基礎・基本の習得を目ざす授業の実践的研究(I)
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(2) . 平成 13 年 9 月 Sept ember , 2001. 2巻 第1号 育大学紀要 (教育科学編) 第5 i l iぢ ofEduca錠on (Educat on) uo ofHol由鑓doUni ver s ‐52 .I , No. 基礎・基本の習得を目ざす授業の実践的研究 (1). d b og Me値odtha i A Teach tlmp額t c sthe Bas h d (エ) in Ma t em 逝csE uc誠on 大 久 保和 義 (北海道教育大学札幌校). 山本. 阿部. 庄 司 ひ さ 子 (札幌市立真駒内緑小学校). 美 幸 休暇市立苗穂小学校). 島貫. 静 (札幌市立東苗穂小学校). 哲 雄 (元札幌藤女子短期大学). 森井. 厚 友 (北海道教育大学附属札幌小学校). 末原. 久 史 札幌市立日新小学校). 平野. 亮 子 (札幌市立山鼻小学校). 村上. 友 宏 (札幌市立幌西小学校). 酒巻. 智 (札幌市立日新小学校). 関根. 基 樹 (札幌市立石山東小学校). 藤原. 亜 紀 (札幌市立幌西小学校). A new cロロr ic lmm Wi l lbei i l troduced 血 2002 血 JaPam‐0neofthePr i ゴ ロc iP1esofre命nn ofthePresent 1 1 ”. i ion ofbasi tudyi t u ; rse ofs s to enable acq口i s c kn owledge and sk口l re of sthoroug燭ー y Without Pressu] r “ リ ヒ ロs paperexal l辻口es whati icto mーathemL i ion and how toi i i e or stress- 1 s bas at cseducat 1 s旗uctPr -. i schoolstudentssothattheyacq亘i resuchbasi cs m mーathemーat cs . ho ion one コ dbethe bas i icsin a new cou; ion two we tudy IP sec t csof mー athemL at rse ofs rsect ,we desc , ics 血 mLathemat icseducat ion.The 賃rsti i6 ionofthel ow ou工 範囲da l コ ロ jmentalconcePton bas sident cat ー r i ldren al 靴…狐ceofthe basis Wi ty ofchi ldrens ththegl = dde by ut山zingthe Personal ld by 品steraog chi. 近lytot躍如kindependet ly 四]esecondi j b og oflロコowledge al l l h icsin- l = dd sg ld ski s as basics , w ere bas deabi互t iesofconsiderat ion,judg凹Dent ion ( the ab通ty of mathemat i ld el calthinking)‐ 四コe q )ress ,al ・. ing too 加Lthebas l i tyofproblem soI Vtogandthewayoflea di ics sinclusionoftheabi ] : 鶏 ー . , , Sect t ) ゴ ビeeshowsthe mechaP亘csof mathemL ion t i lar we ics ic at cs classesthatimpo光 the bas .ln pa土t ,. l を口n how to makeatableoftheplanofc lassesin WP dtoreachclassandhow tocon行nm acql 1 i ionof t si ebasi cs ‐ Final l男 sect ion 角urpro前i des exa]mples ofthe classesthata i rethebas icsin mーathemLat i 1 1 ltoacqqi cs ionin pn magyschool ucat ‐. . 学習指導要領に示されている算数科の基礎・基本に関する考え方 学習指導要領によれば, 基礎・基本とは, 児童の生活や学習の様々な活動の基になるものであり, 例えば 日常生活での活動の基となるもの」 , 「学校でのいろいろな活動の基となるもの」 , 「算数を続けて学習して く基となるもの」 , 「将来の社会生活や生涯にわたっての活動の基になるもの」 な どを挙げ, そう した活動 支障なく進められるよう, 必要に応じて繰り返し学習し, 基礎・基本を確実に身に付けられるようにする を述べ て いる‐. 87.
(3) . 静・森井 厚友 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 智・関根 基樹・藤原 亜紀 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻. 算数や図形についての算数的活動を通して, 基礎的な知識と技能を身に付け, 日常の事象について見 通しをもち筋道を立てて考える能力を育てる とともに, 活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き, 進んで生活に生かそうとする態度を育てる. 上に算数科の目標を示したが, 今次改訂の学習指導要領1) では, 平成1 0年7月に出された教育課程審議 会等の答申を受け, これまで以上に基礎・基本重視の方向を強く打ち出し, 内容の解説等も細かく述べ, 目 標の分析に関して次のように解説している. ( ) 基礎的な知識と技能を身に付けることの重視 1 ア. 一人一人の能力や個性を十分に発揮するという自己実現の面から イ. 思考力, 判断力, 表現力な どの能力育成の面から ウ. 日常の生活な どに活用できる実用的な面から エ‐ 他教科や中学校以降における数学の学習を進める面から また, 「知識と技能の意味」 を狭く限定せず, 次のように広くとらえることを述べている. ( 2 ) 知識と技能のとらえ方 ア‐ 数量や図形にかかわる概念や原理, 法則を含む イ. 用語, 記号な どを用いた表現方法 ウ. いろいろな用具による測定方法, 作図方法などを含む な ど. 更 に, 「身 に付 ける」 こと につ い て も次 のよう に解 説 している. .. ) 「身に付ける」 とは, ア. 「分かるこ と」 ( 3 , ウ. 「用いること」 な どを意味し, それ , イ. 「できること」 らをよりよく身に付けることが重要であり, 次のような指導の必要性を述べている. .基礎的な知識であるとして, 例 えば, 公式などを意味理解を伴わないままに暗記させるような指導では なく, 公式を適切に用いたり, それらを基に新しい公式を導けるようその意味をよく理解させること. ・基礎的な技能であるとして, 例えば, 計算などを形式的に処理するような習熟のみに力 を入れる指導で なく, 計算の技能を生かすためにはその意味や用いられる場面をよく理解させること, など. =. 基礎・基本に関する考え方. - } 基本的な考え方 { 上記の学習指導要領で述べている基礎・基本の考え方には, 今日の教育課題や算数科の学習指導に関し, 多くの課題を示唆している‐ 我々は上記の考え方や内容を肯定し, 更に関連する課題を明確にして実践研究 を進めたい. 関連する課題とは次のような点についてである. ア. 基礎・基本の重視と個性を生かし育てる指導及 び子 どもが自ら学び, 自ら考える力の育成を一体化し て 考える こ と. イ‐ 基礎‐基本は単に知識・技能を形式的に指導することではなく, 思考力, 判断力, 表現力 (数学的な 考え方) などを指導のねらいに含めてとらえること. ウ. 基礎・基本の習得活動は, 子 ども主体による問題解決の学習を通してねらいが達成できるもの と考 え, 問題解決能力や学 び方なども基礎・基本に含めて考えること, など. なお, 「学び方」 とは問題解決の学習を進めるための次のような内容を指す. ・ 問 い をも っ て 学ぶ. ・ 既習 の 活用 を 図る. ・見 通 しをも っ て 自力 解 決を進 める.. .自分の考え方を基に集団の交流に進んで参加する 88. ・学習 を振り返り自己評価する. など..
(4) . 基礎‐基本の収得を目ざす授業の実践的研究 (1). 2 { ) 目標の構造的理解と基礎・基本. ① 目標の構造と分析. (冨翻畠. (基礎・基本の習得) (イ) 基礎的な知識 と技能を身につけ 十 ー U ソ v 、/Y \ 山 地 \ソノ.] 中 り デ 琢Y 筋道を立てて考える能力を育て (数学的な考え方を高める) ぶ楽し , 充実感) (学ぶ楽しさ ( エ) 活動の楽しさや数理的な処理の . 搬厳遜謝. ( 責鷺積警 \( 幻臥. よ さ に気 付 き. 生活へ 生活 蹴 そう 鵜 態度(. \三 ′ふ、 細 田 細 ( ヵ 警 慶. 充実.. 鴎縮. ). の学習. . 通 して. ア. 目標の構造を以下のように考える. (ア) ~ (オ) の目標実現は (力) 問題解決の学習 を通して図るものと考える. イ. 算数的活動は子どもの主体的な活動としてとらえ, 目標の実現を支える学習方法の原理として大きな 意味をもつものと考える. ウ. 数量や図形についての知識・技能は, 改訂の趣旨にあるように, 第一に日常生活の活動の基となるも の, 第二に算数の新しい考えを生み出したり, 問題解決などの方法を作る基となるものと考える. エ. 見通しをもち筋道を立てて考える能力は, 自ら工夫して学習目標を実現したり, 数量や図形に含まれ る数学的なアイデアを生かして問題解決を進める基となるものと考える. オ. 楽しさやよさに気付くこと, 生活に生かそう とする算数への関心, 意欲, 態度などは, 日常生活や算 数の学習 を進める場面で, 自ら課題を見つけ, よりよく問題を解決する基になるものと考える. ②. 四つ観点 (学習状況評価の観点) 及 び, 学 び方と基礎・基本 先の学習指導要領や目標の理解を通し, 我々 は四つの観点 (関心・意欲・態度, 数学的な考え方, 表現・. おける学び方を 「基礎・基本の能力」 と考える. 処理 (技能) , 知識・理解) 及 び, 問題解決の学習に ( 3 ) 望ましい算数科の指導観及び研究主題の設定 これまで考察してきた基礎・基本の重視や算数科の目標を実現する授業改善のねらいとして, 次のような 算数科の指導観を構想し, 研究主題を設定した. ア. 指 導 観. 子 どもが主体的に問題解決の学習や算数的活動にかかわり, 自ら考える力や基礎・基本の習得を目指 す授業 イ. 研究主題 基礎・基本の習得 を目指す授業の実践的研究. ( ) 用語の統一的理解と使用 4 学習指導要領で用いられている用語を中心に, 我々は次のように整理し用 いることとした. ア. 基礎・基本の略称の中に下記のことを含めて考えたり用いたりする. ・基礎的・基本的な知識と技能 ・数学的な考え方及 び関心, 意欲, 態度 ・本会として考える学び方など イ.. 基礎的・基本的な知識と技能の中には, 下記のことを含めて考える. ・基礎的な知識と技能 (目標の表現) ‐計算や測定などの基礎的な技能 (習熟の項) 89.
(5) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻 智・関根. 瀞・森井 厚友 基樹・藤原 亜紀. ウ. 「基礎.基本の確実な定着」 を 「基礎・基本の習得」 と同義に用いる . { } 「繰り返し学習」 に関する考え方 5 繰り返し学習することに関し, 学習指導要領では 「技能の習熟と維持」 として 次のように示している . , 計算や測定などの基礎的な技能 については, その習熟や維持を図るため適宜練習の機会を設けて計画 的に指導すること 繰り返し学習のとらえ方は一般的に 「計算や測定な どの基礎的な技能」 の習熟に限定しがちであるが , 我々は, 「数や計算の意味, 計算の方法の理解など同系統の概念や法則等の適用場面」 における理解などを 含めて考え, 子どもの納得を得ることを目指した指導として考える. また, 繰り返し学習については, 予め単元計画に位置づけたり 単位時間に適宜取り入れ 子 ども自身の自 , , 覚が伴い意欲や成就感を味わえるような工夫や配慮が必要と考える‐ m, 主題究明の方向付け { 1 } 実践を通して予想される課題と研究集約の方向 初年度としての本年度は研究主題に関する会員相互の理解を深めながら 各自のこだわりを優先した授 業 , 実践を進める. その際, 次のような課題を意識して実践やまとめ につとめる. ①現状の問題解決の授業改善を, 次の点と関連づけて進める. ア. 算数科の目標の趣旨をどう生かして授業のあり方を究明するか イ. 問題解決の指導をどう改善し強化すると基礎・基本の習得を目指す授業を特徴づけられるか ‐ ウ. 基礎.基本の習得を目指す授業の計画(単元計画, 教材化 本時計画等)にどんな工夫が必要かなど , ‐ ②授業の指導法等に関し, 次のような課題 について検証を図る. ア. 基礎・基本の能力 (四つの観点, 学び方など) の習得過程ではどんな課題や教師のかかわりが求めら れ る か‐. イ. 習得状況の確かめにはどんな手立てが必要か. また それは評価のどんな位置付けと考えられるか , . ウ. 基礎・基本の習熟に関し, どんな実践が考えられるか. { 2 } 授業実践を進めるための枠組みの提起 実践交流の中で, 次のようないくつかの試し案を提起し, 授業に生かすことを考えた. これらは今後更に 検証すべき内容である. ①習得過程 における教師と子どものかかわり方の仮説 基礎・基本の確かな習得に関しては, 以下のような構図が考えられる 既習 の 経 験. 能力 な どを 自 ら 発 動 し. , 子蹴 <解決繋 閣. 議 饗し. 仲間と積極的に確かめ合い. に. 教師が〈. 夫々 の 活動 や個 々 の 子 ども. に対し理解と支援を行い. 0 子 ども自身や子ども相互及 び教師による 「習得状況の確認活動」 を導入することによって, 基礎・基本の確かな習得がのぞめる.. 90.
(6) . 基礎‐基本の収得を目ざす授業の実践的研究 (1). たとえば, 「数の計算」 の指導を例に考えてみよう. 数の計算をするとき, 指導の方法としては, 教師が計算方法を形式的に教え, 子 どもにその方法を練習させ るこ とも考えられよう‐ それによっ て, 子 どもはそのときは計算 ができるよう になる かも知れない. しか し, 今算数教育ではその答えを求める過程を楽しんだり, 発見する喜びを味わっ たり, それを実際の場面で 使える ようになること等が求められている. 自分で計算過程を考え, その考えを仲間と交流する ことによっ て, より深く計算の方法を理解し, 活用できる場面も広がることが期待できる. また, 教師は, 自力解決時 に子 どもの考えが十分でないと判断したときは, その子 どもにふさわしい考えの手立てになるものを提示し たり, 子 どもの習得状況を確認してその状況に適切なア ドバイス を与えたり, 活動をさせることによって, より確かな基礎・基本の習得が期待できる‐ ②基礎.基本の習得を 「何によって確認するか」 についての仮説 四つの観点のうち, 「理解, 数学的な考え, 技能」 に限定して, 次のような内容と活動 を展開過程に位置 づ耐ナる こ と‐ <基礎・基本の観念>. <身につくこと><確認の内容>. 知識・理解. 分 かる こ と (な ぜ ~ と 考 える の か). 思考・判. 数学的な考え. えてよいのか ) なぜ~と考 ( 用いること. 断の内容. (技能) \\{ 表現・処理. <方法と場の導入>. できること (なぜ~するのか). これらの 「わけ」 を表現手段を用 いたり言葉で説明 したり, 質問し あう場を設けて取り入れる‐ その 内容や程度によって習得状況を子 どもと教師が意識したり, 把握し てその後に対処する.. 20×4や300×3な どの計算方 *上記の 「確認の内容」 は単元や本時の学習内容に応じ, 例 えば, 「 」 などの内容で えを求めることができるのか を基にして答 法」 の理解に関し, 「なぜ2×4や3×3 ある. また, それらの内容を 「本時計画案」 に盛り込んで指導にあ たる. (計画様式案は省略) なお, 構想としては単元終了時の評価に関 し, 「意味の理解」 などにこのような 「確認内容」 をテス ト問 題に含めて評価計画を立てることができる‐ ③基礎・基本の観点と習得活動の例示 1 ) 」( 15十8の計算方法を考える場面) 2年 「たし算のひっ算( <観点>. > <既習の基礎・基本の活用>. 15. 15. 15. 十 8. + 8. +8 十. ‐筆算の. 1 3. 23. 1 0の合成・分解」--- 知識.理解 一一一「. / 髭壁)/ (できる). 数学的な考え方 10ずっのまとまりを (用いる). 作る位取りの考え. 習得の自覚> ----- <発展>. <新たな習得活動. ・計算の仕方 36 ・計算の仕方が L ÷チ 十17 分かり. 書き方. 位毎にたし 13を どう したら. を知る. たらよい. よいか考える. 計算の仕方を考える \ \ \. 積み木などをもとに. 計算でき. 個の考えを集団で. 他に適用できる 他に適用で. 確かめ合う. 習得の目 ) (習得の自覚. 個の考えたことを説明したり 仲間の考えに質問しあう. 自ら進んで取り組む 一一一-- 進んで集団の交流に参加する. 関心・意欲‐態度. る ). (進める). 墨. 贈縮. す. .い. 溺. 1 す. 馳. 闘厳. ようとする. 91.
(7) . 大久保和義・山本 末原 久史・平野. 哲雄・阿部 亮子・村上. 美幸・庄司ひさ子・島貫 静‐森井 厚友 友宏・酒巻 智・関根 基樹・藤原 亜紀. それまでの学習では, 1桁同士の足し算で繰り上がりのある計算 及 び (十何) - (1桁) で繰り下が , , りのあるひき算などを学習してきている. また 1 以 0 下の数の合成・分解につ いて学習してきている. 本時 , では, (十何) + (1桁) で繰り上がりのある足し算の計算の仕方を学習するが その習得の仕方の1つの , 例を図式的に整理したものである.. ( 3 } 基礎・基本の習得を重視する場合の 「授業目標 (単元及び本時目標) 」のあり方 ①. 基礎.基本の明確化. 算数科の授業では 「基礎.基本の確実な定着」 が求められている. そう した場合 算数科の学習では 「何 , が基礎.基本か」 という 「基礎.基本の考え方」 「基礎.基本の内容の特定」 を明確にすることが求められ , る が, ま だ, 十 分 に研 究 は さ れている と はい え ず は っ きり しない 面も 多 い した が っ て 現段 階で は授 業 . , ,. を行う教師が自分で考える基礎・基本を実践し それらの実践の交流を通して算数科としての基礎・基本を , 明らかにしていくことが大切と考える.・ また, 「基礎・基本の確実な定着」 を目指す授業を行う場合 その授業目標として 「基礎.基本」 を明確 , に位置付けていくことが効果的であろう. 教師がその授業で学習すべき基礎‐基本が何かをとらえることに よって, 教材, 教具の準備, 教師の発問等にもその目標を意識した工夫が期待できる ‐. ② 単元目標と本時の目標 基礎・基本の習得はその授業1時限のみではなく 長い時間の学習を通して習得されると考えられる そ , . う した意味では, 教師は単元を通して どのような基礎・基本をどのように習得させるかを考察することが , 大切であろう. すなわち, 基礎・基本を習得するためには 単元の どの時間で 「問題解決を通して」 「形式 , , 的に指導」 さらに 「 基礎・基本 をど の習得」 のように見届けるのか等, 指導方法や評価について考察する , ことが大切である.. { 4 ) 授業実践の具体化 「基礎.基本」 の習得に着目した単元構成を行い 授業実践の具体化を図る内容とその関連を次のよう に , 設定することができる. ア. 基礎・基本の. イ. 領域特有の基礎・基 本の能力の抽出 ウ. 単元における基礎・. 習得を意図し →- た指導内容, 教材単元構成 の工夫など. 基本の特定 ・4つの観点 に関 して ・ 学 び方な どに関 して. エ. 問題解決の過程 (基礎・基本の習得過程) オ. 本時の基礎・基本の習得 状況の見届け方 力. 次時 (次単元) への活用 の意識化. キ. 習得, 定着のための指導計画と 指導の工夫 ・一斉, 個別 等の形態 ・一定の時間内と外の指導. ク. 単元終了時の学力(基礎・基本) の習得状況の結果処理 (テスト 問題などの記録, 分析データ). ① 指導の計画化 この単元での学習を分析, 構成するとき, 小単元の構成 各時限の内容配当 時数配分等で 「基礎.基 , , , 本」 の習得を優先した計画を立てる. この際 , ア. 本単元の学習 で既習として活用できる 「基礎.基本」 を明らかにしておく. イ. 単元を通して, どの子にも最低限習得させたい能力 態度 (例えば数学的な考え方 知識・技能 (計 , , 算や表現技能) 等の四観点, 及び問題解決の学び方など) を明確にして それらを単元展開の過程に計 , 画 化する. 9 2.
(8) . 基礎‐基本の収得を目 ざす授業の実践的研究 (1). ウ. ゆとりのある計画でしかも個に応じた計画 (子 どもを急がせない, 進んだ子 どもを退屈させない) に 配慮 す る‐. エ‐ 本単元の 「基礎.基本」 の習得, 及 び 「問題解決」 の習得の どこに時間をかけるかを鮮明にする. オ. 単元での 「基礎‐基本」 の習得状況の評価を どのようにするかを明確にする. 等が考えられよう. ② 問題解解決の過程と基礎・基本 現在の算 数科の授業形態として問題解決学習 が主流となっている‐ したがっ て, 「基礎.基本」 の習得 を 目指す授業での本時案を検討するとき, 問題解決の段 階と 「基礎・基本」 の習得について考察することが必 要であろう. ア. 各段階における関連付け 通常, 問題解決の 段階は 「問題の設定」 , 「解決の検 , 「解決の実行」 , 「解決の計画」 , 「問題の把 握」 討」 が考えられ, いずれの段階でも 「基礎・基本」 の習得と関連付ける. 例 えば, 「問題の把握」 以降の段階と 「基礎.基本」 の習得 を関連付けると, いずれの段階でも 「既 習の基礎・基本の活用」 が大事になってくる‐ 本時の授業をするために必要な既習の基礎・基本は何か (知識・技能, 数学的な考え方, 領域固有の 学び方) をはっきりさせておくことである. このことは, 前時からみれ ば 「基礎・基本」 の活用にあた り, 「基礎.基本」 の習得 を行っ たあとで, 先のこ とを見据えて 「基礎・基本」 を活用する力を子 ども につ ける こ と を 意 味する.. イ. 既習の基礎・基本の活用 問題解決の各段階で どのよう な既習の基礎・基本が活用 されるか, また, 各段階で どのような基礎・ 基本の力 を育てようとするのかを, 教師が把握しておくことが大切なことである. 例 えば, 「解決の計画の段階」 でなぜ自分はそのような式を立てたのか, なぜ自分はそのようにする のか, なぜ解の見通しをそのようにしたのか, を既習 と結び付けて考えたり, 「解決の実行」 では, 既 習の学習 を類推すること (あの時, こんな考え方をしたんじゃないか-例 えば, (分数) ÷ (分数) を 学習する とき, (整数) ÷ (分数) で割る数の分数の逆数をかけたんじゃ ないか, とか, 三角形の面積 を求める公式を求める ときに, 平行四辺形の面積公式を求める ときに等積変形をしたから, 同じ考えで できるんじゃ ないか, というようなこと) が考えられる‐ また, 「解決の検討」 では本時で習得 した 「新しい基礎‐基本」 と既習の基礎・基本の類似点 (拡張) (先の例で, (分数) ÷ (分数) でも割る数 の分数の逆数をかければよい) 相違点を意識する ことも大切なことである. さらに, 「解決の検討」 段 階では次時 (単元) の場面に活用できる 「基礎・基本」 の定着が大切である. y. 具体的な実践 - 実践例1. 6年. 「分数のわり算」. 庄司. ひさ子. 1. 単元における基礎・基本 ー基本として次の2つ を設定し実践した 単元における基礎・ ‐ ①. 考え方に関する基礎・基本としての 「数直線の使い方」 数直 線 につ い て は, テ ー プ 図 を そ のス タ ー トと して 考 える と, 2 年 生 の 時 から既 に扱 っ てき て いる. 数直. 線は, 立式のための手段として, あるい は計算の方法を見つけるための手段として大変有効であるにもかか わらず, 子 ども達が実際の場面でそのよさを感じ取り, 次へ使っ ていこうとすることは, なかなかできない 93.
(9) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 瀞・森井 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻 智・関根 基樹‐藤原. 厚友 亜紀. のが現実である. それは, 本当に数直線のよさを感じ取れるはずの学習場面で 結局十分に活用させること , がで き てい な い か らで は ない だろ う か ‐. 「分数のわり算」 の単元では この数直線が 混乱しがちな分数同士のわり算の立式のため に大変有効に , , はたらき, 割る数を逆数にしてかけるという 計算方法を見つけていくときに 正に一番分かりやすく説明し , ていくことができる手段となる. 単元を通して意図的に強調して扱っていくことで そのよさを感じ 基礎 , , ・ 基本 と して 身 につ い て いく と 考 えた‐. ②. 学び方の基礎.基本としての 「学習の見通しをもつこと」. 算数が 「楽しい」 と感じるのは, どんなときか と考えたときに いくつかの条件が見えてくるが 学習 , , , の 「学び方」 がわかる, という のも, 大切なことではないだろうか. そこには 学習に対する受 け身の姿で , はなく, 自ら学ぼうとする姿が見えてくる. この 「分数のわり算」 の単元でも 学習の 「学び方」 をはっき , りさせ, 子ども達が見通しを持っ て学習を進めていけるよう にしたいと考えた . 2. 具体的な学習活動 ① 数直線について 立式 の ため の 手段 と して 特 に強調 して扱 っ た . ,. 「分数のかけ算」 にしても, 「分数のわり算」 にしても 問題の内容は 決して複雑なものではない 整 , , . 数の範囲であれば, 2年生や3年生で学習する程度の内容である. ところが数値が分数に変わるだけで子ど も達はとま どい, 立式に大変苦労 し 自分が立てた式に自信が持てない わり算 になると特にその傾向が見 , ‐ られる. そこで, 「分数のかけ算」 に入る前に かけ算とわり算の関係 を 数直線に表すことで比較させ , , , その違いをはっ きりさせる時間を設定する. 自分が立てた式が正しいか どうか判 断できる手段を持ち ま , た, 確かめる場をしっ かりと保障していくことで わり算に入ったときにも 立式のための有効な方法とし , , ての数直線というものが子 ども達に身に付き, 立式に自信をもっ て 学び進め ていくことができると考え , た.. ②. 学習の見通しについて 「学びのス テッ プ」 と名付け 4つの 「ステージ」 に分けて学習の見通しを持たせた , . 第1ス テー ジ. ① 問題 を 知る.. ② 立式 す る‐. ③立式が正しいことを確かめる. (整数に置き換える. 数直線を使う) ④答を予想する. ⑥解決の方法を決める. 第2ス テージ ⑥自力で解決する. (友だちと交流する.) 第3ステージ ⑦全体で交流 して, 計算方法を整理する. 第4ステージ ⑧自分の学びを振り返る. 3. 本時における基礎・基本のとらえ ①. 本 時 の 学習 課題 「 dぬ れる ペ ンキ があ りま す‐こ の ペ ンキ18 で何 げぬ れる で しょ う か 」 3/48 で壁 を2/5 1 .. ②. 本時の基礎・基本を 「単位分数に着目すること」 と考えた. すなわち 3/4は1/4が3つ集まっ た , 数と考える方法である.. 手 だて. その1. 基 礎 ・ 基本 を 強調 する. 今回は 「単位分数」 を, 「分数のかけ算」 の時から 「ポイ ント」 と しておさえ 分数の学習を進める上 , で, 大切な既習であることを意識付けてきた‐ そうすることで どこで どんなふう に 「ポイ ント」 を使う , , かということは, 単元を通した問題意識にもなりうると考えた. 94.
(10) . . 基礎‐基本の収得を目 ざす授業の実践的研究 (1). 手 だて. 前 時 と の 違い を は っ き り させ る. そ の2. を学習している. 本時も面積を とした後, 「計算の仕方」 を考える活動に入り, 3/4の分子の. dで式は2/5÷1/4 前時の場合は, 1/41でぬれる面積が2/51 同 じに設定し, 立式を 2/5÷3/4. 3 に着目した 「数直線」 の操作で追求をはじめた.. 4. 本時の展開 王. な. 学. 習. 活. 1 教師の かかわり. 動. 1 1 3/4 筋で2/5nfぬ れる ペ ンキ があ り ま す‐ こ の ペ ン キ 1 銃で は, 何 げ ぬ れる で しょ う か‐ 昨 日 の 問 題 と, 3/製元の と こ ろ が, 違う だ け だ‐ 学 びのス テ ッ プにそ っ て, 取 り 組 ん で い こう. 式 は, 2/5÷3/4だ.. 第1ス テー ジ. 濁る. く」 至上 ・. @◎ 立 式 は, よ さ そう だ. ‐ 答える±.. \\ 鴛 麺 ぐ 2/5よ り は小 さ い‐. 1 自力 解 決 の …. -. 1 !矧ぎ1. 覇 α 日の答えよ. ず 鱗は ・. 12/5÷3/4の計 算 の 方 法 を 考 え よう.1 第2ス テ ー ジ~ 第 3ス テ ー ジ. 3を 声 ク駆 つ無 G1/4が3 G何巡 の意 味 だ ) と か しなく ち ゃ) ノ. … ・ 1. - I ,. \ 晒 ノ の場面は , . 問題. d. 計算 で. 数直 線で. 面積図で. ×4 ′←\\ // \ ÷ 3 2/5 口 \ ノ. … せ て お く. ,. 2/5÷3/4 ま ず, 2/5÷3. , それぞれの それ ぞれの ー 共 通 点 に目 1 1 共通点に目 1 を向けさせ を向けさせ 1 . 1 る‐ 1 ,. 次に. 1 =. 三三 \ / 1/4 3/4 ・. : 1. 2/15×4 =8/15. \\ // ~≧4. た り の 数 を 求 め て い る ね‐ どれ も, まず分子の3で割 ま ず 分 子 の 3 で 割 って, 1 1/4あ どれも /4あたりの数を求めているね た め に 分母の4 そ れ か ら 1 あ た り を 求 め る ために それから1あたりを求める , 分 母 の4 を か け て いる ん だ. える か な. を か ける の は, 他の分数でも言 ま ず 分子で割 割 っ て, 分母をかけるのは 他 の 分 数 で も 言 えるかな 分 子 で 分 母 まず , かけ算の時のような記号の式にもできそう だね‐. 第4ステー ジ. 学びを振り返ろう. 95.
(11) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻 智・関根. 静・森井 基樹‐藤原. 厚友 亜紀. 5. 実践を終えて 学び方の基礎・基本として, 「学びのス テ ッ プ」 を 定着させることで 子 ども 達は主体的に 見通 しを , , 持 っ て学習 を進め ていく こ と ができる よう にな っ た. ま た この 実践 は 数直 線 を意 図 的 に使 わせ て い っ た , ,. ことになるが, 立式に自信を持って学 び進めていくことができたことはもちろん 計算方法を考える際に有 , 効な手段となることに気付き, 数直線のよさを改めて実感していくことにつながった. 今後 数直線を基礎 , ・基本ととらえたとき, そのよさとして身につけていかなくてはならないことは何か また 学年間の関連 , , についても明らかにする必要があると考える. 実践例. 2. 4年 「小数のかけ算とわり算」. 末原. 久史. 1. 単元における基礎・基本 単元における基礎・基本として, 次の3つの観点を設定した. 教育出版教師用指導書より. 関 心 ・ 意欲 ・態 度. 本単元で考えた基礎・基本 ノ. . (小数) × (整数) -, (小数) ÷ (整数) の計算の仕方を進んで考えようとする.. r. ・ (小数) × (整数), (小数) ÷ (整数) の計算を問題解決に生かそうとする‐. . (小数) × (整数) の計算を整数の乗法を ・小数をかけたりわっ たりするとき に, 位取 数学的な考え方. もとにして考えることができる. . (小数) ÷ (整数) の計算を整数の除法を もとにしてかんがえることができる‐. りについて考えることができる‐. 表 現 ・ 処 理. ・24×7のような (小数) × (整数), 3 6÷ ・小数第1位 (第2位) を基にして (整数に . 3のよう な (小数) ÷ (整数) の計算がで 置きかえて) かけ算, わり算ができる. きる‐ (乗数・除数が整数の場合のみ). 知. ・小数の乗法や除法の計算の仕方がわかる.. 識. ・. 理. 解. ・正しい筆算の仕方がわかる. ・ (なぜだか言える.). なお, 本実践では 「習得状況の見取り」 を1つの課題にしたこともあ っ て 「関心.意欲 態度 学び , , 方」 の基礎・基本の内容を除外した. 2, 実践するにおいて各時間で大切にしたいこと ① 基礎.基本をはっ きりさせること. 授業者自身が基礎・基本を特定すること. ② 習得状況の見取りを本時で考えた基礎・基本と合致させること. げ) 習得状況の見取りについては, 今回は時間的都合と 言語能力の差を問わないものとして 穴埋め式 , , を用いて, だれでも内容を理解していれば (基礎・基本が習得されていれば) 答えられるものとした . ”) 後で検証しやすいように, なるべく教科書 (に準じた問題で構成することにした‐ 防 授業の流れは, 問題解決的授業となるように, 位取りについて考えたり 筆算について考える等の場 , 面を多く取り入れた. いわゆる, ドリル学習的な要素は, 基礎・基本の習得状況としてをとらえなかっ た.. 9 6.
(12) . 基礎・基本の収得を目 ざす授業の実践的研究 (1). 時数. 3. 単元計画. I. 単位時間で目指す基礎基本. 活. 動. 内. 容. オリ エ ンテーショ ン. 0 1の 意 味 がわ かる‐ ‐. かけ算の問題をつくること がで きる‐. □‐ □×□の文章問題つくり. (考え方). 2. 2×3の文章題を使って求め方を 小数×整数の意味がわかる‐ 0 . 小数を整数倍できる. 考える (知識・理解). 習得状況の見取り方 口‐ 口が□つ分なの で□つ ぐらいになり そうです. 3× 4 0 ‐. 3は○ 1カミ 0 ‐ ‐. □分です. 3 × 4 = 2だから 1. 所見 人数:2 8人中 見通しが概数な どを用いて正し く立てられた子 20人 両方正しく入れ られた子 2 3人. 0 3× 4 = □ で す. ‐. 3. 前時を生かして小数部分と 整数部分を分けて考えるこ とができる‐. 2 4×7を文章題から考える. ‐ 2 ( 41を7杯分) .. 〈補欠教師による指導〉. 計算練習・発展等の問題. (表現・処理). 既習の習熟 1 2 6×7の計算方法など ‐. (考え方). へ U《v AI-. 7. 小数をわかることの意味が わ かる‐. 8. 9. 4 6÷2 ‐. 1 4 ( 6 錠を2つの入れ物に入れる) .. 練習. 位が増えても, 位ごとに分 けて考えられる‐. 8 67÷3 の 筆 算 ‐. あまりの数がわかる‐. 8 67÷3 ‐. (考え方). → 8 68÷ 3 ‐. (表現・処理) 10. 5都の コ ー ラ を 2 人 で 飲 み ま す. 1 人 割りつ づけるこ とがわかる. 0‐ 割り進む計算が理解できる. イ可都飲めるでしょう. (知識・理解). 11. 整数÷整数の計算について 理解する. (知識・理解). 16mのひもを6人で等分すると, 1人. 倍を表す少数を知る. (知識‐ 理解). 学校から70mの00君の家は△△君の 28mの何倍か‐. 12. が□ こ分 だか ら1 2 . × 7=□. 練習. (知識・理解). 1 2× 7 1 2は0 1カミ 2 6人 . ・ ・ □ こ‐ 1 ‐2× 7 は○‐1. 筆算・計算の正確度. 7 2を使 っ て 位 で 分 22人 ‐ 小数点が抜ける けて考えられるか‐ 子4人 商の間違い2人 27人. 0 36÷ 4 .. 16 5÷3の文章問題 1 9人 ‐ から正 しくあまりを あまりの数の処 求めて単位をつけて 理の誤り 答える- 20人 「 0 」が抜けた子 . が3 人.その他 の不理解が4人.. 1÷8の筆算. ・. 21人. 分 は何 m に なる で しょ う‐. 35m の◎◎君の家は 28mの△△君の何倍 か?. 数人 式がかけ, 意味 が言 える(書 け る)子.. ‐. 計算の誤答は含 まず. 13. (表現・処理). 各授業時間を終えた感想. ま 、とめの練習. (数字は単元の授業時間を表す). 1. 既習の想起と既習事項を改めて習得することを目標に据えたが, 本時の見取りは見通しを持っているか どうかに焦点を当てた. そのため, 目標 と習得状況のずれを感じた. 「目標の到達状況をはかる」 = 「習 得状況の見取りに用いた問題等」 とならなかっ た. この結果を生かし, 本時に見通しがもてていない子供 たち が, こ れ か らの学習 を進 める 中 で, 授 業 の 中 に どのよう に変化 して いく の かを見 て い き た い.. 2. 習得状況の見取り方が穴埋め式なので, 「 0 .3は0 ‐1が口分」 を×4 と間違っ て4を入れた子も基礎基本 の習得が疑問なので, 誤答にいれた. 7. 習得状況の確 かめが, 学習内容の復習というよりは, 繰り下がり ( 7 .2÷2) を入れたため, 本来の意 図とは多少ずれてしまった. これは, 本時の学習内容が習得されていれば, 本時の見取りの問題であっ て 97.
(13) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 末原 久史・平野 亮子・村上. 美幸・庄司ひさ子・島貫 智・関根 友宏・酒巻. 静・森井 厚友 基樹・藤原 亜紀. も解くことができると考えたからである. やや発展的な問題を解けることが基礎・基本が習得できていた ことになるのではないかと考えたが, その時間の習得状況と 「活用する」 という新たな要素を取り入れる 結果になったので, やはり本時内容の習得状況の見取りの方が望ましいと考える‐ 9. 授業の問題をわかりやすくするために, あまりのないものとあまりのあるものを, あえて似た数字で授 業をした‐ 習得状況の見取りでは, 数をやさしくした. だが, 授業の中では筆算を中心にした活動, 見取 りでは文章問題で行ったことが, 習得状況が悪い要因の一つである と考えられる‐ 子ども達にとって, あ まりの小数を意識することは, 便宜上できても納得できないものがあり, 筆算の方法のみで理解させるの か, あまりを検討しながら納得させるの か悩むところでもある‐ 問題の簡便化 だ けでは乗り越えられな い, 子 ども 達 にと っ ての 大 きな壁 があ っ た‐. IQ 反省を生かし, 具体的な場面でわり進むことを学習した‐ 習得状況の見取りでは, 子 ども達の挑戦意欲 も喚起したいという思いが先に立ち, (整数) ÷ (整数) をわり進める という授業よりもやや高度な方法 を用いた. 授業の意図をそのまま反映させる習得状況の見取り方を考えていく必要がある. 見取りを確認 テスト的に終わらずに, 問題解決の自己評価のひとつと考えると, 「7時間目の授業を終えて」 のような 考えもでる. 4. 基礎.基本の習得状況に関して ① 習得状況を探っ ていくときに, 本当に理解しているか どうかの検証をしていくときには, やや違っ た問 題にも適応させたいという考えが強く働いてしまい, 発展的な検証方法にすることが多かっ た. ② 個々の学習における習得状況がよく把握できたが, 次のような課題も生まれた‐ ( ) 習得状況の良くない特定の子 どもに対する支援の仕方では今までの座席表による見取りや支援の方法 ァ とあまり変わりないように思える. ”) 授業改善という点では, 授業の課題をやさしいものに変えることもできるが, これも今までの指導で 考えてきたこととあまり変わりないように感じる‐ け ) 子 ども達ひとりひとりの今後の学習にどのように返っていくのか‐ の. 定着状況がわかったことで, 「問題解決型」 の授業に どう生かされたり, 学習の自立に生かされてい く の か?. 基礎.基本の習得状況の確認を通して, 特定の子 どもに基礎基本が身についていない場合, その子ども も基礎・基本を習得できるような本時を考えていく必要がある.. ③. 5. 基礎・基本の習得状況に関するまとめ ① 単元の中で, 子 ども にとっ て一番抵抗感が強いものは何かを考えることが, 基礎・基本の特定ともいえ る. その授業場面に焦点を当てて授業を展開していく. その中で子ども達の変容を見ていくことが, 基礎 ・基本を1時間の中で見ていく ときに有効と考える. 本単元の場合, 小数で割るという事実に初めて出合っ たときに, 小数で割ることが可能かどうか, 既習 の内容を基礎・基本として活用し, その状況から どの段階で, 新たな基礎・基本 (本時の目標ともいう べ きもの) を習得していくのかを考えていくことが重要である. このことに関しては, 抵抗感が強い 「小数 のあまりを正しく理解する.」 (⑨時間目) や 「整数を割り進むこと」 (⑩時間目) にも当て はめて考える こと ができる.. ②. 基礎.基本の習得状況をみる場合, 「目標 と合致する授業」 を中心に進めてきたが, それは授業の成立 状況そのものを問うことになり, 日常実践の中では漠然とした目標意識であっ たことを実感した. 「目標. 98.
(14) . 基礎.基本の収得を目ざす授業の実践的研究 (工). の到達状況をはかる」 = 「習得状況の見取りに用いた問題等」 とならなかったことも多かった. 今後, 目標が複数にわたった場合の習得状況の見取り方, 目標に適した授業場面での見取り方 (例 「課 題把握後が適切なのか」「小集団交流後が適切なのか」 など) を考えていきたい 本実践が授業の終末を中心に行われたものであるために, 学習展開の中で どう身につけているか, その. ③. 状況を調べていくことはできなかっ た‐ 習得状況を1時間の授業の中で追いながら調べる実践が課題とし て残る‐. 本実践では, 学級の全体を見て授業の最後に基礎基本の習得状況を見てきたが, 本時における基礎・基 本の習得状況を探る児童を限定したりすることで, 授業の途中であっても習得状況を探ることができる と 考える. さらに, 問題解決的授業を行う中で, 授業の流れを止めない, なおかつ, 見取りの方法 が暖昧ではなく 確かなものにしていく試みが必要である と考える. ④. 今後, 高学年での授業を考える ときに, 子供自身による習得状況の確認ができないものか. また, 子 ど も同士によるお互いの習得状況が確認できるような方法についても検証していきたい.. 実 践例. 3. 1 年 「長 さく ら べ」. 平野. 亮子. 1. 単元における基礎・基本 1 ) 単元の目標 ( ・直接比較できるものの長さは, 端をそろえれ ばよいことに気付 き, 長さの意味を体験的に知る. ・直 接 比 較で き な い もの の 長 さ は, 媒 介物 を用 い て 比べ る こ と に気 付 く. 2 ( ) 上 の 目標 に 沿い, 次の2 つ の 基礎 ・ 基本 を 導 き 出 した.. ①. 学習内容における基礎・基本 ・ 端 を そろ える. ・ ま っ す ぐに して比 べる.. .同じ長さの媒介物で何個分と測定 (鉛筆同士であっても長さが違えば何個分として比べられない) .いくつもの長さを比較するときには, 何個分と表すと分かりやすい. (共通単位での測定のよさ) ②. 学習の進め方においての基礎・基本. ・以前に使っ た方法をまたつかってみる力 (見通しの持ち方) ・友達と比べたり関わっ たりすることで学んでいく力 (学習においての自己の高まり方). ( ) 具体的な学習活動 3 上記の基礎・基本を子供たちに身につけさせていくために, 同じ活動を何度も試してみることができる ような単元構成を主に考え, 試みた. 1時間目に 「えんぴつのながさくらべ」 で 『端をそろえる』 という基礎・基本を押さ, 次の時間にも, また次の時間にも何度も繰り返し確認できるような場をつくるよう心がけた, 2時間目の 「おはじきとば しゲーム」 で は, 『ま っ す ぐに して 比 べ る』 『媒 介物 をつ か っ て比 べ たり, その 何個 分 で比 べる こ と ができ. る』 という基礎・基本に子供自身が気付いたら, その考え方を違う場でも使うことができる どうかをまた 体験できるよう な場構成を試みた. そのために, おは じきとばしゲームのあとに 「どれだけとんだか な?」 という立ち幅跳びのゲームも取り入れた. また, 測定する中での疑問や問題点が見 えやすくなるよう単元計画中盤にグループ活動を取り入れた. 99.
(15) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻 智・関根. 静・森井 厚友 基樹・藤原 亜紀. 「学び方の基礎.基本」 を育てるねらからは, 小グループを通して 『友達と比べたり関わったりすること で学んでいく力』 を身につけさせることを考えて展開した‐ さらに, 2年生の学習につながる共通単位の便利さまで目がいくように, クラス全員のとんだ距離を比べ るという活動をとおして, みんながもっている同じ道具 (例え ば連結積木) の何個分で調べれば簡単に比べ られそうだという 『共通単位での測定のよさ』 を習得させる目標を設定して展開した. 2. 本時における基礎・基本 ( 1 ) 本時の目標 ・順位を決めるための測定方法を考え, 測定することができる. ・よりよい測り方を目指して友達と意見を交流することができる.. ( 2 ) 本時の展開 (4/5時)(省略) 3. 実践の成果と今後の課題. 成果① グループでの活動を繰り返すことにより, 友達の測定活動を見てみよう, まねをしてみよう, 他のグ ループはどう しているだろうかという他者意識が少しずつでてきた. (学び方の基礎.基本) <子供の姿から…> ・自分は鉛筆何本分かで測っ たが, 友達は消 しゴムの数で測り始めた. そこで, 消 し ゴムでも試 し始め る. ノ ー トに は, 2 種類 の 測 定結 果 が記 さ れている.. ・友達が, 自分の跳ばした長さ (距離) の所に紙テープをはり, 長さくらべを始めた. 自分は, 紙テープ 作戦ではないが, 友達の測定の様子をじっと見ながら共 に活動しよう と動き始めた. 自分の方法にこだわり, なかなかそこから活動が広がらない低学年にとっては, 身近に比べる相手がいる ということは, とても大切なことである. グループでの活動の場が, 自然と他と自分を比べる場になっ て い っ た と 考え ら れる.. 成果② グループの中での発言が, 全体交流の場でも自信をもって表出されるようになっていっ た. <子供の姿から…> ・ (グループの中での意見) みんなそれぞれ自分の消しゴム で測るんじゃなくて誰か一人の消しゴムで比べ なく ち ゃ 比べ ら れない ん じゃ な い の?. ・ (個数では一番多いこの人がチャ ン ピオンだねという教師の投げかけに) 僕が一番多いけれ ども他のグ ルー プは どんな消 し ゴム で測 っ たの かわ か らな い‐ ○ ○ ち や んが 言 っ てい たよう に一つ の 長 さ が違 っ たら 比 べ ら れな いよ‐. 比較方法の話し合いが行きつ戻りつするグループ活動の中で, 子供たちは次第に 「同じもので測定しな ければ」 という意識に向き, みんな持っ ている連結積木で測るよさまで気付く子がでてきた. 改善のポイント① 本時の測定活動に生きるように1度目のおはじきとばしゲームの測定活動をもっと大切に扱う‐ 100.
(16) . 基礎・基本の収得を目 ざす授業の実践的研究 (1). < 1度 目 の お は じき と ば しゲ ーム で培 っ てお く べ き力 ・ 体験 > どんな測 定方法 がある か体験. (~何個分・紙テー プをあて. て) (基礎.基本). より正確 に測る ためには, 道 具を どのよう に使わなくて は ならないか‐ (基礎.基本). 友達と比べてみたい と いう 意 欲を高める教師の関わり によ って測定の必然性を体験させる‐. こ れらの 体 験 が十 分 で な か っ たため に, ス ム ー ズ な測 定活動 を 行う こ と ができ な か っ た 子, グルー プのあ. る子が提起する問題について一緒に考えるまでに至らなかっ た子がいた. (基礎・基本の不徹底) 別 の ゲーム を 体験 さ せる よ さ も ある が, 同 じゲーム で グルー プチ ャ ン ピ オ ン, 学 級 チ ャ ン ピ オ. を決めると. いう単元構成でよかったのではないかと単元の指導を終えて改めて感じた. 改善のポイント② 各グループの悩みをもっ と早い段階で全体のものにし, 位置付けておくと問題を解決する時間を本時内 に も つ こ と がで きる.. 友達同士の関わりやグループ内での交流は, 多く見られたが, 個々が様々な問題を抱えながら活動してい た‐ グループでの話し合いによる解決を待ちすぎたために, 全体での問題にする場面が, 本時のかなり後半 にな っ て しま っ た‐. 次時に, 本時予定の話し合い活動をもつことはできたが, 本時では, そこに至るまで子供たちに任せすぎ てしまったことが反省点であり, かつ改善すべき点である. 1年生という発達段階を考えてみても, 活動の手を止めさせて, 早い段階で問題を整理, 焦点化して進め る こ と が, よ り 楽 しい 活動 につ な が っ て い っ た の で は な い か と 考 え た. (教 師側 の 素 早 い 整 理 が基 礎 ・ 基本. 定着にとって大切…時間配分, 焦点化, 精選) 4. おわ り に. この単元における 「基礎・基本」 は, 知識のみならず, 正確に測定するという作業的, 技術的な基礎.基 本も含まれる. 5時間という配当の中で, どのように 「測定する」 ということを体験させ, 更により便利な 測 り方 につ い て の・学習 も 計 画 する こ と は, と て も難 しか っ た. この 単 元 の み な らず, 考 え方 と 技 術 的, 作 業. 的な面とを上手に織り込んだ単元構成をどのように図っ ていけばいいかを考えていくのが, 今後の課題であ る‐. 5. 上記以外に提起され検討された諸問題 今年度, 会員の授業実践の交流を通して次のような課題が提起された. これらの内容はいずれも今後に継 続する課題である‐ ①基礎.基本の習得と 「算数的活動」 の位置づけや具体的関連 ②基礎.基本重視の授業における次のような問題解決の学び方の位置付けやその指導 ア. 問 い の 重 視. イ. 既習 の 活用. ウー 見 通 しや 見 積 り. エ‐ 問 題作 り. オ. 集 団の 交流. ③指導後における習得状況評価の比較資料の活用 (文部省その他の学力調査 データ) など.. 101.
(17) . 大久保和義・山本 哲雄・阿部 美幸・庄司ひさ子・島貫 智・関根 末原 久史・平野 亮子・村上 友宏・酒巻. 静・森井 基樹・藤原. 厚友 亜紀. 参考文献 ) 1 9 9 9 1) 文部省 小学校学習指導要領解説 算数編, 東洋館出版社 ( 20 00 ) 2) 大久保和義他、 算数教育における基礎・基本の研究、 北海道教育大学紀要51巻1号 ( . , 189一198. (本学教授 札幌校).
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