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行動空間療法の体系化に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)Title. 行動空間療法の体系化に関する研究. Author(s). 後藤, 守; 小笠原, 詠子; 後藤, 恵美子; 福原, 真理子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 34(2): 77-86. Issue Date. 1984-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4935. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 行動空間療法の体系化に関する研究. 後藤. 守o小笠原詠 子り後藤恵美子。福原真理子. 1. 問題の所在 障害児の集 団指導の中 でわれわれが採用してきている行動空間療法は 日常の臨床実践の中 でわ , れわれが体系化を進めてきているものである (後藤o宮嶋 1 0;後藤。福原・佐藤, 1982 ) , 98 。 この 行動空間療法が, さらに意味ある指導理念を生み出すためにはこの方法による 臨床的 資料をていね いに蓄積すると同時に, それらの素資料をこの療法の趣 旨にそって解析する方法が開発される 必要 があろう。 この点にかかわっ て われわれは行動空間分析法の開発を検討中である (小笠原・後藤 , , 198 3;後藤・小笠原・後藤・福原, 1 98 3;小笠原, 1983 ) 。 行動空間療法による集団指導の関係的様 相は, これま でにも行動空間分 析法により集 団指導の臨床的資料を縦 断的に分析し 検討す るとい , うかたちで得ら れてきており, この分析法の有用性が確かめられてきている その意味では 行動 . , 空間分 析法の存在は行動空間療法による指導の精度を高める上 で役立つ方向にあり 相互 的な関係 , に あ る と い え る.. 行動空間療法は, 時間と空間を他者と共有 する中 で生起する行動を重視し その行動が生起 しや , すいような場を設定していくところに力点がかけられている また セラピスト集団の中にチーフ 。 , セ ラ ピス ト を お き, そ の チ ー フ セ ラ ピス ト に は セ ラ ピス ト集 団 の 動 き を 統 御 し かつ 子 ども と の , ,. かかわりの中で全体の活動の流 れを方向づけ 凝集化させ より密度の高い行動空間 が構成される , ,. よ う な 展 開 が 要 求 さ れ て い る し た が っ て こ の 行 動 空 間 療法 では Communi i cat veSpace(以 下, 。 , ,. Co 空間という)と名づけられたプレイ ルー ム中央にある舞台上の空間が集団の構成メンバーに どの. ようなかたち で活動の場として位置づいているか また チーフセラピストを軸とした行動の流 れ , , にそって, いかなる関係行動がなさ れているか が焦点となっている 。 行動空間分 析法においても, これらの行動空間療法の基本枠をふまえ 「行動を流 れにおいてとら , えること」および, 「関係的脈絡の中で子どもの表出行動をとらえる こと」のふたつが分析の枠組と して設定されている。 すでに, この分析の枠組を通して実際に 行動空間 療法に基づく 集団指導が , 縦断的に分析され, 検討がなさ れてきており その結果つぎのふたつの仮説がひきだされてきてい , る (小笠原, 19 ) 83 .. まず, 第一の仮説は, セラピスト群の行動空間の軌跡に関するものである すなわち 臨床資料 。 , の分析結果から指導 の流れの中 で活動の比重が最も多くかけられているところが RoundSpace(以 下, Ro 空間という)と名づけ られた舞台周辺部にあるという推定がなさ れていることである この . 点においてはセラピスト群 障害児群とも共通の傾向として指摘さ れている 但し Na Space i t v e , , 。 (以下, Na空間という)と名づけられているプレイ ルームの壁ぎわ部分の空間への動きという点に おいて, 両群に特徴的な差異がみられている 障害児群の場合 行動空間療法の立場から 直接指 . , , 77.

(3) . 後藤. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子. 示し, 障害児の行動を統御するなどの 直接的制 限がかけられておらず, その結果, 自然な形で障害 児た ちの Na 空間での活動が観察されている. これに対 して, セラピス ト群の場合, 障害児群と同 様 に Na 空間へと行動空間を移行させておらず, むしろ, Ro 空間で活動 を展開し続けている様相 が観 C 察 さ れて い る. こ れ ら の こ と か ら, セ ラ ピス ト 群 の 場 合, チー フ セ ラ ピス ト の 動 き と 対 応 し, o 空. 間での活動への志向があり, 仮りに, 子どもが Na 空間に移動しても Co 空間と子どものつな ぎに入 るというか たちで Ro 空間に位置するという傾向が強いということが仮説として考えられる. 第 二の仮説は, 関係カテ ゴリーに関する分析から出てきている. われわれは, これまで, 集団場 面における個々 のメンバーがどの程度有機的に他のメンバー (他の子どもやセラピス トたち) とか. かわりを有しているか, あるいは プレイ ルームの中にある遊具などをどの程 度行動の中に組み入 れ る (後藤・小笠 ているか を明らかにするために関係カテ ゴリーの設定に関する検討を進めてきていr ら た三者の かかわりか , 関係行動 の構成度 ) 原・後藤・福原, 1983 . これは本人と相手と遊具といっ を決定し, それを軸として, 本人の関係行動の相様を把握するものである. 行動空間療法の場合, 「構造化された場の構成」 という 観点から 「物理的な場の構 成」 や 「遊具の選択」 に力 点がかけら. れている. つまり, 時間と空間を他者と共有するなかでの物とのかかわりを重視しており, この対 物関係 系のひろがりを通 して人とのかかわりがさらに広がるという基本的なおさえをしている. こ の側面 から, 時間軸にのせて, 関係行動 の プロフィ ールをみると, 物を介在させて他 者とのかかわ りをもっという最も構成度の高 い関係カテ ゴリー1型へは, まず, 物とのみかかわりをもっという 工a 関係カテ ゴリーV型をベースとして, その物をもっ たかたちで他者とか かわる関係カテ ゴリー1 型に移り, そこから, 関係カテ ゴリー1型へ移行するという連関が推察される. つまり, 関係カテ la 型→1型というかたち で進行するということが仮説的に考えら ゴリ ー1型への 移行は, V型→1 れるわけである. 従っ て, 指導の成熟にともない関係カ テ ゴリー工型の関係行動が主体と なること が予想されるわけであるが, そのためにはベースとなる関係カテ ゴリーV型の増加がひとつの示標 になるように思われる. 一方, 関係カテ ゴリーV型の増加は, 物とのかかわりの ない状態に ある本 lb型と関係が 人が, 物とのかかわり を有して いるところの相手とかかわるという関係カテ ゴリー1 la型 深いように 思われる.つまり, 臨床場面の展開の中から,特にセラピス ト群の関係 カテ ゴリー1 とから これらのこ , は子どもの側の関係カテ ゴリーV型の形成に 大きく貢献していると考えられる, と b型→V型→1 工a型→1型となるこ ゴ 1 工 リー型の推移は 主たる関係カテ 指導の成 熟にともない, が仮説と して考えられよう. 本研究では, 以上のふたつの仮説をふまえたうえで, セラピス ト集団と障害児集団が, 行動空間 療法に基づく相互的なかかわりの展 開の中で, いかなる 形での関係行動の様相を示すか を行動空間 と関係カテ ゴリーの両側面か らの素資料を統計的に 解析する中 で明らかにしていきたい. 行動空間 においては, セラピスト集団と障害児集団が, 前述した 各行動空間をどのよう な軌跡をもっ て行動 しているか を両群の資料を比較検討する中でその特 徴的傾向 を浮きぼりにしていきたい. 関係カテ ゴリーにおいては,最も構成 度の高い関係カ テ ゴリー1型に焦点をあて,その前後の関係カテ ゴリー との連関の中 で両群の特徴的差異を明らかにしたいと考える. また, さらに, 異なる指導 グループ の分析資料ともつきあ わせることによ って, 行動空間療法による指導の特徴的傾向の一貫性を検討 し た い.. 78.

(4) . 行動空間療法の体系化に関する研究. 2. 方. 法. 1 ( ) 分析対象集団 分析対象集団は 札幌近郊の障害児センターに通園する障害幼児およびセラピストから構成されて いる。 今回, 分析の対象となっ た臨床グループはつ ぎのふたつ である. A グループは, 幼 児5名, セラピスト4名の合計9名から構成されている。 一方, B グ ルー プ は, 幼 児 4名, セ ラ ピ ス ト 4名 の合計8名から構成されている. 子どもの年齢は録画時において,A グルー プの場合3歳11カ月か. ら4歳9カ月 で, 平均年齢4歳4カ月, B グルー プの場合4歳3カ月から5歳1カ月 で, 平均年齢 4歳9カ月 である。 指導対象の子 どもは, いづれも言語発達の遅れを主訴として来所した子どもた ちばかりである. 但 し, 聴覚, 視覚および運動機能面に障害をもつ子 どもは含まれていない. プレ. イ ルームでの指導は前述の行動空間療法により行なわれている。 ( 2 ) 資料の収集の仕方と録画期日. 資料の収集は図 “こ示したように, 第3象限の隅に広角レン ズのとりつけられたビデオカメラを 設置して プレイ ルーム全体を一視野に 入れるように工夫し, 毎回の指導をビデオコーダ一 により録 画するという方法により行なわ れた.. 分 析資料の録画期日は, A グループの場合, 第1回目昭和5 7年11月 8 日, 第2回目同年1 2月10. 日, B グルー プの場合, 昭和5 8年2月 24 日 で あ る. . 観察室. . Na Ro 2. Co. 註1. 図中のCo ,Ro , Na は, 以下の 略号である。 Co:Co i i t l mm l un ca ve space. l. Ro:RoundSpace i Na:Na t ve Space. 3. . ◆オカメラ ビテ. 註2, 図中の数字(1~4 )は各象限を示 す。. 図1. 行動空間. ( 3 ) 分析方法 録画された資料をビデオコーダ一により再生して分析していくわけ であるが, その際に, 5秒毎 に遂-, 再像を静止させその5秒における分析対象者の関係カテ ゴリーの型および空間の位置 (行. 動空間) を確定する. 関係カテ ゴリーは, 関係カテ ゴリー1型から関係カテ ゴリーV I型ま であり, ゴ 関係カテ リー1型から構成度の高い順序になっている。 以下に, 各関係カテ ゴリー型の概要を示 す (詳細については, 後藤o小笠原・後藤・福原, 19 83を参照されたい) . 関係カテ ゴリー1型;本 人が遊具を介在させ て相手とかかわる. 関係カテ ゴリー工 la型 ;本人が遊具を有して相手とかかわ る. 関係カテ ゴリー1 lb 型;本人が遊具を有する相手とかかわる. 関係カテ ゴリー1 1 1型 ;本 人が遊. 具を介在させず相手とかかわる. 関係カテ ゴリーI V型;本人の有する遊具が相手とかかわり, 本人 と相手はかかわりがない.関係カテ ゴリーV型;本人が遊具とのみかかわる。関係カテ ゴリーV I型; 79.

(5) . 後藤. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子. 本人のみの活動をする. 行動空間は図1のような12空間から構成されている. まず, プレイ ルーム i ive Space (以 下, Co 空 間 と い う) と名 づ け ら れ て い る. こ の Co 空間 中 央 の 空 間 は Commun cat. 244cm ×244cm) と そ の 上 に の せ ら れ た 直 径 180cm の は, 約25cm の段差のある正方形の舞台 ( R 円い舞台から構成されて い る。 一方, oundSpace (以 下, Ro 空 間 と い う) は, Co 空 間 をと り か iveSpac e(以下, Na 空間という)の分割線は, セ こ む よ う な 形 で 分 割 さ れ て い る. Ro 空 間 と Nat ラピスト グループによる臨床的観点よりなされている. さらに, この3つ の空間に明細度をもたせ るために座標軸のような形で4つ の象限を入れ, 合計12空間に分割されている. なお, プレイ ルー. ムの広さは, 縦8 m, 横8 m である. 各行動空間の確定に際 しては, 5秒間の中で最も 構成度の高 い関係カテ ゴリーが表出した位 置が, その分 析単位内の代表 空間として採用され記録される. 6分 35 秒 で あ る こ と か ら メ ン バ ー 毎 に そ れ ぞ れ 199 コ 分 析時間は, A グループの第1回 目が1 6分5 0秒 マ, 第 2 回 目 が 16分 20 秒 で 196 コマずつの分析資料が作 られる. 一方, B グループは1 で202 コマの分析資料が作 られる. なお, 分析にあたっ ては, 1名の分析者が全ケースを通すかた. ちを採用する.. 3. 結果と考察 1 ( ) 関係カテ ゴリーによる分析結果から 表1は, 各グルー プにおけるセラピス ト群と障害児群の指導時間内における各関係カテ ゴリー型 の集計結果と, 両群における各関係カテ ゴリー型の分布差の検定の結果をまとめたものである. こ れをみると, A グループの第1回目の分析結果では, セラピスト群と障害児群の関係カテ ゴリー型 の分布において, 5%水準 で有意な差があるという結果となっ ている. 両群の関係カテ ゴリー型の 内訳をみてみると, 両群の関係カテ ゴリー分 布の特徴的な違いがみえてくるように思われる. 第1 回, 第2回共に遊具 を介在させて人とのかかわりをとる関係カテ ゴリー1型が優位であるという 点 では両群共通であるが, その関係カテ ゴリー1型をささえていると仮説的に考 えられている関係カ. テ ゴリー型の分布をみると両群の特徴差が浮きぼりにされるように 思われる.セラピスト群の場合, 表1. 各 グルー プにおける両群の関係カテ ゴリー 型別集計およ び検定結果. 関 カテ ゴリー型 \瞭 \ ー t \ \ 1. \\\ \ \ 指導 グループ \ 分析対象 A グノレ 、 一プ. (第1回). A グノレー プ. (第2回). ・ 一プ B グノレ. セラピスト群 障 害 児 群 セラピスト群 障 害 児 群 セラピスト群 障 害 児 群. I. 1 la. 1 lb. 1 1 1. W. ‐ W. 404. 159. 24. 45. O. 145. 19. 401. 82. 154. 42. O. 182. 134. 326. 167. 21. 46. O. 208. 16. 360. 101. 77. 40. O. 294. 108. 416. 124. 7. 26. O. 228. 7. 397. 54. 71. 30. O. 153. 103. 0) (5 20 ( 50 8) ( .7) . .0) (3. 2) 15 2) ( ( 40 .5) (4. .3) (8. 3) (2 (41 6) (21 ,9) .7) (5 . . 10 ( 36 .9) (4 .1) .7) ( .3) (7 2) (5 1, 5) (15 3) (0 .9) (3. . ( 49 7) (8 . .8) (3.7) .1) (6. (註). 80. V. ( )内は% X2検定 結果. 18. ( 2) (2 .4). *. 13 (18 .5) .3) ( ( 26 .0) .5) (2. * **. 11 (30 0) ( .0) .. ( 2 9) (0 8. .9). ** *. 12 ( 18 9) ( .7) .. * 5%水準で有意 ** 1%水準で有意 *** 0.5%水準で有意.

(6) . 行動空間療法の体系化に関する研究. 関係カテ ゴリー1型と共に高い割合を占めているのは, 構成度の高い関係カテゴリー1 型へ移行す るのに ベースとなると仮説的に考えられている関係 カテ ゴリーV型(第1回目1 8.2%,第2回目 26. 5%)と, 同様に関係カテ ゴリー1型 へ能動的に移行するために重要な役割を果すと思 われる関係カ la 型(第1回目20 テ ゴリー1 .0%, 第2回目21 .3%) である。 つまり, セラピスト群の場合, 遊具 とのかかわりをとる関係カテ ゴリーV型, 遊具をもったうえ で人とかかわるという関係カテ ゴリー. 1 la 型および, 遊具を介在させて相手とかかわりをもつ関係カテ ゴリー1型の割合が高く いづれ , の型も対物関係系を内包している点に特徴がある これら 3 つ の 関係 カ テ ゴリ ー 型 に よ っ て 全 カ 。 , テ ゴリーのほ ぼ90%(第1回目89 .0%, 第2回目89 .4%)が占められている。 特に, 関係カテ ゴリー 1 la 型の割合は 障害児群と相対的に大きな違いをみせており 両群の関係カテ ゴリーの分布 の差を , 物徴づける大きな要因となっ ている。一方,障害児群の場合,関係カテ ゴリー1型(第1回目 40 3% . , ゴ 第2回目36 関係カテ リーV型( 第1回目1 % ゴ 8 3 第2回目3 0 % 0 ) 関係カテ リー1 lb .7%) , . , , , 型(第1回目15,5%, 第2回目7. ゴ 9%) および関係カテ リーV I型(第1回目13.5%, 第2回目11. , 0%)の割合が高い。 特に, 遊具とも人ともかかわらずに活動する関係 カテ ゴリーV I型と, 遊具との かかわりを持たずに人とのかかわりをとる関係カテ ゴリー1 lb型がセラピスト群におけるそ の割 合よりも多く, 両群の関係カテ ゴリー型 の分布傾向の差異を示 す背景となっている 以上のこと を 。 総合的に見てみると, セラピスト群と障害 児群は, 関係カテ ゴリー1型 関係カテ ゴリーV型 があ , る程度高い割合を占める点では同様の傾向をもっ ているが 仮説として提示した関係カテ ゴリー1 l , , セラピスト群 では関係カテ ゴ リ ー1 la 型による関係行動の割合が障害児群と比べ特徴的 であるのに対して 障害児群 では関係カ , テ ゴリー1 lb 型と関係カテ ゴリーV I型による 関係行動の割合がセラ ピスト 群と 比べ相 対的に高い. b 型 → V 型 →1 la 型→1型 の図式に対応させて考察を進めてみると. 割合を占めており, 関係カテ ゴリー1型へ移行するための各カテ ゴリー型の連関が十分にととのっ ていないことが推定される。 セラピスト群の場合, チーフセラピストの動きや場の流れを意識し , 構成度の高い関係カテ ゴリー1型への志向が働き, 特に遊具を媒介とした対物関係系を軸としての 安定したかかわりを背景として, 行動が展開している。 これに対して, 障害児群の場合は セラピ , スト群の関係カテ ゴリー1型志向の動きに支えられて関係カテ ゴリー1型の関係 パター ンをとっ て いるように 思われる。 つまり, 障害児群の場合, セラピストのかかわりに支えられて遊具との安定. したかかわりをも っという側面と同時に, 関係カテ ゴリー1 lb型, 関係カテ ゴリーV型の数値から 指摘されるよう に遊具とのかかわりの不安定さをも もちあわせており 関係カテ ゴリー1型へ移 , , 行する際には相手 (とりわけ, セラピスト) からのかかわりを必要とするかたちをとっ ていること が強く推定される。 この傾向は, 1カ月の指導時間を挿入した A グループにおける1回目と2回目 の (この期間に合計1 6回の行動空間療法に基づく 指導 (各回4 5分) がなされている) 障害児群の 関係カテ ゴリー型の推移 を比較検討することによってより明らかになるように思われる 各回の関 。 係カテ ゴリー型の比較 を表1の資料に基づいて 見てみると, 障害児群の特徴的傾向として指摘され. て い る 関係 カ テ ゴ リ ー1 lb 型, お よ び関係 カ テ ゴ リ ーVI型 の割 合 が, 関 係 カ テ ゴリ ー1 lb 型 では 15. ゴ 5%から 7,9% へ, 関係 カ テ リ ーVI型 は 13.5% か ら 11.0% へ と 減 少 の 方 向 に ある こ れに 対 して, 。. 関係カテ ゴリー1 la 型およ び関係カテ ゴリーV型はむしろ増加の方向にあり 関係カテ ゴリー1 la , 型 では 8.2% か ら 10.3% へ,関係 カ テ ゴ リ ー V 型 では 18 3% か ら 30 0% へ と 関係 カ テ ゴ リ ー 型 の 比 . .. 重の移行が認められている。 これら障害 児群内の関係カテ ゴリー型の推移については統計的に有意 な差に至っていないが, 指導が進行する中で, この傾向が強く 浮き ぼりにされるものと思われる 。 今後, 横断的およ び縦断的に臨床資料を集積するなかで, さらに 関係カテ ゴリー型の相互の連関 , に つ い て 明 ら か に して い く 必 要 があ ろ う 表 1 の B グループの資料はその点を意識して 資料化し 。 , 81.

(7) . 後藤. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子. た も の であ る. 表 1 の B グループの両群の関係カ テ ゴリー型の分布を A 群と同様に, 差の検定をし. たところ,0.5%水準 で有意な差が認められており,その分布傾向は A 群と同様の傾向を示すもので 51 あった. つ まり, セラピスト群は, 対物関係系を内包した関係カテ ゴリー1型( .5%) , 関係カテ ゴ リー型が優位であるの la 型 ( 15 ゴリーV型 ( 28.9%) .3%) の関係カテ , および関係カ テ ゴリー1 ゴ 18 ゴ % ) リー工型 ( 4 1 9 関係カテ 障害児群は に対して, , 関係カテ .9%) . , 関係カテ リーV型 ( , また lb型 ( 8.8%) の割合が高い. ゴリーVI型 ( 12.7%) および関係カ テ ゴリー1 , 両群を比較して ゴ 型 係 カ テ ゴリ ー V 型 の 関 リー1 l a 関係カテ A セラピスト群の場合 果と同様 みると, 群の結 , , , lb型, 関係カテ ゴリーに特徴的な分布傾向をもち, 一方, 障害児群においては, 関係カテ ゴリー1 関係カテ ゴリーV型にその特徴的傾向 が認められている. 関係カテ ゴリー1型は両群とも高い割 合 を占めているが, すでにふれたように障害児群の関係カ テ ゴリー1型は, 他者とりわけセラピスト とのかかわりのなか で支えられている側面が強いように思われる. そこ で, ここではさ らに, 関係 カテ ゴリー1型を中心とした 分析を通して両群の関係行動の特徴的傾向をみてみよう. 表2は, 中核となる関係カテ ゴリー1型の背景に ある関係カテ ゴリー型の様相を浮きぼりにする という観 点から, 指導時間内における関係カテ ゴリー工型を抽出し, その前後の関係カテ ゴリー型 と対にし, それをひとつの単位と してタイ プ別にしたものである. さらに, この関係カテ ゴリー1 型とその前後の関係カテ ゴリーから構成される 単位 (以下, 1型ユニ ッ トという) は, 前後の関係. カテ ゴリー型が対物関係 系 (ここでは 遊具の有無) を有しているかどうかで5つの類型に 大別され る. す でにふれたように, 行動空間療法は物とのかかわりを重視していることから, 関係カテ ゴリー 1型の前後の関係カ テ ゴリーの遊具の有 無は, その時の関係カ テ ゴリー1型の質と 深い関係 がある ように思われる.す でに表1 でふれたように,セラピスト群と障 害児群の活動主体は関係カテ ゴリー 工型であるが,ここでは 上記の視点から関係カテ ゴリー1型の質の違いについても考察してみたい. 表2の数値 をみると, A グループの第1回目の場合, セラピスト群は, 「遊具あり→1→遊具あり」 4.5%と多く, 次に 「遊具あり→ 1→遊具なし」の1型ユニットが19.7% の工型ユニ ットの割 合が5 が高い割 合を占めている. 一方, 障害児群では, 「遊具あり→1→遊具あり」の1型ユニ ットが40. 6%と多く, 次に「遊具なし→1→ 遊具なし」の1型ユニ ッ トが27.5%と多い. A グループ第2回目 において は, セラピス ト群の場合, 第1回と同様の傾向にあり, 「遊具あり→1→遊具あり」の1型 ユ ニ ッ ト が 66.7% と 多く, 次 に「遊 具 あ り → 1 → 遊 具 な し」の 1 型 ユ ニ ッ ト が 17.2% と な っ て い る.. 同様に, 障害児群において も, 第1回目とほぼ同様の傾向にあり, 「遊具あり→1→遊具あり」の1 型ユニ ットが38.1%, 「遊具なし→1→ 遊具なし」 の1型ユニ ッ トが25 .7%であるが, 第2回目に %と割合が多くな っているのが特徴的 おいては,「遊具あり→1→ 遊具なし」の1型ユニ ットが21,9 傾向として指摘される. A グルー プの第1回目と第2回目の分析資料を比較してみると, セラピス ト群の場合, 1回目, 2回目とも 対物関係系を内包した関係カテ ゴリーが関係カ テ ゴリー1型の前 後にあり, セラピスト群の特徴的行動傾向として指摘されている. すなわち, セラピス ト群の場合, 遊具をもったかたち で関係カ テ ゴリー1型へ移行する傾向が非常に強く, また, 関係カテ ゴリー1 型から他の関係カ テ ゴリーへ移行する 時も遊具を持っている傾向が強いことが指摘される. この傾 向は, 1ケ月後の第2回ではさらに 強くなっ ている. 一方, 障害児群では, 「遊具あり→1→遊具あ り」 の1型ユニ ットの割合が4割程度あり, 遊具を持っ て関係カ テ ゴリー1型へ移行する行動傾向 も指摘され得るが, セラピスト群のそれよりも 割合としては下ま わりっている. むしろ, 障害児群 の場合, 「遊具なし→1→遊具なし」の1型ユニッ トの割合がセラピス ト群に 比してかなり高く, 特 徴的傾向として指摘される. しかし, 1カ月の指導経過後の第2回目の分析資料では,「遊具あり→ 1→遊具なし」 の1型ユニッ トの割合が増加傾向にあり, 遊具を持っ て関係カテ ゴリー1型に移行 82.

(8) . 行動空間療法の体系化に関する研究. S. 表2. 各 グルー プにおける両群 の1型ユニ ッ ト別集計表. 遊具あり→1→ 遊具あり. 1 1 日 I. 1 l a. 励. V. V. I. I. I. V. 珠. V. 小 計. 遊具あり→ 1→ 遊具なし . l a I 1 l b. ( )内は% 遊具なし→ 1→ 遊具あり. 島. 焦. V. I. V I. V. 1. 1. I. 皿. W. 島. m. W. 小 計. 1 1 b l 1 1 0. 品. m. m. W. W. I. l. I. I. I. V. 恥. V. 島. V. 十 小 計川. ^ U 1 1 7 8 1 0 3 A 6 5 3 2 2 0 I 1 3 3 I 3 I I 9 グ ′ セラピスト群 ( )( )( 1 6 1 0 6 1 2 )( 7 1 1 )( )( 5 2 5 4 )( 5 7 6 ( 3 0 ) ( ) 4 ) 3 0 ( 1 ) ( ) 5 1 9 ( ) ( ) 5 7 4 1 ( ) ( ) ( 5 5 4 1 1 )( 5 5 5 1 ) 3 6 , . , , , . , U . , ^ , , , , , ^ , U , , ル fプ ( 第 6 6 7 9 2 8 I I 3 I 2 8 4 I I 3 2 1 1 障害 児群 1 ( )( )( 8 8 1 0 )( 7 7 1 1 3 0 )( 4 0 )( 1 6 4 )( 1 ) 4( 4 3 ( )( 1 4 )( )( 2 9 1 1 6 )( )( 5 8 1 4 1 4 ) ( 4 )( )( 3 2 ) 9 1 , , . 5 9 , , , , , , . , , , , . . , 回) 1 7 1 3 1 5 1 9 6 4 6 4 5 2 I 3 2 1 7 2 4 I 3 3 2 0 計 ( 1 2 )( )( 6 9 6 I LI )( )( 1 4 1 4 4 )( )( 7 4 1 )( 3 1 )( )( 3 0( 7 5 0 2 )( )( 7 2 1 5 )( )( 6 5 2 1 )( )( 5 3 0 0 2 )( 7 2 2 )( 1 2 4 ) , . 8 , . , . , , , , , , , , , . , , 2 5 1 6 1 0 1 A 1 6 2 3 1 0 0 I 2 0 1 6 I I 5 I 0 2 1 0 ピ セ ラ ス ト 群 グナ ( )( )( )( 2 6 9 1 2 1 7 0 8 1 1 )( )( )( 8 6 6 7 3 2 1 ) 0 8 ( )( ) 1 1 2 ( 2 1 )( )( )( 7 2 1 1 1 1 4 )( 1 ) ( )( 5 1 2 2 ) 1 0 8 , , , . , . . , , , , , , , , , ル … 4 1 3 1 1 1 2 4 0 7 2 ー( ・ 第 プ害 2 5 3 4 2 3 6 6 I I 0 I 1 5 障 児群 2 ( )( )( 3 8 1 2 4 1 )( 0 5 1 1 )( )( 4 3 8 1 )( 6 7 1 )( )( 9 1 9 4 8 )( 2 )( 9 3 8 )( 1 )( )( 2 9 5 7 )( 1 )( ) 5 0 1 0 ( 7 1 )( 0 1 4 ) , , 3 , , , , , , . , , , . , , , , , 回 2 9 2 9 2 1 2 3 1 1 0 2 0 1 2 2 6 5 4 3 9 7 7 6 2 0 3 2 5 計 ( 1 )( )( 4 6 1 4 6 1 0 )( )( 6 1 1 6 5 1 5 )( 1 )( 5 6 1 )( )( )( 1 0 3 0 )( )( 2 5 2 0 )( )( 1 9 3 )( )( 7 5 3 5 3 0 1 ) ( )( 0 1 1 ) 5 2 6 . , , . , , , , , . , , , , , , , , 2 6 1 8 1 0 1 B 3 6 2 7 5 0 0 I 2 1 0 I 0 5 I 0 I 8 セ ラ ピ ス ト 群 グ十 ( )( 0 )( 2 8 9 2 0 1 1 1 )( )( )( 1 4 4 4 4 )( 7 2 2 ) 5 6 ( 1 )( ) 1 2 )( )( 1 1 2 1 1 ( )( 1 ) 5 6 1 1 { 1 1 )( ) 8 9 , , , , , , , , , , , , . , , ル 7 5 8 2 6 7 I 2 4 ー ・ 障害 児群 6 0 3 1 7 5 4 0 0 I I 1 1 プ ( )( )( 7 1 8 )( 3 5 9 )( ){ 9 5 3 1 0 )( 8 3 1 2 )( ) 2 4 4 8 ( )( ( 3 2 )( )( 1 )( ノ( 6 0 2 5 9 4 ) 2 8 )( 1 ) 2 1 3 1 , , . . , , . , , . . , , , , , 3 2 2 5 1 5 2 1 9 3 9 6 2 4 I 5 2 7 6 4 5 I I 2 1 9 計 ( )( )( 1 8 4 1 4 )( 4 8 6 1 2 )( )( 1 5 3 4 )( )( 5 2 3 4 )( 1 1 2 3 )( 0 )( 6 2 9 )( 1 )( )( 2 5 5 3 4 2 )( 9 )( )( 3 0 6 )( )( 0 6 1 1 ) 1 0 9 , . , , , . . , . , . , . , , , , , .. i S. 遊具なし→1→遊具なし. 脆. n. n. 川. 皿. 1. l. I. l. 鳩. 皿. W. n. その他 小 な. 工. W I. m. W. 計. W. W. 1. m I. 1. 皿. W. n. し. V 十 1 l b T ▲ l. 1 l a T ▲I I V 十W. な ^ U 0. m W T ▲I. 小. 総 計. 計 し. ^ U^ U ^ U^ n ^U VY 0 4 A 0 I 5 I 0 I I セラピスト群 グ ( ) 6 1 ( 1 ( )( 5 7 6 1 ) 5 ( 1 )( 1 5 5 , , . , , , ル( 第 甲 ^ U ハ U ープ 障 害 児 群 7 2 2 2 I I 2 2 1 9 I I 0 0 I 1回 ( )( 1 0 1 2 )( 9 2 2 )( 9 9 1 4( 1 )( ノ( 4 2 ) ( )( 9 29 ) 2 75 ( )( 1 4 1 ) 4 ( 1 4 , . , , , , , , . , ^ U. , 7 6 2 2 I 2 2 2 2 4 I I I 0 I 2 計 ( 5 2 )( 41 )( )( 22 2 )( )( 2 07 )( 22 22 ) ( )( 22 1, )( )( 8 0 0 ){ ) 7 7 0 ( )( 7 0 7 2 2 , . , . . . , ^ U, , ^ U, , , ハ U, 7 I I A I I 0 I 5 0 0 0 0 0 0 セラピスト群 グ ( ){ LI 1 ) ( 1 1 )( 1 ( )( 1 1 1 ) l 5 4 iU . , . . , ハ ル 9 5 4 3 I 第… I 0 4 2 ・ (ー障 7 0 0 0 0 0 0 害 児 群 プ2 ( 8 )( )( )( 6 4 8 2 )( 3 8 9 1 ) 0 ( 1 ) 0 ( 38 )( ) 2 57 , , , . , . ハ V, , 回 9 6 5 3 2 I I 5 3 2 0 0 0 0 0 0 計 ( 4 5( )( 3 0 2 )( )( 5 15 )( 10 0 )( 0 ) 5 5 ( )( 25 ) 1 62 , , , , . ^ U, , ハ U^ U{ n, U , } 0 0 B 0 I I 2 0 0 2 I 0 0 セ ラ ピ ス ト 群 グ ( 1 1 ) ( 1 )( 1 ) 2 2 ( )( 2 2 1 1 ) , , . , , ル ・ ー障 ・害 児 群 5 4 5 3 I 2 2 I 5 2 8 0 0 0 I I 0 プ ( )( )( 5 9 4 )( )( 8 5 9 3 1 )( 6 2 )( )( 2 4 2 4 1 )( 2 5 )( ) 9 3 3 3 ( 1 )( ( 2 1 2 ) , , , , , , , . , , . , 5 4 5 3 2 2 2 I 6 3 0 0 0 2 2 I 0 計 ( )( )( 2 9 2 )( ){ 3 2 1 9 7 1 1 )( 1 )( )( 1 1 1 )( 0 6 )( 3 4 1 ) 7 2 ( 1 1 )( 1 1 )( ) 0 6 . , . , , , , , , , , , ,. n U 3 6 6 ) 1 0 0 o ( 45 ) ( , ^ U, 3 6 9 ( ) { 4 3 1 ) 0 0 0 , , 0 6 1 3 5 ( 4 1 ) ( 1 ) 0 0 0 , , 0 0 9 3 ( ) 1 0 0 0 , 0 0 1 0 5 ) ( 1 0 0 0 . 0 0 1 9 8 ( ) 1 0 0 0 , 0 3 9 0 ( ) ( 3 3 1 0 0 ) 0 , , 0 2 8 4 ( ) ( ) 2 4 1 0 0 0 . , 0 5 1 7 4 ( ) ( ) 2 9 1 0 0 0 , ,. するという安定した1型ユニ ッ トへの動きが認められている この傾向は 「遊具あり→1→遊具あ 。 , り」 の1型ユニ ットが主体のセラピスト群と質的に近い関係カテ ゴリー1型の活動をしてきている. ことを意味していると考えられる。 しかしながら, 「遊具なし→1→遊具なし」の1型ユニ ッ トの割 合がセラピスト群よりもかなり高いことからみて, まだ十分 安定した1型ユニ ットを構成する段 , 83.

(9) . 後藤 表3. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子. 各 グルー プにおける両群の1型ユニ ッ トの類型の 組み合せによる検定結果. \\\\ \ 覇 --\きせ三二ご. 1托 型 ユ ー ツ ト の難ー型 の 糸 阻み合せ (遊具あり → 1 → 遊具あり)×(その他の類型). (遊具あり → 1 → 遊具なし)×(その他の類型) (遊具なし → 1 → 遊具あり)×(その他の類型) (遊具なし → 1 → 遊具なし)×(その他の類型). A グノレ ・ 一プ. B グループ. 第1回. 第2回. S N, . N.S .. ***. ***. S N. .. S N. . S N, .. N.S , N. S .. ***. ***. ** *. (註) *** 0.5%水準で有意 S N. .. 有意差なし. 階には至っていないことがわかる. ところ で, この行動空間療法に基づく指導の展開が, 構成メン バーの異なる B グループにおいてはどのよう な1型ユニ ッ トの構 成としてあらわれてくるもの で あろうか. 表2の B グループの分析資料 をみると, A グループと同様セラピス ト群は,「遊具あり→ 1→遊具あり」の1型ユニッ トを軸と した活動が主体で74 .4%の割合を占めており, 障害児群も「遊 多く3 3.3%の割合に達 している。 セラピスト群 具なし→1→遊具 なし」の工型ユニ ットが特徴的に の1型ユニ ッ トの構成の様相は A グループのそれと極めて似た構成となっ ている。 この傾向は, 行. 動空間療法における一貫した指導の特徴としてみることができよう. 表3はさらに, この1型ユニ ッ トの特徴を明確に するため分析資料を統計的に 処理してみたもの. である. ここ では, 表2の資料に 基づいて遊具の有 無によっ て1型ユニ ッ トを 5つ の 類 型 に し, そ の類型の組み合せからセラピス ト群と障害児群の差異を検定してみたものである。 その結果, 有意 差のみ. られた類型の組み合せは, A グループ第1回目では, (遊具なし→1→遊具 なし)× (その他 の類型)において0.5%水準 で有意差が認められている. また, 第2回目では, (遊具あり→1→遊 それぞれ0. 具あり)× (その他の類型) , (遊具なし→1→ 遊具なし)× (その他の類型) において, A グ ープの第2回目の分析結果同 B プ ル グルー さらに でも 意差が認められている 5%水準 で有 , , . 遊具なし)× (その他の類型) ( 遊具なし→1→ 様に (遊具あり→1→遊具あり)× (その他の類型) , に有意差があることが確かめられている. これらの 結果から, A グループ, B グループとも同様の 特徴をもった1型ユニットで構成されていることが強く推定される。 つまり, セラピス ト群は,「遊 具あり→1→ 遊具あり」 の1型ユニ ッ トによ って構成されている傾向が強く, 障害児群ではこれと 対照的に 「遊具なし→1→遊具 なし」 の1型ユニ ッ トで構成されている傾向がセラピスト群より強. いといえる. セラピスト群の場合, 行動空間療法における遊具のもつ意味を重視して活動している ことか ら, 関係カテ ゴリー1型が, かなり安定した遊具とのかかわりの連関の中で構成される形に なっ ているわけである. したがって, セラピスト群の関係カテ ゴリー1型は, 障害児群の関係カ テ ゴリーとやや異なっ た背景をもつ 1型ということができる。 その意味では, 関係カテ ゴリー1型と 有機的連関をもっと考えられる関係カ テ ゴリーV型も, 極めて安定した関係行動系の流れの中に 組 みこまれていることが指摘される. 逆に障害児群の関係カ テ ゴリー1型は, ベ ースとなる関係カテ ゴリーV型と数値的には 多いにもかか わらず有機的な連関をもつに至らず, 不安定なかたちで存在 していることが指摘されよう. これらの両群の関係カテ ゴリー1型の傾向は,A,B 両 グループの分 析結果か らみて特定のグルー プのみに あてはまるものではなく, 行動空間療法における一貫した特. 徴としてあらわれるものと思われる. この関係カテ ゴリー1型に関する両群の落差が, ある意味で はかかわりを深める原動因ともなり, そのことはとりもなおさず子どもの発達課題でもあるように 思われる. それは, 行動空間療法の指導の骨子と深くかかわっており, 子どもの能動的側面を重視 84.

(10) . 行動空間療法の体系化に関する研究. し, 自由度の高い場を構成して いることによっ てはじめて成立する世界であ るように 思わ れる . ( 2 ) 行動空間による分析結果から 表4は, 各グループの行動空間別 の集計結果および 各行動空間の数値の分布について統計的に , その傾向を調べた結果をまとめたもの である 表4の行動空間別 の数値をみると A グループ第1 . , 回目では, 両群とも Ro 空間の数値が高く(セラピスト群5 1 % 6 障害児群4 2 7 . , , %) . Ro空間を主 体とした活動をしていることがわかる 但し 障害児群の場合 Na 空間の割合が1 6.1%とセラピス . , , ト群の6 .3%より高い傾向を示している. A グループ第2回目でも, セラピスト群の場合, Ro空間 の数値が50.0%と高い傾向にある これに対して障害児群では Co 空間と Ro 空間の 占め る割合が . , そ れ ぞ れ 36.7% 33 4% と 高 い割 合 に あ る A グ ル ー プ に お い て は セ ラ ピ ス ト 群 は チ ー , . フセラ ピ . ,. ストが場の構造化をはかることと関係 して, 意識レベ ルにおいては Co 空間への志向 が働いてい る が,行動レベ ルでは子 どもとのかかわりの中 で Ro空間に位置することが多い傾向がある これに対 . して障害児群では, 第1回, 第2回の間 で数値の変動があり 行動空間の特徴的傾向の把握はむず , かしいが, セラピスト群の行動空間の数値と比較 してみると むしろ Na 空間の数値の割合が相 対 , , 的に高く, この点に障害児群の特徴的な行動傾向が感ぜられる さらにこのことを明確にするため . に B グループの数値をみると セラピスト群の場合 Ro空間の割合が最も高く 6 2. 9%を占めてお , , り, 行動のベ ースを この Ro 空間において活動している様相が推察される 同様に 障害児群も R o , . 空間の数値が最も高く43.4%がこの空間 で占められている しかし 両群を比較 すると Na空間の . , 数値の差が著しいことが指摘される これらの傾向は ほぼ A グループの第1回目 第2回目の分 . , , 析結果とも一致するもののように思われる この両群の 特に Ro 空間 と Na 空間における行動軌跡 . , の違いは行動空間療法の性格が大きく関係している すなわち セラピストは チーフセラピスト , , , の動きに対応させな がら自分の位置をきめていることから 仮りに子 どもが Na 空間に入 ても 直 っ , , 接 Na空間に人ることは少なく, Ro 空間に位置し 全体とのつながりをとろうとす る動きをしてい , るからである. これに 対 して, 障害児群の場合 この指導法の性格から 直接 規制されていない , , , こともあっ て, 自由な動きをし, 当然のことながら Na 空間 での行動も十分 考えられるわけ である . 表4の下段は, 両群の行動空間の分布傾向に差があるかどうか統計的に検定を行な てみたもの っ である。 検定の結果, A グルー プの第1回目, 第2回目およびB グループにおいても 0 5%水準 で , . 有意差が認められ, 両群の行動空間の位置の取り方に違いがあることが明らかにされている 特に , . Ro 空間 と Na 空間において 両群の行動の軌跡に違いがあること が推定されている この違いは セ , . ラピストグループの動きに大きく起因 している 行動空間療法に基づく指導の展開の中 で セラピ . , ストは常に, 全体の活動の中で自分 の位置を意識して活動しているために 行動空間のとり方にお , 表4. 導セーブ 選胆 \. 行動空間. 分析対象. A グループ (第1回) Co. 40 3 セラピスト群 (4 2.7) 41 0 障 害 児 群 (4 1.2). X2検定結果. 各 グループにおける 両群の行動空間別の集計およ び検定結 果. Ro 40 6 ( 51 ,6) 425 (4 2. 7). Na 5 0. Aグループ (第2回). 計. Co. 79 6 2 55 ( 6 3 ) (100.0) (32,5) . 1 60 9 9 5 36 0 ( 16 1 00. 0) ( 36 .1) 〔 ,7). ***. Ro 39 2 ( 50.0) 293 . ( 29. ) 9. Na. B グループ. 計. Co. 1 3 7 784 225 (1 7 00. 0) ( 27 8) .5) (1 , 27 3 980 285 ( 3 3, 4) (100 35. 3) ,0) (. ***. ( )内は%. Ro 08 5 ( 6 2.9) 351 (4 3, 4). Na. 計. 75. 80 8 ( 9 3) (100.0) . 17 5 80 8 ( 21 3) く 10 0.0) ,. ***. (註) *** 0,5%水準で有意. 85.

(11) . 後藤. 守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子. いても 全体の主軸と なるチーフセラピストの構成する場を生 かす方向で自らの位置をとる傾向が強 い. このことは, 行動空間療法にお ける基本的枠組に関係 しており, 指導の一貫した特徴として分 析結 果にもあらわれたものと思われる. この行動空間の 軌跡が, チーフセラピストを軸とした集団 全体の動き の中 でひとつの方向性をもつ時, 本指導法における行動空間のもつ意味が, より明らか になるように 思われる.. 引用文献・資料 4 4 61 97 7一1 ( 1 ) 後藤守:障害児の幼児期の教育と研究に関する一試論. 北海道教育大学附属校紀要. 1 ,1 . 979 北海道教育大学附属校紀要 達にかかわる諸問題 ( 2 ) 後藤守:心身障害児のコミュニケーション能力の発 .1 . . 1 1 1 ) ( ) 成に関する臨床的試み ン能力の育 理子:障害幼児のコミ ユケーシ ・ 宮嶋真 ュ ョ ( 3 ) 後藤守・後藤恵美子 ,( . 98 0 北海道心理学会発表抄録. 1 . 1 9 8 ( 4 ) 後藤守・後藤恵美子:心身障害幼児の保育に関する発達臨床心理学的接近. 北海道私学教育研究紀要. 1 . ( 5 ) 後藤守・後藤恵美子・福原真理子・佐藤文:障害幼児のコミュニケーション能力の育成に関する臨床的試み 82 V) 1 1 I ( 1 ) . , 北海道心理学会発表抄録, 19 ,( ( ) 三浦哲・佐藤文・後藤守:小集団場面における関係分析法の開発に関する検討. 北海道言語障害研究会会報第 6 12 号. 1982 , 3 - 6.. ( ) 小笠原詠子・後藤守:行動空間分析法の開発に関する予備的検討. 北海道児童精神衛生研究会第6回例会発表 7 資料. 1983 .. 7回大会発 ( 8 ) 小笠原詠子・後藤守:集団指導場面における障害幼児の関係行動に関する分析. 北海道教育学会第2 98 3 表資料. 1 . 9 ( ) 後藤守・小笠原詠子・後藤恵美子・福原真理子:行動空間分析法に関する方法論的検討. 北海道教育大学紀要 98 3 4巻第一号, 1 (第一部 C ) 第3 . 触 り 小笠原詠子:集団指導場面における関係行動の推移に関する研究,一 行動空間分析法による分析結果を中心と 83 して -. 北海道心理学研究第5号, 19 , 7-22 .. (後藤 守:本学教授・札幌分校. 他3名). 86.

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参照

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