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[講演要旨] 元禄関東地震(1703)による江戸市中の被害・震度の詳細分布

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歴史地震

第18 号(2002) 59 頁 受付日2003/2/24

[講演要旨]元禄関東地震(1703)による江戸市中の被害・震度の詳細分布

東京大学地震研究所 都司 嘉宣

Distributions of human loss, building damage, and seismic intensity in the central

area of Edo (Tokyo) due to the Genroku Kanto Earthquake of December 31, 1703

Yoshinobu TSUJI ERI, Univ. Tokyo 元禄十六年(1703)十一月二十三日の午前 2 時 頃,関東地方南部をおそった「元禄関東地震」は,大 正関東地震(1923)と同じく相模トラフに沿って起きた 巨大地震の一つである.この地震に関する古文献史 料は,「新収・日本地震史料・第 2 巻別巻」(東大地震 研,1982)に活字本にして 290 ページ分が紹介され, その約半分が江戸市中の記録である.本研究では, この原史料から,1 地点で起きた 1 事象を基本単位と するデータベースを作成した.いっぽう,今年平凡社 から「日本歴史地名大系」の「東京都の地名」(2002) が刊行され,正確な江戸時代の街路,大名屋敷の配 置などの現在地図上での位置照合が可能になった. これらの作業を経て,元禄地震による,江戸市中の詳 細被害分布,震度分布が解明された.震度分布の図 を下記に示す.皇居の東方,現在の東京駅にかけて と,その北方大手町付近,そこから九段下を経て水 道橋駅にかけて,震度 6 ないし 6 強の領域が延びて いる.また皇居前から南方,虎ノ門から溜め池,四谷 にかけても震度の大きな領域が延びている.これに 対して,現在の東京駅から東,京橋にかけて,比較 的震度の小さい地域がある.このような震度分布は, 安政江戸地震(1855),大正関東震災の震度分布と 共通している.また太田道灌の江戸城築城以前の日 比谷の入り江,平川,溜め池などの水域や,江戸前 島などの地形とよく対応している.

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