大学体育におけるニュースポーツの導入 : タッチラグビーとタッチフットを比較して
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(2) 北海道教育大学紀要(自然科学編)第55巻 第1号. 平成16年9月. JournalofIiokkaidoUniversityofEducation(NaturalSciences)Vol.55,No.1. September,2004. 大学体育におけるニュースポーツの導入. 一夕ッチラグピーとタッチフットを比較して−. 村上 寿裕1)・杉山 喜一2). 北海道教育大学大学院保健体育専修1) 北海道教育大学旭川校保健体育2). IntroductionofNewSportsinCollegePhysicalEducationClass. −ComparisonofTouchRugbyandTouchFoot− MURAKAMI,ToshihirolandSUGIYAMA,Kiichi2 DepartmentofPhysicalEducation,GraduateSchool,HokkaidoUniversityofEducationl DepartmentofPhysicalEducation,HokkaidoUniversityofEducation,Asahikawa2. Abstract. NewSportsisacollegephysicaleducation(P.E.)program.TheNewSportshasthefeature. increasesnewparticipants,becausetheycangetclearlyacquaintedwithit.Theimageofthisisthat. anyonecandoeasilyanytimeandanywhere.Itisactivelypromotedanditsimageisoneofaflexibl. easilyaccessibleprogram.ReportsstatethattheintroductionofNewSportstoP.E.classeshasred. thestudentswithnegativeperceptionsofsport. Thepurposeofthisstudywastoinvestigateeducationaloutcomesfo1lowingtheintroductionofNew. Sports,namelytouchfootba11andtouchrugby,tOP.E.classes.Touchfootballwasintroducedfir. ablestudentstobuilduptheskillsrequiredtoplaytouchrugby.Awrittensurveyofstudentswascon−. ductedfollowingtheclassesandincludedquestionsonimprovinggamerules,degreeofsatisfactionwith. Classes,degreeofunderstandingofgamerules,Classevaluation,1ikesanddislikesofP.E.,likesand. 1ikesofsport,Staminalevelandexercisehabits. Resultsofthesurveyshowedthatstudentsatisfactionandenjoymentlevelswerehigherintouch. footballclassescomparedwithtouchrugbyclasses.Furthermore,StudentswithnegativetowardP. SpOrtWerepOSitivelymotivatedandacquiredconfidenceintheirsportingability.Itisthereforesug−. gestedthattouchfootballisasuitableactivityforcollegeP.E.classes.. 53.
(3) 村上 寿裕・杉山 喜一. はじめに. 野々宮(1998)によればニュースポーツは「競技スポーツに対するアンチテーゼとして,また,競技スポー. ツが人や環境などを様々な点で排除せざるをえなかったものを,補うもの」と位置付けており,従来の競技 スポーツや学校体育では行動レベルまでスポーツへ社会化されなかった者を運動やスポーツへ向かわせる可 能性があることを示唆している.また,ニュースポーツを市民体育祭で行ったところ,参加者が増加したと. いう報告もあり(山口;1995),ニュースポーツのニーズは各方面ででてきている. ニュースポーツは,参加者に対して緩やかなつながりの中での活動を明言することで,新しい参加者を広 げていく特徴をもっており,ニュースポーツのイメージは「いつでも,どこでも,だれでもできる」スポー. ツ空間の創造である.参加する人たちの技能差や体力差を吸収できる場の工夫で,「もしかしたら,私にも できるかもしれない」という期待と「できた」という体験が活動の継続意識を高めていく.また,学校体育 の場面ではニュースポーツの授業を行うことによって従来の学校体育でスポーツ嫌いになった学生の意識改 革に著しい効果が見られたことが報告(師岡;1995,久保ほか;2000)されているように大学体育において もニュースポーツが取り入れられているようになってきている. 大学体育におけるニュースポーツについて取り扱った研究は師岡,手塚,村瀬らが行っており,教材を紹 介するとともに体育嫌いの学生が新しいスポーツ観を持ち「できること」への自信を深めており,大学体育. の教材として適していることを報告している(師岡;1991,村瀬;1998,手塚;1996,手塚;2001).また, タッチラグビーは体育実技の教材として①身体の大きい小さい等のハンディキャップはない②個人が集団の 一員として動くことが課題とされるためチームワークを育成させる③公正なプレー,ルールを守る精神の育. 成④激しい身体活動を通して,筋力・敏捷性・持久力などの全身の調和的発達を促進させる⑤ゲームを通じ て,正しい判断力・適切な行動力が育成させるといった特徴がある(中川ほか;2000).しかし,①ルール が複雑すぎる②ラグビー独特の前にパスせずに相手防御を突破していくという動きのためにゲームが進まな い問題点などもある.. そこで本研究は,タッチラグビーとルールを改善したタッチラグビー(以下,タッチフットとする)の授 業を比較することで,大学体育におけるニュースポーツ(タッチラグビー)の導入について検討することを 目的とした.. 方 法 1)調査対象者. 本調査は,H大学健康教育系と臨床系の一般体育を受講している学生73名を対象とした. 2)調査内容及び方法 ① 質問紙の作成. 本研究を進めるにあたって,ルールを簡易化するために,予備調査を実施する.予備調査は10月27日 と10月28日,H大学健康教育系と臨床系の一般体育でのタッチラグビーの授業後,受講している学生を 対象に自由記述による質問紙法を行う.質問の内容として,授業の感想,ルールの理解度,ルールの改 善点についての回答を求めた.. その結果,授業を比較する項目として15項目の質問項目を収集した. ② 調査内容 調査内容は体育の好き嫌い,スポーツの好き嫌い,体力レベル,今後の運動・スポーツの活動予定な. 54.
(4) 大学体育におけるニュースポーツの導入. どの7項目,授業の満足度,ルールの理解度,授業の評価などの比較項目15項目を5段階法で,授業の 感想などを自由回答形式で調査した. 3)調査方法. ルールを改善したタッチラグビー(タッチフット)の授業後に調査を実施した. 4)調査期間. 2003年11月17日と11月18日の一般体育の授業後に行った. 5)分析方法. タッチラグビーとタッチフットの授業の比較項目を得点化し,2要因分散分析によって統計学的に処理 した.. 結果・考察. 1)ルールの改善点について. 予備調査の結果,ゲームがだれにでも,面白くできるようにルールをあまり複雑にしないこと,体育館 でも行えるように,できるだけ危険性を少なくすることを考えた.したがって,「得点方法はタッチダウ ンとする」,「タッチをする場所を指定する」,「どの方向に投げてもよい」,「キックなしでパスとランだけ でゲームを進める」,「タップやロールボールはなし」「リターンパスなし」などにルールを改善した.具. 体的には表1の通りである. 表1.ルールの改善点について 改善前. 改善後. 競技開始は,競技場の中央でタップ(ボールを足で 競技開始は,競技場中央でパスをして開始する.得 はじく)して開始する.得点後は,得点しなかったチー 点後は,得点しなかったチームが競技場中央でパスを ムが競技場中央でタップをして再開する. して再開する. 攻撃側はパスやランニングを組み合わせて,相手側. 攻撃側はパスやランニングを組み合わせて,相手側. にタッチされないようにボールを運び,相手側のゴー にタッチされないようにボールを運び,相手側のゴー ルライン上またはそれを越えたところにトライ(ボー ルライン上またはそれを越えたところにボールを持ち ルをグランデイングする)をする. 守備側はボールを持っている攻撃側のプレイヤーの. 込むだけのタッチダウンをする. 守備側はボールを持っている攻撃側のプレイヤーの. 身体に,最小限の力で触れ(タッチ)「タッチ」とコー 腰から肩までの身体に,最小限の力で触れ(タッチ) ルする.. タッチされたプレイヤーは,その場でボールを両足. 「タッチ」とコールする.. タッチされたプレイヤーは,その場でパスをして. の聞から後ろへ転がし(ロールボール)ゲームを再開. する. プレイヤーはボールを持って走ったり,相手のゴー. プレイヤーはボールを持って走ったり,どの方向に. ル方向(前方)以外にパスしたり,インターセプトし もパスしたり,インターセプトしたりできる.ただし, たりできる.. 防御側プレイヤーは,ロールボールのときはその地. リターンパスはなしとする. 防御側プレイヤーは,ゲーム開始・再開のパスのと. 点から5m,タップのときはその地点から10m以上自 きはその地点から3m以上自陣側に離れて位置しなけ 陣側に離れて位置しなければならない.ただし,自陣 ればならない.ただし,自陣ゴールまで3mないとき ゴールまで5mおよび10mないときは,この限りでは. は,この限りではないが,両足ともインゴールに位置. ないが,両足ともインゴールに位置しなければならな しなければならない.パス後の攻撃側のプレイヤーが い.タップおよびロールボール後のボールにアクティ 触れた後は,ボールを追いかけ,タッチをすることが ングハーフが触れた後は,ボールを追いかけ,タッチ できる.ただし,ボールを持っていないプレイヤーを. をすることができる.ただし,ボールを持っていない プレイヤーをタッチしたり,妨害してはならない.. 55.
(5) 村上 寿裕・杉山 喜一. 2)アンケートについて. ① 授業の満足度について. 「授業の内容はどうでしたか」という質問に対して得られた回答を,「満足」を2点,「やや満足」を 1点,「どちらとも言えない」を0点,「やや不満」を−1点,「不満」を−2点として得点化して,授 業の満足度の平均値・標準偏差を,小学校体育・中学校体育・高校体育・スポーツの好き嫌いと種目の 違いにまとめて表2−1から表2−4に示した.. まず,種目の違いについて比較してみるとタッチラグビーに比べてタッチフットは高い値を示してお り,これはルールを簡単にしたことによって学生が自分のプレーの出来映えに対して心理的に満足がで き,授業が有益な効果を上げていると考えられる. 次に小学校体育・中学校体育・高校体育・スポーツの「好き」「どちらでもない」「好きではない」に. ついて比較してみると「好き」,「どちらでもない」,「好きではない」の順に高い値を示しており,体育・ スポーツが好きな学生ほど授業に満足している結果となった.. これらのデータ備に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いて体育・スポーツの好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,. それぞれにおいて両条件間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差につ いて検討した結果,種目の違い全てにおいて1%水準で有意な差が認められ,好き嫌いについては高校 体育についてだけ5%水準で有意な差が認められた. 表2−1.小学校体育の好き嫌いと種目の違いによる満足度の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.24(0.785). 0.67(0.955). 0.95(0.918). どちらでもない. 1.11(0.567). 0.56(0.956). 0.83(0.833). 好きではない. 0.56(1.066). 0.44(0.832). 0.50(0.957). 1.14(0.833). 0.6301(0.944). 好き. 平均値. A:F=2.04(dfl=2,df2=140)N.S.B:F=11.76(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.50(dfl=2,df2=140)N.. 表2−2.中学校体育の好き嫌いと種目の違いによる満足度の平均(標準偏差) タッチフット 好き. どちらでもない. 好きではない 平均値. タッチラグビー. 平均値. 1.21(0.898). 0.77(0.883). 0.99(0.916). 1.00(0.535). 0.29(1.030). 0.64(0.895). 0.92(0.615). 0.23(0.973). 0.58(0.885). 1.14(0.833). 0.63(0.944). A:F=2.83(dfl=2,df2=140)N.S B:F=11.86(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.33(dfl=2,df2=140)N.. 表2−3.高校体育の好き嫌いと種目の違いによる満足度の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.17(0.871). 0.83(0.914). 1.00(0.909). どちらでもない. 1.20(0.748). 0.07(0.854). 0.63(0.983). 好きではない. 0.67(0.471). 0.33(0.745). 0.50(0.646). 1.14(0.833). 0.63(0.944). 好き. 平均値. A:F=3.31(dfl=2,df2=140)P<0.05B:F=12,28(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=2A3(dfl=2,df2=140)N.S 56.
(6) 大学体育におけるニュースポーツの導入 表2−4.スポーツの好き嫌いと種目の違いによる満足度の平均(標準偏差). タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.16(0.887). 0.74(0.901). 0.95(0.918). どちらでもない. 1.18(P.575). 0.27(1.052). 0.73(0.962). 好きではない. 0.75(0.433). 0.00(0.707). 0.38(0.696). 1.14(0.833). 0.63(0.944). 好き. 平均値. A:F=1.94(dfl=2,df2=140)N.S B:F=11.80(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.79(dfl=2,df2=140)N.S. ② 学校体育導入の可能性について. 「学校体育に導入すべきだと思いますか」という質問に対して得られた回答を,「とても思う」を2点,. 「思う」を1点,「どちらとも言えない」を0点,「思わない」を−1点,「とても思わない」を−2点 として得点化して,学校体育導入の可能性の平均値・標準偏差を,小学校体育・中学校体育・高校体育 の好き嫌いと種目の違いにまとめて表3−1から表3−3に示した. まず,種目の違いについて比較してみるとタッチラグビーに比べ,タッチフットのほうが高い値を示. しており,学校体育の導入について肯定的だと考えられる. 次に小学校体育・中学校体育・高校体育の「好き」「どちらでもない」「好きではない」について比較. してみると,小学校体育と中学校体育は「好きではない」,「好き」,「どちらでもない」の順に高い億を. 示し,「好きではない」と「好き」の値がほぼ同じような傾向であったが,高校体育は「好きではない」, 「どちらでもない」,「好き」の順になっているが,それぞれの値はほぼ同じであった.これは体育の好 き嫌いに関係なく学校体育導入には肯定的な考えを思っていると考えられる. これらのデータ値に関する続計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し. あり)を用いて体育の好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,それぞれ において両条件間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差について検討 した結果,種目の違い全てにおいて1%水準で有意な差が認められ,好き嫌いについては小学校体育に ついてだけ5%水準で有意な差が認められた. 表3−1.小学校体育の好き嫌いと種目の違いによる学校体育導入の可能性の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均嘩. 0.93(0.871). 0.42(1.056). 0.67(1.001). どちらでもない. 0.33(0.817). −0.22(0.786). 0.06(0.848). 好きではない. 1.11(0.567). 0.67(0.817). 0.89(0.737). 0.88(0.859). 0.37(1.027). 好き. 平均値. A:F=4.16(dfl=2,df2=140)P<0.05B:F=10.63(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.02(dfl=2,df2=140)N.. 表3−2.中学校体育の好き嫌いと種目の違いによる学校体育導入の可能性の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 0.94(0.878). 0.42(1.036). 0.68(0.996). どちらでもない. 0.43(0.728). −0.29(0.881). 0.07(0.884). 好きではない. 0.85(0.769). 0.54(0.930). 0.69(0.867). 0.88(0.859). 0.37(1.027). 好き. 平均値. A:F=2.63(dfl=2,df2=140)N.S B:F=1O.44(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.23(dfl=2,df2=140)N.S 57.
(7) 村上 寿裕・杉山 喜一. 表3−3.高校体育の好き嫌いと種目の違いによる学校体育導入の可能性の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 0.87(0.899). 0.31(1.084). 0.59(1.034). どちらでもない. 0.87(0.884). 0.40(0.952). 0.63(0.948). 好きではない. 1.00(0.000). 0.83(0.373). 0.92(0.276). 0.88(0.859). 0.37(1.027). 好き. 平均値. A:F=0.64(dfl=2,df2=140)N.S B:F=10.15(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.23(dfl=2,df2=140)N. ③ 楽しさについて. 「楽しむことはできましたか」という質問に対して得られた回答を,「とても楽しめた」を2点,「楽 しめた」を1点,「どちらとも言えない」を0点,「楽しめない」を−1点,「とても楽しめない」を− 2点として得点化して,授業の楽しさの平均値・標準偏差を,小学校体育・中学校体育・高校体育の好 き嫌いと種目の違いにまとめて表4−1から表4−3に示した. まず,種目の違いについて比較してみるとタッチフット1.22に対してタッチラグビー0.77とルールを 簡単にすることによってタッチフットのほうが楽しく運動を行えていることが明らかになった.また,. 授業の満足度と比べると楽しさのほうが高い値となった.これは運動を楽しむことができたが,授業に は満足していない.つまり,授業の進行に問題があった可能性が考えられる. 次に小学校体育・中学校体育・高校体育の「好き」「どちらでもない」「好きではない」について比較. してみると,小学校体育の場合,好き1.05,どちらでもない0.67,好きではない1.00となっており,「好 き」と「好きではない」の値がほぼ同じであり,「好きではない」と答えた学生も楽しく感じていること がわかった.中学校体育の場合は,好き1.10,どちらでもない0.29.好きではない0.92となっており,. 小学校体育と同様に「好きではない」と回答した学生も楽しく感じている.しかし,どちらでもないと. 答えた学生の値が極端に低い値を示している結果となった.高校体育の場合は,好き1.11,どちらでも ない0.73,好きではない0.67となっており,好きだった学生が高い値を示しているが,小学校体育・中 学校体育の場合とは異なり,「好きではない」と答えた学生の値が低かった.. これらのデータ値に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いて体育の好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,それぞれ において両条件間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差について検討 した結果,種目の違い全てにおいて1%水準で有意な差が認められ,好き嫌いについては中学校体育で は1%水準で高校体育では5%水準で有意な差が認められた. 表4−1.小学校体育の好き嫌いと種目の違いによる楽しさの平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.29(0.652). 0.80(0.980). 1.05(0.868). どちらでもない. 1.00(0.471う. 0.33(0.943). 0.67(0.817). 好きではない. 1.00(0.471). 1.00(0.471). 1.00(0.471). 1.22(0.625). 0.77(0.944). 好き. 平均値. A:F=1.72(dfl=2,df2=140)N.S B:F=11.58(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.91(dfl=2,df2=140)N.. 58.
(8) 大学体育におけるニュースポーツの導入 表4−2.中学校体育の好き嫌いと種目の違い.による楽しさの平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.32(0.607). 0.89(0.904). 1.10(0.800). どちらでもない. 0.71(0.452). −0.14(0.833). 0.29(0.795). 好きではない. 1.08(0.615). 0.77(0.890). 0.92(0.781). 1.22(0.625). 0.77(0.944). 好き. 平均値. A:F=6.99(dfl=2,df2=140)P<0.01B:F=12.37(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.60(dfl=2,df2=140)N.. 表4−3.高校体育の好き嫌いと種目の違いによる楽しさの平均(標準偏差) タッ・ チフット. タッチラグビー. 平均値. 1.33 3(0.579). 0.88(0.993). 1.11(0.843). どちらでもない. 1.07 7(0.680). 0.40(0.800). 0.73(0.814). 好きではない. 0.677(0.471). 0.67(0.471). 0.67(0.471). 1.22 2(0.625). 0.77(0.944). 好き. 平均値. A:F=3.68(dfl=2,df2=140)P<0.05B:F=11.87(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.76(dfl=2,df2=140)N.. ④ 運動量と運動強度について. 「運動量はどうでしたか」という質問に対して得られた回答を,「多い」を2点,「やや多い」を1点, 「適度である」を0点,「やや少ない」を−1点,「少ない」を−2点とし,「運動強度はどうでしたか」 という質問に対して得られた回答を,「高い」を2点,「やや高い」を1点,「適度である」を0点,「や や低い」を−1点,「低い」を−2点として得点化して,運動量と運動強度の平均値・標準偏差を,個 人の体力と種目の違いにまとめて表5−1から表5−2に示した. まず,種目の違いについて比較してみると,運動量ではタッチフットは0.30に対して,タッチラグビー は0.04とタッチフットの方が高い億となり,運動強度ではタッチフット0.29,タッチラグビー0.29と同 じ値という結果となった.また,「健康の維持・向上に役立つと思いますか」という質問に対して,「役 立つ」と答えた学生はタッチフットでは75.3%,タッチラグビーでは63.0%と両方ともに過半数を超え ており,運動量・運動強度ともに十分だったと考えられる.. 次に個人の体力の「優れている」「どちらでもない」「劣っている」について比較してみると,運動量 においては「優れている」0.69,「どちらでもない」0.03,「劣っている」0.19という結果となった.運 動強度では,「優れている」0.75,「どちらでもない」0.13,「劣っている」0.34となり,ほぼ運動量の 場合と同じ傾向となった.これは体力が優れている人ほど運動量が多く,運動強度が強く感じている傾 向にある.しかし,体力が劣っていると感じている学生は運動量・運動強度の両方において低い値を示 しており,これは体力がないから運動に消極的になっており,体力をつけることによって運動に積極的 に参加すると考えられる.まずは体力を向上できるように授業を工夫させるとことが望まれる. これらのデータ備に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いて運動量・運動強度と種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,それぞ れにおいて両条件間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差について検 討した結果,種目の違いにおいて運動量で5%水準で有意な差が認められ,個人の体力については運動 量・運動強度ともに1%水準で有意な差が認められた.. 59.
(9) 村上 寿裕・杉山 喜一. 表5−1.個人の体力と種目の違いによる運動量の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 優れている. 0.75(1.199). 0.63(0.992). 0.69(1.102). どちらでもない. 0.21(0.796). −0.15(0.648). 0.03(0.747). 劣っている. 0.29(0.632). 0.10(0.689). 0.19(0.668). 平均値. 0.30(0.806). 0.04(0.748). A:F=4.82(dfl=2,df2=140)P<0.01B:F=4.21(dfl=2,df2=140)P<0.05AxB:F=0.25(dfl=2,df2=140)N.. 表5−2.個人の体力と種目の違いによる運動強度の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 優れている. 0.88(0.927). 0.63(0.992). 0.75(0.968). どちらでもない. 0.12(0.676). 0.15(0.692). 0.13(0.684). 劣っている. 0.32(0.590). 0.35(0.650). 0.34(0.621). 平均値. 0.29(0−712). 0.29(0.731). A:F=5.19(dfl=2,df2=140)p<0.01B:F=0.00(dfl=2,df2=140)N.S AxB:F=0.28(dfl=2,df2=140. ⑤ ルールの理解度について. 「ルールは理解できましたか」という質問に対して得られた回答を,「とても理解できた」を2点,「理 解できた」を1点,「どちらとも言えない」を0点,「理解できない」を−1点,「まったく理解できない」 を−2点として得点化して,ルールの理解度の平均値・標準偏差を,スポーツの好き嫌いと種目の違い にまとめて表6−1に示した. まず,種目の違いについて比較した結果,タッチフットは1.10,タッチラグビーは0.67とルールを簡 単にすることによってルールの理解度を高めることができた.しかし,どの人もそのスポーツの楽しさ に触れることができるように個々の能力に応じて,自分たちにあった,もっと楽しめるルールへと作り. 変えていくことも重要である. 次にスポーツの「好き」「どちらとも言えない」「好きではない」について比較してみると,「好き」0.96, 「どちらとも言えない」0.64,「好きではない」0.50となり,スポーツが好き学生は授業にも積極的に 参加した結果,ルールが理解できたのに対して,好きではないと回答した学生は授業に対して消極的で あったためにルールを理解することが困難であったと考えられる. これらのデータ値に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いてスポーツの好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,条件. 問における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差について検討した結果,種目 の違いにおいて1%水準で有意な差が認められ,個人の体力については有意な差は認められなかった. 表6−1.スポーツの好き嫌いと種目の違いによるルールの理解度の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 1.17(0.723). 0.74(0.957). 0.96(0.875). どちらでもない. 0.91(0.288). 0.36(0.771). 0.64(0.643). 好きではない. 0.50(1.118). 0.50(0.500). 0.50(0.866). 1.10(0.725). 0.67(0.922). 好き. 平均値. A:F=2.27(dfl=2,df2=140)N.S B:F=9.51(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.32(dfl=2,df2=140)N.S 60.
(10) 大学体育におけるニュースポーツの導入. ⑥ 動き・技術的な難しさについて. 「動き・技術的なものが難しいと思いますか」という質問に対して得られた回答を,「とても思う」 を2点,「思う」を1点,「どちらでもない」を0点,「思わない」を−1点,「とても思わない」を−2 点として得点化して,動き・技術的な難しさの平均値・標準偏差を,スポーツの好き嫌いと種目の違い にまとめて表7−1に示した.. まず,種目の違いについて比較してみると,タッチフットでは0.01,タッチラグビーでは0.84となっ. ており,タグピー独特の前にパスせずに相手防御を突破していくという動きを排除した結果だと考えら れる.. 次にスポーツの「好き」「どちらでもない」「好きではない」について比較してみると,「好き」0.417, 「どちらでもない」0.14,「好きではない」0.50という結果となった.タッチフット・タッチラグビー ともに初めて経験するものであったことから,どのように動いていいのかわからず,スポーツの好き嫌 いに関係なく難しく感じられたと考えられる. これらのデータ値に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いてスポーツの好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した.その結果,条件 間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての有意差について検討した結果,種目 の違いにおいて1%水準で有意な差が認められ,スポーツの好き嫌いについては有意な差は認められな かった.. 表7−1.スポーツの好き嫌いと種目の違いによる動き・技術的な難しさの平均(標準偏差) タッ・ 好き. どちらでもない 好きではない 平均値. チラグピー. 平均値. 93(0.980). 0.47(・1.021). 55(0.988). 0.14(0.967). 0.75. 25(0.829). 0.50(0.707). 0.0】. 84(0.993). 0.02 −0.27. A:F=1.29(dfl=2,df2=140)N.S B:F=29.48(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=2.24(dfl=2,df2=140)N・S. ⑦ 運動の継続について. 「また,体育でこのスポーツをしてみたいと思いますか」という質問に対して得られた回答を,「と てもしたい」を2点,「したい」を1点,「どちらでもない」を0点,「やりたくない」を−1点,「とて もやりたくない」を−2点として得点化して,運動の継続についての平均値・標準偏差を,今後の運動 活動・スポーツの好き嫌いと種目の違いにまとめて表8−1から8−2に示した. まず,種目の違いについて比較してみると,タッチフットでは0.81,タッチラグビーでは0.33となっ. ており,タッチフットが体育の教材として学生の興味を引くスポーツであることが示唆された. 次に今度の運動活動「行う」「わからない」「行わない」とスポーツの「好き」「どちらでもない」「好. きではない」について比較してみると,今後の運動活動については「行う」0.47「わからない」0.14,「行 わない」0.50となり,スポーツに好き嫌いについては「好き」0.61「どちらでもない」0.32,「好きで はない」0.63という結果となった.運動活動については「行わない」,スポーツの好き嫌いについては「好 きではない」の値が. ,「行う」,「好き」という値より高くなった.運動に対して否定的な考えを思って. いた学生でも「また,やってみたい」と思ったのは,タッチフットやタッチラグビーは高校体育までに は経験のしたことのないスポーツであり,新鮮に感じられた結果だと考えられる.. 61.
(11) 村上 寿裕・杉山 喜一. これらのデータ値に関する統計的な有意性について明らかにするために,2要因分散分析(繰り返し あり)を用いて今度の運動活動・スポーツの好き嫌いと種目の違いにおける交互作用について検討した. その結果,それぞれにおいて両条件間における交互作用は認められなかった.そこで各要因についての 有意差について検討した結果,種目の違いにおいて両方で1%水準で有意な差が認められ,今度の運動 活動・スポーツの好き嫌いについては有意な差は認められなかった. 表8−1.今後の運動活動と種目の違いによる運動継続の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 0.84(0.877). 0.37(0.997). 0.60(0.968). どちらでもない. 0.50(0.500). 0.00(0.577). 0.25(0.595). 行わない. 0.75(0.433). 0.25(0.829). 0.50(0.707). 0.810.838). 0.33(0.966). 行う. 平均値. A:F=0・83dfl=2,df2=140)N.S B:F=9.95(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.01dfl=2,df2=140)N.S. 表8−2.スポーツの好き嫌いと種目の違いによる運動継続の平均(標準偏差) タッチフット. タッチラグビー. 平均値. 0.86(0.860). 0.36(0.995). 0.61(0.963). どちらでもない. 0.64(0.771). 0.00(0.853). 0.32(0.873). 好きではない. 0.50(0.500). 0.75(0.433). 0.63(0.484). 0.81(0.838). 0.33(0.966). 好き. 平均値. A:F=0・98(dfl=2,df2=140)N.S B:F=10.08(dfl=2,df2=140)P<0.01AxB:F=0.73(dfl=2,df2=140)N.S. ま と め. 本研究では,タッチラグビーとタッチフットの授業を比較して,大学体育におけるニュースポーツの導入 について検討するためにアンケートを実施した.その結果,タッチラグビーに比べタッチフットは統計的に 有意に高い値を示し,学生の評価が良く,新鮮で興味の惹く種目であった,また,体育やスポーツに対して 否定的な考えをもっていた学生にとっても新しいスポーツ戟を持ち「できる」への自信を深めており,大学 体育の教材の導入として適していると思われる.しかし,今回の調査では運動量や運動強度についても調べ たが学生の主観で回答してもらったため詳細な分析にまでは至らなかった.今度,客観的なデータを得るた めに授業時の歩数や脈拍を測定することが課題である. 学生にとってタッチラグビーは高校までの体育とは違う種目であり,新しい種目つまり「土ユースボーッ」 であり,何か新しいことを行い,競技スポーツではなく遊びやゲームの感覚で身体活動ができるというニュ アンスを持たせることができるのではないだろうか.加えて,今回の調査で体育嫌いの学生でも今後の運動. 活動が望ましい方向に変化している.それらの学生も情緒レベルにおいてスポーツヘの社会化されているこ とから,あとは環境を整えて実際の活動を行うという行動レベルを上げること,すなわち継続して身体活動 を行うことが大切なことである.. 62.
(12) 大学体育におけるニュースポーツの導入. 参考文献. 野々宮徹(1998)『ニュースポーツのあゆみ』みんなのスポーツ12月号:8−12 山口泰雄(1995)『地域の活性化とニュースポーツ』体育科教育1月号:24−27 師岡文男(1995)『スポーツ・フォア・オール国際フェア94』体育教育1月号:46−47 久保和之・道用阜・吉澤洋二・守能信次(2000)『大学体育におけるニュースポーツの特性』中部大学体育学論叢,41(2): 71−79. 師岡文男(1991)『体育実技種目としてのフライングディスク』上智大学体育,25:41−55 村瀬智彦(1998)『フライングディスクの大学体育における教材としての特性』愛知大学体育学論叢,7:1−9 手塚麻美(1996)『中部大学女子短期大学におけるスポーツ実技の役割−とくにスポーツ実技Aの授業について−』中部大学 短期大学紀要(言語文化研究),7:75−87 手塚麻美(2001)『大学体育におけるアルティメットについての一考察』大学保健体育研究,21:9−20 中川昭・森井研児・椿原徹也(2000)『女子大学生の教材としてのラグビーの価値』筑波大学体育科系紀要,23:99−109. (村上 寿裕 旭川校大学院生). (杉山 喜一 旭川校 助教授). 63.
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