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サッカー選手における方向変換を伴う運動の

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Academic year: 2022

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(1)早稲田大学審査学位論文 博士(スポーツ科学)概要書. サッカー選手における方向変換を伴う運動の パフォーマンスに関する研究. A study for performance of the movement with change of direction in football players. 2012年1月. 早稲田大学大学院. 笹木. スポーツ科学研究科. 正悟. Sasaki, Shogo 研究指導教員:. 福林. 徹. 教授.

(2) 【緒言】 スポーツにおける素早い方向変換は,競技成績や勝敗に大きく関係する能力であるとと もに,現代スポーツで成功するための必須条件であると言われている.本論文は,方向変 換を伴う運動のパフォーマンスに関係する要素について体力的観点,技術的観点,実践的 観点から検討を行い,スポーツ現場における方向変換の指導に繋がる指針を提示すること を目的として以下の研究を進めた.. 【研究 1:方向変換走と直線走および垂直跳びの関係-重回帰分析を用いた検討-】 3 種類の方向変換走と直線走および垂直跳びの関係について相関分析および重回帰分析 を用いて検討し,異なる方向変換走に必要な体力要素の組み合わせを明らかにした. <方法>大学生男子サッカー選手 175 名を対象とした.方向変換走は pro-agility test,10m agility shuttle test,zigzag agility test を用いた.直線走は 20m 直線走を用いて評価し, 5m と 10m の区間タイムを同時に計測した.垂直跳びは,カウンタームーブメントジャン プの跳躍高を用いて評価した. <結果>全ての方向転換走スピードは,直線走スピードおよび垂直跳び跳躍高との間に有 意な相関関係を認めた.また,方向変換走の種類により異なる直線走スピード,垂直跳び 跳躍高の標準偏回帰係数に有意性が認められた.直線走スピードおよび垂直跳び跳躍高を 用いた重回帰分析から得られた決定係数は 0.22 < R2 <0.29 であった. <考察>方向変換走に適した体力要素を理解し,それらを分解して指導することが,方向 変換を伴う運動を体力的な観点から高めるうえで重要であると考えられた.. 【研究 2:方向変換走と体幹運動の関係】 方向変換時における体幹運動と方向変換走パフォーマンスの関係を明らかにした. <方法>大学生男子サッカー選手 12 名を対象とした.動作課題は,スタート地点から 5m 走向後,180 度の方向変換を行い,再びゴール地点まで 5m 走向する試技とした.方向変換 時の体幹位置は,Point Cluster 法を用いて算出した.また,方向変換走のタイムおよび方 向変換時の接地時間を同時に記録した. <結果>方向変換時の体幹運動は,接地全体の約 40~50%で位相が変化していた.また,足 部接地時から最大傾斜時までの体幹前傾変位量と方向変換走タイム,接地時間の間に有意 な相関関係が認められた..

(3) <考察>方向変換時に体幹前傾角度を一定に保つ動作を指導することが,方向変換を伴う 運動を技術的な観点から高めるうえで重要であると考えられた.. 【研究 3:Model-Based Image-Matching Technique を用いた方向変換の運動解析】 ビデオ映像から他覚的な運動解析を行う Model-Based Image-Matching (MBIM) 法を用 い,競技現場で生じるより実践的な方向変換の特徴を明らかにした. [試合で生じた方向変換に対する MBIM 法の信頼性の検討] <方法>試合で生じた方向変換 1 例に MBIM 法を用い,同一検者が 5 回実施した時の検者 内信頼性,および 2 名の検者がそれぞれ 1 回ずつ実施した時の検者間信頼性を検討した. <結果>体幹部,股関節,膝関節屈曲角度の級内相関係数は > 0.91 と非常に高く,その他 の運動においても 0.69 ~ 0.92 と比較的高い信頼性が得られた. <考察>試合や練習で生じた方向変換に MBIM 法を応用できる実現可能性が示唆された. [試合や練習で生じた方向変換の運動解析:成功試技と不成功試技のパフォーマンス評価] <方法>試合や練習で生じた 1 対 1 守備の方向変換 4 例を対象に MBIM 法を行い,方向変 換時の接地時間,身体重心高の変位量および体幹部,股関節,膝関節屈曲角度を算出した. 2 例は攻撃選手のドリブルを阻止することが出来ている成功試技,2 例は攻撃選手のドリブ ルを阻止できなかった不成功試技と定義した. <結果>成功試技における方向変換の特徴として,短い接地時間,過少な身体重心高の変 位,より浅い体幹部,膝関節,股関節屈曲角度で構える姿勢を示す傾向がみられた. <考察>ビデオ映像を用いた他覚的分析が有用であることから,優れたパフォーマンスに 繋がる動作の特徴を把握し,競技現場で生じた動作そのものを個々に指導することが,方 向変換を伴う運動を実践的な観点から高めるうえで重要であると考えられた.. 【総括】 本論文では方向変換を伴う運動を取り上げ,体力的観点,技術的観点,実践的観点とい う 3 つの側面から,パフォーマンスに関係するデータを示した.本研究の結果より,以下 の観点を包括的かつ循環的に捉えて指導を行うことの重要性が示された. ①それぞれの方向変換に適した体力要素を分解して指導すること ②方向変換時に体幹前傾角度を一定に保つ動作技術を指導すること ③他覚的な評価基準を用い,競技現場で生じた方向変換そのものを個々に指導すること.

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