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(1)論 半 導体 レーザの狭域 波長走査 を用 いた. スペ ックル 干渉 計で の粗面の形状計測* 安. 達. 正. 明**舛. 岡. 淳. 司***稲. 部. 勝. 幸. Shapemeasurementof diffuse objects using short-range scanningof laser diode wavelengthin speckleinterferometry Masaaki ADACHI, Jw ji MASUOKA and KatsuyukiINABE. A phase 45of specklegramis a function bothof an optical path difference L and wavelengthA . Fromthis function,the optical path differenceL , whichis directlyused to calculatea shapeof an object,can be givenas a functionof d o5Id A . In the proposedtechnique, a widelyused laserdiodeis adoptedas a wavelength-changeable lightsource,and its wavelengthd is scannedslowlywithin0.25nm by using currentinjectioncontrolof the diode.From specklegramscapturedduringwavelengthscanning,changingamountsof QSare extractedon individualpixels witha modifiedphaseshiftingtechnique. Sincea scanningrangeis very short, it is difficultto measurea changingamountof d alongeach specklegramcapturing.Then a referenceheight step is also insertedin a visionof CCD cameraand changingamountsof 0 aremeasuredbothon the referencestep andthe object.Fromthe ratio of the totalchangingamountsof 0 , the shapeof the objectis calculated.Experimentsarecarriedout to confirmthe validityof the method. Key words: speckleinterferometry,diffuse surface,shapemeasurement,laserdiode,wavelengthscanning. 囲(数〜数 十 ㎜)に 渡 って 波 長 を連続 走 査す る必 要が あ り,光. 1.緒. 言. 源 に は大型 で高価 な色 素 レーザや チ タ ンサ フ ァイ ヤ レーザ 等の 特 殊 な構 造 を必 要 とす る5).一方,狭 域 の 波長 走査 を用 いる方. 粗面物体 の3次 元 形状測定 につ いて は多 くの方 法が これ まで に開発 され て いる.そ の 中で光 を用 い る測 定法 は 非接触 性,長. 法 で は,光 デ ィスク等 の大 きな 市場 に支 え られ て出 力が大 き く. い作 動距離,高 密度 に取 れ る測定 点 な ど他 で は実現 しが た い多. しく測定 で き る7).この点 で 狭域 波 長走 査 と周 波数 解析 を用 い. くの 特長 を持つ.デ ー タ処 理用 コ ンピュー タ の高性 能化や 小型. る方 法 は工業 応用 し易い と考 え る.し か しこの方 法 も,半 導体. 化 が将 来 さ らに進 み,大 量 デー タ も容 易 に高速 処理 で きるよ う にな る こ とを考 え る と,光 を用 い る3次 元 形 状 測定 法,特 に. レー ザ に電流 注 入 に よる波 長走 査 で しば しば見 られ るモ ー ド. CCDカ. は,モ ー ドホ ップが ある半導 体 レーザ で も使 用可 能 な狭 域 波長. メ ラを用 いる方 法 は高密 度測 定点 を活か して広 く利用. が進 む と予 想 され る.故 に光 とCCDカ. メ ラを用 い る方法 で の. 測定精 度の向 上に関す る研究 や新 らしい手法 の研 究は 工学的 に 重要 と思 わ れ る. 光 とCCDカ. 価 格 も安 くな って きた半導 体 レーザ が 利用 で き,段差 形状 も正. ホ ッ プが あ る と この レー ザ素 子 は利 用で きな い6).そこで 我 々. 走 査型 の3次 元 粗 面形状 測 定法 の開発 を行 った.. 通常,半 導 体 レーザ の厳 密な 波長 走査 は高価 で特 殊 な ドライ. バ ー 装置 を用 いな い限 り困難 で あ る.提 案 す る方 法 では,測 定. メ ラを用 い る粗 面の 形状 測定 法 では,パ ター ン. 対 象物 の視 野内 に参照用段 差 を挿 入 して被測 定物体 と一緒 に測. 投影 を利用 す る ものが 広 く知 られてお り実 用 され て もいる.し. 定 す る ことで この困難 を解 決 して い る.また 形状 計算 では 取込. か し,近 年 にな って 小型,廉 価 で 波長 可変 な 半導 体 レーザ が 出. 画 艨 の位相 測定 を利 用 して いるが,こ れ を数 値 計算 で作 成 した. 現す る につれ,光 の干 渉的 性質 を用 い る:方法 も積極 的 に研 究 さ. 変 数が2個 のル ックア ップテー ブル を応 用 して高精 度 に行 って い る.実 験 では 三角 柱 の形 状や ゴム タイ ヤ の 曲面 形状 を 測定. れ始 め た1;)〜7).こ の方 法 は照 明 と観 測 を同方 向 に取 れて シス テム を コンパ ク ト化 でき,さ らに凹 凸の深 い形 状で も測定 が原. し,提案 す る方 法 の有 用性 と精 度 を評価 した.本 法 は精 度 的 に. 理 的 に可 能 で ある.低 価格 化 が進 む小 型 で高解 像 度 なCCDカ. は広域 連続 波長 走査 を用 い る方 法 に劣 る と考 え られ る ものの,. メラ の普 及 と相 ま って,半 導体 レーザ と光 干 渉そ してCCDカ. 簡 単 かっ 安価 な機 材 で形 状測 定 が可 能な 方法 と思わ れ る.. メ ラを用 い る方法 は光 応用 形状計 測の1つ の重 要技術 にな るこ とが 期待 され る. これ まで に公表 され た光 干渉 とCCDカ. 2.測. は,2波 長 の レー ザ光 を用 い る段差 の な い粗面 形状 の測 定 法3) や,ス ペ ックル 干渉計 に レーザ波 長 の広域 連続 走査 を組 み合わ す方 法6)さ. 定. 原. 理. メラ を用 いる方 法 に. 干 渉計 にお い て光路 差 をム 波 長 を λ とす る とき干渉 の 位相. φは次 式 で与 え られ る,. らには 狭域 走査 と周 波数 解 析 を用 い る方 法7)など. が ある.こ の 中で広域 走査 を用 いる方 法 は光学 系か らの絶 対距. φ=2π・L/ λ. (1). 離 も測定可 能 であ り,精度 の高 さな どか らも注 目す べ き方 法 と 思わ れ る.し か し この方 法 は,光 出 力を ほ ぼ一 定 の ま ま広 い範 *原. **正. ***富 ††. 稿受付 会員. 故 に,波 長 λを少 し変 え た時 の位 相 φの 変化 は次 式 とな る.. 平 成12年10月25日. 金 沢 大 学 工 学 部(金. 士通 機 電(株)(新. 金 沢 大 学 工学 部. dφ=. 沢市 小 立 野2‑40‑20). 2π ・L/λ2. (2). ・dλ. 潟 県 西 蒲原 郡 吉 田 町 東 栄 町17‑8). 式(2)か らdφ/dλ. を 求 め る こ と で光 路 差Lが. 精密 工学 会 誌. Vol.67,No.9,2001. 計 算 で き る.こ. 1497.

(2) 〓. 安達 ・舛 岡 ・稲 部:半 導体 レーザの狭 域波長 走査を用 いたスペ ックル 干渉計での粗 面の形状計測. の原 理 を用 い る と,粗 面 が作 る光 干 渉 像(位 相 と光 強度 が空 間 的 に ラ ンダム に変化 して お りス ペ ッ クル 干渉像 と呼 ば れ る)で あ っ て も,波 長 を △ λず つ 変 えな が らCCDカ. メ ラを用 いて 像. を取 り込 み,そ の時 の位 相 変化 量 △ φを画素 毎 に抽 出す る と, Lを 介 して 粗面 の形状 を測定 で き る ことにな る, 干 渉光強 度か ら位 相 φを求め る方 法 と して 良 く知 られ て いる の は位 相 シ フ ト法 で あ る8).一般 に位相 シ フ ト法 で は測定 した い波 面 に対 して参 照光 路 の長 さ を波長 の1/4倍 的 に変 え(π/2ず. つ シ フ トし),3画. ず つス テ ップ. 面以 上 を取 り込 む.故 に. この原 理 での 形状 測定 法 に応 用 す る には,波 長 を少 し(△ λ) 変 え た後,参 照光 路 長 をステ ップ的 に変 えなが ら干 渉画 像 を複 数 枚取 り込 み,そ の後 に参照 光路 長 を戻 し波長 を さ らに △ λ変 えて 同 じよ うな測定 を繰 り返 す こと にな る9).しか し通常 の測 定 環 境で は,空 気 じょ う乱 や 外 部振 動,さ らに位 相 シ フ トに広 く用 い られ る圧 電 素子 の非 線 形性 な どか ら,光路 差 を元 の状態 に正確 に戻 しなが ら位相 の高精 度 測定 を繰 り返す ことは極めて 難 しい. そ こで我 々は半導体 レーザ への注 入電 流 をゆ っ くりと増 や し て発 振波 長 を変 え なが ら,スペ ックル干 渉 画像 を連 続 的 に取 込. Fig.1. Dependency. of ƒ¿/ƒ¿3'on ƒÓ3. み,こ れ らを位 相 シ フ トされ た画 像 と して 扱 うこ とを考 えた.. tained. by. 式(2)に あ るよ うに波 長 を変 え る と光 路差 に比 例 して位 相 が変. Eq.(5).. The. わ る.こ の位 相変 化 を位 相 シ フ ト量 と した.し か しこの位相 シ. lookup. フ ト量 は光 路差 に比例 す る ので,全 て の測 定点 で π/2と す る. of. numerical dependency. table. a from. the. and ƒ¿3'.This. calculation. and. using. is given. is used. nominally. as. to obtain. and. a 2-dimensional an. calculated. is ob-. Eq.(3). accurate. values. value. of. 3andƒÓ. ことは 当然 で きな い.そ こで 次 の方 法 を用 い た. この方法 は シフ ト画 面 を5画 面用 いる位相 シ フ ト法(ハ リハ. 要 が あ る.し. か し,式(2)が. 示 す よ う に 位 相 シ フ ト量 は 光 路 差. ラ ン法 五10)の 特 別な 形 式で の応 用 で あ る.位 相 シ フ ト法 では3. に 比 例 す る た め 不 明 で あ る.そ. 画 面や4画 面 を用 い る ものが広 く知 られ て い る.ま た画面 数 が 少 な いほ うが短 時 間 に測定 で き る とい う長所 もあ る,しか し抽. 正 し い 位 相 と な る 次 の φ3と φ4を 導 入 す る.. こ で α=π/2の. 時 に1 .,と1、の. 出位相 の精 度 が重要 な場 合は3画 面や4画 面 を用 い る方法 よ り ハ リハ ラ ン法が 適 して い る,我 々 は雑 音 を考慮 した数値 シュ ミ レー シ ョンか らこの こと を確 認 した ので,ハ リハ ラン法 を応 用 した.ハ リハ ラ ン法 で は位相 シフ ト量 α毎 に取 り込 まれ る次 式. (5). の干 渉 画像 光 強度 を仮定 す る10)。. こ の φ‑φ3は. α が π/2の. 時 に は 正 し く α を与 え る.α が π/. 2か らず れ た 時 は,φ‑φ3も 同 じ量 と は な ら な い が,そ. π/2か. らず れ る 。両 者 の ず れ は. の 時 で も α の ず れ に 従 っ て9一. φ、. は ず れ る の だ か ら,φ4− φ3は α と何 らか の 関 係 を 持 つ と 想 像 で き る.そ 〓(3). して こ の 関 係 を 与 え る 関 数 は φ3の 値 に も依 存 して. い る と考 え る の が 一 般 的 で あ る.こ の 依 存 性 を 調 べ る た め に 式 (3)と 式(5)を 基 に,φ 時 に,φ3と. を0〜2π,α. α3'(=φ4‑φ3)が. を0〜. 1は そ の 結 果 か ら逆 算 し た α/α3'の こ こで,laは. 平 均 光 強 度,Vは. 像1,の 位 相 で あ る(以 省 略 す る).こ. 降,簡. モ ジ ュ レー シ ョ ン ,φ は 干 渉 画 単 化 の た め 変 数 の 座 標(x,y)は. の 式 を 用 い る と1,,と1、の 位 相 が ハ リ ハ ラ ン法 で. は 次 式 で 与 え ら れ る.. を 示 す.こ の 図 を 変 数 が2個(α3'と ブ ル と して,式(5)で. π の 範 囲 で変 え た. ど う な る か を 数 値 計 算 し た.図 α. 3と φ3へ の依 存 性 φ3)の ル ッ ク ア ッ プ テ ー. 計 算 され る φ、と φ、か ら の 正 確 な αの 計. 算 に 用 い る こ と に し た. 上 記 の方 法 で 位 相 変 化 量 △ φ=α は 求 ま る.し か し,光 路 差 を 式(2)か ら 求 め る た め に は λや △ λ も必 要 で あ る.こ. れ らを. 求 め る た め に は 通 常,分 光 器 を 必 要 とす る 、こ こ で 全 波 長 走 査 量 を0.3nm,そ. の 間 に 画 像 を300枚(以. 下 の 実 験 で は245枚. 取 り込 ん で い る)取 り込 む と し,波 長 変 化 量 △ λ を 概 算 す る と 〓(4). △ λは1画. 像 あ た り0.001㎜. 前 後 と な る .こ の 測 定 精 度 を 満. 足 す る 回 折 格 子 型 分 光 器 は 少 な く と も50cm以 持 つ 大 型 の も の(重. 式(4)か らφを正確 に求 め る には シ フ ト量 αが分 か ってい る必 1498. 精 密 工 学 会 誌 Vol .67,No.9,2001. 量 は 約100㎏. 以 上)で. 上 の焦点距 離 を あ る.故. に組 み 込. み は 非 現 実 的 で あ る.そ の 点,最 近 出 回 っ て い る 光 ス ペ ク トル.

(3) 安達 ・舛 岡 ・稲 部:半 導体 レーザ の狭 域波長走査 を用 いたスペ ック ル干渉計 での粗面の形状 計測. Fig.2. Optical using. layout. of a shape. narrow-range. measurement. scanning. of laser. interferometry diode. Fig.3. wavelength. Mode-hop a vision tured. of a laser area. diode.. Deviation. has extremely. large. of a calculated. values. at certain. in cap-. images. メータ と呼 ばれ る小型 で高分 解能 な干渉 式分光 器は組 み込 め る 可 能性 が 高い.し か し提案 す る測 定法 で は干渉 計 を用 いて も い るの で,コ ス トと簡 便 さか ら参 照段 差 を利 用す る ことに した. す な わ ち,被測 定物 体 に加 え て2mmの段差を持つ. 参 照 段差 を. 測 定視 野 内 に入 れ て測定 し,段差 を作 る上 下 の各面 で の位相 変 化 量 の違 い を同時 に評価 し,こ の値 を基 に被測 定物体 表 面で の 光 路 差 を正 しく評 価す る方法 を採 った. 以 上 の方 法 を用 い て最 終 的 には 走査 可 能 な波 長域 の殆 ど に 渡 ってゆ っ く りと波長 を変化 させ な が ら画像 を多数 枚取 込 み, これ らのデー タか ら形状 の計 算 を行 った. 3.実 3.1実. 験. 験装 置. 実 験 に用 い た測定 光 学系(上 方 か ら見 た配置 図)を 図2に 示 す.半 導体 レーザ は電 流注入 によ り波 長 が スムー ズ に可 変 で き る フ ァブ リペ ロー 型(日 立製HL7851G:出 力50mW)で あ る. コン ビュー タ の12ピ ッ トD/Aコ ンバ ー タか らの 出力 電圧 を 自. FIg.4. Measured. shape. scanning. of laser. of a triangle diode. pole using. nallow-range. wavelength. 作 の電 圧電 流変 換 回路 に通 し,こ の レーザ を制 御 した.使 用 し た レー ザ光 の 中心 波長 は782mmで まで の走査 範 囲は0.25nm前. あ り最 短 波長 か ら最長 波 長. 後 で ある(25cm焦. 点距 離分 光 計. り,光反射 率 を上 げ るため に表 面 には酸 化 マグ ネ シュー ム の粉. ーザ か らの ピーム 光 を直前 に置 いた 小 型. を吹 き付 けて い る.参 照 段差 は10mm×10mmの 断面 を持 つ 四角 柱 を2個 接触 させて 固定 し,同 じ く酸 化マ グ ネ シューム の. ビーム ス プ リッタで物 体光 と参 照光 に分 け,物体 光 は対物 レン. 粉 を吹 き付 けて作 製 した.四 角 柱 の材料 は黄 銅 で あ り切 削加 工. ズで拡 げ大 口径 レンズで平行光 に して大型 ピーム スプ リッ タを. で作 製 し,段 差 の高 さは2.0mmで. 介 して,カ メ ラ方 向 か ら測 定 対象 物 に当 てて い る.測 定対 象 物 は カ メ ラ レンズ の前方 約30cmの 所 に置 いた.カ メラ レンズ は. 中心 付 近 に来 るよ う に し,参 照段 差 が視 野 周 辺 に来 るよ うに. AFズ. 0.001nmと. を用 い て測 定).レ. ー ムニ ッコー ル35‑105を. 2.5cmの 領 域 をCCDカ. 用 い,物 体位 置 の2.5cm×. メ ラの画素300×300に. 取 り込 め るよ. あ る.被 測 定物 体 が視野 の. し,半 導体 レー ザ の発 振波 長 を長 波 長 側 に少 しずつ(平 均 で 計 算 され る)移 動 させ なが ら移 動毎 にCCDカ. メラ. か ら画 像 を5枚 取 り込 み平 均 した.こ の取 り込 み と平 均 を245. うに調 整 した.参 照 段差 は光 が大 型 ビーム ス プ リッタ を直 進 し. 回繰 り返 し,全体 で の波長 走 査 は0.24(=0.001×245)mm前. て 通過 した位 置 に配置 し,物 体,参 照段 差共 に カ メラ レンズ の ピ ン トを合 わせ て取 り込 め るよ うに した.ピ ー ムス プ リッ タ と. 測定 面 付近 で の光 路差 か らくる位 相変 化 の総 量 は平均 で60π. 物体 の問 には 図に示 す黒 い遮 光板 を設 置 し,物体 と参 照段 差 の 二 重像 が カ メラ受光 面 で生 じな いよ う に して い る.参照光 ピー. 長方 向 と短 方向 に 隣 り合 わせ となる2画 像 をそれ 自身 と加 え, 3波 長 で の光 強 度 の平均 を画 素毎 に 計算 し,波長 シ フ トに伴 う. ム は物体光 と同様 の方法 で拡 げ平 面波 に してか ら小型 ビーム ス プ リ ッタ を介 して カ メ ラ受光 面 に正 面 か ら入 射 させ た,コ ン. 光強 度変 化 が滑 らか になる よ うに した.そ して 平 均 した画像 か ら取 り込 み 初期 の5平 均 画像 分 を捨 て(波 長走 査 初期 で波長 変. ピ ュー タ に装着 さ れた画 像取 り込 み ボ ー ドは64Mbyteメ. 化 が スム ー スで な か ったた め),さ らに1平 均 画 像飛 び に抜 き.. を搭 載 して お り,画 像 を30枚/秒. モリ. の速 度 で連 続 して128枚 コ. ンピュ ータ へ取 り込 め るよ うに な って いる. 3.2測. 定結 果. 本実 験で 最初 に測定 した の は,三 角 柱 であ る.材 料 は木 で あ. 後,. 前後 にな るよ うに参 照光路 長 を調 整 した.取 り込 み後,波 長 が. 出 した も のを短 波 長側 か ら順 にIt(t=1,2,3・ ・119)と した. このItはtが変 わ る毎 に位 相変 化 の平 均値 が 約 π/2[≒{60π/ (245‑2‑5)}×2]前 後 とな って いる.こ れ らの1、 か ら式(5)を用 いて φtと φt+iを評価 し,さ らに αt=φt+1−φtを 求 め 図1の. 精 密 工 学 会 誌 Vol.67,1 No.9,2001. 1499.

(4) 安達 ・94岡・稲部:半 導体 レーザ の狭域 波長走査 を用 いたスペックル 干渉計での粗面 の形状計測. Flg.6 Picture of a part of bicycle tire pattern. Flg.5. Measured. shape. of a part. of bicycle. tire. 2変 数 のル ックア ップ テー ブル を用 いて正 しい αを計算 した. αの画 像 内で の分 散 の,iの 増 加 に伴 う変化 の 具体例 を図3に 示 す.ゼ ロで な い分 散 は画 像 内の 各画 素で のLの 違 いか ら くる もの であ るが,図 で はi=70と90付. 近 で αの分 散が 異常 に大 き. くな って い る,こ の変化 はiの 全 ての領 域 で観 測 され るわ けで な く全 幅 も6画 像 ぐ らいで あ り,波 長 が急 激 に変化 した結果, す なわ ち半導 体 レー ザ のモ ー ドホ ップ と理解 され た.そ こで こ の 領域,i=65〜75と85〜95付 近 のデ ー タをi=5か ら110 まで の αのデ ー タか ら除去 し,残 りの αの全 変化 量(Σ α)を 画 素毎 に求 めた.最 初 に この方法 で得 た αの変化 量 の測定 結果. Fig.7. には無視 で きな い雑 音信 号 の混入 が多 く見 られ,こ の原 因の 多. Changes and. of ƒ¿. caluculated. by the. proposed. technique. Eq.(6),(7),(8). くが波 長走 査 に伴 うIoの変 動 に ある こ とが分 か った.そ こで 各 iで の画像 内の光 強 度 の総和 が一 定値 にな る よ うに光 強度 を規. れ は凹凸 を持 つ物体 の凹 面部分 で は近 くの粗面か ら反 射され た. 格 化 してIoの べ一 ス ライ ン変化 の 補正 を行 った.し か し,依 然 と して取 り除 く こと ので き ない雑 音 が Σ αの測 定 結果 に残 っ. 光 も直接 の照 明光 に加 わ り,これが 計測 され る光 の光 路 差に外. た.そ こで さ らに画 素 のモ ジ ュ レー シ ョン(画 素位 置 に依存). 解能 は 凸の形 状 を持 つ粗面 で の精度 と考 えるべ きだ ろ う.後者 の現 象 に関 して は,原 因の確 認 を進 め て改 めて報 告 した い と考. が 小 さ い場合 には,そ の 画素 を中心 とす る3×3画. 素内 で モ. ジュ レー シ ョンが 最 大 のデー タで 置 き換 えを行 う ことや,計 算 結果 に3×3画 素で の メデ ィア ン フィル ター 処理 を行 う方 法 を 最終 的 に取 り入 れ た.. 乱 と して働 くので は と予想 させ た.故 に,上 記 の測定 精 度 と分. え る. ところ で,式(3)で 与 え られ る光強 度 か ら,シ フ ト量 αを解 析 的 に求 める こと も可 能 であ る.式(6)は ハ リハ ランが 報告 し. 得 られ た三 角柱 の形 状測 定 結果 を 図4に 示 す.干 渉 像 のTV モ ニ ター 画面 で は段 差 と三 角 柱 の像 が 少 し重 な って見 られ た. て い る もので あ る10),また,式(7)と 式(8)は 式(6)と違 うもの と して我 々 が式(3)か ら解析 的 に計 算 した も ので あ る.こ れ らを. が,重 な り部 分 を除去 して 画像 デ ータ を コン ピュー タ メモ リに. 用 いて の 形状 評価 も我 々 は行 った.し か し,式(6),式(7),式(8). 取 り込 んで お り,結果 と して 図4で は段 差 と三 角柱 が隣接 して. を用 いて の測 定精度 は ここで提 案 した方法 に比べ 非常 に悪 いも の で あっ た.. 表 示 されて いる.ま た,自 由曲 面 を持 つ もの と して 自転 車 のタ イ ヤ のパ ター ン も測定 した.測 定 結果 を図5に 示 す.こ の タイ ヤ の写 真 を 図6に 示 す.さ. らに プ ラス チ ッ クの ギア も測 定 し 〓(6). た.し か し,ギ ヤ の測 定 結果 に は以 上 の方法 で は取 り除 くこ と が でき な い雑 音が 多 く含 まれ てお り,さ らに何 らか の改 善が必 要 であ る こ とを示 した. 3.3測. 定精 度. 〓(7). ここでは 図4の 測定 結果 よ り測 定精 度 と分解 能 を評価 した. 測定 された 三角柱 の斜面 が理 想的 な平 面 と仮定 し,実際 の測 定 結 果 と の違 いか ら測 定精 度 を,ま た 測 定 され た参 照段 差 の ス テ ップ形状 の横方 向 の変化 か ら横 方向 分解 能 を評価 した.そ の 結 果,測 定 精 度 は標準 偏差 で0.1mm,横. な った.一 方,ギ ア では 雑音 が多 くて測 定 が難 しか った が,こ 1500. 精 密 工 学 会 誌 Vol.67,No.9,2001. 〓(8). 分 解能 は0.2mmと 図7は,図5の. 計 算 のため に取 り込 まれた波 長走 査時 の光 強度.

(5) 安達 ・舛岡 ・稲部:半 導体レーザ の狭域波長走査 を用いたスペ ックル干渉計 での粗 面の形状計 測. デー タか ら;あ る 画素 に つ いて の αのiの 増加 に伴 う変化 を各. 最後 に図2に 示 した一般 的 な結 線 レ ンズ を用 い る方法 で は,. 式 を用 いて 計算 した もので あ る.式(6),(7),(8)共に αの変 動 は. 像 の視 野 中心 と視 野周辺 では理 論上 で光路 差 に小 さい違 いが生 じる こと もあげ てお く.この誤 差 はテ レセ ン トリック系 と呼 ば. 非常 に大 き い,一 方,変 数 が2個 のル ックア ッ プテー プル を用 い る方 法 は実 線で 示す よ う に滑 らか な変 化 を して い る.図 か ら αの測定 値 はiの 増 加 と共 に 小 さ く変 動 してお り,波 長走 査 が. れ る光 学 系 を用 いれ ば取 り除 くこ とが で きるが,図2の 配 置 か ら誤 差 は0.01%以. 下 と評 価 され た ので ここで は無視 した.. 直線 的な変 化 でな いこ とが 分 か る.こ の変 動 を含 んで いて も式 (6),(7),(8)から得 られ る αの測 定値 のバ ラツキ は標準偏 差 で提 案方 法 の約2倍 以 上で あ った.波 長走 査 が直線 的 な場 合,標 準 偏差 の違 いは(図7か ら予 想 す る と)さ らに大 きな もの にな る と思 わ れ る.こ の よ うに,提 案 した方 法 は αの評 価 に優れ て い る.図7の 結果 は 提案 す る方法 の 有用 性 を示す, なお,式(2)か ら0.25㎜. の波 長走 査 で は参 照 段差 の上 下面. (光路差4mm)で の位相 変化 総 量 の違 いは3.3π で あ り,図4 の 測定精 度 の標 準偏 差0.1mmは 位 相変 化 量 に して0.16radの 違 いに相 当す る.こ のよ うな位 相 の高精 度 な抽 出は周 波数解 析 を用 い る方 法7)では 実現 で きな い もので あ る. 一方 ,広域 波長 走査 で用 い られ る光 源 を我々 の方法 にそ の ま. 4,結. 論. 本 論 文 で提案 した方 法 は まとめ る と次 の特徴 を持つ. 1)波 長 走査 域 の狭 い 半導体 レーザ(走 査域0.3nm以. 下)が 使. 用 可 能 で あ り,ま た波長 走査 にモー ドホ ップが あ って も良 い. 2)照 明 方 向 と観 測 方 向を 同 じ方 向 に取 れ るた め段差 のあ る粗 面 で も陰の な い測定 がで きる. 3)波 長 走査 によ る位相 シフ トを用 いて いるた め,光 路 差 に よ って シ フ ト量 が π/2と 異 な るが,こ れ を変数 が2個 の. ま応 用す る と仮定 した 時 に得 られ る測 定精 度 △Lを 次 に推 定 し. ル ック ア ップテ ーブル とい う概 念 を使用 して螺 決 した.こ の. た.式(2)のdφ. 方法 を位 相測定 の精度 に優 れ るハ リハ ラン法 と組み 合わせ る. の総 量 Σdφ の測 定誤 差 は広域 走査 で も この. 実 験で得 られ た値 と同 じと仮 定す る と,本実験 で の波 長走 査 量 を ム パ,・広 域波 長 走査 量 を △ λと して,△.Lは. こと によ り,測 定 精度 を高 め る ことが で きた(形 状測 定精 度 の標 準偏 差 で約0.lmm,位. 相変 化総 量 の位 相 の測定 精 度で. 0.16rad). 〓(9) 参. 考. 論. 文. と計算 され る.故 に当然 な が ら測 定精 度 を上 げ るた め には広 域 波 長走 査 と組 み合 わす ことが効果 的 で ある.半 導体 レーザ で広 域 波長 走査 の可 能 な高 出力光 源 が開発 され る ことを期 待 す る. 3.4測定 範 囲 本手法 で は光 路差 の違 いに よって各画 素で位 相 シフ ト量 が異 な って お り,これ を図1の ル ックア ップテ ー プルで 補正 して 計 算 して い る.補 正 は してい て も位 相 シ フ ト量 が π/2か ら大 き くず れ る こ とは α/α 、'が1か ら大 き くず れ る こともあ り,信 号対 雑音 強 度比 の点 か らは好 ま し くな い.そ こで,図1の 補 正 係数 α/αt'が1に 近 い αt'=π/2± π/8以 内を用 い る こ とに し,αt'を この範 囲に収 め るた め には光 路差 の違 いL'(測 定範 囲)は ど こまでが 許 され るか を評価 した.式(2)の 位 相変 化量 を αt'と して 次 式が 成立 す る. 〓(10) 故に 〓(11) これ よ り,干渉計 を組 み上 げ た ときの測 定 中心 での光 路差の ± 1/4倍 が精 度 の 良い測 定 の範 囲 とな る.こ の結果 は光 路差 を大 き くす れ ばそれ に比 例 して測 定範 囲が 広が る こ とを意 味す る. しか し,大 き くす る と αt'を π/2付 近 に保 つ ため に △ λを小 さ くす る必 要が 生 じ,走査 可能 な波 長域 を全 て走 査す るた め に は多 くの画 像 を取 り込 む必 要が 生 じる.し か しL'の 決 定 に は, この問題 と同時 に結像 系の焦 点深度 が測定範 囲を制限す る問題 を も考 慮 す る必要 が あ る.こ の 焦点深 度 は用 いた 図2の 光 学系 では 約8mmと. 1) M. Yonemura: Wavelength-change characteristics of semiconductor lasers and their application to holographic contouring, Optics letter, 10,1 (1985) 1. 2) Y, Ishii, J.Chen, and K.Murata: Digital phase-measuring interferometry with a tunable laser diode, Optics letter, 12, 4 (1987) 233. 3) T.Maack, G. Notni, W. Schreiber: Three-coordinate Measurement of an Object Surface with a Combined Two-wavelength and Two-source Phase-shifting Speckle Interferometer, Opt. Com.,115, (1995) 576. 4) Y. Zou, G. Pedrini, H.Tiziani: Surface Contouring in a Video Frame by Changing the Wavelength of a Diode Laser, Opt. Eng., 35, 4 (1996) 1074. 5) S. Kuwamura and I. Yamaguchi: Wavelength Scanning Profilometry for Real-time Surface Shape Measurement, Appl. Opt., 36, 19 (1997) 4473. 6) H. J. Tiziani, B. Franze, and P. Haible: Wavelength-shift Speckle Interferometry for Absolute Profilometry using a Mode-hop Free External Cavity Diode Laser, J. Mod. Opt., 44,8 (1997) 1485. 7) M. Takeda and H.Yamamoto: Fourier-transform Speckle Profilometry: Three-dimensional Shape Measurements of Diffuse Objects with large Height Steps and/or Spatially Isolated Surfaces, Appl.Opt., 33,34 (1994) 7829 8) J. E. Greivenkamp and J. H. Bruning: Phase Shifting Interferometers, in Optical Shop Testing,2nd Ed., D. Malacara ed, (1992) 532. 9) J. Kato and I. Yamaguchi: Phase-shifting Fringe Analysis for Laser Diode Wavelength-scanning Interferometer: Opt. Rev., 7,2 (2000) 158. 10) P. Hariharan, B.F.Oreb and T.Eiju: Digital Phase-shifting Interferometry: A Simple Error-compensating Phase CalculationAlgorithm, Appl. Opt., 26, 13 (1987) 2504. 12) K.J.Gasvik: Optical Metrology, 2nd Ed., John Wiley & Sons Ltd, England (1995) 72.. 計算 された12).これ は式(11)よ り厳 しい条 件 と. な ってい る,. 精 密 工 学 会 誌 Vol.67,No.9,2001. 1501.

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参照

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