠状断MPR像 (右上)GEMINITF撮影横断像 (右中) Allegro撮影横断像 (右下)PET/CT像 GEMINI TF SUVmax=1.3/0.4 SUVmax=0.8/0.3 Allegro 図 4:症例 3 57 歳 男性 体重87kg 膵臓癌 図 5:症例 4 70 歳男性 53kg 右上葉肺癌

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変と肺野のコントラストはGEMINI TFが優れ、病変の形態 に近い分布の集積域が見て取れる。一方Allegroの像はコン トラストがつかず同定もやや困難となっている。 GEMINI TF導入後、平均的な診療日一日の検査タイム テーブル、所要時間を表2に示した。第1例目のFDG注射は 8時45分に行われ、その後はほぼ20分ごとに行われた。検査 室では全例、ほぼ20分で退室に至っている。例外として最後 の症例は下肢を含んだ全身撮像で計 21bed行い、ほぼ 30分 使用している。この日は16人の検査が行われ、最初の患者入 室が9時48分、最後の患者退室が15時32分、最後の患者の 再構成終了が15時36分であった。

7.考察

TOF-PET装置は最初1980年代に開発されたが臨床機と して登場することなく終わっている。近年、LSOやLYSOと いった新しいシンチレーターの登場、諸々のエレクトロニク スの進歩などによって臨床機としてのTOF-PET装置が実用 機として登場してきた。TOF-PETの原理についての詳細は 他の報告を参照いただきたいが、従来のPET装置では一対 の消滅放射線をある時間の枠内で同時に計測し、両側検出器 を結ぶ直線(line of response)上に等しい確率で線源の存在 を仮定している。これに対してTOF-PET装置では両側検出 器で計測されたわずかな時間差 から線源の座標点を絞り込み LORに沿って時間分解能に相当 するガウス関数でぼかした分布 を位置情報とする。したがって TOF-PET装置ではLORの書き 込みが限局されるためノイズの 伝搬が少ないことになる。ノイズ の減少は相対感度の上昇という 効果をもたらす1)2)3) GEMINI TFはTOFアルゴリ ズムのほかにもPMTや電気回路、 画像再構成(List mode TOF-OSEM再構成法)等を一新し市 場に投入されている。表3は歴代 Philips製 PET装置の基本性能 一覧である。従来機に比較し、高 感度になっているのがわかる。 表 3:PHILIPSPETandPET/CTSpecifications GEMINI TF TOF-PET/CT GEMINI GXL PET/CT Allegro 3D-PET GEMINI TF Sensitivity Gain With TOF

Transverse Spatial Resolution @ 1cm(NEMA NU 2-2001)

With Line of Response

4.7 mm 4.3mm 4.7 mm 4.3mm 5.3 mm 4.5mm 5.1 mm

Axial Spatial Resolution @1cm (NEMA NU 2-2001)

With Line of Response

4.7 mm 4.3mm 4.7 mm 4.3mm 6.0 mm 5.0 mm Peak NECR (NEMA NU 2-2001) 110 kcps @16 kBq/ml >220 kcps @16kBq/ml 70kcps @11kBq/ml 30.5 kcps @14kBq/ml Clinical NECR 60kcps @ 5.3kBq/ml >120 kcps @ 5.3kBq/ml 55kcps @ 5.3kBq/ml 20 kcps @ 5.3kBq/ml System Sensitivity ‒ center

(NEMA NU 2-2001) 7000 cps/MBq >14,000 cps/MBq 7700cps/MBq 3800 cps/MBq System Energy Resolution 11.7% 11.7% 15.8% 15%

3D Scatter Fraction 30% 30% 37% 40% 表2:ある1日のタイムスケジュール 60 58 66 35 52 49 62 44 60 54 43 44 65 70 59 60 239.2 238.7 288.5 194.6 242.1 234.8 253.2 226.0 303.8 260.1 221.9 247.4 336.3 337.1 308.6 318.3 110 110 110 90 100 100 100 100 110 90 100 100 110 110 120 210 9:48 10:07 10:28 10:50 11:10 11:36 11:53 12:11 12:34 12:57 13:14 13:35 13:53 14:15 14:34 15:05 0:05 0:06 0:05 0:06 0:05 0:03 0:05 0:06 0:04 0:03 0:06 0:04 0:05 0:02 0:05 0:04 9:53 10:13 10:33 10:56 11:15 11:39 11:58 12:17 12:38 13:00 13:20 13:39 13:58 14:17 14:39 15:09 10:05 10:25 10:45 11:05 11:26 11:51 12:09 12:30 12:51 13:10 13:31 13:50 14:10 14:29 14:52 15:32 0:12 0:12 0:12 0:09 0:11 0:12 0:11 0:13 0:13 0:10 0:11 0:11 0:12 0:12 0:13 0:23 10:07 10:27 10:47 11:07 11:28 11:53 12:11 12:32 12:53 13:12 13:33 13:52 14:12 14:31 14:54 15:36 体重

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これにより撮影時間短縮が可能となってくる。 臨床例でTOF(+)とTOF(-)での画像比較では図2b、図 2cに示したようにTOF(+)では体重が94kgと大きい体格に も関わらず体内構造の輪郭がはっきりしており、高集積部で ある頭部左右の実像外のノイズが減っていること、集積境界 部がより鮮明に描出されていること、肺野や腹腔内脂肪組織 などの部位にノイズが少なくヌケのよい像になっていること により、TOF効果がうかがえる結果になっている。 次にこれまで使用してきたAllegroとの画像比較を行っ た。Allegroでの撮影は従来の臨床では1bed 150秒で行って きたが、今回比較にあたっては1bed 180 秒にて撮影を行っ た。GEMINI TFは1bed 60秒である(表2)。両者にはFDG 投与後撮影開始時間がそれぞれ60分、80分と20分のずれが あり、結果としてAllegroではわずかな遅延相となっている。 症例2ではCTにて肺野左上葉および右中葉に複数の小結節 が認められる。これらの病変に対し肺野の集積レベルは同等 であったが、病変部はGEMINI TFにてSUVmaxが高値を 呈し病変集積がよりはっきり描出されている。症例4では集 積が乏しいスリガラス濃度結節影を呈した肺腺癌症例を提 示した。Allegroの画像では病変に集積があるのかどうかも 判別が難しいところだが、GEMINI TFの画像では病変に淡 い集積があるのがはっきり描出されている。また、症例3で は体重87kgと大きい体格の症例につき肝内病変の集積を比 較した。肝臓は生理的集積がある臓器で、その実質内の小病 変はコントラストがつきにくく読影の困難なことがあるが、 図4bに示すごとくGEMINI TFは良好なコントラストで病 変が描出されている。 今回提示した症例で従来のPET専用機で3分かけて撮像 したものよりもGEMINI TFにて1分で撮像したものがより 鮮明であり、日常ルーチンの撮像が1bed 60秒にて臨床使用 に充分耐えうると思われた。 表 2にはある診療日のタイムテーブルを示した。各症例、 頭頂部から鼠径部までの撮影をルーチンとし、入退室がほぼ 20分で完結できるのがわかる。当初の機器選定要件を充分 クリアしている。 日常診療の場において撮影時間が短くなるメリットはさま ざまで大きい。状態の悪い受診者に対して必要な領域の撮影 を短時間にすることで苦痛を少なく、安全に行える。また、撮 図 6:PET検査件数の推移 2009 年1月〜2011 年9 月 0 50 100 150 200 250 300 350 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 影時間が短いと苦痛による体動等も抑制が容易となり、結果 としてできあがってくる画質劣化も避けることができる。別 の視点からは1検査あたりの所要時間が短縮することで短半 減期のFDGを有効に使えること等が挙げられる。高感度で あることを利用して呼吸性移動が気になる部位の追加撮影に は30秒程度の息止め撮影も視野に入る。 最後に当クリニックにおける最近3年の検査数推移を図6 に示す。2011年では1 ヶ月18~20日の診療日数で1 ヶ月あた り260~310件である。検査件数はGEMINI TF導入前に比 較し微増というところである。画像再構成は検査終了後2~ 3分ほどで完成するので追加撮影が必要となった場合の指示 がストレスなく行えるようになったこと、PACSに画像転送 され、われわれが読影に取りかかるまでの時間も短時間に なったことで読影を含めた事後処理もスムースに進行し、そ の日の仕事の終了時間の繰り上げにもつながっている。

8.まとめ

2011年1月にGEMINI TFを導入し、現在は臨床診療に使 用している。GEMINI TFに搭載されたTOFをはじめとする 新機構によって短時間での高画質撮影が可能になり診療の質 の向上に役立っている。 ※ ROBUSTOは株式会社日立メディコの登録商標です。

参考文献

1) 澁谷健吾, ほか : 高速なγ線検出器とTime-of-Flight PETへの応用. RADIOISOTOPES, 55 : 391-402, 2006. 2) Raymond F. Muzic, Jr et al. : PET Performance of the

GEMINI TF : A Time-of-flight PET/CT Scanner. IEEE Nuclear Science Symposium Conference Record 1940-1944, 2006.

3) Suleman Surti, et al : Performance of Philips GEMINI TF Scanner with Special Consideration for Its Time-of-Flight Imaging Capabilities. J Nucl Med 48 : 471-480, 2007.

参照

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