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道内中学生の生活・健康・体力に関する実態調査

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Academic year: 2021

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(1)Title. 道内中学生の生活・健康・体力に関する実態調査. Author(s). 佐藤, 毅; 岡崎, 勝博; 菅原, 恵; 造田, 哲也; 北澤, 一利; 小澤, 治 夫. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第37号: 89-94. Issue Date. 2005-10. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1346. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要一第37号(平成17年) KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat Kushiro−No.37(2005):89−94.. 道内中学生の生活・健康・体力に関する実態調査. 佐 藤. 毅1・岡 崎 勝 博2・菅 原. 恵3. 造 田 哲 也4・北 洋 一 利4・小 洋 治 夫4 1北海道教育大学附属釧路中学校 2筑波大学附属駒場中・高等学校 3北海道教育大学大学院 4北海道教育大学. Research onlife−Style,health,and,fitness. OfJunior HighschooIstudentsin Hokkaido. 1TakeshiSATO,2Kazuhiro OKAZAKI,3MegumiSuGAWARA,. 4Tetsuya ZoDA,4KazutoshiKITAZAWA and4Haruo OzAWA IKushiroJuniorHighSchoolattached to Hokkaido University ofEducation 2Komaba Secondary SchooIAttached to TsukubaUniversity 34. Hokkaido University ofEducation,Kushiro campus. 要 旨. 近年、子どもたちの生活には睡眠不足や食生活の不適切などが見られ、そうした問題が子どもたちから快活 さを失わせている。北海道は自然に恵まれた生活環境にあるが、子どもたちの生活や健康あるいは体力の実 態には懸念もされている。そこで、道東の中学生の生活がいかなるものかを明らかにすることを目的として 本調査を行った。. その結果、東京都内の中学生と比較して北海道内の中学生の方が健康状態は悪いと感じている生徒が多く、 特に「眠い」と感じている割合が大変高かった。その原因は就寝時間が遅く、睡眠時間が6時間以下という生 徒の割合が30%以上であるということが考えられる。その他に感じている症状としては、「目が疲れる」「考 えがまとまらない」「いらいらする」などがあげられた。さらに、道内中学生は学習意欲についても低く、そ の理由としては「気分がすぐれない」「体調が悪い」といったものが多くあげられている。「勉強や宿題」「友 人関係」など精神面に関わるものより、健康状態に関わった理由が多いのは、慢性的な睡眠不足が影響を及 ぼしていると考えられる。 また、体力測定の結果から道内中学生は筋力や瞬発力は優れているが、持久力が劣っていることがわかっ た。瞬間的に力を発揮することはできるが、健康状態の悪い道内中学生は、長い時間力を出し続けること、 がんばり続けることが苦手であるということが考えられる。 今後、学校においては生徒の生活習慣改善を図る指導や、家庭への啓蒙を継続的に行っていく必要がある。 さらに、体力を向上させる体育の授業の構築を継続的に行っていくことが重要である。. 目. そこで、道内中学生の生活・健康・体力の実態を調査し、. 的. 全国および首都圏の中学生徒との比較検討を通して問題点. 朝食欠食の増加、就寝時間、起床時間の遅延、そして、. を明らかにすることを目的として本研究を行った。. 睡眠不足などの生活習慣の悪化により中学生の健康が懸念 されている1)。自然環境に恵まれた北海道内の中学生におい. 方 法. ても、首都圏に生活する中学生と大差なく、改善が求めら. 北海道内のF中学校の2年生男女120名、3年生男女120. れている。. −89−.

(3) 佐藤 毅 他 名を対象に2004年11月に生活と健康の実態に関する調査を. 行い、単純集計を行った。なお、このアンケート項目はT. 行った。同様に、東京都内のT中学校の2年生男子120名、 3年生男子120名を対象に2004年に実施した。 生活と健康の実態に関する調査は、食事、睡眠、運動な. 中学校で行っている「生活と健康に関するアンケート」を そのまま利用した。. どについて50の質問項目によるアンケート調査(表1)を. を行い、測定結果を単純集計した。. また、体力については新体カテストにより8項目の計測. 表1 生活と健康に関するアンケート. (1) (2) (3) (4) (5) (6). あなたは、現在の自分の健康状態をどのように思っていますか。 次のうち、ここ1か月くらいであなたにあてはまる症状がありますか。 次のうち、あなたがふだん心がけていることはなんですか。 あなたは平日(普通の授業がある日)平均すると何時頃起きていますか。 起床についてうかがいます。 あなたは平日(普通の授業がある日)平均すると何時頃寝ていますか。. (7) 就寝についてうかがいます。. (8) あなたの睡眠時間は(普通の授業がある日)何時聞くらいですか。 (9) あなたの睡眠時間の量はどうですか。 (10) あなたは夜間の睡眠時間以外でも眠くなることがありますか。 (11) あなたは朝食をいつもとりますか。 (12) (11)で「3.食べない方が多い」・「4.いつも食べない」と答えた人、その理由は何ですか。 (13) 朝食についてうかがいます。. (14) 昼食についてうかがいます。 (15) 学校で販売のパンや焼きそばをどれくらい利用していますか。 (16) 学校で昼食をとるのは(普通の授業がある日)何時頃ですか。 (17) あなたは夕食をいつもとりますか。 (18) (17)で「1.いつも食べる」・「2.食べる方が多い」と答えた人に夕食についてうかがいます。 (19) 夕食の時間は(普通の授業がある日)平均すると何時頃ですか。 (20) 大便の回数はどれくらいですか。 (21) 大便はどんなですか。 (22) 歯みがきについてうかがいます。 (23) 入浴についてうかがいます。. (24) よく飲む飲料水は次のうちどれですか。 (25) あなたは学校で飲料水をどのような方法で利用していますか。 (26) あなたはこれまでに骨折(ひびも含む)の経験がありますか。 (27) 骨折(ひびも含む)経験のある人は、それはいつ頃でしたか。 (28) 骨折(ひびも含む)した部分はどこですか。 (29) どんなときに骨折しましたか。 (30) あなたは小学校時代まで、どのくらい牛乳を飲みましたか。 (31) 次の食物のうちよく摂るものはどれですか。 (32) あなたはお小遣いを1か月にいくらもらっていますか。 (33) お小遣いの使いみちは何ですか。 (34) おこづかいの額はどうですか。. (35) 通常あなたは学校にいくらくらいの現金を持っていきますか。 (36) 塾や予備校などには週何回通っていますか。 (37) あなたの学校外での学習時間(塾・予備校を含む)は平均するとどれくらいですか。 (38) クラブ活動は週何回おこなっていますか。 (39) あなたの参加している部・同好会活動は何ですか。 (40) あなたは、学校の先生にしてほしいことがありますか。. (41) (40)で「1.ある」と答えた人は、どのようなことですか。 (42) あなたは、学校に行くのがいやになることがありますか。 (43) (42)で「1.ある」と答えた人は、どのようなことですか。 (44) あなたは家庭での生活が楽しいですか。 (45) (44)で「2.ふつう」・「3.楽しくない」・「4.わからない」と答えた人はどのようなことですか。 (46) あなたは、家族にやめてほしいことがありますか。 (46)で「1.ある」・「2.少しある」・「3.あまりない」と答えた人は、どのようなことですか。 (48) あなたは、いま心配ごとや悩んでいることがありますか。 (49) (48)で「1.ある」と答えた人はそれぞれどんなことですか。(いくつでも可) (50) あなたは、ふだん何か困ったことがある場合、気軽に相談できる人がいますか。また、それは誰ですか。 (47). −90−.

(4) 道内中学生の生活・健康・体力に関する実態調査. 結果及び考察. 1 生活習慣と健康状態について 日常の生活習慣において、「あなたがふだんからJL、がけて いることは何ですか」という質問項目については、F・T 中生ともに「朝食を毎日とる」「体育以外のスポーツを行う」. 「疲れたら休養をとる」「睡眠を十分にとる」を選んでいる。 しかし、F中生では「太り過ぎない」という項目を選んだ. 生徒が多く、T中生との意識の違いの顕著な部分である。 図3 最近の健康状態における症状. 2 睡眠について. 睡眠時間を調査したところF中生の睡眠時間はT中生よ り少なく、特に6時間以下の生徒が30%を超えていること が明らかになった。. 図1 ふだんから心がけていること. 「朝食を毎日とる」と「睡眠を十分にとる」の項目につ. いてはどちらもT中生と比較してF中生の意識は低く、そ の差はおよそ15%もあった。 「あなたは自分の健康状態をどう思っていますか」とい. う質問項目については、「良い」と感じているF中生11%T 中生20.8%、「悪い」と感じているF中生約18%、T中生11.5%. 図4 平日の睡眠時間. であった。. このようにF中生は「よい」と感じている生徒が少なく、「悪 い」と感じている生徒が多く、T中生と比較するとF中生. で起きている生徒が25.7%いることが分かった。12時30分. の健康状態が悪い状態であると自覚している生徒が多いこ. 以降に就寝の生徒はさらに多く27.1%もいて、12時以降ま. とが明らかになった。. で起きている生徒は全体の半数を超えることが明らかになっ. また、就寝時間を調査したところ、F中生は12時以降ま. た。また、この傾向は学年による差は少なく、F中生全体 で見られる。. T中生をみると、「10:30∼11:00に就寝する」生徒の割 合が最も多く、時刻が遅くなるにつれて割合が少なくなっ ている。. 以上のことは、「普段から心がけていること」の調査結果. にあるように、「十分な睡眠」に対するF中生とT中生の意 識の差が現れているものと考えられる。 図2 最近の健康状態. 「最近の健康状態であてはまる症状は何ですか」という. 質問項目についてはF中生では圧倒的に「ねむい」という. 生徒が多く、続いて「目が疲れる」「考えがまとまらない」 「体がだるい」などであった。これは睡眠時問の不足が強 く影響した症状であることがうかがわれる。 T中生が感じている症状もF中生と同様に分布している. が、すべての項目においてF中生よりも少ない。 図5 平日の就寝時間. 一91−.

(5) 佐藤 毅 他. 起床時間を調べると、T中生が6時から6時30分に起き. 「夜間の睡眠時間以外で眠たくなるときはいつか」とい. る生徒が最も多いのに比較して、F中生は30分遅い6時30. う質問項目に対して、F中生では「学校で眠たくなる」と. 分から7時までに起きる生徒が多い。また、首都圏と比較. 答えた生徒が45%もいることが分かった。また、「家庭での. して通学距離が短く、通学に要する時間も短いためか、7. 学習中」「塾での学習中」に眠気を感じている生徒が多く、. 時30分から8時の間に起床する生徒も10%を超えることが. T中生は通学中の「電車の中」で眠気を感じ、学習時間に. 明らかになった。. 眠気を感じる生徒の割合が少ない。. 図9 いつ眠たくなるか. 図6 平日の起床時間 3 朝食について. 毎朝朝食を食べる割合を調査した結果、Ⅰγ中生は76.2%. であり、欠食する生徒が25%いる。さらには、「いつも食べ ない」と回答した生徒が6%もいた。T中生においては約 93%の生徒が毎朝朝食をとり、欠食率も非常に少ない。 この結果は「普段から心がけている」ことの結果と一致 しており、T中生の「朝食を毎日取る」意識の高さの現れ であると考えられる。 図7 起床について. 起床の時の様子を調査した結果、就寝時問の遅いF中生 は、なかなか自分一人では起きることができない実態が浮 き彫りになった。 F中生において、睡眠時間の量が「やや不十分」「かなり. 不十分」であると感じている生徒の割合を合計すると50% を超え、「慢性的な睡眠不足感」を感じている生徒が非常に 多いことが明らかになった。反対にT中生は「十分」「だい たい足りている」と感じている生徒が半数を超え、F中生 図10 朝食をいつもとるか. と比較すると、良好な状態といえる。. 4 学習意欲について 「学校に行くのがいやになることがありますか」という. 質問に対してF中生の約57%が「ある」と答えている。こ れはT中生の20%と比較すると大変多い。 その理由としては「気分がすぐれない」「体調が悪い」と いったものが多くあげられている。「勉強や宿題」「友人関 係」など精神面に関わるものより、健康状態に関わった理 由が多いのは、慢性的な睡眠不足が影響を及ぼしていると 図8睡眠時間は足りているか. 考えられる。. −92−.

(6) 道内中学生の生活・健康・体力に関する実態調査. 特に、筋力を測定する握力、上体おこし、瞬発力を測定. するハンドボール投捌こおいては、F中生が全国平均とT 中生の両方よりも高い数値を示している。 立ち幅跳びにおいてはハンドボール投げと同様に瞬発力. を測定する種目であるが、F中2年生の結果は全国平均をわ ずかながら上回ってはいるものの、T中生よりも低い値を 示している。. 図11学校に行くのがいやになること. 図15 男子のハンドボール投げ. 図12 学校に行きたくない理由. 5 体力について. F中生、T中生の測定結果と並びに全国平均値2)を比較す るとF中生男子の体力が比較的優れていることがわかった。. 図16 男子の立ち幅跳び. 1500m走の結果、F中3年生のタイムは、全国平均を上 回っているものの、T中生よりも遅い結果であった。さら に2年生男子においてはT中生、全国平均両方を下回ってお り、F中生の持久力の低さが明らかになった。. 筋力、瞬発力でともに全国平均、F中生よりも低い結果 であったT中生であるが、持久力を測定する1500m走にお 図13 男子の握力. いては、2・3年生の両方が全国平均、F中生の結果を上 回っている。. 図14 男子の上体おこし 図17 男子の1500m走. 一93一.

(7) 佐藤 毅 他 験学習プログラム開発に関する研究 2004.3 Pl15∼. 結 論. 129. 玉井(2004.3)らの研究によると、『自然が豊富で厳寒. 4)小洋治夫:元気が出る学校体育活動とその要因 教職. の地域である釧路市に住む子どもたち(小学生)は「他人. 研修2004.1 P127∼131. を信用し仲間意識が強く」、「役割分担に関する意識が高く」、 「人に見られても嫌でないというオープンな意識が強く」、. 5)中永征太郎・木村祥子・柿木佐恵子:中学生の健康状 態ならびに体力の自己判定に及ぼす生括習慣の影 幼. 「年下の子の面倒をよく見ることができる」という人間性. 児健康教育研究第10巻第1号P127∼130 2001. の良さを持っていることがわかる3)』。しかし、この北海道. 6)木村一彦・山成幸子:中学生の健康に関わる生活習慣. の地方都市における中学生の生活習慣が首都圏に住む中学. と親の関与 川崎医療福祉学会誌vol.3:恥2 1993. 生よりも悪い部分が多いという実態が明らかになった。 特に、「就寝時間や起床時間の遅延」、それに伴う「慢性 的な睡眠不足」、そして「朝食の欠食」という点においてで ある。. 7)前田清:中学生の自覚症状と生活習慣 小児保健研究 61巻 第5号 2002 P715∼722. 慢性的な睡眠不足により「学校での眠気」や「体がだる. い」「考えがまとまらない」などの症状を訴える生徒が多く、 それに伴う「学習意欲の低下」を生んでいると考えられる。 また、このことが登校意欲も低下させていると思われる。 このように健康状態の悪いF中生であるが、体力面では 全国平均を上回る要素が多く、特に瞬発的な種目では顕著 であった。しかし、持久走においては健康状態の良好な生 徒が多いT中生を大きく下回った。持久走のようにその生 徒の意欲がテストに関わる要素において、F中生は力を出 し切ることができないと考えられる。. 今後の課題. 本調査によって、就寝時間や起床時間、朝食の欠食など の実態が明らかなった。しかし、就寝前の具体的な行動や 朝食を食べない理由など、さらに詳しく調査を行っていく 必要がある。その結果をふまえ、学校教育現場において生 活習慣を改善していくために具体的な指導を継続的に行っ. ていくことが重要であろう。また、保護者に対しても啓蒙 活動や指導を行い、学校と家庭が協力していくことが重要 になると考える。 体力に関しては課題となる要素をより向上させていくた. めに、保健体育の授業において継続的な指導を行うことが できる授業を構築することが必要である。 さらに、本研究は中学生を対象に調査を行ったが、今後 は小学生にまで調査対象を広げ、実態を明らかにするとと もに、早い段階からの正しい生活習慣定着を図っていくこ とが重要である。. 参考文献. 1)小津治夫:最近の子どもの生活と健康・体力における 問題 教職研修2003.12 P80∼83 2)文部科学省:平成15年 体力・運動能力報告書 2004. 10. 3)玉井康之:子どもの心と主体的発達を促進する生活体. −94−.

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