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Y県内特殊教育諸学校のWebページに関する一考察 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)Y県内特殊教育諸学校のWebページに関する一考察. 木 村. 則 夫. (山梨大学教育人間科学部附属養護学校) Ⅰ. はじめに. 特殊教育諸学校のWebページには,3つの流れがあると認識している。その一つめは,1999 年のバーチャル・エージェンシー1)「教育の情報化プロジェクト」報告やミレニアム・プ ロジェクト2)が発端となっている「教育の情報化」の流れである。コンピュータやインタ ーネットを活用し,情報社会に主体的に対応できる「情報活用能力」を育成することをね らった取り組みである。 第二は,1998年の中教審答申「今後の地方教育行政の在り方について」 3)にある,「開 かれた学校」づくりの流れである。その中で ,「学校評議員」の設置や,地域住民などに 対する積極的な情報提供を提案している。 第三は,2003年の「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」4)にある,盲・ 聾・養護学校の「地域における特別支援教育のセンター的機能を有する学校」の流れであ る。相談支援体制の充実、地域の研修会等の企画や支援を通じた指導上の知識や技能の小・ 中学校への普及を述べている。 2年前に全国の知的障害養護学校のWebページについて調査(註)したが,今回はY県内の 特殊教育諸学校について,上記の流れを踏まえながら,Webページの内容について調査し, 今後のWebページ作りに活かしていきたいと考えている。. Ⅱ. 方法. 1.調査対象 Y県内の特殊教育諸学校10校,分校2校の計12校のWebページを対象とする。. 2.調査方法 Webページの内容を2006年8月6日にGetHTMLW5)にて,階層ごとハードディスク内に保存 し,オフラインで一つずつのページを確認しながら,分析整理する。 アクセス解析では,L校のトップページに,民間のWebサイト(infoseek)が提供する無料 のアクセス解析用のタグ6)を設置し,L校のトップページを訪れたユーザを解析する。. - 134 -.

(2) 3.調査内容. (1). Webページの有無の調査. ①学校情報,②教育相談,③児童生徒のプライバシー,④インフォメーションやリンク についてを次の項目にそって調査する。 ①学校情報では,基本情報(住所,電話番号,地図,学校概要,沿革,校長あいさつ), 教育内容(教育目標,学部・学科の案内,各学部の案内,学習の様子,行事の様子),広 報・学校評価(学校だより,学校評価 ),分掌(研究,進路,PTA,同窓会,生徒指導, 交流,保健,情報教育,給食)の各項目のWebページの有無を調査する。 ②教育相談では教育相談,研修会案内,相談専用のメールアドレスのWebページの有無 を調査する。 ③児童生徒のプライバシーでは,Webページに貼り付けられた児童生徒の活動の画像の 有無および顔などへの画像処理の有無について調査する。 ④インフォメーションやリンクでは ,「インフォメーション」や「おしらせ」などのタ イトルで行事等を知らせるWebページの有無や更新情報,リンクの有無を調査する。. (2) 特徴的なWebページ 各校独自の取り組みの紹介やページの構成など,上記の項目以外で特徴的なものを調査 する。. (3). アクセス解析. 4月1日~8月31日までの間のアクセスを解析する。①アクセス数,②ページを訪問した ユーザーがどのような接続元を使用したか,③どの検索エンジンを使って訪れたか,の各 項目について解析する。. Ⅲ. 結果. 1.Webページの有無について Y県内12の特殊教育諸学校及び分校のうち,県立の学校が11校,大学の附属が1校であっ た。12校のWebページの設置率は100%であった。Webページの置かれているサーバは県の 情報教育部や大学の情報処理センターにあり,Webサーバの管理はそれらの機関が行ない, 各校ではWebページのデータをFTP等を使って,Webサーバに更新している。. - 135 -.

(3) 2.学校情報. (1) 基本情報 図1にもあるように,学校 の住所,電話番号,メールア. 沿革. ドレス,概要について,全て. 概要. の学校のWebページで記載が. 8 12. 校長あいさつ. 8. あった。地図に関しては,1 校のほかはWebページに記載. 地図. があった。校長あいさつや沿. 学校メール アドレス. 革については半数以上の学校. 電話番号. で記載があった。. 11 12 12 12. 住所. 図1 学校基本情報の有無. (2) 教育内容 教育目標(図2)は11校の学. 行事の様子. 校で表記があり,各学部の案. 学習の様子. 内で学部目標や教育課程の記. 各学部の案内. 載などが7校の学校で見られ た。学習の様子については4. 7 4 9. 学部・学科 の案内. 3. 教育目標. 校の学校での記載にとどまっ. 11. 図2 教育内容の有無. ている。. (3) 広報・学校評価 学校評価についてのページ を持っている学校は,3校だ. 学校評価. 3. けであり,学校だよりWebペ ージを持っていたのは2校だ けであった。. 学校だより. 2. 図3 学校評価・学校だよりの有無. - 136 -.

(4) (4) 分掌 分掌についての記 載がある学校は8校, そのうち6校は進路 についての記載をし ていた。 そのほかの分掌で は,研究についてが 4校,交流が5校であ った。また,分掌に ついてのページがな い学校は4校であっ. 研究 進路 A校 B校 C校 D校 E校 F 分校 G校 H校 I 分校 J校 K校 L校. ○. PTA. ○ ○. ○ ○. ○. ○. ○ ○ ○. 表1 分掌の有無 同窓 生徒 交流 会 指導 ○ ○. 保健 情報 給食 教育 ○ ○ ○. ○. ○ ○. た。. 3.教育相談. 教育相談の案内に関するWebページ は11校あり,設置率が高い。教育相. 広報誌. 談専用のメールアドレスを持ってい. 相談専用メアド. る学校は6校である。Webサーバを置. 研修会案内. 5 6 4 11. 教育相談. いている情報教育部や情報センター. 図5 教育相談の有無. の規約を見ると,申請があれば複数 のメールアドレスを持つことができる。教育相談の担当者の経歴を紹介している学校も1 校だけあり,その学校は,相談用のアドレスを担当者個人のアドレスにしてあった。特別 支援教育に関する研修会等の案内を掲載している学校は4校のみであった。. 4.インフォメーションやリンク 学校行事などのお知らせをトッ プページに載せている学校は7校,. リンク. 6. 更新情報. またWebページの更新情報を載せ ている学校は8校あった。逆にど. 8. お知らせ. 7. 図6 インフォメーションの有無. ちらも載せていない学校は3校で あった。. - 137 -.

(5) 5. 児童生徒の画像 児童生徒の画像は,10校の学校のWebペ 画像の処理. 9. ージで見つかった。それらの画像を処理 児童生徒の画像. したり,下や横を向いたもの,画像を荒. 10. 図7 児童生徒の画像と処理の有無. くしたり,サイズを小さくして個人を断. 定しにくくしている学校は9校であった。画像を処理していない学校もWebページ上の表示 では小さいサイズであり,画像のみを表示しないとわかりにくいものになっていた。. 6. アクセス解析 L校の4月から8月までのアクセス数は,のべ3,951件あり,一日平均25.82件のアクセス アクセス数 月の平均 アクセス数平均. 100 80 60 40 20 0. 8/31. 8/27. 8/23. 8/19. 8/15. 8/11. 8/7. 8/3. 7/30. 7/26. 7/22. 7/18. 7/14. 7/10. 7/6. 7/2. 6/28. 6/24. 6/20. 6/16. 6/12. 6/8. 6/4. 5/31. 5/27. 5/23. 5/19. 5/15. 5/11. 5/7. 5/3. 4/29. 4/25. 4/21. 4/17. 4/13. 4/9. 4/5. 4/1. 図8 L校のアクセス数推移. があった。月別平均で見ると,7月の32.1件が最も多く,逆に4月は19.0件と最も少なかっ た。 ページを訪問したユーザーの接続元では,民間 のプロバイダが53.6%と最も多く,公立の教育機 関が5.9%,所属する大学以外の大学が3.0%,政府 機関の9.0%となっている。L校内のアクセスは244 件(8.9%)となっていた。. 表2 使用した検索エンジン 検 索 エ ン ジ ン アクセス数 割 合 Yahoo! 72 86.7 % MSN 5 6.0 % Google 5 6.0 % goo 1 1.2 %. Ⅳ. 考察. 1. 教育の情報化の視点から. 表2 L 校への接続元 接続元 アクセス数 L 校内 244 所属元 463 民間プロバイダ 1462 教育機関(ed.jp) 162 大学(ac.jp) 81 県・市町村 60 政府機関(go.jp) 9 その他 244 判別不能 3. 割合 8.9% 17.0% 53.6% 5.9% 3.0% 2.2% 0.3% 8.9% 0.1%. ユーザーがどの検索エンジンを使ってL校のWeb ページを訪問したのかは,表2のようになっている。 Yahoo!が86.7%と最も多く,MSNやGoogleは10%に も満たない 。gooに至っては1ポイントのみだった。. 教育の情報化の施策に伴い,県立の学校ではインターネット環境が整備され,教職員一 人一人にパソコンやメールアドレスが割り振られており,全ての学校でWebページを開設 - 138 -.

(6) していた。平成17年度における公立学校の教育の情報化の実態調査(中間調査)7)による と,Y県の特殊教育諸学校11校の教員数は543人で,そのうちコンピュータを操作できる教 員は539人(99.3%),コンピュータを使って教科指導等できる教員数443人(81.6%)で全 国平均の操作できる教員の割合94.2%,指導できる教員の割合65.5%を大きく上回ってい る。環境整備が進むことによって,Webページを開設したり,コンピュータを使って教科 指導等できる教員が増えていっていることがうかがえる。 ただ,学校によっては昨年度からWebページが更新されていないものもあり,十分に環 境を活かしきれていないところもある。Webページ作成用のソフトも多数発売され,教育 センターでも研修会を行っているが,容易に作れるものではないのかもしれない。また, 業務の多忙化に伴い,Webページの更新に時間を割けないのも現状である。 児童生徒の情報発信の場としてWebページが利用されていた時期もあったが,現在は1校 で卒業生が撮影した風景の画像を載せているだけであった。生徒の作品を紹介しているWe bページは,タイトルのみでリンク切れになっていた。児童生徒の情報活用能力の育成に おける情報の発信という視点では,現在はその役割を他の場に移していると考えられる。. 2.開かれた学校の視点から 学校の住所や電話番号のみならず,メールアドレスや学校の概要に関してのWebページ が12の学校全てにあった。また地図や教育目標を載せている学校も11校と多い数値であっ た。続いて校長あいさつ,沿革,各学部の案内も3分の2の学校でページがあった。これら の項目は,学校要覧でも載せている項目でもあり,それらのデータを元にWebページを作 成していることが想像できる。 学習の様子や行事の様子を扱った内容では,学部の教育目標や教育課程などを紹介する Webページはあるものの(9校 ),学習の様子は4校のみと少なくなっている。学習の様子 を扱っていくと頻繁に更新する必要が出てきたり,児童生徒の個人情報の観点などの理由 から学習の様子を取り扱ったものが少ないことが想像される。 平成15年施行の個人情報の保護に関する法律で,個人情報の適切な保護が定められ,We bページで取り扱う児童生徒の画像についても,配慮がなされていた。Webページに掲載す る際に同意を求めることは当然として,扱う画像は,横顔や下を向いたものだったり,リ サイズされ,拡大してもわかりにくいものであった。また,正面を向いた画像は顔にぼか しを入れるなどの処理を行っていた。本来の児童生徒の生き生きとした表情で活動の様子 を伝えることはできなくなったが,各校ごとに画像を工夫しながら,紹介している印象だ った。 情報の提供という観点に立つと,トップページにお知らせや更新情報を載せているのは お知らせ58.3%,更新情報66.7%となっており,多くの学校で新着情報やトピックスを知ら せようという傾向にあることがうかがえる。また,日常的に必要に応じてWebページの更新も 行われている学校が多いことわかる。. - 139 -.

(7) 3.教育相談の観点から 教育相談のWebページを設けている学校は11校と多い数値であった。教育相談の広報の 一つとしてWebページが利用されていることがわかる。また,特別支援教育の広報誌をWeb ページに載せている学校も5校あった。自作の教材教具を紹介している学校が2校,障害種 に応じた図書館や情報機器を紹介しているWebページもあった。また,研修会等の情報を 掲載しているWebページも4校で見られた。今後の特別支援教育の在り方でも述べられてい る研修会等の企画や支援を通じた指導上の知識や技能の普及をWebページ上で具現化した 取り組みである。今後,教育相談や特別支援教育のセンター校的な役割が進むほど,Web ページでの取り扱いも大きくなることが想像される。 教育相談の担当者の経歴や個人のメールアドレスを載せている学校が1校のみだがあっ た。このページは教員の個人情報の観点から疑問を感じ,内容に違和感を感じた。申請さ えすれば専用のアドレス(6校)を持つことができる状況なので,学校として教育相談用 のアドレスを持つべきではなかろうか。また,教育相談は個人として対応しているわけで はなく,学校として行っているものであるので,経歴等を紹介する必要があるとは考えに くい。Webページの目的やページ構成を再考する必要があるのではなかろうか。. 4.特徴的なWebページ 各校の障害種に応じた取り組みとして,A学校は通常ページのほかに,テキストだけのWeb ページがある学校があった。テキストだけのWebページは音声読み上げソフトでの利用が 容易で,また,バックとのコントラストがはっきりしているために,視覚障害に対応した Webページである。Webページを閲覧する人に配慮したアクセシビリティに配慮したWebペ ージであるといえる。 I学校は,学校だよりをhtml化していた。多くの学校ではPDF化しているが,I校の場合 はPDFリーダソフトを立ち上げることなく,Webページを閲覧できる。学校だよりのレイア ウトは崩れてしまったり,Webページを作る手間はかかるが,読みやすさに配慮したつく りであった。 K学校では,パスワードで保護されたWebページで生徒の活動場面の動画や学校だよりを 公開していた。パスワードで保護することによって,不特定多数を対象にしたWebページ から,閲覧者を限定した内容にすることが出来ると考えられる。個人情報の保護と生き生 きとした活動を保護者などの見てもらいたいという願いの両方をかなえた形といってよい だろう。. 5.アクセス解析 4月から8月までのアクセス数の月ごとの平均では,7月が最も多かったが,この時期は 夏季休業中の研修会や学習会について,Webページで取り上げたり,児童生徒の募集要項 を掲載した時期である。また,研修会の開催日間近にもアクセス数は伸びている。アクセ - 140 -.

(8) ス解析がトップページのみなので,どのページを閲覧したのかわからないが,一日に25件 以上のアクセスがあることを踏まえて,Webページ作りや,情報提供を行っていく必要が ある。L校への接続元では,民間のプロバイダを使ってアクセスしているユーザが53.6%と 最も多くなっていた。その中でもnns.ne.jpが最も多く,278件であった。nns.ne.jpはY県 内のCATV回線を利用したプロバイダであり,県内のみからのアクセスである。また,接続 元プロバイダから確定できるY県やY県内の市町村・県立学校などの県内からのアクセスの 合計数は177件となっており,nns.ne.jpを含めて県内のアクセス数が最低でも445件ある ことになる。これは総アクセスからL校や所属元のアクセスをのぞいた他機関からのアク セスの22.5%だった。これ以外にも民間プロバイダから,Y県内から多くのアクセスがあ ると想像でき,地域にむけた情報発信が重要であるといえる。 どのような検索エンジンを利用したかについては,Yahoo!が最も多い。Webページの広 報の際に参考にしていきたい。. Ⅴ. おわりに. 2年前に全国の知的障害養護学校のWebページを調査した結果と比べて,Y県内の特殊教 育諸学校では,特に教育相談の項目で大きな変化が見られた。特殊教育から特別支援教育 へ転換し,センター校的な機能に各校が取り組んでいることがWebページからも想像でき る。 各校のWebページを閲覧して,今回特に項目をもうけなかったが,Webアクセシビリティ への配慮という点では,まだまだ改善しなければならない問題がある。指導的な立場にあ る総合教育センターのWebページでさえ,画像に代替テキストを用意していなかったり, 背景と文字の色,Webページごとに異なるレイアウトだったりとアクセシビリティに十分 配慮したページになっているとは言い難い。 今後はWebページの内容とともにアクセシビリティに配慮し,充実したWebページ作りを 目指していきたい。. 註:木村則夫(2005)知的障害者を教育する養護学校のWeb頁に関する研究.山梨大学大学院教育学研 究科(修士課程)学位論文.. 参考文献 1) バーチャル・エージェンシー「教育の情報化プロジェクト」報告. 1999. http://www.. mext.go.jp/b_menu/houdou/11/12/991210b.htm 2) ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について. 1999. http://. www.kantei.go.jp/jp/mille/index.html 3) 今後の地方教育行政の在り方について(中央教育審議会 答申) - 141 -. 1998. http://www..

(9) mext.go.jp/b_menu/shingi/12/chuuou/toushin/980901.htm 4) 今後の特別支援教育の在り方について(最終報告). 2003. http://www.mext.go.jp/. b_menu/shingi/chousa/shotou/018/toushin/030301.htm 5) GetHTMLW. http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se077067.html. 6) アクセス解析. http://analyze.www.infoseek.co.jp/. 7) 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果 2005 http://www.mext.go.jp/ b_menu/houdou/18/07/06072407.htm. - 142 -.

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