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甘蔗梢頭部中のフェノール性化合物について(第1報): 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Title

甘蔗梢頭部中のフェノール性化合物について(第1報)

Author(s)

外間, 宏一; 川満, 恵清

Citation

沖縄農業, 6(1): 57-60

Issue Date

1967-05

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/1044

Rights

沖縄農業研究会

(2)

甘薦梢頭部中のフェノール性化合物について

(第1報)

外間宏一・川満恵清

(琉球大学農芸化学科)(琉球サンケイ農薬)

KoichiHOKAMAandKeiseiKAWAMITSU:OnPhenolic

CompoundsintheSugarcaneTop.(Partl)

I緒言

廿蕨は沖縄において広く栽培されている主要作物であ

って糖業は基幹産業の一つとなっている.フェノール類

は各種各様の形で植物中に分布していて,ポリフュノー

ルは酸化されやすく,生体中のポリフェノール酸化酵素

と関連して生体褐変の一要因をなす事が知られている.

そして褐変したフェノール性化合物が製糖工業において

着色の一因となることが推定されろ.著者らは廿蕨梢頭

部中よりフェノール性化合物を分離してペーパークロマ

トグラフィーによる検索を行なった.

I実験方法および結果

(1)実験は第一図に準じて下記の順序で行なった.

エ琉球大学で栽培されている収穫時のN:COBユ0梢頭 部を実験に供した. 2廿蕨梢頭部をステンレスナイフで薄く切りアルコー ルでユ日浸漬放置すると糖,油脂,配糖体,アルカロイ ド塩基,有機酸などが抽出されろ. 3アルコール抽出液700秘を減圧乾固して残i費をエー テルで抽出した.エーテル抽出液に5%NaOH200鍼を

加えてふってアルカリ層に有機酸を転溶きせ分液した.

4アルカリ液を塩酸酸性にしてエーテルでふってカル

ポン酸,フェノール性物質,フェノールカルポン酸をエ

ーテル層に移行させた. 5エーテル可溶部分に5%Na2CO3溶液ユ00雛を加え てふるとフェノール性物質はエーテル層に残り(a),フェ 第ユ図抽出と分離 廿蕨梢頭部(1)

|鵬雷篝雛

アルコール及び 残澄 揮発部分

|舌晃織出③

-- ̄| NaOH層 エーテル層

|HCI酸性,エーテル抽出(4)

l------l HCl層 エーテル層

’5%Na圏Coo抽出(5)

Na2CO8層 エーテル層

|翌警澆抽出⑥

|綱7

残置(a) | ̄--- ̄~ ̄ ̄--l HC1層 エーテル層

|濃縮

濃縮液(b)

(3)

稲 沖縄農業第6巻第エ号(1967) 58 -クレゾール:酢酸:H20(50:2:48,上層)を用いて一次 元および二次元上昇法により展開を行ない風乾後ジアゾ 試薬,FeC13ユ%メタノール溶液を吹きつけて発色させ た.本実験で得られたペーパークロマトグラフィーの結 果を第2図に示す. ジアゾ試薬調製 第1液0.7%亜硝酸ナトリウム水溶液. 第2液スルファニール酸19に5N-HCl509および 水L509を加えて溶解したもの. 使用にあたっては第1液ユ,第2液4の割合に混ぜたも ノールカルポン酸はNa2CO3溶液層に移行する. 6Na2Co3溶液を塩酸酸性にしてエーテルを加えてふ るとフェノルカルボン酸はエーテル層に移行する.エー テル層を分液してエーテルを蒸留除去すると茶褐色粘ち よう液(b)の少量を得る.フラクシヨン(b)をペーパークラ マトグラフィーの試料とした. 7エーテルを蒸留除去するとフェノール性物質フラク ション(a)が得られるが試験管にフラクション(a)を溶解し ジアゾ呈色反応を行なった結果哀跡程度であった. (Ⅱ)フラクション(b)のペーパークロマトグラフィー 実験 東洋炉紙No.50を使用した.展開溶媒は20%KC1,籾 の老吹きつけた後20%NaOH水溶液を吹きつけた. 第2図フラクション(b)の1次元PPCと2次元PPC 0.9 Rf O8 0.8

○織

○赤

0.7 0.7

'(

(形

e素’

囚目: 0.6 0.6

樟 一 座 0.5 0.5 .ご髭ま言 4 0 0.4

○赤

赤 0.3 0.3m 0.2 0.2 0.1 0.1 B A Rf0.8 0.7q6 Am-ク レゾール:酢酸:H200.50.40.3 C 0.20.1 (第2図説明) エ次元PPC 〃〃 2Ziv【元PPC (、-クレゾール:酢酸:H20=50:2:48;FeCl3) (20%KC′ジアゾ試薬) (ジアゾ試薬) ●●●●●● ABC

(4)

外間・川満:廿蕨梢頭部中のフェノール化合物について 59

聰舶側舩舩帆〃〃朽川柵伽Ⅱ佃例Ⅲ刊佃

R00000000000000000 d 01 a c 呈色

Ⅲ考察

廿蕨梢頭部をステンレスナイフで薄く切断してアルコ ールで浸漬抽出したが原料処理中酸素による酸化褐変と 考えられる褐変現象が認められた.第エ図(3)において5 %NaOHを用いたのはエーテル抽出液中よりカルポン 酸,フェノール性物質およびフェノールカルポン酸をそ れに転溶させるためである.第ユ図(5)でエーテル可溶部 分からフェノール性物質とフェノールカルポン酸を分別 するため5%Na2CO3を加えてふるとフェノール性物質 は炭酸ソーダ溶液に不溶であるからエーテル層に残り, フェノールカルポン酸は炭酸ソーダ溶液に可溶である からアルカリ層に転溶する.このようにして分液して両 フラクション(a)(b)に分けた.第。L図(7)でエーテルを蒸留 除去するとフェノール性物質が残るが本実験では痕跡程 度しか検出できなかった.したがって廿簾梢頭部中のフ ェノール性物質の存在量は極めて少ないものと雑擦され る.鍬塚aが展開剤として採用したもののうち分離能が もっとも良い20%KClおよび柴田2)の、-クレゾール: 酢酸:H20(50:2:48)を本実験の展開剤として使用し た.吹きつけはジアゾ試薬およびFeC13エ%メタノー ル溶液を使用したがジアゾ試薬の方が呈色は良かつに (第1表及び第2表参照). 第ユ表フェノールカルポン酸のRf値と呈色 (20%KC1)展開,ジアゾ試薬発色 Rf値呈色 A:lsovanillicacidO,4燈 B:P-cumaricacidO34赤 C22-hydroxy-3-methoxy-phenyl-acetic acidO83紫 D:VanillicacidO・59燈 E:FerulicacidO83赤 F:SyringicacidO・5赤 G:GallicacidO5黄 H:Caffeicacid l:Unknown O62紫 J:3,4-dihydroxy-propionicacid0.52黄 K:ProtocatechuicacidO,86褐 L:P-hydroxy-phenylaceticacidO64黄 第2表フェノール性化合物とフェノールカ ルポン酸のRf値と呈色(m一クレゾ ール:酢酸:H20=50:2:48 展開,FeC18発色 Benzoicacid Catechol Cinnamicacid Coumaricacid Gallicacid m-Hydroxybenzoicacid p-Hydroxybenzoicacid Orcinol phloroglucinolcarboxylic protocatechuicacid pyrogallol HydroqUinone Resorcinol B-Resorcylicacid Salicylicacid Vanillicacid phloroglucinol ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 『I-234B6789mun週皿巧砠Ⅳ

黒黄榿灰黄黄灰灰鍬澱灰灰紫紫褐灰

淡 黄 外間')が20%KC1を展開剤として用いてジアゾ試薬を 吹きつけて得た標品のRf値および呈色(第1表)や柴 田圏>のm-クレゾール系展開剤,FeC13発色剤によるフ ェノール類のRf値および呈色(第2表)を本実験で得られ たペーパークロマトグラフィーの結果と比較検討した. 第2表のPhloroglucinolcarboxylicacidのRf値 および呈色と一致するスポヅトがクレゾール系溶媒を展

開剤としFeCl3発色剤を吹きつけて検出されたが二次

元法では消失した.第ユ表のBおよびDに示されている Rf値においてはいくらかの相違があるが呈色が一致す る2つのスポットが二次元法クロマトグラム(20% KC1において検出された. したがって第2図CにおいてRf値0.32のスポットは p-cumaricacidまたRf値0.53のスポットはVanilic acidか,あるいはそれらの類似化合物であろうと推察

される.これらの2つのスポットについてはさらに追求

しなければならない.他のスポットについては第ユ表,

第2表中に示されているフェノール性化合物のRf値と

呈色に相当するものは検出されなかった.20%KC1ク ロマトグラムにおいて二次元展開の場合が一次元展開よ りRf値が無視できない程(約0.1)大きくなっている がそのことは二次元法が一次元法よりも共存物質の影響 が小さいことに起因していろと思う。 Takeiは廿蕨糖蜜中からSyringicacidを分離してい るが本実験においてはSyringicacidに相当するスポッ トは検出されなかった.

(5)

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